魔法瓶   作:春の雪舞い散る

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ロケスタートです


ロケーション

 

 

 

 朝になり、四人分の朝飯と弁当を用意してたらその量に唖然とする月花さんと無花果さんの顔を見て

 

 「 あはは… あの連中じゃないからこんなに量要らないんだったね? 」

 

 そう言って苦笑いしたらガイドの男が現れて

 

 「 そうでも有りませんよ? 今日の撮影現場は付近に食べる店も売っている店も有りませんが… 」

 

 そう言って月花さんを見ると、月花さんも頷いて

 

 「 そんな現場にもかかわらず一人や二人は弁当を忘れるスタッフがいるものなんですよ、特にロケ弁に慣れている人程ね… 」

 

 そう言って苦笑いする月花さん

 

 取り敢えず、三人に朝食を食べてもらいボクもコーンフレークにイチゴ味の牛乳を掛けたのとスクランブルエッグを食べたんだ

 

 当然ながら、朝ごはんも沢山余っちゃったから重箱に詰めて持って行く事にしたんだ

 

 確かに撮影現場付近に何も無かった…

 

 車を止めた駐車場から、約二時間掛けて歩いた牧場なんだからさ

 

現場では思いがけない人と再会した… 沙羅さんだ

 

 「 こんなに早く再会するとはな… しかし、相変わらず顔色が悪いが睡眠と食事の方はきちんと摂っているのか? 」

 

 そう聞かれて

 

 「 勿論必要な分はちゃんとねっ♪ 」

 

 笑って答えるボクの後ろで苦笑いを浮かべ

 

 「 全然 」

 

 と、言うように手を横に降る三人

 

 撮影クルーは、メインのカメラマンとアシスタントの女性が三人に… その他雑用兼男性モデルスタッフが三人と沙羅さんの総勢八人でボク達を合わせて11人居る事になる

 

 それぞれに自己紹介をして最後に

 

 「 氷華です… モデルのお仕事生まれて始めてだから何も知りませんので宜しくお願いします

 

 それとボクが作ったので、善ければ作りすぎちゃたからお弁当食べて下さい 」

 

 そう言ったら沙羅さんが

 

 「 そのバスケット五個分がもしかして弁当なのか? 」

そう聞いてきたから

 

 「 そうだよ、今パーティーを組んで一緒に冒険する三人が凄い大食い揃いでついうっかりその感覚で朝ごはんとお弁当作っちゃったんだ 」

 

 そう言って

 

 「 ドカベン四個とサンドイッチや唐揚げに玉子焼き、ソーセージに焼きそばを保冷バックに入ったサラダやデザートなんかを出してっ… と

 

 それにスープ作るための食材も持って来てるから嵩張っちゃってね 」

 

 そう言いながら内容物を見せたら、カメラマンがガイドの男を呼んで何やら良からぬ事を企んでるっぽい

 

 そう思ったのは正解で、四人の相手役にお弁当を手渡すシーンを早速やらされた

幸いとゆーべきか弁当箱は四個とも形も中身も一緒じゃないから平気と言えば平気なんだけどさ…

 

 イヤ、そーゆー問題じゃなくって

 

 「 なんでアンタ等にまでしなきゃいけないんですかっ! 」

 

 マジ有り得ないから思わずそう叫んだんだけど言い訳が又笑える位にめちゃめちゃ苦しくってさ…

 

 「 私自ら、演技指導せねばならんだろう? 」

 

 「 私も自ら経験して、上の者に報告しなければいけませんから…」

 

 とかなんとか、いい加減な事言われてアシさん達も苦笑いしてるにも関わらず

 

 「 四人は膝枕じゃなかったし、演技指導なら一番最初じゃなきゃ意味無いでしょ?

 

 それに、ボクの膝枕であーんで食べさせて何の報告するのさ? 」

 

 そう言って指摘してやったけど

 「 その様な些細な事は私達に任せていれば良いんだっ♪ 」

 

 だってさ…

 

 ( マジウザいんですけどぉーっ )

 

 そうブツブツ文句言ってたらカメラマンが

 

 「 温か草の種、手に入れましたから… 」

 

 って思いっきし外してるし…

 

 「 耐寒性が強く暑さに弱いボクが飲むと身体が温まる薬草の温か草の種貰ってどうするの?

 

 レア度も低いし、味に難のある扱い難い素材なんだけど? 」

 

 ってカメラマンに言ったら

 

 「 カカオ草の苗手に入れましたから如何です? 」

 

 こちらもはっきし言ってレア度も低いし栽培は簡単だけど精製がはっきし言って超面倒臭いそれはインスタントのココア買った方が早いんだよね

 

 抽出の仕方は至ってシンプルですが、乾燥ココア草1㎏を10Lの水でとことん煮詰めるだけ

 

 ココア草と煮詰めた煮汁が、同量になったらココア草は取り出し後は100㏄位になるまで煮込めばココアそっくりになる…

 

 と、ゆー訳だからはっきり言って一般的に不人気なんだけど…

 

 カカオンってゆー種類の野牛に、その煮詰めたカカオ草を食べさせると出ココア好きの師匠直伝の裏技で煮詰めて出し殻のココア草をしっかり乾かし

 

 それを、お香ポット何かで燃やせばココアの香りのお香になりその灰をカカオ草に肥料として与えれば…

 

 次の代のカカオ草は、強化種となって最初に10L必要だったのが5Lの水で済み同じ事繰り返したら更に半分になるんだけどはっきり言ってそこまで時間と手間暇掛けたのは僕の師匠位のもの…

 

 研究熱心とゆーか、暇人とゆーべきかどっちだろね?

 

 つかそんだけ暇なら、なんで僕の指導してくれなかったんだよっ!

 

 って言って、今でも恨んでるけどね

 

 更にアイツだけが知る秘密、男の娘キャラを引き受ける代償のひとつに濃縮限界64灰と幻と言われるカカオナッツの持ち込みを条件に出したんだ

 

 カカオナッツ、又の名を元気真似と呼ばれるレアアイテムで… 超レアアイテムの元気豆の模造品とも言われてる

 

 模造品… と、いってもボク程度ならココア味の煎じ薬を小匙一杯でフル回復するだろうけどたぶん太位なら100cc飲まなきゃ全快しないと思うし…

 副作用とゆーか、効果の持続力ないと言うかはわからないんだけど次の消耗が激しいのが元気真似と呼ばれる所以

 

 ホントに回復する訳じゃ無いけど、ボクみたく体力の少ない者には大差無いから元気真似でも十分なんだよね

 

 まぁ、そんな訳で手を打たないと面倒になりそうだから

 

 「 仕方無いなぁ~っ、ココア好きのボクにそれくれたら何も言えないじゃん? 」

 

 笑らいながらそー言って済ませた

 

 そしたらチョーシに乗ってボクに花摘させたり、花冠造らせたりレイを造らせたりとか迄ならまだわかる…

 

 「 ボクの膝枕で眠りこけてるよ、こいつ… 放り投げても良い? 」

って言ったら声を揃えて

 

 「 羨ましい… 」

 

 って… 何がさ?

 

 そんな馬鹿やってたら夕暮れ近い時間になっちやたからそんな険しい山道でも無いけど毒蛇が居るからって無人の露天風呂付きのコテージが在るって…

 

 明らかに確信犯だよね? 何が目的かは知らないけどさ

 

 仕方無いから大人しくて案内されて連れてかれたらすぐにコテージに着き僕は一番大きい棟は良いんだけど…

 

 明日菜さん、無花果さん、神流さん、月花さん、椎名さん、ボクが同じ棟

 

 ガイドの男、メインカメラマンがVIP棟で残りのスタッフって部屋割り

 

 幸か不幸なんだかわかんないけど、現在女子化の真っ最中だから全く問題なし?

 

 つか何か知んないけど、別にこれくらい言ってくれたら逆にこっちだたってそれなりの準備するのにさ… 全く

 

 焼き手に回ろーとしたら

 

 「 こーゆーのは男の役目ですよお姫様っ♪ 」

そう言ってボクが取ろうとしたトングの変わりに手皿と箸を渡されムッとしてたら

 

 「 拗ねた顔も可愛いですねっ♪ 」

 

 そう言われてますます不機嫌なボクがミルクココアのスムージーを渡されて機嫌が直ってるってもしかしくてもチョロイン?

 

 ( まぁしょうがないから、他のできる事をやるっきゃやないか )

 

 そう考えカメラマンとガイドの男の酌をしたら

 

 「 四人にも頼む 」

 

 そう言って、夜の撮影になっちゃったよ…

 

 夕食後が一段落つき、ボクがツマミをチャチャっと用意して飲み会は続き朝ごはんとお弁当の下拵えをして~身体を休める事にした

 

 

 

 

 

 

 

 

 朝っぱらからキツい冗談言ってくれちゃてさ…

 

  「頬っぺたで良いからおはようのキスをっ! 」

 

 って…いきなり沙羅さんに唇奪われちゃたじゃんかっ!?しかもめっちゃヘビーな奴をさ

 

 「 は、初めてなのにムードゼロじゃんかよっ!? 」

 

 って思わず叫んじゃったよ

 

 しかも沙羅さん一人じゃ済まなくて10人全員にキスされたんだ

 

 恥ずかしさで頭に血が上って途中から記憶無い…

 

 気付いたら女の子になってた… 未だ朝なのに何で?

 

 っておいおい、そーゆー問題じゃ無いだろ? 一人ボケ突っ込みしてる場合じゃないけどね…

 

 「 お前か、お前がボクに何かしやがったのかよ? 」

思わずそう叫んでガイドの男の胸ぐら掴んだら

 

 「 わ、私がそんな事する訳無いじゃないですかっ!

男の娘の貴女が好きなのに… 」

 

 そう改めて言われるとひくものがあるけど妙な説得力はある

 

 ( それは確かにこのショタならそう言えるかも… )

 

 って考えてたら

 「ひ、氷華様っ!マジックタブレットが…迷宮内でなければ起動しない筈のタブレットが…」

 

 そう言われて急いでタブレットをチェックしたら特殊能力中に性別チェンジってある…

 

 「あ、あのさ…これは一体なんの冗談なのかな?ちゃんと納得出来る説明して欲しいんだけどなっ♪」

 

 ボクはひきつる笑顔で胸ぐらを掴んだままそう聞いたら

 

 「 こ、これは…噂には聞いた事は有りますが… 私の管轄外、私には未だ扱えぬ領域の力です…」

 

 いつもの飄々とした表情が消え失せ自信なさげにそう言われちゃそれ以上何も言えないから

 

 「 じゃあ撮影… どうすんのさ? こんな身体じゃ続行不可能じゃないの? 」

そう言ってやったら

「 特殊メイクとか言い訳はいくらでも出来ますから続行しましょう… 」

そう言われてヤな顔をしたら

「 今日は森を中心に撮影しますが貴女が好みそうな森の恵みが一杯有りますよ 」

そう言われて一気にテンションが上がったボクは浮かれ気分で撮影現場に向かうことにしたんだ

ドラマのロケでも良く使われてるらしい森の清々しい空気を胸一杯に吸い込んで足取りも軽い

木苺や葡萄っぽい草の実が至る所に実ってるのを鼻唄混じりに採取するボクをカメラをもって追いかけ回す一同…

なんだけど美味しい草の実にすっかり浮かれてるボクには一切苦になら無いしリクエストであーんしたりされたりもいやとは言わずにこなした

そして… ついに見付けたんだよね… コケモモの一種でウィッチベリーって呼ばれる木の実をね…

栄養価は高いのにかなり特殊な技術と膨大な手間隙が必要なこの実をたべるものはない

そう、カカオ草なんか比じゃない手間暇が掛かる実に比べ葉については煎じ薬の素材として良く知られてるけど実の方はね

魔力の強化、回復効果も在ると噂されてるんだけど実際はどうだか殆ど知られてないのが現状だったるする

ただ、この森もそうであるように他の食料が充実している中でわざわざこの実を食べる必要ないから誰にも見向きもされない

一部の者達以外は… 薬師や魔女と呼ばれる者達以外はだけどボクはそれを扱えるその極一部の者でボクはアイツにー これが欲しいー

そう目で訴えたらその夜こっそり持っ

 

 

 そして、女神の巫女達も招かれた晩餐会の賑やかなその会場に内にあって唯一人浮かない顔をしている私

 

 少し前にも公女に注意されたばかりだけど、気にするなと言われたからと言われてハイそうですかとはとてもじゃあ無いけど言えない…

 

 不安は的中して、やっぱりみこはかなりの無茶をしていた

 

 ただ… 今はみこの状態を教えて貰えない為それをきちんと教えて欲しかった

 

 そんな私の前に、美月のスタッフの一人のユウが現れた

 

 「 確か… 貴女はユカさんと共に、みこの捜索隊に同行していた筈…

 

 そう… そう言う事なんですね… みこの怪我そんなに酷いんだ… 祭典前の私に伏せておかなきゃいけない程に…」

 

 私に真っ直ぐに見詰められたユウは溜め息を吐いて

 

 「 傷そのものはもう殆ど塞がってるようでしたが…

右目を失い身体中のいたる所に魔獣達の爪痕が…

 

 あの長く美しかった黒髪も、ザンバラに短く刈られてました…

 それが私の見た命様のご様子です

 

 但し真琴様…貴女に真実を伏せ様に指示したのは凍夜様の判断ですから命様を叱らないでやって下さい」

 

 私を心配そうに見詰めるユウの様子を見て、私は溜め息を吐き

 

 「 みこに連絡する、なんて発想は有りませんからその事については何も言いませんと、言うか言っても仕方有りませんから… 」

 

 私の顔を見たユウが

 

 「 切ない、ですね… 貴女がこんなにも心配してるのに… 私も今回命様の声を聞いてません…

 

 あの方はただただ、踊り続けるのみでしたからね 」

 

 私は首を横に振り

 

 「 みこが何かに集中し始めると、その事以外は意識から全て排除してしまうから…

 

 もう少し、私達が心配してる事に気付いて欲しいものですが… 」

 

 私達の会話に、溜め息を吐きながら近付いてきた王妃は

 

 「 今は風歌だけでなくあの娘に恋する二人のナイトも守って居るのだから3人を信じなさい

 

 それよりも、今の私には貴女達の為のパーティーを楽しんでいない事の方が問題です 」

 

 と、言って公女と二人で如月様を睨んでいた

 

 「 さぁ、真琴… 踊る気分にはならないだろうから飲物を持って夜風に当たりに行かないか?

 

 ここは少しばかり暑すぎるからね… 」

 

 二人に睨まれる如月様は居心地悪そうにして、私にそう囁いた

 

 でも… 確かに今の私には踊りたい気分でも、この場の雰囲気に馴染む気分でも無かった

 

 だから私は余り冷たくないお水の入ったグラスを貰い如月様はアルコールの弱いカクテルを持ってテラスへ出た

 

 月明かりの下、溜め息を吐く如月様は私を見詰めながら

 

 「女神の依り代か… 君が遠くに行ってしまった気がするよ…」

 

 と、そう言って持っていたグラスを一気に空けてしまったのを見て如月様がお酒に弱いことを知っている私は心配して

 

 「 如月様… 私はここに… 貴方の直ぐ側に居ますから… その様な無茶な飲み方は身体に宜しく有りませんからお止めくださいませんか? 」

 

 と、言って彼の手を握り目を見詰めたけど如月様は

 

 「 そう、確かに君のうつしみは僕の手の届く所に居る…

 

 だが… 君の霊 ( たましい ) は… 女神様の元に行ってしまった… 」

 

 その如月様の愚痴を、いつの間にか私達の側に来た公女は呆れ顔で

 

 「 ならばその様にグチグチ言ってないで貴方も高まれば良いだけの事です… 私達にも司祭の里の血は流れてますから不可能では有りませんっ! 」

 

 少し苛立ち気味にそう言って、如月様の背中を叩いた公女は心強いのだけど…

 

 久し振りに如月様との二人きりの時を邪魔された私はふてくされ二人に背を向けたがそんな私に公女は

 

 「( 凍夜から )伝令が来ましたが聞かなくても良いのですか? 」

 

 と、痛い所を突かれ

 

 「 如月様ごめんなさい、みこの事が気になりますから一旦中に戻ります… 」

 

 そう告げて、渋々戻ることにした

 

 私は気付かなかったけど、再び背中を叩かれた如月様は私に寄り添う様に中へと戻っていった

 

 私達がパーティー会場内に戻ると伝令の使者が丁度入って来たところだった

 

 使者は国王と王妃に一礼し

 

 「我が主凍夜様からの伝令です」

 

 と前置きをし

 

 「 今夜は交替で舞姫様をお守りし… 明日の早朝、舞姫様と騎士風歌及び舞姫様の世話係りとして美月のスタッフのユカ3名

 

 二個小隊を護衛に付け、湯治場に風歌殿が案内するとの事で……これは歌の女神様の勧めであるとも聞いております」

 

 一礼し下がろうする使者に

 

 「 承知しましたが、貴方はこれからどうするのですか?」

 

 との王妃の問いに対して

 

 「 明日本隊を率いて帰還する主人を出迎える支度をしに屋敷に戻りますので、これにて失礼致します」

 

 そう言って退出していった

 

使者の後ろ姿を見送った王妃が私の方に向き直り

 

 「 真琴… 貴女はどうしますか? 」

 

 そう聞いてきたけど

 

 「 寂しいけど、ちゃんと護衛の方達が付いているのですから帰って来るのを待つしかないのではありませんか?」

 

 私はそう答えたが王妃は私に

 

 「 貴女も祭典お疲れ様の意味で、命の行くであろう湯治場に行きませんかと聞いているのですよ?」

 

 その思いもよらない話に、どう返事すれば良いのか解らずに居る私に代わり公女が

 

 「 ユウを世話係りに付け… 巫女の皆様はどうしますか?」

 

 と、3人を見ると3人は顔を見合せ

 

 「 私は明日から畑仕事の手伝いが… 」

 

と、葵が言えば

 

 「 私も未だ見習い中の身ですから、そのような贅沢をしては… 」

 

 と、碧も言い

 

 「 私はそろそろ留学先に戻る支度をせねばなりませんから… 」

 

 と、3人とも断ろうとしたが公女は

 

 「わかりました、私が都合を着けたら真琴について行ってくれますね? 」

 

 と、言われて困惑した3人に私は

 

 「 そんな事いきなり言われても困りますよね? 観月様は押しが強いからはっきりお断りしないと押し切られますよ? 」

 

 と、言ったけど公女は全く気にする風でもなく

 

 「 王家から女神の巫女達への正式な依頼であってもですか? 」

 

 再び顔を見合せ代表して碧が口を開いた

 

「 それはどう言う意味なのでしょうか? 」

 

 と、訪ねると公女は

 

 「 休養と貴女達の女神の依り代と巫女のお披露目をしてはどうかと思ったのですが… 」

 

 と、言って顔を曇らせたが

 

 「 そう言う事ならお引き受けします、兄弟達が畑仕事を手伝いしてる中遊びに行くのは心苦しいと思いお断りしようと思いましたから… 」

 

 と、葵が言えば碧も

 

「私も巫女としての務めを果たすのであれば女神様の御心に叶う事、是非とも真琴様のお供を致したいです 」

 

 と、答え

 

 「 間違っていたらごめんなさい、もしかして貴女の留学先って美月では有りませんか? 」

 

 と、話し掛けたのはユウで茜はその声の主の顔を改めて見て少し驚いた様に

 

 「 貴女はもしかして美月のデザイナーのユウ様? 」

と上擦る声で聞いてみた

 

 「 ユウ様と呼ばれる程の者では有りませんが… 確かに美月でデザインのを仕事をしてますし貴女を研修室に居るところを見掛けたのを思い出しました 」

と言うユウの言葉に公女は言った

 

 「 やはりそうでしたか… 私も何処かで会ったような気はしていたのですが… 」

ユウは首を横に振り

 

 「 仕方有りません、二年前にワイマール前男爵婦人が観月様の世話役を隠居なされて…

 

 ようやく落ち着きを取り戻したばかりなのですから…

 

 もし真琴様と命様の訪れがもう少し早ければもしかしたら今年も祭典には欠席してたのかもしれないのですからね 」

 

 そう言われて深い溜め息を吐いた公女

 「 確かに… いつもいつも口煩いと思ってましたが彼女一人いないだけで暫くは何事も遅々として捗りませんでしたからね 」

 

 ユウは小さく頷き

 

 「 私やユカ、ユイだけでは人手が足りずに観月様自らも走り回って指揮せねばなりませんでしたから… ところで茜さん… 貴女の専門は? 」

 

 いきなりの問い掛けに戸惑う茜は

 

 「 私が作りたいのはユウ様の作られる様な…

 

 今観月様や王妃様がお召しになっているドレスはユウ様のデザインなされた物ですよね?

 

 私もそんなドレスを作れる様になりたいのです 」

 

 そう答える茜に

 

 「 ならば、今日よりユウは女神様の依り代になった真琴の専属を務めて貰います

 

 ですから貴女は、真琴に同行すると共にユウにデザイナーの弟子入りしては如何ですか? 」

虚を突かれて驚く茜

 

 「 ですがそれではユウ様の負担ばかりが増えてしまいますが?/」

 

 と、困惑の表情で言う茜に

 

 「 それなら心配要りませんよ? 観月様、もし差し支えなければユウ様のお手伝いを私にさせて頂けませんか? 」

 

 そう言いながら私を見て

 

「 真琴様のお世話をお手伝いさせて頂きたいのですが宜しいでしょうか? 真琴様… 」

 

 と、聞いてきた

 

 「 それなら私も真琴様にお仕えしたいし… 美月のスタッフであるユウ様から学ぶ事は沢山有りますからもし宜しければ色々とご指導お願い出来ないでしょうか? 」

 

 と、二人で茜に微笑み掛けたので

 

 「 それなら私も女神様の依り代になられた真琴様にお仕えするのは女神様の希望でもありますからファッションだけでなく色々な事を学びたいです 」

 

 微笑みながら公女は

 

 「 ユウ… 巫女達を事は任せましたよ、宜しいですね? 」

 

 公女にそう言われて頷き

 

 「 後輩を導くのも務めだと、そう美月で教わった事ですからお任せ下さい 」

 

 ( 後輩… )

 

 「 私達は教え子ではなく、後輩で宜しいのでしょうか? 」

 

 と、碧が三人を代表して聞くと

 

 「 私達も未々未熟者なのですから、貴女達に教えながら改めて勉強し直す機会と捉えますからね

 

 しっかりついて来なさい、宜しいですね?」

 

「はいっ!」

 

 と、力強い返事と共に頷く三人に

 

 「 あのぉ~、私にお仕えしたいしって私は王侯貴族の者では無いのですが… 」

 

 と、言っても気にするどころかかえって王妃に

 

 「 神に選ばれし女神の依り代になられた貴女の方が尊存在なのですよ?」

 

 そう言われたところで理解私は

 

 「 そのような事をいきなり言われても納得出来ませんっ! 」

 

 と語気を荒げたが王妃は

 

 「 貴女が納得出来ようが出来まいがそんな事は関係有りません

 

 それが事実であり真実なのですから貴女は受け入れるべきなのです 」

 

 そう言われて「 はい 」 とは言えない私は頑固者なのだろうか?

 

 でも、無理なモノは無理で理屈なんかじゃ無いと思うのだけど…

 

 が…、そんな私の気持ちは置き去りにされて皆の話し合いは進んでいった

て来てくれたボクは大抵のリクエストには答えていた

 

 翌日の朝には元の男に戻り、一週間のロケも無事に終わってボクと月花さんと無花果さんに沙羅さんはオートキャンプ場にオフィストラックを止めておき

 

 沙羅さんの車で、p麓の街に買い出しに行く事になり…

 

 月花さんは無花果さんを連れて、次の撮影用の小道具類やメイク用品の買い付けに行き

 

 ボクと沙羅さんは、食料品とジャムや木の実酒、漬け物を仕舞う容器やホワイトリカー何かの買い出しに行ったんだけど…

 

 「 何か妙な視線を感じるんだけど… 」

 

 小声で話すボクに

 

 「 どうやらお前の事をチラチラ見てるようだぞ ?」

 

 そう言われて

 

 「 ふんっ… 無名のボクを見てる? ってそんなつまらない冗談じゃ、誰一人として笑えやしないよ? 沙羅さん… 」

そう言って買い物続行

 

 「 次の撮影現場ってここから遠いの? 」

そう聞いたら

 

 「撮影期間は配達を頼むかスタッフの誰かが買い出しに行くかだな… 」

 

 そう言われて、他にも薬草の類いも色々有って上機嫌の

 

 「 それじゃあ… 」

 

 そう言って、シリアルやフルーツグラノーラ、ココアやダイエットコーラにチョコクッキーを篭に入れ

 

 「 今日は生鮮食料品を今日要る分だけにして冷凍肉や魚を中心に買う事にした 」

 

 そう言って二人してレジに並んでると

 

 「 ぶっ! 」

 

 レジ横の雑誌の棚に平積みされた女性誌の表紙を見て思わず吹き出しちゃったんだ

 

 「 選ばれし薬師の氷華嬢の幻の写真集増刷決定っ! 」

 

 等と言う活字が躍り、ムームー着たボクの写真が表紙を飾っている

 

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