与太話
その参『天罰と超能力』
神は存在するか?
超能力はあるのか?
古今東西、言い方は悪いが金儲けの手段によく使われるのがこの二つだろう。
宗教は人類が滅亡しない限り滅びない、と言われるし、超能力については頼みもしないのに自称者が絶える事は無い。
当然それら関連の雑誌なども永遠不滅。
俺の友人のお袋さんは、血が綺麗になるという触れ込みで神秘の水晶玉(ガラス玉)を十万円で買わされたしな。
実に良い金儲けだろう。
さて、かく言う俺は……実はどっちも信じてる。
いや、信じる・信じないのレベルでは無い。
体験したのだ。
そこ、嘘くさいと思っただろう。
だがな、人間は『痛い目』に遭ったり『実益』を伴うと信じる物なんだよ。
まず、痛い目の方だ。
当時高校一年生だった俺は、自転車通学で高校へ通っていた。
片道14km。山二つ越え。
いや、ホント冗談じゃ無い毎日だったが、おかげで体だけは鍛えられた。
両手放しで片手に紙パックのコーヒー牛乳を持ち、片手に焼きそばパンを持ち、食べながら両手放しで山を越えたり出来るようになったからな。
話を戻そう。
その日の朝、俺はいつも通り自転車で通学中……催してしまって、恐れ多くも畏くも途中にある神社の、賽銭箱の直ぐ横の柱にションベンをぶっかけて行った。
いや、その時は実にすっきりした。
もっとも、件の天罰は直ぐさまやってきたが。
学校について三十分もしないうちに一時間目が始まり、その日は体育でメニューはサッカーだった。
そして俺は、グラウンドで走ってる最中、こぶし大の石を見事に踏んでスッ転んだのである。
覆いっきり足首をひねった俺は左足の靱帯を断裂。
その惨さは、駆けつけてきた教師が一目見ただけで即救急車を呼んだレベルだ。
おかげで俺は一ヶ月以上病院で入院生活を送る羽目になった。手術なんて人生初体験さ。
で、だ。
教師は救急車を呼ぶ傍ら、俺からでっかい石ころが転がっていて危ないと言われ、搬送後直ぐにクラス全員を使って石拾いローラー作戦を決行したのだが……
グラウンドには石なんて転がっていなかったのである。
俺は、面会に来た体育教師にそのことを言われ、それから今に至るまで、神社にだけは気をつけている。
ツーリングが好きなのだが、道中見つけた場合、都合の赦す限りお参りも忘れない。
ショバ代だよ、ショバ代。
さて超能力の方だ。
俺には中学からの友人が何人か居るのだが、そのうちの一人にあだ名がメカドックと言うヤツがいる。
別に走り屋志望でもレーサー志望でもメカニックな訳でも無い。
某アニメ、ヨロシク~のOPがソイツのちょっとしたエピソードのネタになって以来、あだ名がメカドックになっただけだ。
で、コイツは、出会った頃から無愛想で殆ど喋らず、顔がPCエンジン版のイ○ス1,2に出てきたダルク・○ァクトそっくりと変なところでネタポジションなヤツなのだが、異常に勘だけは鋭かった。
俺たちは中学から既に麻雀三昧というクソガキだったが、こいつが故意以外で振ったところは見た事が無い。
それだけなら読みが良いのだろうと思うだけだが、どんなにピーカンの天気でも、コイツが傘を持ってきたら要注意だった。
天気予報で降水確率0%だろうと、解散時間になると必ず雨が降る。折りたたみなら用意が良いで済むが、コイツは必ず大きめの傘を持って来やがった。
まあ、ぶっちゃけ便利の良いやつだ。
そして、その日も実にソイツらしい事があった。
ある日、俺はツレの家でテレビから流れてきたとある曲をすごく気に入った。
後で知ったのだが、RAZZ MA TAZZってバンドのMerry-Go-Roundと言う曲だった。
しかし、当時……俺は実にヲタクでアニメ好き。
昔なじみで常連と言われるおもちゃ屋があり、究極超人あ~るにはまってイベントに行ったり、3x3EYESに夢中になり、林原めぐみのハーフアンドハーフでファンになると、横浜の友人に電話で頼み込んでミニアルバムを探させたりもした。
端的に言って例の曲は俺の完全な守備範囲外であり、異次元世界の音楽だったのだ。
俺はそのCDを欲しいとは思ったが、如何せん探すための知識すら無い。
『まあ、いっか』
と思いながら部屋の主とアニメ談義をしていたら、いつも通りメカドックもやってきた。
そして、背負いカバンからCDシングルを取り出すと、
「はい」
と実に素っ気なくもそれを俺に渡した。
CDシングルのジャケットは若い男達の集合写真みたいなジャケットで、タイトルはMerry-Go-Roundだった。
本日はここまで。