神の不注意によりチートな2ndライフ始めました。 作:じじぃ♀
話の筋が通らないこともあるかも知れませんが、所詮はその程度なのでご了承ください。
まず、目が覚めたのは壁も天井もない真っ白な空間で。
目の前に居座るちっせぇ髭じじいはニコニコとむかつく笑みを浮かべていたので取り敢えず蹴った。
「ブヘッ!!!な、何をするのじゃ!わしは偉大な神ちゃんじゃぞ!!」
自称神は俺に蹴られた右頬に手を当てて涙目になった。
やばい、めっちゃ混乱してる。ってか、は?何コイツ自分のこと偉大とか言っちゃってんの?しかも『ちゃん』付け。やだきもーい。
「何って、蹴ったんじゃんか」
神じじいは明らさまにガーンという顔をした。
なんだコイツ…。
「ところでさぁ…ここどこ」
真っ白な空間を見渡し、じじいを見下ろした。もう神と呼ぶことすら面倒くさい。
「よくぞ聞いてくれた!ここは死後の世界じゃ!!」
ドンッと効果音が付きそうな程胸を張り、じじいは宣言した…が。
「なんでだぁああああああ!!!!」
本日二回目。じじいは綺麗に放物線を描いて飛びました。何故かって?蹴ったからだよ。それはもう全力で。
「何故じゃああああああああ!!!!!」
━━━━━━
「…で?説明してくんない?」
俺が蹴り飛ばした程度の距離を5分かけて戻ってきた髭じじいを正座させて、腕を組んだ。
「それはわしの不注意で……って蹴らんでくれ!」
じじい目掛けて上げかけていた右脚を下ろし、眉をひそめる。
「わかった、蹴らないけどさぁ、不注意って何かなぁ?ねぇ?」
にっこりと穏やかに微笑んで見せる。ピシッと髭じじいの表情が氷りついた。
「ポ、ポテチを食べておったのじゃ!」
へぇ?ポテチ?
「ふーん。そうなんだぁ、ポテチあるんだねここ。でもさぁ、人の人生扱う上で適当なの?可笑しいよね、そこ。流石くそ髭じじい…じゃなかった、神様だね、ポテチ食べながら人の生死に関わることしちゃうんだね、スケールが違いすぎて尊敬しちゃうね?え?」
尚も笑顔のままじじいに問いかけた。じじいの顔がどんどん青ざめていく。
わぁすごーい。自称神でもちゃんと血管通ってんだね!だったら血も出るのかな?
「物騒なことを考えるでない!!わしはちゃんと反省しておる!よっておぬしを別の世界に転生させることにした!」
…は?
「ちょっと待てよ、なんで別の世界なわけ?戻してくんないの?そもそも俺、死んだ時の記憶ねぇし。おかしいだろ、ちゃんと説明しろよ髭じじい」
片脚を上げると髭じじいは慌てて説明し始めた。
「おぬしの死因は事故じゃ!本来死ぬはずじゃった女の横におったおぬしを間違えて殺してしもうたのじゃよ!じゃから優しいわしは」
「余計なこと言わなくていいから簡潔にできるかなぁ?」
「はい」
なんか自分のこと優しいとかきもいこと言い出したので少し口を挟んだら神のくせにすごい従順でした。相変わらずきもいけど。
「…そこでわしはおぬしをONE PIECEの世界に転」
「はいちょっと待ったぁああ!何?何考えちゃってんの。ONE PIECE?死ぬよ?確実に10回は死ねるんだよ?あんな世界。何、そんなに俺のこと殺したい?は?頭のネジぶっ飛んじゃってんの?」
自慢じゃないが俺は死ぬ自信がある。だって俺ただの一般ピーポーだし!あ、いやでもさっきじじい飛んでったよな?
「おお!今言おうと思ておったのじゃよ、それはおぬしが既にあちらに片脚突っ込んでおるからじゃ。それにおぬしは簡単には死なぬようわしが取り図る!」
「ちょっと待て、片脚突っ込んでる?は?何それもう戻れないってこと?」
髭じじいは待ってましたとばかりに深く頷き、さらにむかつく笑みを俺に向けた。
「そうじゃ!この瞬間にもおぬしは向こうの世界に溶け込む準備をしておる!」
「取り敢えず蹴るね」
右脚を上げ、髭じじいに微笑んで見せた。それ以上ないくらいにとっっっっても穏やかな優しい笑みだ。その割にはじじいの顔色がすごく悪いのが気になるのだが、まぁ髭じじいだし、気にしないでおこう。
「や、止めてくれ!今すぐおぬしのスペック説明するから!!」
ほう?
じじいは涙目のまま全力で首を横に振り、必死で訴えた。
やだなぁ、そんな顔されたら俺がすげぇ悪いやつに見えちゃうじゃん。あー、蹴りたいけど俺のスペックってのも知りたいしなぁ。
上げていた脚を下ろした途端、髭じじいは安心したように息を吐き出した。
「じゃあそのスペックってやつ説明してくれよ」
━━━━━━━
髭じじいが説明すること数分……簡単に纏めよう。
まず俺の次の名前は『モンキー・D・アレン』。取り敢えず蹴った。何をかって?そりゃ神…基、髭じじいだよ。当たり前じゃん。
それからお気付きかと思うが、俺はルフィの従兄弟らしい。歳はエースの一つ上。
そして俺は5歳までに悪魔の実を食う運命にあるらしい。取り敢えず蹴った。髭じじいを。なんでなの!?悪魔の実とか落とし穴いっぱいじゃん!海水とか海水とか海水とか…あと絶対的な上下関係とかあるし…。よし、こうなったら俺は意地でもこの運命に抗う!絶対食べねぇ!悪魔の実なんか一億ベリーで売っ払ってやる!!
ってことでボッコボコになって更にきもくなったじじいを見下ろして、俺はまた腕組みをしていた。
「ずみばぜん…」
謝る髭じじいの前で、大きく溜息を吐き頭を掻いた。
「全く…どうすんだよこれから……」
「おお、そうじゃ、言い忘れておったがおぬしの食べる実はパラパラの実じゃ」
…は?何その脳天気な名前。すげぇ外れ感漂ってんだけど?
てかくそ髭じじいの顔面が一瞬にして元のきもい顔に戻ったし。俺の労力返せ。
「却下。」
「即却下!?せめて説明を聞いてからじゃ!そう悪い能力でもない!」
髭じじいが言うにはパラパラの実というのは、パラメータ、つまり相手の能力値を見ることが出来るということらしい。更には自分と相手の能力を一部、もしくは全て入れ替えたり、変更することが可能になる。
例えば俺の能力は
攻撃力:3300
防御力:3900
スピード:5000
持久力:6000
特殊:パラパラの実(1/1)
全てにおいて限界値はなく、現在の俺の値はONE PIECEの世界で言うとグランドライン中盤程度。
…って、はぁ!?グランドライン!?!?生まれる前でそれ!?
「あ、また言い忘れておったが、今見せた能力値はおぬしが17歳くらいの時に到達するであろう値じゃ。
鍛えずしてその程度になるのじゃから意識して鍛えれば新世界に通用する程度にならすぐに到達するじゃろう。な?簡単には死なぬじゃろ?」
「な?じゃねぇ!!くそ髭じじい!!!」
また髭じじいは綺麗な放物線を描いて飛んだ。言わずもがな、俺が蹴ったからだ。
「ぬぉあああああ!!!」
おー、飛んだ飛んだ…って飛び過ぎじゃね!?!?
これも俺があっちに適応してるからか!?なんで俺がこんな目に!?……って、ああ。イジめたからか。
それから、余談と言っては何だが、じじいが飛んだ距離は…ざっと200mほどか。比べる対象がないからそれ以上もそれ以下もあり得るが、大体そのくらいだ。
やっと戻ってきた髭じじいは汗だくで息を切らせていた。
お前神なんじゃねぇのかよ…。
「もう神ちゃん怒ったのじゃ!くらえ!必殺落とし穴!!」
そう叫んだ瞬間…俺の足元の地面(?)が消えた。
「はっ!?おいちょっ待っ…あぁああああああああ!!!!!?」
俺が完全に地面に吸い込まれる直前に見たのは、むかつく髭じじいのニヤけた顔だった。
主人公くん…基、アレンくんは基本性格が悪いと思われます。さらにすぐに脚が出るというなんとも残念な青年です。
次回から本格的に転生します。