神の不注意によりチートな2ndライフ始めました。 作:じじぃ♀
学校が意外と忙しくて執筆時間が削りに削られ長引きました。
ではでは。第9話です!
さて、昨日のステーキから一夜明けたわけだが。
昨日大盤振る舞いし過ぎたせいでルフィに期待の眼差しを向けられる。
「なぁアレン!!今日もステーキがいい!ダメなら丸焼き!!」
昨日満足できなかったからだろうか、かなり執拗に迫ってくる。
「だから駄目だって言っただろ?昨日は特別な日だからステーキにしただけであって、今日はいつも通りだって。そんなに肉がいいなら自分でやれよ」
「ムリだな!!」
「言い切るのかよ」
さっきからこの調子だ。しかもサボもエースもさっさと食材調達の方に行って、現在ルフィの標的は俺しかいない。いい加減うっとおしい。
「あー、もう。わかったわかった!ちょっと肉増やしてやるから、今からその分多く狩ってくるようにエースたちに伝えて来い」
しがみついてくるルフィを引き剥がし放り投げた。
成す術無くルフィは放物線を描いて床に衝突し、文字通り潰れた。しかしすぐに起き上がる。流石はゴムだ。
「ぷはっ!いいのかアレン!」
目をキラキラさせてルフィは言い、俺が返事をする前に外へ飛び出した。
「おいルフィ!早くしろよ、エースが帰ってきたら肉増量はないぞ?」
「すぐ行ってくる!!」
ルフィの嬉しそうな声のあと、バチン!と痛そうな音がする。また能力を使ってショートカットしようとしたらしいが、どうやら毎度の如く失敗のようだ。
「ったく…。合流できんのかアレ……それにどこにいるか聞いて行かなかったし」
自分で送り出しておいて何だが、ルフィは絶対に合流できない気がする。できるとしたら迷子になって森で大騒ぎしたときくらいだろう。まぁルフィのことだし、なんだかんだで合流しそうだな…。
俺も行きたいけどな……ルフィすごい不安だし。でも俺の過剰労働は今だ続いてるし(昼と夜の2食の用意と後片付け、各所の掃除とルフィの世話←new!!)家から離れることがままならない。
俺は何になりたいんだ……?主夫か?家政夫か?なんかすごく悲しいよ、俺。
あ、そういや俺、何になるか決めてなかったな…。マリンフォードにさえ間に合えば別になんでもいいんだけどさ、やっぱあの舞台を引っ掻き回す方が楽しいよな(笑)
「よし!決めた!」
アレになろう!……とは言ったものの…
「はぁあああ……」
ダメじゃん!アレになっちゃったらガープがまたうるさいじゃん!やだなぁうるさいの…。
「どうしたんだ?アレン」
「うわっ!?」
突然声をかけられ、思わず肩が跳ねる。
「なんだエースか…………エース!?」
かなりの勢いで首を回したせいで首の付け根がグキッと不吉な音を立てた。
「いって…じゃなくて!なんでエースがここにいるんだよ!」
眉間にシワを寄せ、エースは訝しげに首を傾げた。
「なんでって…肉狩って帰ってきたに決まって」
「ルフィは!?」
エースを遮り声を荒げた。
「は?ルフィ?」
「会ってないのか?!サボは?!!」
「なんだ?」
玄関の方からサボがひょっこり顔を出した。ルフィがいるような気配はない。
「まじかよ……」
思わず頭を抱えしゃがみこんだ。
完っ全に入れ違いかよ…。エースが森にさえいれば、運のいいルフィのことだ、合流できると思ったんだが…いないなら合流も何もない。
「え…もしかしてルフィのやつ、森に入ったのか?」
いつもの如く察しのいいサボの言葉に頷き、更に落ち込む。
「まじか…会ってねぇぞ?な、エース」
「お、おう…」
心配そうなサボと、心配を通り越して青い顔のエース。なんだかんだで気にかけていたらしい。
「はぁ……探しに行こう。日が暮れたら大変だ…」
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とは言ったものの…
「ルフィのやつ…一体どこまで行ったんだよ…」
ただでさえ猛獣たちのデカい気配で探しづらい上に、ルフィはすでに俺の覇気が有効な範囲の外に出ている。
移動しながら覇気を使って探しても見つけるにはかなり時間がかかりそうだ。
「まだ範囲内に入らねぇのか?」
ルフィの名前を呼びながら先を行っていたサボが戻ってきた。エースとサボには覇気のことを伝えているので先程からずっと頼りにしてくれている。
「ああ、たぶんな。いるのは猛獣くらいだ」
まぁ元々、こんなにデカい気配に囲まれてルフィの小さい気配を察知するのは至難の技だが…そんなことを言って更に2人を心配させるのも嫌だな。
「おいエース、渓谷の方とグレイターミナル側を頼めるか?サボは家の周りを頼む。俺は山の裏側を見てくる」
2人が頷くのを見て、山の裏側に向けて走り出した。途中攻撃を仕掛けてくるゴリラや山猫を返り討ちにしつつ、いつもエースが野牛を狩っている狩場に向かった。
たぶん、ルフィがこっちに来てるならステーキになるであろう牛がいるこの辺りのはずだ。
「おーい!ルフィ!!肉あるぞー」
一番ルフィが食い付きそうなワードで釣ってみようとしたが、ダメだったようだ。
俺の声は虚しく木霊して消えた。
近くにある気配の中にも、ルフィの小さな気配はない。
はぁ、と小さく溜息を吐き踵を返して別の場所に向かう。途中野牛を見かけたが、狩っている場合でもないのでスルーだ。
「ルフィー!ルーフィー!飯だぞー、今すぐ出てこないと飯抜きだぞー!」
移動中もそんなことを言っていたが効果はなし。ルフィは俺の声が届く距離にいないようだ。
「やっぱこっちには来てないか…来るわけないよな、こっちはわりと猛獣も強いし…ルフィもそれは知ってるはずだし」
猛獣の強さについては既にルフィに説明済みなので心配ない(と思いたい)。
もし来たとしても今のルフィなら一撃で殺られるだろうな。でもまぁ、ルフィはなんかすごい運が強いし、原作での主人公というハンデがある。簡単に死ぬなんてことはないだろうな。
「もう…面倒くさいなぁ」
ぼりぼりと頭を掻き、溜息を吐いた。
あんまり使いたくないんだけどな、これ。
自分の腹に手を添え、目を瞑る。しかし瞼の裏に映るのは闇ではなく、俺のパラメーター。
「“インプット”」
並ぶ数字の下、ちょうど『特殊』と書かれたそこにもう一度動物との意思疎通を追加した。前回使ったあと、あまりに動物たちの声が聞こえ料理も眠ることもできなくなったので削除していたのだ。
あれはかなり精神に来る。肉を狩ろうにも、怯えた動物の声や許しを乞う声が聞こえてしまう。流石にあれはダメだった。
能力を行使した途端、耳に入る動物の鳴き声が変化し、はっきりと意思を持つ『声』になった。
『なぁ、聞いたか?あっちで子どもが泣いていたよ』
『子ども?いつものあの子か?』
『いや、違う。俺が見たのは麦わら帽子を被った子さ』
『麦わら?昨日連れて来られてた子か?』
『ああ、そうさ。泣いてたよ、あの子たちの名前を呼びながら』
『あの子たちを呼んでたのか』
『ああ。近くにいたからすぐに見つかるだろうさ。まったく、麦わらの子はまだ弱いってのに、何故森に放り出したんだろう。下手したら死んでしまう』
『そうだな』
木の上でさえずる小鳥たちの会話にドキリとしたが、すぐに彼らは空に飛び立った。
それよりも、だ。
ルフィが無事なことも知れたし、エースかサボがルフィの近くにいることもわかった。これでもうここには用はない。さっさと戻ろう。
もう一度、自らの腹に手を添えた。
「“キャンセル”」
その瞬間『声』は森の雑音の中に消えた。
…あれ?前回あとがきに書いたことにまで行き着きませんでしたね…。
夢について語り合ってもらうのは次回になりそうです。
それから次回もカメ投稿になりそうですので気長にお待ちください(待ってくださる方がいるのかが疑問ですが)。
閲覧ありがとうございます