神の不注意によりチートな2ndライフ始めました。   作:じじぃ♀

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まずはサブタイ。

思いつかなかった!!!!ただそれだけです。間違ってはいない。今までちゃんと明言して来ませんでしたが一応、今は夏…というか8月くらいの設定です。皆誕生日過ぎてるので。

今回も可哀想な扱いになる雰囲気のガープ。これが終わればもうすぐカッコイイ出番が来るようになると思います(予定は未定)。

出たとこ勝負の行き当たりばったりなのでどうなるかは私の気分次第です。

そんな感じに適当な16話です!↓↓↓


第16話 夏の☆新生活

 

 

 

 

…さて。早速だがもうすぐマリンフォードに着くよ☆

 

早いとか言っちゃダメ。特に言及することもなかったんだから仕方ない。

 

ほんとに何もなかった。……と思う。

 

ガープは日が沈んだらちゃんと解放してくれるようになったし、勝手に部屋に来ることもなくなった。俺からしたらすごい変化だ。あのガープが常識ある行動してんだから。

 

否、ね。別に常識がないって言ってるわけじゃないんだよ。原作の頂上決戦では割と常識的だった気がするし(流石にもうほとんど記憶にはない)。あ、そうだ。それから、なんでか知らないがガープのクルーに崇められた。天使だとか、救いの神だとか。俺、能力的には鬼だけどね。

 

ああ、やっぱりあともう1つ。ラボックが少しだけ銃の扱いについて教えてくれた。なんでも彼は士官学校にいた頃、近距離と遠距離が共に射撃の成績で常にトップだったらしい。それを肯定するくらいには上手かった。あと教え方も上手かった。感激。

 

今じゃ俺も船首から船尾に置かれたビンを2分の1の確率で射抜けるくらいにはなった(初めて触ったにしては筋が良すぎるらしい)。

 

やっぱり思い返せば何もなかったわけじゃないが深く掘り下げる必要のないことばかりなので割愛だ。うん。

 

 

 

 

閑話休題。

 

 

「ほれ、あれが海軍本部じゃ」

 

ガープが指を指すのは、『海軍』とカモメがでかでかと書かれた巨大な施設。建物とか言うレベルじゃなかった。本棟と宿舎?と広大な広場と向こうには演習場と思われるステージ。施設だ、施設。

 

「思ってたより…割とデカいんだね」

 

正直言うとかなりデカかった。それもそうだよな、今までずっと画面の向こうのイラスト(の記憶)だったんだから。規模とか正確に知ることなんて不可能だろう。それを差し置いても、この海軍本部は巨大だ。

 

「当たり前じゃ。有事の時はあそこに海軍の全戦力が集まるんじゃからな」

 

知ってます。頂上決戦で白猟とか結構色々と居たし。

 

「ふーん…じゃああの街は何なの?」

 

そう言って少し離れたところにある閑静な街を指差した。ここからでもわかるほどに人が行き交い、賑わっている。

 

「ん?あぁ、あれは兵士の家族が住む街じゃよ。わしは持っとらんが、家族がなくても小さめの家を買う兵士は少なくないらしいのう」

 

「へぇ…」

 

家族はないのに家だけあってもそれなりに寂しくないか…?

 

とか余計なこと考えてたらガープの右手が俺の背中にめり込んだ。比喩でも何でもなく、事実だ。ドッとすごい衝撃が背中から腹へと響く。

 

「ぃッだ!!…何するんだよ!背骨折れたらどうすんだ!」

 

どうやらガープは景気付けに俺の背中を軽く叩いたらしかったが力加減がどちゃくそ下手だった。しかも俺に怒られて(´・ω・`)だ。

 

「すまんのう…(´・ω・`)」

 

やだ止めて!その犬みたいな目は止めて!!

 

「もういいよ……俺もう行っていい?入港するんならそろそろ準備しときたいんだけど」

 

痛む背中を擦りつつガープを見上げた。

 

「そうじゃな、あと半時もすれば入港の準備も始まるしのう。手伝ってくれるか?」

 

「いいよ。じゃ、またあとでね」

 

正直もう会いたくないが。だって毎朝海兵さんたちに泣き付かれるからこの5日間は四六時中ずっとガープと一緒だったし。そろそろ離れたい。

 

ひらひらと手を振って踵を返せば、ガープのテンションゲージが一気に下落するのがわかった。犬か。飼い主とお別れする忠犬か。もう本当にそれくらいに一気に下落した。

 

もうすっかり馴れ、相棒のようにもなった大福を呼ぼうと上を見上げるがそこに彼女の姿はない。慌てて辺りを見渡し彼女の白い影を探せば、それは厨房近くの甲板にあった。

 

うずくまるように小さくなった彼女に駆け寄ると、彼女は懸命に何かを嘴で突いている。頭だけだったり半分だったり、航海中の食材の残りの魚の入ったボウルだ。

 

「誰からもらったんだ?大福」

 

『お食事中よ、邪魔しないで頂戴。……ドセとモゼって海兵さんからよ』

 

片眉を釣り上げると大福はそう付け足した。

 

ドセとモゼって確か…この船に乗ってる准尉と少尉の双子の海兵だったか。息がぴったりすぎてたまに怖くなるとラボックが言ってた気がする。

 

「そっか。ほどほどにしとけよ、もうすぐ着くらしいから。俺は荷物まとめて来るから君もちゃんとしといた方がいい。首周り、汚れてるよ」

 

というか血濡れだ。魚の血だと知らなければびっくりするくらいの。

 

彼女はボウルから顔をあげ、血濡れの自分の胸を見る。

 

『あら。そうね、水浴びしてくるわ』

 

そう言い残して彼女は飛び立ち海へダイブした。

 

 

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正直に言おう。忘れてた。忘れてさえいなければ、弟たちに爪をくれるようお願いしてくるべきだったんだ。

 

今更ながらにそう思う。海軍本部には、家族に安否を知らせるためのビブルカードの職人が常駐してるらしい(ガープ談)。

 

くそっ…失敗した……。ビブルカードとかあれば頂上決戦前にサボと簡単に再会できるのに…。

 

………あ。イイ人いるじゃんか。海軍内でもトップレベルでいつでも自由に行動できて突拍子もないこともそれほど不自然にならず、さらにはエースたちに会いに行ける人。もう初めの2つの時点でこの人しかいない。

 

ガープをパシろう。

 

 

 

 

 

「ってことでじいちゃんお願い!エースたちの爪、貰ってきて!」

 

海軍本部内の長い廊下を歩きながら、ビブルカードにしたいんだ、とガープに手を合わせて頭を下げた。すれ違う人全員にガン見されたり2度見されたり、ひそひそと何かを囁かれていたが俺もガープもそれを構うことはなく、ずんずんと廊下を進んでいく。

 

だが、ガープは乗り気ではないらしい。眉間にシワを寄せていた。

 

「じゃが……」

 

「じいちゃんが俺も海賊になりたいって言い出すんじゃないかって心配してるのは知ってるよ。だからそんなこと絶対に思わないって保証するからさ。兄貴として弟たちが心配なだけなんだ。じいちゃんにしか頼めないんだよ、お願い!」

 

強く押しつつ彼をヨイショすればすぐにノッた。ちょろi…ゲフンゲフン。

 

「わしにしか頼めんか!そうか!よし、センゴクに挨拶が終わったら行ってきてやろう!」

 

そう言って、ガープは立ち止まった。

 

「ほれ!ここじゃよ」

 

はっ、いきなり?!しかも障子?こんなんだったか?

 

見事に和風なその扉をノックもなしに開け放ち、ガープはずかずかと踏み込んで行く。

 

「なっ!ガープ!ノックをしろと何度も…!」

 

「おぉ、すまんすまん!ところでほれ、わしの孫じゃよ」

 

とん、と軽く(?)ガープに背を押され前につんのめりながら一歩前へ出た。センゴクの視線が全身に突き刺さった。

 

「…是非海兵にしたいと言ったのは、この…子どもか?」

 

たぶん、思ったより俺が小さかったからだろうなと俺は終始苦笑いだ。

 

「そうじゃ!」

 

我ながらだが今、センゴクにすごく失礼なことを思われてる気がするが俺の見聞色はそこまで完璧ではないので事実ではないと思いたい。

 

彼は溜息を吐きつつ軽く頭を抱えた。

 

「いつもいつも…お前はどういうつもりだ?前にも同じように連れてきた娘がいたが2日もせん内に逃げられただろう!あの時は私もまだ元帥ではなかったが……また同じ結果は御免だぞ、ガープ!」

 

あ、俺じゃなくてガープに対して、だったらしい。てかユリアナもここに連れて来られてたんだ…。

 

「今回は違うわい!自ら志願したんじゃ!逃げるわけがないわい!!」

 

キレ気味に応戦するガープ……信頼が痛い。なけなしの良心にすごいぶすぶす刺さってる。

 

センゴクが目を見開いた。

 

「なっ…自ら志願?」

 

すごい疑いの目と言うか…あり得ないものでも見るような目で彼は机越しに俺を見下ろした。結構ひどくないか。

 

「そうじゃ!ほれアレン、挨拶せい!」

 

またバンっと背中を叩かれガープを睨みつけ…かけたがやっとのことで堪えて顔に笑顔を貼り付けた。

 

「初めまして、ガープ中将の孫のモンキー・D・アレンです。この度は海兵に志願したく参りました。何卒よろしくお願い致します」

 

必要以上に畏まり、礼儀を正して深く礼をした。自分で言いながら笑いそうになるほど畏まった。

 

でもまぁ、これで俺はガープとは違った人種であると彼にアピールできたわけで。センゴクはさらに目を見開き、そのあと深く息を吐きながら背もたれ付きの座り心地の良さそうな革張りのイスにもたれ掛かった。

 

そうして発した言葉は

 

「全く……。いいぞ、合格だ」

 

その声にガープが目を輝かせた。

 

「そうか!よし!アレン早速わs」

 

「ただし」

 

嬉々として俺に何かを言おうとしたガープを遮り、センゴクは続ける。

 

「電伝虫で話したように本部の海兵見習いからのスタートになる。つまりは雑用からだ。よってガープ。正式に海兵になり尉官を貰うまでは孫を連れ回すのは禁止だ」

 

この瞬間、まじでこの人を崇めたくなった。本当、まじで。

 

禁止!絶対的制止の言葉!ガープとて従わざるを得ない命令!神だ!流石は仏と言うべきか!←

 

一方のガープは完全にガーン顔。どんだけ孫好きなんだよっていうくらいにガーンってしてる。

 

「それはいつじゃ!?」

 

そこに食いついた。一刻も早く連れ回したいってことか。流石にセンゴクもそんなガープに呆れ果てたようだ。

 

「正確に決まっとらんことくらい、お前が1番知っとるだろう。本人の力量に合わせる」

 

ガープは何故かそこで胸を張った。

 

「なら大丈夫じゃな!わしの孫じゃし」

 

アンタのその自信がどこから湧くのか俺は見てみたいとさえ思うよ。アンタの孫だから何だってんだ。そもそも血の繋がりとか皆無じゃん。何故そうなるのかを知りたい。

 

まぁ今目の前にいるセンゴクは完全に俺のことを血の繋がった『ガープの孫』として見ていると思うし、これからずっと俺にはその肩書き(?)が付いて回ると思うんだけどね。どこぞの親の七光りとごろじゃないよね。

 

すでに疲れきった様子で、センゴクは溜息を吐いた。

 

「お前の孫だからと優遇はしたりせんぞ、ガープ。本人の力量が全てだ」

 

残念、どうしてか俺ってばすごい強いんだよ。二重能力者だし、それにコルボ山って猛獣の強さ異常だし。すごいよね。

 

「じゃから大丈夫じゃ!わしの孫が弱いはずがないんじゃからの!それにほれ、なんじゃったか?あの実…紫の……」

 

2日目にあれだけ大騒ぎした悪魔の実さえ忘れるその始末……本当に呆れる。溜息を吐きつつ右手を差し出した。2人の視線がその掌に注がれる。

 

「ヒトヒトの実幻獣種モデル『鬼』です」

 

そう言って全身の力の巡りを操作し鬼に変身する。肌が浅黒く変色し、額から角が一本突き出した。それ以外の変化はない代わりに、右手に“鬼火”を灯す。

 

センゴクの目がをどんどん見開かれていくというのは、案外面白いものだ。その口はぱくぱくと開閉を繰り返し、そしてキツく一文字に結ばれた。

 

「…わかった。いや、やはり一度…クザンと試合形式で一戦交えてくれるか。何、様子見だ。加減はするように言っておく」

 

頭痛を堪えるように彼は目頭を押さえながらそう言った。『仏』である彼にとって『鬼』というのは、何か特別な意味があるのだろうかと変に勘繰ってしまいそうだ。

 

彼の目を見て深く頷く。

 

黄猿はともかく、青雉ならまだ救いがありそうだと安堵した。彼ならきっと、赤犬のような過激派ではないし、子どもである俺相手に全力でぶつかってくることなどないだろう。入軍早々大怪我とかは御免だ。

 

「試合は3日後の3時、場所は演習場だ」

 

「はい」

 

試合の日時を告げたセンゴクにはっきりと返事をしたが、場所が演習場であることに不安を覚えた。

 

だってあそこ、割と狭い。船から見ただけだけだからそうとは言い切れないが、クザンと戦るには少し手狭なように感じたがそんなことを主張できるわけもなくそれを呑み込み、センゴクとガープが会話を進めるのをただ見ていた。

 

多少気になる話もあったが、その殆どが興味のないことばかりだった。

 

例えば、孫と言えど必要以上に関わるなとか、宿舎の部屋は105号室だとか、本来は相部屋だが一応一人部屋にしておくとか、Dを隠すかどうか、とか。Dについては少し口を挟んでファミリーネームも同じように隠しておきたいと申し出た。理由は適当にガープの孫だからの変な期待を寄せられるのが嫌、ということにしておいた。

 

ガープはともかくセンゴクにも変な顔をされたが気にしない。うん。

 

そこからはどうでもいい話が続いた。俺には関係のない軍のことばかりだったので仕方なく、俺はセンゴクの隣にいるヤギを眺めていた。ヤギはひたすら羊皮紙を食んでいたが、たまに頭を下げて床に置かれたエサ箱のような物からレタスと思われる野菜を食んでいた。なんか可愛い。

 

「━━さて、話は以上だ。ガープ、宿舎まで送ってやってくれ。…約束は忘れるなよ」

 

センゴクは低く釘を刺したが、ガープはそれを重く受け止める様子はなくひらひらと手を振りながら俺の背を軽く(?)押した。

 

 

 

 

 

━━━━━━━━

 

 

 

「…じいちゃん」

 

長い廊下を歩きながら、隣のガープを見上げた。いつになく不安だった。

 

「ん?なんじゃ?」

 

彼は脳天気にも笑って俺を見る。それを見てさらに不安になった。

 

その笑顔も、ここが海軍本部だということも、俺がいつか裏切るつもりでここに来たことも、周りがみんな知らない大人ばかりであるということも、3日後には最高戦力と戦わなくてはいけないということも、全てが不安要素でしかなくて希望などちらりとも見えない。むしろこの状況で希望を見つけ出せる人間など、相当な脳天気かルフィくらいだ。

 

「俺、明日から何をすればいい?あんまり、そういうのは聞いてないんだけど…?」

 

俺の言葉にガープは顎に手を当て、考えるポーズを取った。

 

「うーむ……明日は朝6時に見習い担当の海兵が指導に行くとは聞いたんじゃが…どこじゃったか」

 

「なんでそれ覚えてないの……」

 

 

拝啓 エース、サボ、ルフィ。

 

残暑も厳しい今日此頃、如何お過ごしですか。

俺は今、海軍本部の廊下でボケ老人(ガープ)の相手をしています。

 

……とかふざけは置いといて。

 

まじで俺の新生活、これからどうなるんだよ…大丈夫か?これ……。






今回もひどかったガープさん。次もたぶんひどい…というかパシられます。

補填付けるのめんd……時間がかかるので止めにします。中々しんどいです。

あとそれから夏季休業課題が多すぎて…笑
更に亀投稿になることが予想されますので一応報告しておきます。

閲覧ありがとうございます

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