神の不注意によりチートな2ndライフ始めました。 作:じじぃ♀
本来のエースならもっと時間かかると思いますが、きっとこれもあの髭じじいのおかげです←
ってことで第2話!どうぞ!
コルボ山に放り出されたものの色々あって、順風満帆!になるはずの新生活の滑り出しは、見事なまでに打ち砕かれた。
もちろん、義弟であるはずのエースの手によって。
詳しく説明しよう。
丁度数日分の男共の溜まった衣類を洗濯していた時のことだ。
なんか視線感じるなーって思ったらエースにめっちゃ睨まれてた上にすげぇ殺気向けられてた。
まぁそんなことは予想してたから、にっこり笑って声かけたんだよ。
「どうしたの?」
ってさ。そしたらエース、ずんずん歩いて来て、何したと思う?
俺の前に置いてあった、男共の下着やらなんやらが入ってる超汚え桶を俺の方にひっくり返しやがった!
おかげで俺はびっしょびしょで既に能力者だから力がちょっと抜けちまって、咄嗟に掴んだのがエースの腕で。
エースも一緒に汚ぇ桶の水溜まりにざぶーん。
結果、エースにめちゃめちゃ嫌われた。
しかもそれをダダンに見られたのでエースと一緒に洗濯のやり直し。現在進行形で二人っきりの険悪ムード。
なんでそうなる!?俺はただ仲良くしたいだけで!!
「あー!もう!何なんだよエース!!何がしたかったんだ!?いやがらせか!?!?」
あんまりイライラして、隣…というか3mほど離れたところで大人しく洗濯に従事するエースに向かって叫ぶ。
一方エースは俺を完全に無視して黙々を洗濯を続けている。
「おい!こっちくらい向けよ!!」
怒りに任せてエースに詰め寄り、胸ぐらを掴んだ。
そこで初めて間近で、エースと目が合った。俺がまだ5歳児でエースと年も離れていないからか、それとも彼が最も嫌う父から受け継いでしまった憎むべき気質からか、どれだけ凄んでもエースは視線をそらさなかった。
まぁそのおかげで何か急に冷静になったんだけれども。
「……あー…ごめん、イライラしてた。悪ぃ」
そう呟いて手を離し、行き場を失ったその手で誤魔化すように頭を掻き、なんだかすごくバツが悪くて俯いた。
「ただ、さ。なかよくなりたかったんだよ。おれ、お前と同じようなきょうぐうだし」
そう言ってそっと視線を上げると、エースが驚いたように目を見開いていた。
「なかよく…?おれと、か?」
…お?なんかいい感じ…?
「おう!当たり前だろ!」
まだきょとんとした顔をしているエースに、にっこりと微笑んで見せた。
このまま行けば出会いから1日も経たずにわだかまりもなくなるか…?
…とか思ってた俺がバカでした。エースの警戒心甘く見てた。
微笑んで見せた後、エースは少し期待するような眼差しで俺を見たがすぐにまた前の険しい顔に戻り、くるりと踵を返してどこかに立ち去った。
まだ大量に残る男共の衣類をデカい桶ごとその場に残して。
…泣きたい。俺このままだとガープの言う兄弟じゃなくて、ただの居候じゃん。あー。エースぅううぁああああ……。4歳なら4歳らしく笑ってろよ…。普通4歳とか何も考えずに自分のことだけで笑ってるぞ?逆にエースすげぇよ…。
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やっと洗濯が終わった頃にはとっぷりと日は暮れて、空は明るいオレンジから深い群青へと移り変わったところだった。まだ西の山の向こうは少し明るいが、恐らくそうかからずに群青に染まるだろう。
あれ(昼)から働きっぱなしで何も入っていない腹が、虫の大合唱に重低音を加える。
腹減った…。
さっさと桶を洗って家に入れば、所謂マンガ肉とも呼ばれる、焼いただけの肉塊が皿にてんこ盛りにされて食卓…基、床に置かれていた。
これは…まぁ知ってたけど、知ってたけどね。かなり酷いな…。
この人数が一度に飯に有り着こうと思えばこういう形式にいたるのは仕方がないとして、食事のバランスが…。
明日の朝から頑張ろう。幸い、俺の家事スペック(笑)に感激したダダンが明日の朝の分だけは材料の確保してくれてるらしいし。
うん。負けない。俺は負けない。例えエースと仲良くなれなくて居候状態でも俺は諦めないぞ。
その夕食は、凄まじかった。肉の取り合い…基、奪い合い。まさに足りなければ皿にも齧り付く。
そんな中、エースと俺は完全な対極にいた。めっちゃ避けられてる。悲しいね…。
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…さて。あれから一晩明けたわけだが(とは言ってもまだ日は昇っていない)。
白む東の山々に神々しさを感じながら、目一杯伸びをする。
さぁ、朝飯だ。まずは何故か冷蔵庫で見つけたパンと、昨日森で見つけた卵、昨日ダダンが確保しておいてくれた肉を薄く切ったやつ(ベーコンをイメージ)を使ってベーコンエッグトーストもどき。
トーストとは言ってもトースターはないので釜らしきもので軽く焦げ目がつくくらいに焼く。
続いてベーコンをフライパンに放り込み、焼けてきた頃には匂いに誘われて何人かの山賊が起きてきた。
「おー…いい匂いだ、アレン……ってすげぇなお前!」
「は!?お前ほんとに5歳なのか!?」
あ、余談だが俺は既に山賊たちには溶けこんでる。誰もやりたがらないくらいに溜まってた汚ない洗濯をやったのが効いたらしい。
「ありがとうございます!」
微笑んで、次々とベーコンとスクランブルエッグをトーストに乗せて、起きてきた山賊たちに渡していく。
「おはようございます、朝ごはんできてますよ!」
そうして山賊たちの起床ラッシュもそろそろ終わるか、というくらいになって、やっとエースが起きてきた。
否、起きてきたというのは語弊があるか。
やっとエースは男部屋から出てきて、食卓(?)についた。その顔を見るに、今起きたようなそれではないためずっと前に起きていたんだろう。
「おはよう、エース。卵、きらいじゃないよね?」
返事が返ってくるとは思わないが、確認程度に声をかけた。
「…きらいいじゃねぇ」
……。は!?エースから…エースから返事が!?
「あ、ああ良かった!じゃ、のこさないようにな!」
え、やだめっちゃ嬉しい笑
極めて冷静を装ってエースの前にお手製ベーコンエッグトーストの皿を置いてキッチン(?)に戻り盛大にガッツポーズをかました。
よっしゃああああああ!!!
もしかして、もしかしたら!!あるんじゃね!?!?俺ったら天才かも知んない!エースが!!エースの殻!破れたかも!!!
「スゥウウ………ハァアアアアア…。おし!!」
自分を落ち着かせるためにも、大きく深呼吸をしてそれから掛け声と共に両頬を叩いた。
「っ…!!いってぇ…」
叩いた頰がジンジンと熱く痛むが、それよりもエースと仲良くなる道が見えたことが嬉しくて、ずっと愉快な気持ちのままだった。
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「おい、アレン!来な」
朝食で出た洗い物の最中、ダダンに声をかけられ振り向いて驚いた。
なんと彼女が抱えていたのは大量の食材とちょうど欲しいなと考えていた調味料だったからだ。
「え!?それって…」
「食材と調味料さ。今日からお前は調理係だ。洗濯も続けてもらうが、朝昼晩、3食作りな」
ダダンは俺とは目を合わせずにあらぬ方を見ながら続けた。
「野郎どもが朝飯を気に入ってうるさいんだよ。文句を言うなら出てってもらうよ!」
…ツンデレかよ。でもまぁ、ダダンのそれは正直どうでもいい。扱き使ってんのには変わりないし。
まぁ文句はないんだけどね、楽しいから。
「ありがとうございます!まだかんたんなものしか作れませんけど…がんばりますね!」
あれから小一時間。俺はひたすらじゃが芋を剥いている。
昼食にポテトでも作ろうかと思ったんだが…流石にこの人数分の芋を5歳児が1人で剥くのは少々無理があったようだ。
とは言っても山賊たちは仕事(山賊業)に出ていて現在この家にいるのは俺とエース…。
エースは朝のアレ以来接触なし。段々と俺の希望の色も淡くなり始めていた。
…のはほんの10分前で。
今は現在進行形で、出入り口に向けた背中にエースの視線を感じている。
もしかして?もしかしてのもしかして?
「おいアレン」
よっしゃああああああ!!!(2回目)
「…なんだ?」
内心阿波踊りで、表面上は極めて冷静に取り繕って返事をした。
「て、てつだってやろうか…?」
「あ、いいのか?」
盛大にツンデレを発動して頬を赤らめるエースににっこりと微笑んで、んじゃ頼む、と小さな果物ナイフを渡した。
そこからは、まぁご想像の通りだろう。
エースはすっごい不器用だった。可愛いから許すけど。
不器用すぎて皮剥いたはずの芋が皮より薄い…なんて事態もちょくちょくあったけど、地道にエースにナイフの使い方を教えながら皮を剥き続けることまた1時間ほど…。
エースはすごい!集中力すごいし、何よりナイフの習得が謎なくらい速い笑
終わる頃には皮の薄さが2mm程度にまでなっていた。
明らかに俺より速い。主に習得が。
そんなこんなで楽しい兄弟(?)の時間を過ごして、いつの間にかエースはより自然体で俺の前に居てくれるようになって、誰も明言はしていないものの、本当に兄弟のように接してくれるようにもなった。
流石に兄貴呼びはないが、高望みはダメだろう。またツンデレ発動して面倒なことになったら、
絶対俺しょげちゃう(´・ω・`)
まぁ、無事仲良くなれて1件落着!なわけだったんだけどなぁ…まただよ…。
知ってるか?俺のじぃちゃんの性格を……。
ガープ…面倒くさそうだ…。
サボ登場まであと1年!ルフィ登場まであと3年!それまでは基本はこの二人の話ですが、たまにガープが自己主張してきます。