今日は何百体の魔神柱がへし折られるんでしょうね?
「『最初にクアッフルを取ったのはマレットだトロイにパスしていやディミトロフがカットしてマレットが取り返したああもう実況が追いつかない!アイルランドチームはトロイを中心にホークスヘッド攻撃フォーメーションだ!そのままポルスコフの計略ああっとレブスキーがクアッフルを奪ったがまた奪われてトロイが先取点!十対ゼロ、アイルランドが一歩リード!』」
凄い、全く見えない。プロの本気ってここまで速いんだ。ワクワクする。
そのままアイルランドは合計三十点獲得、ブルガリアは十点取った。クラムはリンチをフェイントで引っ掛け、地面に激突させていた。
そのまま試合は過激になって行き、加速し、最後に、クラムがスニッチを捕り試合は終わった。でも、ブルガリアは百六十点、アイルランドは百七十点で、アイルランドが勝利した。アイルランド側としては試合に勝って勝負に負けたって感じだろう。
「まあ、ヴぁれヴぁれは、勇敢に戦った」
ブルガリアの魔法大臣がそんな言葉を発した。なんだ、訛りはあるけど英語使えるんじゃん。ファッジが怒り狂ってるけど。そしてブルガリア大臣笑ってるけど。
ボックス席にそれぞれのチームが入場し、アイルランドチームに優勝杯が手渡された。
「さてと、ミスター・バグマン?」
「俺たちの賭けの予測、覚えてるよな?」
「「きっちりと支払って貰うぜ」」
「〈
フレッドとジョージがバグマンさんに取り立てていた。この二人、賭けを見事に当てたんだ。
キャンプ場に戻りながら、ハリー、ドラコと一緒に今日の試合についての考察をする。参考にするには要求技量が高いけど、それでも真似するぐらいはできる。途中でチャーリーも参加してきた。どうしたら相手を引き離せるか、引っ掛けられるかのアドバイスをくれた。ありがたい。
テントに着いたあと、そのまま寝てしまった。とても興奮して、疲れてたからね。ベッドに倒れこんでそのまま眠りに落ちた。
──きて、起きてリーナ!」
「……?どうしたの、ハーマイオニー?」
「逃げないと!『例のあの人』の部下──死喰い人たちがキャンプ場を襲ってるの!」
ハーマイオニーの言葉にすぐさま飛び起きる。上着と杖を持ってテントを飛び出し、ハリーと合流する。この場で一番危険なのはハリーだろう。死喰い人たちにとっては主人の仇だから。
死喰い人たちはフードと仮面をつけ、マグルの一家を浮遊させていた。
「私とビル、チャーリー、パーシーは魔法省を助太刀する。君たちは森へ逃げてくれ。いいかい?絶対にバラバラにならないように。それと、あいつらを倒そうなんて思わないように。リーナはみんなを守れるかい?頼んだよ!」
アーサーさんたちは死喰い人に向かっていく。私たちはすぐに森に駆け込んだ。
「多分だけど、あの中の一人は僕の父上だ。マグルを狙うはずだから、ハーマイオニーも危険だろう」
ドラコの忠告が聞こえる。マグル生まれだからか。
そのまま森の中を縦横無尽に駆けていく。途中でフレッジョとジニー、ドラコとはぐれてしまった。
「もう!あの人たちはどこに行ったのかしら?」
「僕たちがはぐれたって可能性もあるだろ!それに、あそこに誰かいるんだから話を聞けばいいんじゃない?」
ロンの言う通り、目の前には人影があった。何人かの女子生徒だけど、話しているのは……フランス語?
「【マクシーム先生はどこへ行ったのかしら?私たちだけじゃこの森から動けなさそうなのに!】」
「ああ……関わらない方がいいかも」
フランス人の少女たち──おそらくボーバトン魔法アカデミーの生徒たち─の横を通り過ぎて、さらに奥へ。
「え?あれ?……どうしよう、杖がない」
「え……本当に?」
ハリーが杖をなくしてしまったようだ。近くを探してみても見つからない。どこに行ってしまったのだろう。
途中で、ウィンキー──クラウチJr.とともに座っていたしもべ妖精──が通り過ぎた。Jr.はウィンキーを引き止めようとしているようだけどなぜかウィンキーの方が勝っている。できれば捕まえたいけど、今は緊急事態だ。無視しよう。
小鬼の一団を追い越し、ヴィーラを囲む魔法使いたちを通り過ぎ、途中で出会ったバグマンさんにキャンプ場の惨劇を教える。
「この辺りならもう平気かな」
「そこに空き地があるわ。あそこなら座れるんじゃないかしら?」
乾いた草むらに座り、アーサーさんが迎えに来るのを待つ。しばらくの間静寂が続き、突然、こちらに近づいて来る足音が聞こえた。
「……誰か来る!」
私たちは身構える。死喰い人だった時のために。
だけど、木の陰からその誰かは出てこなかった。けれど、一つの呪文を残していった。みんなが震え上がるであろう一つの呪文を。
「〈
緑の靄が木々の梢を突き抜け、空に髑髏とその口から這い出る蛇を描いた。そして、周囲から悲鳴が上がる。
「──まずい!逃げるよ!」
ハリーたちを引っ張り逃げようとする。しかし、数歩も行かないうちに二十人ほどの魔法使いたちに囲まれてしまった。魔法省の人たちだけど。……?杖を構えてる?
「伏せろ!」
ハリーの声が聞こえた。その言葉に従って伏せると、頭の真上を失神呪文が通り過ぎていった。
「やめろ!やめてくれ!私の息子だ!」
森の中からアーサーさんが出て来る。ひとまずは安心できると思い顔を上げると、少し先にクラウチの顔が見えた。
「少し黙っていろ、アーサー。誰が、お前たちの誰が『闇の印』を打ち上げた?」
「誰もやってない!僕たちが打ち上げたんじゃない!」
「そもそもやる理由がない。マグル生まれにマグル寄りのウィーズリー家、それにディメント。ハリーは言わなくても平気でしょ?」
「マグル寄りの魔法使いでも闇の陣営だったことがある。さあ、さっさと吐け。誰がアレを打ち上げた!」
クラウチはまだ私たちを疑っているようだったが、正直に、木の陰にいた誰かが打ち上げたと話した。
「私の呪文があそこの木立を突き抜けた。確認してこよう」
エイモス・ディゴリーがそう言い、木立に向かっていった。少しして、誰かを捕まえたとエイモスさんが叫んで飛び出してきた。その手には、杖を握りしめたウィンキーが掴まれていた。