「こいつはあなたのところのしもべ妖精でしたね、クラウチさん?」
エイモスさんはクラウチの足元にウィンキーを置き、クラウチに呼びかけた。
「──他に誰か、いなかったのか?」
「いなかったと言わせていただこう」
「そんなはずはない。絶対に、ありえない!」
クラウチはウィンキーが見つかったあたりに早足で向かい、荒々しく誰かを捜し始めた。
「まったく、なんてことだ。まさか屋敷しもべが『闇の印』を創り出すだなんて」
「エイモス、君はそう思っているのか?印を上げるのには杖がいるだろう?」
「そうだとも。この屋敷しもべは杖を持っていたのさ。ほら、この杖だ」
エイモスさんはウィンキーの胸元から杖を取り出し、アーサーさんに見せた。ちょうど、私たちからだと見えない位置だ。
「『ヒトにあらざる生物は、杖を携帯し、またはこれを使用することを禁ず』。『杖の使用規則』第三条だ」
そこまでエイモスさんが話した時、ポンと音がしてバグマンさんが姿を現した。空の印を見て目を見開いている。
「どうしたんだ、これは?『闇の印』を上げた犯人は捕まえたのか?それと……足元に転がっているバーティの屋敷しもべはどうしたんだ?結局、試合の最中にバーティは来なかったしな」
「ルード、私は忙しかったのだよ。それと、私のしもべ妖精は失神術にかかっている」
クラウチが森から出てきて、バグマンさんに答える。誰も見つけられなかったようで、こめかみが痙攣している。
「なんだって?なんでそんなことに──いや、まさか。ウィンキーがあの印を創ったとでも?」
「そのまさかかもしれないな。〈
エイモスさんが杖を取り出し、ウィンキーに呪文をかけた。目を覚ましたウィンキーは少しの間寝ぼけていたけど、状況がわかってくると途端に怯え始めた。
「しもべ!私は『魔法生物規制管理部』の者だ!率直に聞かせてもらおう。『闇の印』を打ち上げたのはお前か?」
ウィンキーは怯えつつも、自分はやっていないと答えるりやり方を知らないと。
「では、この杖はなんなのだ?お前が発見された時に手に持っていた」
エイモスさんがウィンキーから取り上げた杖を目の前に差し出した。月と髑髏の明かりに照らされ見えるようになったその杖は──
「その杖、僕のだ……」
──ハリーの物だった。
「なんだと?では、お前が印を創り出したということか?──いや、すまん。忘れてくれ。君に限ってそんなことはないだろう」
エイモスさんがウィンキーに再び向き合い尋問を再開しようとした時、ハーマイオニーから声があがった。
「ウィンキーじゃないわ!彼女の声はかん高いけれど、私たちが聞いた呪文は、ずっと太い声だったもの!」
ハーマイオニーが振り返って同意を求めてくる。私は頷いて!ハリーとロンも肯定した。
「では、こうしよう。杖が最後にどんな呪文を使ったのか知る術があるのでね。〈
エイモスさんは二つの杖の先を合わせ、呪文を唱えた。その途端、杖の合わせ目から『闇の印』が湧き出てきた。けれど、エメラルド色ではなく濃い灰色。まるで、空に浮かぶ印のゴーストのようだ。
「〈
「あたしはなさっていません!」
ウィンキーは反論する。だけど、クラウチは──
「ウィンキー、私は指示に従わないしもべ妖精はいらない。私はお前にテントで待っていろと言ったのだ。これは『洋服』にあたいする。反論は許さん」
一方的に解雇通知を叩きつけ、その場を離れていった。