その後も、トレローニー先生を殴りたい衝動を抑えて授業を受け続けた。ほとんどデタラメみたいだしね、先生の占い。
「これから一ヶ月間の惑星の動きが、皆さんにどういう影響を与えるか、ご自分の星座表に照らして、詳しく分析しなさい。来週の月曜日に提出です。言い訳は聞きません!」
いきなり、トレローニー先生がいつもの霞みがかった口調をかなぐり捨てて、マクゴナガル先生のようなきっぱりとした言い方で、多めの宿題を出した。
「ハリー、何があったの?」
「ロンがラベンダー・ブラウンにセクハラ発言をして、それを先生が聞いちゃったみたい」
ロン、自重しなよ……。
夕食を食べに大広間へ向かってる最中、ロンはトレローニー先生への悪態をついていた。
「あいつめ、週末いっぱいかかるぞ……」
「ロン、あなたの自業自得よ。あなたはまず巻き込まれたハリーとリーナに謝るべきだと思うわ」
ハーマイオニーが明るい声で言う。数占いでは宿題が出なかったそうだ。全く、羨ましい。数占いに変更する気は無いけどね。
玄関ホールまで行くと、片手に日刊予言者新聞を持ったドラコが近付いて来た。
「ロン、またこいつだ。リータ・スキーターが書いた記事だ。どうやらスキーターは人の名前をちゃんと覚えることすら出来ないようだな」
ドラコはロンに新聞を投げ渡す。覗き込んで見ると、魔法省を貶す記事が書かれていた。アーサーさんの名前はアーノルドと書かれている。
「そろそろ訴えられてもおかしくないと思うんだがね。どうしてこれまでこんな記事を書いて裁判沙汰にならなかったのかが不思議だよ」
「魔法界にはテレビやラジオが無いし、情報を得る手段が日刊予言者新聞だけだからね。どうしても、世論は新聞に左右されるんだよ」
聞いたところによると、リータは中々強引な取材を行うそうだけど、取材対象から訴えられることが無かったってことは、何かしらの弱みでも握ったのかな?関わりたくないな。
大広間でそれぞれのテーブルに着き、料理を食べ始める。近くの床の上を
ハーマイオニーが席を立つ。まだ食事を初めて十分も経っていない。
「また図書室?」
「ええ。やることがたくさんあるの」
ハーマイオニーは大広間をスタコラと出ていく。変なことをしないように祈るしかないかな。
周りの声を聞く限り、ムーディ先生の評判は良いようだ。少なくとも、一昨年や一昨々年よりかはマシらしい。クィレルはともかく、ロックハートはねぇ……。
「ハリー、最初のムーディの授業は木曜だ。それまで待ちきれないよ!」
「残念だけどロン、僕には専属の防衛術の先生がいるからね。リーナはプロに教わったんだし。貸す気はダンブルドアの髭の一本ほどもないけど」
「ハリー、僕に喧嘩を売ってるのかい?これ以上惚気話を聴かせるなら一シックルでその喧嘩買おうかい?」
ハリーとロンが口喧嘩(?)を終えるのを待ってから寮に戻る。ハーマイオニーはまだ戻ってこないようだ。ハリーに抱きついた後、椅子に座ったハリーの膝の上に座らされて、お腹に手を回されている状態なんだけど、どうしよう。周りの目線が生暖かいのとリア充爆発しろって思いが聞こえてくる。
「ただい……リーナ、ハリー。惚気もほどほどにね?グリフィンドールのみんながブラックコーヒーを常飲するようになっちゃうから」
図書館から帰って来たハーマイオニーにそう言われる。失礼な。これのどこが惚気なんだい?……惚気だった。盛大な惚気だった。過剰なスキンシップだったかも。
顔を紅く染めた私は慌てて自室に走り帰った。うう……夏休み中には良く座ってたから慣れてたんだけどね。