寮に戻ると、偽ムーディのことが噂されていた。あれが誰なのかだとか、なんで私が見破ったのかだとか。
私を見つけたハリーが近寄ってきた。
「ハリー、心配させないでよね?」
「……まさか、また何か事件が起こるの?」
顔を青ざめさせながら聞くハリーに、私はただ、首を縦に振った。
次にやってきたのは、双子のウィーズリーだ。手には書きかけの手紙が握られている。
「リーナ、ちょーっと聞いてくれるかい?」
「ルード・バグマンのことを覚えてるか?」
「うん、覚えてるよ」
この二人は彼が提示した賭けに大勝したんだったね。でも、彼がどうかしたのかな?
「やっこさんは確かに俺たちに金貨を支払った」
「だが、それは全てレプラコーンの金貨だった」
「「おかげで翌日の朝には一文無しさ!」」
「だから、俺たちは手紙を書くことにした」
「リーナが味方してくれるなら心強いんだ」
なるほど、ディメント家の者が味方することで、バグマンさんを脅すということか。もちろん、私は後で署名することを約束した。
翌日、掲示板にはとあるお知らせが張り出されていた。新しい闇の魔術に対する防衛術の教師の話だ。えーと、新任教師……シリウス・ブラック……お父さん!?
「リーナ、これ、新しい先生がシリウスおじさんって……」
「なってるね。お父さんが教師か……似合わない」
ロンとハーマイオニー、ネビルも驚きで口が開きっぱなしになっている。スリザリンの寮ではドラコも似たような感じになってるはずだ。
次の闇の魔術に対する防衛術は明日だ。楽しみにしていよう。
「なぜシリウスが防衛術の教師に抜擢されたんだ?」
「多分、ダンブルドアだと思うよ」
「あの人ならシリウスをキープしていてもおかしくないわね」
魔法生物飼育学でスクリュートの世話をしながら、ドラコと話す。内容はもちろんお父さんのことだ。
「ところで、偽ムーディは一体誰だったんだ?リーナ、君はわかってるんだろう?」
「うん。あの人はバーテミウス・クラウチJr.。十年以上前にアズカバンに収監された
私の言葉にドラコは目を丸くする。あの場に死喰い人が居ただなんて、確かに恐ろしいだろう。
「目的はなんだったんだ?」
「ハリーの誘拐とヴォルデモートの復活。逃げられたから、この後もハリーを攫おうと何か仕掛けてくるはず。ホグワーツに居る限りは私が守って、もし攫われたら、ジョンに任せる」
「ジョンって、あのボディビルダーみたいな人?」
「その人。彼が居る場所が、ハリーを連れて行こうとしていた場所に近いところだからね」
ゴイルが爆発を使ったスクリュートの突進を腹で受け止めてるのを見ながら、私たちは明日の防衛術の授業を楽しみにしていた。