「やあ、みんな。初めまして。私はシリウス・ブラックと言うんだが……冤罪とは言え、去年まで殺人犯として扱われてた人間なんだが、なんでみんな怖がらないんだい?」
先生が変わって一番最初の授業。お父さんはみんなに怖がられないかとビクビクしてたみたいだけど、グリフィンドールのみんなはお父さんのことをキラキラした目で見ていた。
「えーと……ランダムに……シェーマス・フィネガン、それにラベンダー・ブラウン。なんで君たちはそんなキラキラした目で私を見つめるんだい?」
「ロンとハリーから聞きましたからね。あなたがリーナの養父になったって」
「彼女なら安心できますし、先生が暴走しても確実に止めてくれるでしょうから」
「……つまり、私が信頼されてるんじゃなくてリーナが信頼されてるのか。少しショックだな」
わかりやすく落ち込むお父さん。でも、すぐに立ち直って話し始めた。
「さて、去年の話はムーニー……リーマス・ルーピンから聞いた。それに、愛する娘からつい先日まで教師を演じていた男が何を教えていたかも聞いた。不本意ではあるが、彼の教えようとしていたことは正しい。君たちは最も恐ろしい闇の魔術を、そして、それらを確実に防ぐための技術を学ぶべきだ。〈死の呪い〉、〈磔の呪い〉、〈服従の呪い〉。それぞれがどんな効果を持っているかはわかっているね?まずは、服従の呪いの防ぎ方から教えよう」
お父さんは黒板に人の絵を描いた。頭の中には円があり、その中に自己と書かれている。
「服従の呪い……〈
自己の下に線を引き、お父さんは振り向いた。
「しかし、どうしても心が弱くなることがある。例えば悲しみ。例えば怒り……は、場合によってはさらに強くするかもしれないけど。そして、苦痛も、心を弱らせる。〈磔の呪い〉は、情報を引き出す他に、服従の呪いをかけやすくするためにも使われることがある。
この呪文は盾の呪文や遮蔽物で防げる。服従の呪いもね。あとは、何者にも屈しないという心。有り体に言えば精神論だ。心を折らなければ、抜け出すチャンスが来る。……昔、こんな対処法をしたやつが居たけどね。マゾになって苦痛を快楽に変えた変態が」
最後の話にみんなが笑った。なるほど、そんな対処法が……誰も真似できないだろうけど。
お父さんの話は三つ目、死の呪いに入った。
「〈アバタ・ケダブラ〉は防ぎようがない。遮蔽物を用意するしかないんだ。服や布じゃ駄目で、それこそ石像や壁とかしかね。盾の呪文もきくかどうかわからない。でも、直線にしか進まないから、運動神経がよければ避けることができる。運動を欠かさないように。地道な努力がいつか、君たちを救うかもしれないんだから」
お父さんが話し終わると、ちょうどベルが鳴った。お父さんはみんなに手を振って奥の部屋に消えていった。
お昼は、お父さんがどれだけいい先生かをグリフィンドールのみんなが他の寮の生徒に言って回ってた。これは、ルーピン以来の人気者になるかな?
磔の呪文はドMなら喜んで受けるような気がするのは私だけだろうか。
次回は14日頃に投稿予定。