クィディッチの練習がだいぶ佳境に入ってきた。いやー、きついね。ロンの宿題はハーマイオニーが見てくれてるから、そっちに気を回さないで済む。
私とハリーは、今、中庭にいる。理由はない。
「ハリー、緊張してる?」
「全然。リーナは?」
「まったく。練習通りやるだけさ」
明日はクィディッチのデビュー戦。さて、相手チームはどこだったかな……。
「リーナ、スネイプだ。足を引きずってる」
「あ、本当だ。どうしたのかな」
スネイプは片足を引きずっていた。多分、フラッフィーに噛まれたのだろう。
「そろそろ戻ろうか」
「そうだね」
次の日、私は山盛りにしたソーセージを食べていた。美味しい。ハリーはあまり食べていないようだ。
「ハリー、食べないの?」
「あはは……今頃緊張してきちゃった」
「背中叩こうか?」
「叩かなくて平気だよ。相手はスリザリンだっけ?」
「ああ。ラフプレーが多いらしいからね。気をつけて」
「わかった」
十一時、私たちは更衣室にいた。真紅のローブに着替えて、ウッドが話している。
「いいか、野郎ども」
「あら、女性もいるのよ」
チェイサー仲間のアンジェリーナ・ジョンソンが言う。
「そして女性諸君」
ウッドが付け加えた。
「いよいよだ。大試合だぞ。今年は、ここ何年かぶりの最高のチームだ。この試合はまちがいなくいただきだ」
ウッドは全員を見回す。うん、やっぱりクィディッチバカだね。
「よーし。さあ時間だ。全員、がんばれよ」
みんなの後について更衣室を出る。ピッチまで行くと、マダム・フーチが真ん中に立っていた。彼女が審判だ。
「さあ、みなさん、正々堂々戦いましょう」
全員に言ってるように見えるけど、実際にはスリザリンキャプテンの、マーカス・フリントに言ってるようだ。体がでかいね。
「箒に乗って、よーい」
先生がクアッフルを手にして、ホイッスルを口に咥えた。高らかに鳴るホイッスルと、高く投げられたクアッフル。そして、それを追いかける
「さあ、いよいよ試合が始まりました!実況はリー・ジョーダン、解説はマクゴナガル先生でお送りいたします!」
ーーここからしばらくはリーとマクゴナガル先生の実況&解説でお楽しみくださいーー
「さて、クアッフルはたちまちグリフィンドールのアンジェリーナ・ジョンソンが取りました。なんてすばらしいチェイサーでしょうその上、かなり魅力的であります」
「ジョーダン!」
「失礼しました、先生。ジョンソン選手、突っ走っております。パスを受け取ったのは、今年からチェイサーに加わったリーナ・ディメントです。すごい!どんどん抜いて行きます。ジョンソンにクアッフルが返る、そしてーーあ、ダメです。スリザリンがクアッフルを奪いました。キャプテンのマーカス・フリントにパスがーーディメントが奪いました。フリント、何が起こったのかわかっていないようです。頭の中には何が詰まっているのでしょうか」
「ジョーダン?」
「失礼しました。ディメント選手はゴール近くにまで飛んでいます。そしてジョンソンにパス。そしてそのままーーゴール!グリフィンドール、先制点!」
「よし」
先に点を取れた。ブラッジャーに狙われにくいから、楽に通れるんだよね。
クアッフルは今、スリザリンの選手が持っている。さて、どのタイミングなら奪えるかな……ん?あれは……。
スニッチだ。ハリーも見つけたようだ。スリザリンのシーカーも見つけたようだけど、ハリーに追いつけない。あっ!フリントがハリーの前に割り込んだ!あの野郎、後で締める。フーチ先生はフリントに厳重注意を与えて、グリフィンドールにペナルティ・スローをくれた。
スローはアンジェリーナが投げて、見事ゴールした。ゲーム再開。クアッフルは私が持っている。ケイティに投げ渡し、敵の視界から逃れる。上を見ると、ハリーの箒が、ハリーを振り落とすように動いていた。……は?ちょっと待て。リゼの箒は最高級品と同レベルの品だ。ちょっとやそっとじゃ壊れない。強力な闇の魔術でもかけない限りーーあ、犯人クィレルか。
客席を見ると、ハーマイオニーがいなくなっていた。スリザリン側の席にはスネイプとクィレル。クィレルは呪いを、スネイプは反対呪文を唱えているようだ。ーーとりあえず、フリントからクアッフルを奪ってゴールに叩き込む。
ハリーの箒が安定する。見ると、クィレルは前の席に頭から落ちていて、スネイプのローブには炎の跡があった。スネイプ、勘違いされたのか。ハリーは急降下する。が、いきなり口を手で押さえる。何かを吐こうとしている?ハリーは着地して、何か、金色の物を吐き出した。
「スニッチを取ったぞ!」
よし!私たちの勝ちだ!フリントは喚いていたが、飲み込んじゃいけないなんてルールないからね。百八十対五十での勝利だった。
「ちょっといいかな、リーナ」
「何かな?ロン」
「ハリーが箒に呪いをかけられたのは見たんだろ?犯人について話したいからハグリッドの小屋まで来てくれ。ハリーも連れてね」
その言葉を聞き、私はハリーとともに大騒ぎしているクィディッチ会場を抜け出した。