吸魂鬼に転生してしまいました。   作:零崎妖識

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一年の終わりと明かした思い

「ハリーに会わせてください」

 

「ダメです」

 

「五分だけでもいいですから」

 

「ダメです」

 

「ダンブルドア先生は入ってたじゃないですか」

 

「あの人は特別です。今、彼には休息が必要なんです」

 

私は今、マダム・ポンフリーと言い合いをしている。ハリーに会いたいと言ってもダメですとしか返ってこない。

 

「ロンとハーマイオニーも入ってたじゃないですか」

 

「それでもです」

 

「……ディメント家特製の薬で手を打ってくれませんか?」

 

「……どんな薬が?」

 

「多分、もう少ししたら、死以外のほぼ全ての傷や不調を治す薬が出来上がる可能性が」

 

「……はぁ……仕方がないですね。量産できたなら私のところに定期的に納品してください。いいですね?」

 

「わかりました。ありがとうございます」

 

さて、帰ったらブライトを急かして万能薬と言う名前のSCPの生産をしてもらわないと。

 

病室に入ると、ハリーのベッドの横には大量のお菓子が山のように積み上げられていた。

 

「リーナ」

 

「やあ、ハリー。座っても?」

 

「もちろん」

 

ベッドの横の椅子に座る。

 

「ハリー、ダンブルドアが何か言ってた?」

 

「『石』を壊したこと、クィレルが投獄されたこと。あと、透明マントを送ってくれたのが先生だったってこと。あとはスネイプが僕を助けた理由と、なんで鏡から『石』を取り出せたか」

 

「ああ、あそこには『みぞの鏡』があったね。……なるほど。『使いたい者』ではなく、『見つけたい者』だけが取り出せる、か。面白いことを考える」

 

ハリーと私は微笑みあった。

 

「リーナ、聞いてくれるかい?」

 

「ああ。私も伝えたいことがある」

 

「僕から言うね。ーー僕と、付き合ってください」

 

「……いいのかい?私、重いと思うけど」

 

「僕も重いさ」

 

「種族違うよ?」

 

「フリットウィック先生も、ゴブリンと人間のハーフだったと思うけど?」

 

「そう。……なら、私からも。ハリー・ジェームズ・ポッター、私と、付き合ってください」

 

「喜んで、リーナ……えっと、リーナのミドルネームなんだっけ?」

 

「んー、ウィルでいいよ」

 

「じゃ、改めて。喜んで、リーナ・ウィル・ディメント。これからもよろしく」

 

「ああ。よろしく」

 

お互いに顔を近づける。が、そのタイミングでマダム・ポンフリーが入ってきた。

 

「もう十分も経っていますよ。さあ、出なさい。明日のパーティの前にもう一度来なさいな。ダンブルドア先生が彼に行かせてあげるようにとのことでしたので」

 

 

 

 

次の日、病室に行くと、先にハグリッドが来ていた。何か本を渡している。ハリーがそれを開けると、目を見開いて驚いていた。……少し、そっとしておこう。

 

ハグリッドが出てから、病室に入る。

 

「やあ、どうだい?」

 

「平気さ。パーティまでは時間があるんだろう?それまで話そうか」

 

私たちは他愛のない話をした。そして、少しずつ、顔が近づいていき、そして、重なった。初めてのキスは、甘酸っぱかった。

 

少しして、マダム・ポンフリーが最終診察とやらをするので外で待っててくれと言ってきた。

 

外に出てハリーを待つ。出てきたハリーは普段着だった。

 

「さて、行こうか」

 

「そうだね」

 

私たちは手をつなぎ、一緒に大広間へ向かった。

 

大広間はもういっぱいで、グリーンとシルバーのスリザリン・カラーで飾られていた。七年連続でスリザリンが寮対抗杯の優勝を持っていったのだ。横断幕には、スリザリンのシンボルである蛇が描かれている。

 

私とハリーが入ると、突然シーンとなったあとに、一斉に大声で話始めた。私たちはグリフィンドールのテーブルの、ロンとハーマイオニーの隣に座った。もちろん隣同士だ。

 

ハリーを見ようとしてくる輩が居たけど睨んでおいた。

 

「ようやく付き合い始めたのかよ」

 

ちょっ、なんで知ってるのさロン!

 

「そりゃもちろん。この一年、いつ付き合い始めるか、フレッドとジョージが賭けをしてたぜ」

 

「……あいつら、後で締める」

 

「なんで付き合ってないのか、みんな不思議がってたわよ?」

 

ハーマイオニーもかー。

 

ダンブルドアが現れて、喧騒が静かになった。助かった。

 

「また一年が過ぎた!さて、ごちそうにかぶりつく前に、老いぼれのたわごとをお聞き願おう。なんという一年だったろう!君たちの頭も以前に比べて何かが詰まってるといいのじゃが……新学年を迎える前に、君たちの頭がきれいさっぱりからっぽになる夏休みがやってくる。

 

それではここで、寮対抗杯の表彰を行うことになっておる。点数は次のとおりじゃ。四位、グリフィンドール、二百六十ニ点。三位、ハッフルパフ、三百五十二点。レイブンクローは四百二十六点で二位。そしてスリザリン、四百七十二点」

 

スリザリンのテーブルから歓声が上がる。マルフォイはこっちに向けてドヤ顔をしていた。来年は勝ってやる。

 

「よし、よし、スリザリン。よくやった。しかし、つい最近の出来事も勘定に入れなくてはなるまいて」

 

ん?最近のこと?点数が変動する?

 

「エヘン。かけ込みの点数をいくつか与えよう。えーと、そうそう……まず最初は、ロナルド・ウィーズリー君」

 

ロンの顔が赤くなる。

 

「この何年か、ホグワーツで見ることができなかったような、最高のチェス・ゲームを見せてくれたことを称え、グリフィンドールに五十点を与える」

 

グリフィンドールから大きな歓声が上がる。パーシーは他の監督生や生徒に自分の弟がマクゴナガルの巨大チェスを破ったと自慢していた。

 

「次に……ハーマイオニー・グレンジャー嬢に……火に囲まれながら、冷静な論理を用いて対処したことを称え、グリフィンドールに五十点を与える」

 

ハーマイオニーが腕に顔を埋めた。喜んでるね。グリフィンドールの熱気が凄い。

 

「三番目はリーナ・ディメント嬢。自分よりも大きなトロールを、卓越した魔法で倒したことを称え、グリフィンドールに五十点を与える」

 

私もか。これで百五十点増えた。

 

「四番目にハリー・ポッター君」

 

広間が静まり返る。

 

「……その完璧な精神力と、並外れた勇気を称え、グリフィンドールに六十点を与える」

 

『ウオォォォォォッ!!』

 

うるさっ!どんだけ嬉しいんだよ!計算したら、スリザリンと同点になったけどさ?

 

ダンブルドアが手を挙げ、広間が少しずつ静かになる。

 

「勇気にもいろいろある」

 

微笑むダンブルドア。

 

「敵に立ち向かっていくには大いなる勇気がいる。しかし、味方の友人に立ち向かっていくのにも同じくらい勇気が必要じゃ。そこで、わしはネビル・ロングボトム君に十点を与えたい」

 

爆発。そうとしか表現できないぐらいの大きさの歓声が湧き上がった。ネビルはこれまで、グリフィンドールに少ししか加点できなかったからだ。……あれ?まだ話が続く?

 

「そして、これまで敵だと思っていた者と手を取り合い、助けるのにも、勇気がいるじゃろう。わしは、ドラコ・マルフォイ君にも十点を与えたい」

 

先ほどまで苦々しげだったスリザリンからも歓声が上がる。四百八十二点でグリフィンドールとスリザリンの同時優勝だ。

 

「したがって、飾りつけをちょいと変えなければならんのう」

 

ダンブルドアが手を叩くと、垂れ幕の半分が真紅と金のグリフィンドール・カラーに変わり、横断幕の半分がグリフィンドールのライオンに変わった。

 

スネイプとマクゴナガル教授は双方苦々しげな顔で握手している。やっぱ独占したかったのか。

 

その日の料理は世界各国の料理が出て、とても美味しかった。あと、ハリーにあーんってしたり、ハリーにあーんってしてもらったり。周りの人たちがブラックコーヒーを飲んでたみたいだけどなんでだろう?

 

 

 

 

試験の結果が発表された。トップはハーマイオニー。ハリーとロン、私は案外良い成績だった。ネビルは薬草学の成績がよく、魔法薬学が微妙だったようだ。マルフォイは私たちに近い成績だね。

 

寮の部屋で、洋服ダンスの中の荷物を旅行カバンに詰め込む。そして、全生徒に『休暇中、魔法を使わないように』と言う注意書きが渡された。

 

一年生全員が湖を渡る船に乗せられ、ホグワーツ急行へと向かった。

 

「元気でな、五人とも」

 

「また二ヶ月後にね」

 

「森番頑張って」

 

「ドラゴンを飼うなんて無茶はしないでよね」

 

「手紙、送るよ」

 

「ありえないとは思うがクビにならないようにしろよ」

 

最後のマルフォイの言葉でみんなが笑った。

 

「そうだ!確かフラッフィーを譲ってほしいって言ってたよな。後でウィルにでも迎えに来させてくれ」

 

「ありがとう、ハグリッド」

 

汽車の中で、私たちは百味ビーンズを食べたり、世間話をしていたりするうちに、マグルの町々が通り過ぎていった。みんな、魔法使いのローブやマントから普通の服に着替え、キングズ・クロスへの到着を待った。

 

九と四分の三番線に到着した後、みんなのところに泊まりに行ってもいいか聞いてみた。その時の答えは、

 

「だったらみんな僕の家にくる?」とロン。

 

「父上が許したら行こう。ダメな場合は、グリーングラスのところにでも泊まると言って出てくるさ」とマルフォイ。

 

私とハリーは了承。もちろんハーマイオニーもだ。

 

そして、私とハリーは迎えのウィル爺と合流して、プリベット通りの家に帰っていった。ーーウィル爺にからかわれながら。

 

Lina Dement and the Philosopher's Stone 本編 完




あとは後日談や番外編ですね。書けない状況にならない限り、七月中旬ごろに秘密の部屋編を投稿したいと思います。
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