今回のサブタイトルがふざけすぎてる気がする。内容シリアス気味なのに。
なんとなく、秘密の部屋の怪物の正体はわかった。ハリーにも伝えてはあるけど、確証が無い。ほぼ確信してるけど、もし、違う生物なら大惨事だ。
だが、変身術の授業で、秘密の部屋に関する全てのことが、一瞬頭の中から吹き飛んだ。
「一週間後の六月一日より、期末試験を行います。皆さん、復習を怠らないように」
こんな時に試験を行うなんて。学校をできる限りいつも通りに、と言うけれど、ハーマイオニーが悔しがるね。……私も十分的外れなことを言っている。
テストの三日前、朝食の席で、マクゴナガル先生が嬉しいことを言ってくれた。マンドレイク薬が完成するらしい。ちなみにウッドは「クィディッチの試合が再開されるんだ!」と思っていた。否、叫んでいた。ハリーはそれを聞いてちょっと反応してたから、ハリーもクィディッチ馬鹿の道を歩み始めたらしい。私?私はやる時はやるけどのめり込みすぎないようにしてるよ。あくまでも部活だ。
「あれ?ジニー、どうしたの?」
見ると、ハリーの隣ーー私とは反対側ーーにジニーが座って、何かを言いたそうにしていた。……怯えた色をしてるから、告白ではないと思うんだけど、なんだろう。向こう側からパーシーが疲れた顔で歩いて来てるし、手っ取り早く、覗いてしまおう。
『あたしがリドルの日記を捨てて、盗んだ』
『あたしが秘密の部屋を開いてしまった……かも』
『あたしが……みんなを襲ったみたい』
……わぉ、まさかの。継承者、見っけ。ジニーが継承者だとはね。でも、彼女は意図して開いた訳では無いみたいだね。『かも』や『みたい』なんて思ってるから、自分がやったと自覚はしてるけど、その間の記憶が抜けている。
ちょうど、ジニーが話そうとしたところで、パーシーが来て、ジニーは去ってしまった。ロンはパーシーに怒り、パーシーは何やらオロオロしている。……私、気になります!
『言えない、僕がペネロピーと付き合ってるなんて。ジニーには「言わないで」って言っておいたのに』
……マジですか。パーシーはジニーに、レイブンクロー監督生のペネロピー・クリアウォーターとの逢引を見られて、誰にも言わないでくれと言ったのか。
ロックハートの引率で、魔法史の教室に向かう。この無能はイライラすることを言ってくるが、ハリーはそれを利用するようだ。うまく口車に乗せられたロックハートは、引率の途中でさっさと教室に戻ってしまった。
「よし、今だ」
ハリー、ロン、ネビルと、列を抜け出し、マートルのトイレへ向かう。恐らく、あそこが入り口のはずだ。夜、アイポッド達の記憶を見たときに、トイレの洗面台の蛇口の一つに、蛇の紋様があるのが見えた。ん?あれは……
「ポッター!ディメント!ウィーズリー!ロングボトム!何をしているのですか?」
マクゴナガル先生だ。凄く怒ってる。怒りの真紅を通り越して、深紅を通り越して、真っ黒だ。
「あの、僕たちーーええとーー」
「ハーマイオニーの様子を見に来たんです」
「ぼ、僕たち、長い間、ハーマイオニーに会ってません」
「マンドレイク薬が完成すると聞いて、ハーマイオニーにそれを報告してあげようと、私たちは考えたんです」
見事な連携プレーである。どうだ。感情の色は、黒からオレンジへと変わっていく。感動の色だ。目元を見ると、涙がキラリと光っている。
「そうでしょうとも。ええ、そうでしょうとも。襲われた人たちの友達が、一番辛い思いをしてきたでしょう……よくわかりました。四人とも、もちろん、いいですとも。ミス・グレンジャーのお見舞いを許可します。ビンズ先生には、私からあなた方の欠席のことをお伝えしておきます。マダム・ポンフリーには、私から許可が出たと言いなさい。それと、ミスター・マルフォイも呼んでおきます。五人で、彼女のお見舞いに行ってあげてください」
マクゴナガル先生に頭を下げ、医務室方面へ向かう。ーー背後から鼻をかむ音が聞こえてきた。
ドラコと合流し、医務室へと向かう。正直、石になってる人に話しかけてもなんともならない気はするが、マクゴナガル先生に言ってしまった以上、行かなければならない。
だが、良い結果となった。ハーマイオニーは紙切れを握りしめており、そこには、『毒蛇の王』、バジリスクの情報が載っており、怪物の正体がはっきりした。コカトリスも似てるから、どっちかわかりにくかったんだよね。ーーコカトリスよりもバジリスクの方がおっかないけど。
「……どうする?私たちだけじゃどうしようもないかもしれないけど、先生に報告する?」
みんな頷いた。
が、
《生徒は全員、それぞれの寮にすぐに戻りなさい。教師は全員、職員室に大至急お集まりください》
マクゴナガル先生の声が響いた。