フォークスをジニーのお腹の上に乗せる。人肌より少し高めの体温だから、布団の中にいるみたいでとても気持ちがいいだろう。
「バジリスク……ヨーンはこれからどうなるの?」
「自発的に襲っていたのなら有罪。良くて薬殺、悪くて研究所行きだろうね。
でも、魔法契約で縛られていたのなら話は別だ。強制的に従わせる物だったから、魔力が残ってれば無罪だね」
契約自体は、既に効力を失っている。でも、契約の魔力はまだ残留してるから、あの頭が硬い
「……いや、いっそ血祭りにあげても良いかもね」
「リーナ、怖いから落ち着いて」
おっと。
「う、ううん……」
ジニーが動いた。気が付いたのかな?
「ヨーン、目を瞑ってて。そのうち、魔眼の無効化用のコンタクトレンズでも作ってもらうから」
「……あ、ああ、ああああ!ごめんなさい!ごめんなさいハリー!あたしが、あたしがやったの!朝食の時に打ち明けようと思ったわ。でも、パーシーの前では言えなかった。リーナも、ごめんなさい!
……ところで、ここって、秘密の部屋の中よね?リドルはどうしたの?リドルが日記帳から出てきたところで気を失っちゃって……それに、バジリスクは?」
「ジニー、後ろ向いて見て」
「えっ?……き、キャァァァアアアアッ!?バ、バジリスク!?に、逃げなきゃ!」
「落ち着いて。彼はもう敵対してないよ。リドルに操られてただけなんだ。彼は、本当はとっても優しいんだよ」
スー、ハーと深呼吸して、ジニーは落ち着いた。
「……うん。驚いたけど、襲ってこないものね、手懐けたの?バジリスクを手懐けた人なんてそうそういないんじゃないかしら?
……ねぇ、ハリー、リーナ、あたし、このまま退学かしら?不用意に日記帳を使ったのはあたしだし、あれを信用したのもあたし。それに、秘密の部屋を開けて、みんなを襲ったのもあたし。きっと、退学に間違いないわ」
「そのあたりは、ダンブルドアが決めるだろうね。だから、今は気にしないで早く戻ろう?」
私たちはジニーとともに、部屋を出た。ヨーンは寂しそうにしていたが、すぐに戻ってくると言うと途端に元気になっていた。
ロックハートのところに戻る。みんなはロックハートを監視しながら、暇潰しに言葉遊びをしていたみたいだ。私たちが、特に私が行ったことで、心配なんてモノは吹き飛んだとか言ってた。解せぬ。
「ジニーは無事だよね?バジリスクはどうなったの?」
「バジリスクは大人しくなったよ。リドルが操ってただけだし。それに、元凶もなんとかした」
ハリーが日記帳を掲げる。ロンはあからさまにホッとしていた。
「兄妹の感動の再会のところ悪いんだが、どうやって帰るんだ?七人もいるんだ。なぜ不死鳥がいるかは知らないけど、不死鳥でも七人は無理だろう?」
「二回に分ければいいでしょ」
「あ、そうか」
ドラコ、案外抜けてるところあったんだね。ロックハートは戦意喪失してへたり込んでる。orzって感じに。
「ロックハートは二回目。絶対に。ジニーは一回目。あとは……その場のノリだね」
そう言って、みんなを見渡す。一組目を見送り、フォークスが戻ってくるのを待つ。
「……ふふ、これから私はどうなるんでしょうね?」
「良くてクビ。いや、ほぼ確実に監獄行きだろうね、ロックハート」
「私は、間違っていたのですか?何がいけなかったんですか?……君なら、答えられるんだろう?教えてくれるかい?」
「活躍しようと、目立とうと思ったのが間違い。別に、表で活躍する人だけがヒーローってわけじゃないんだから。表に出てこない、縁の下の力持ちってのもかっこいいじゃん。みんなを、ヒーローを支える仕事。自分がいなければヒーローが成り立たない仕事。魔法事件をマグルの目から隠す役職あったよね?あれなら天職だったんじゃないかい?彼らのおかげで、魔法使いはマグルの目から逃れられてるんだしさ」
「そうか……ありがとう。ねぇ、こんな私でも、やり直せますか?」
「あなた次第さ」
戻ってきたフォークスを撫で、ロックハートの腕を掴む。その後ろに、日記を見ていたハリーが続く。
フォークスの尻尾を掴んだ。すると、いきなり体が浮き上がり、とてつもなく早く飛んでいた。そして、三十秒ほどで、マートルのトイレに戻ってきていた。
「……生きてるの?ああ、残念。もしあんたが死んだら、わたしのトイレに一緒に住んでもらおうって思ってたのに」
「ハリーは私のだよ」
何やらマートルがハリーのことを狙っていたので言っておく。ジニーへの牽制も含めて。
「ギシギシしてないで、早くマクゴナガル先生のところへ向かおう。あの人が、一番信用できる」
フォークスの先導で、マクゴナガル先生の部屋に向かう。廊下は誰もおらず、重苦しい空気が漂っている。これも、明日には一変しているとこだろう。
先生の部屋の前に出る。ハリーがノックをして、ドアを押し開いた。
ロックハートが若干綺麗になったかな?