注意!
この章はホグワーツの様子=ハリーやロン、ハーマイオニー、ネビル、ドラコなどの様子の描写が少なくなります。理由は、魔法省からの吸魂鬼出動命令に吸魂鬼orディメント家として参加するからです。あと原作乖離が他の章よりも酷くなるかと。それでもよろしいと言う方はどうぞ。
あ、この章から東方のマジックアイテムが登場しますよ。
始まり始まり
八月某日、ロンドン。霧の深い夜のこと。一人の女性が路地を歩いていた。黒のパンツスーツを着た、一見すると会社員の女性。しかし、彼女の懐には杖があった。
ここ最近、ロンドンで被害が相次ぐバラバラ殺人事件。その犯人とされているのが切り裂きジャック。こんなところにいては襲われてしまう、と、彼女はさらに早足になる。
と、彼女のバッグの中が光り出す。取り出されたのは、ガラスのミニチュアごまのようなもの。
何かの気配を感じる。女性が後ろに振り向くと、輪郭のぼやけた人影が立っていた。
「……貴女かなぁ?」
人影はニィ、と笑うと、一目で呪いがかけられているとわかるナイフを取り出し、女性を切り付けようとーー
「そこまでだよ。〈
したところで真後ろから失神呪文が浴びせられた。
「いやー、安全ってわかってても怖いよ。もっと早く出てきてくれても良かったんじゃない?ねぇ、リーナ」
「だいぶ余裕そうだったじゃん。それに、わたしが協力しなくても返り討ちにできたでしょ、リゼ」
人影の後ろから出てきた少女ーーリーナと女性ーーリゼが談笑する。彼女たちは影に近づき、覆ってる何かを剥ぎ取った。
「へぇ、透明マントか。使用期限がだいぶ切れてるやつ。なるほど、恐怖演出かな?」
「バックパックの中にもう一つ、新品の透明マントがあるねぇ。これで逃走してた、と。いやぁ、透明マント二枚とか、よく手に入ったね、この男。珍しい素材でしか作れないって聞いたけど?」
「標準装備が透明マントな私たちが言う?」
二人は男を拘束すると、建物の陰からするりと出てきた男に犯人を放り投げた。
「おっと、もうちょっと丁寧に渡して欲しかったんだが?」
「いいじゃん、別に」
「わかってるでしょ?クィレル」
ちっ、と舌打ちをして、クィレルが男を脇に抱える。そして、二人に新聞を二つ投げた。
「君たちが仕事をしている間に大変なことになった。リーナ、監督不届きではないかね?」
「なんのこと?……って、ええ!?」
受け取った新聞は別々の号で、新しい方には、『シリウス・ブラック脱獄か!?』と、一面に載っていた。
「お父さん、なんでロンドンに出てきてるの!?クィレル、どういうこと?」
「もう一つの方を読んでみればわかる」
もう一つの新聞には、ウィーズリー一家が新聞のくじで七百ガリオンを当て、エジフトに旅行しているとの記事が。写真にはウィーズリー一家、そして、ペットのスキャバーズ――ピーター・ペティグリューも写っていた。