今回はハリー視点です。
バックビークから降りた後、ロンたちに、木曜日の昼にリーナと会うことを伝えた。その日なら、昼休みの直前にスリザリンと合同で魔法薬学があるから、ドラコとすぐに合流できる。
魔法薬学の授業で、シリウスがここからそう遠くない場所で目撃されたって話が出てきた。スネイプ先生は私語は慎めと言っていたが、意地の悪い笑みを浮かべていた。リーナの記憶を覗いたんだし、僕とシリウスとの関係はわかってるはずだ。それでも何か企んでそうなのは……スネイプがシリウスに、何か恨みでも持ってるから?
授業が終わり、あとは昼を挟んで防衛術の授業のみ。すぐに僕たちは、ハグリッドの小屋へ向かった。
「ハグリッド、リーナに呼ばれたんだけど」
ドアをノックして言う。
小屋から出てきたハグリッドは、ファングともう一頭、黒い犬を連れていたーーシリウスだ。
「おう、待っとったぞ。ほれ、パッドフッド、行ってこい。リーナなら放牧場にいるからな」
「ねぇ、ハリー。パッドフッドって、一年生の時に君の箒を届けようとしていた人の名前だよね?なんでその犬がそう呼ばれてるの?」
「この後わかるよ。ほら、もうすぐそこだ……」
放牧場の柵には、リーナが座って空を眺めていた。近づいていくと、僕らの感情でも感じたのか、視線をこっちに向けてきた。
「やあ、ハリー。それにみんな。久しぶり」
リーナが微笑む。うん、可愛い。あ、少し赤くなった。
「リーナ、久しぶり。ええと……元気?」
「うん、元気だよ。それで、ハリーから聞いてるけど、なんで私がシリウスの義娘になってるのかって話をだよね?」
「それ以外にも色々と聴かせて欲しいの」
「うん。わかってるよ。その前に……みんな、心の準備はいい?」
みんなが頷く。
「ならよし。それじゃあ、この話を語る上で最も重要な一人に来てもらおうか。
パッドフッド、元に戻ろうか」
リーナの声で、黒犬の姿が徐々に変わり、人間へと変貌していく。数秒後には、完全に人間となっていた。
「彼は……シリウス・ブラック!?」
「そう。ご紹介しよう。私の養父でハリーの名付け親、パッドフッドことシリウス・ブラックだ」
「君たちがハリーとリーナの友達かい?よろしく」
シリウスが笑みを浮かべるが、みんなは後ずさりしている。そりゃそうだ。世間一般から見れば、シリウスは犯罪者だ。
「まずは、お父さんのことだね。彼は無罪だよ。下手人は他にいる」
「無罪って……十年ぐらい前のあの事件だろう?ブラックがピーター・ペティグリューを吹っ飛ばしたっていう。生き残りはブラックのみで、状況証拠からブラックが犯人と断定されたはずだ」
「その説明もしよう。まず、今見た通りに、お父さんは黒犬の
「ええ……前に気になって調べてみたの。マクゴナガル先生の名前もあったわ。でも、シリウス・ブラックの名前はなかった。今世紀にはたった七人しか動物もどきはいないはずよ。でも、今まさに、シリウス・ブラックは黒犬から変身して見せた……まさか、非登録の動物もどき?」
「正解さ。私は非登録の動物もどきだ。今、少なくとも二人の非登録者がいる。少し前までは三人目がいたーージェームズ・ポッター。ハリーの父親だ。彼は牡鹿の動物もどきだった。私は今見たように黒犬だ。もう一人、そいつがジェームズとリリーの家を『あの人』に教え、私を殺人犯に仕立て上げた。
正直驚いたよ。あいつがそんな知恵を持っていたなんてね。そいつは私と戦ったとき、爆発呪文で目くらましすると同時に、自らの指を切り離して囮とし、まんまと逃げ果せた。そいつの名はーーピーター・ペティグリューと言う。ネズミの動物もどきさ」
ピーター・ペティグリューが生きていると言う話は僕も聞いていた。でも、彼がどうしているのかはつかめていなかったはずだ。そんなシリウスがここに出てきたってことは……
「あいつは今、スキャバーズと言う名前で、ロン・ウィーズリー、君に飼われているはずだ」
ロンの顔が驚愕に染まった。
リーナの正体については次回かその次かな?