勘違いと言うか聞き間違いだけど。
クラス代表戦が終った後、1年1組ではクラス代表決定の記念パーティーが行われた。何故当日の夕方にしかもクラス代表“決定”のパーティーが行われるのかが分からない。てか、代表って誰になったんだ。俺は試合前にならないって言ったから無いだろうがそうなると一夏かオルコットとなるがどうなんだろう?
パーティーに出ていれば分かるんじゃないか?と思っていたのだが俺はパーティーがあると分かった時点ですぐさま逃走経路を調べだし、パーティーが始り他のクラスメイトが乾杯をするために意識がグラスに向かった瞬間即座に教室から抜け出した。抜け出した後誰かが探しに来ない所を見るにどうやら俺の存在は忘れられているらしい。
地味に目立たないようにしてきた成果が現れたようだ。ゆくゆくは俺の存在なんて殆どの人が忘れてしまえばいいのだ……まあ、無理だろうけど。
ちなみにパーティーを抜け出してきた理由としては、ああいう皆でワイワイと騒ぐのって苦手なんだよね。と言うか無理なんだよね。小中学校ともにいじめられてたからクラスでパーティーを開いても俺は基本ぼっちだったし。呼ばれないときとかもあったし。
だから皆でパーティーって嫌な思い出しかないんだよね。ホント前世の記憶がなかったら引き篭もりになってたよ。
さて、パーティーを抜け出して向かった場所はIS学園の屋上である。夕日が落ちて薄暗くなった屋上は人も居らずとても静かだった。時折海辺から来る潮風が頬を撫でるのが気持ちよかった。
「……ふぅ」
屋上の手すりに寄りかかりため息を一つ。
「原作介入なんて望んでないってのに……。静かに穏やかに平穏な生活を送りたいんだけどなぁ」
ふと零れた言葉は今の俺の心情を切実に表していた。この世界に生まれた当初はこの世界で生きていく事を楽しもうとしていた。が、現実はそう上手くいくものではない。両親の不仲や学校でのいじめなどままならないことばかりが自分自身に降りかかる。
そんな人生をおくって来たら原作介入などと言っているだけの気力は無くなってしまった。だから原作には、原作キャラには関わらないようにしようとしたのに、向こうから俺に関わりを持とうとしてくる。一体如何すればいいのか……
「そういえば、今日は「週刊 主夫の友」の発売日だったな」
「週刊 主夫の友」とは俺が定期購読している雑誌である。毎週毎週料理の献立のレシピや日曜大工の仕方、夫婦の仲を保つ方法など世の中の主夫の味方とも言える雑誌である。
「しまった、買いに行くのを忘れてた」
定期購読しているだけあって俺の数少ない楽しみの一つなのに買い忘れるとは。そして悪いことは続く物で急に突風が吹き目にゴミが入ってしまった。メガネをしているにも拘らずに。
「クソッ!!」
メガネを外して目を擦りゴミを取ろうとするがなかなか取れない。そうしているうちにイラついて来て八つ当たりのように大きな声を出してしまった。
「なんで、なんで俺は買ってなかったんだ!!」
そう叫び再び目を擦る。擦りすぎた目は赤く充血して涙も出てきた。
「ちょっと擦り過ぎた「四五六君!!」か!?」
急に俺の名前を呼ばれ振り向いた先には息を切らした簪さんの姿が。
「あれ、簪さん?どうして、此処に」
「私の友達に貴方を探してくれって頼まれたから、探してたの」
「あ~黙ってパーティー抜け出してきたからな。迷惑かけちゃったね簪さん」
「ううん。それはいいの……ねえ四五六君」
簪さんは何か決意した表情で俺の傍に来て俺を抱きしめた。
「か、簪さん!?」
「泣いてもいいんだよ」
「え?」
「男の子だからって泣くのを我慢したりしなくいいんだよ。迷惑かもしれないけど私でよかったら話を聞くよ。だから、今は泣いていいんだよ四五六君」
俺のほうが身長が高かったせいで俺はしゃがみこむ様に簪さんに抱きしめられている。簪さんの胸から聞こえる心臓の鼓動がやけにハッキリと聞こえた。
……どうしてこうなった!?どうしてこうなったぁああ!!
4月7日更新予定の話のネタバレ!!
束ちゃんは弄られ可愛い!!