一夏たちとの食事も終わり、教室に戻ろうとした直後、生徒会に呼ばれた俺。凄く行きたくない。いっその事逃げてやろうかと思ったが逃げた方が大変な事になるだろうと思いしぶしぶ生徒会室に歩いていった。
で、生徒会室前に着いたのだが、着いたのだが、何だこの雰囲気は。凄く威圧感を覚えるのだが。何と言うか、誰の妹に手を出したんじゃオノレェ!!、見たいなシスコン臭が凄くします。入りたくねぇ……。
「し、失礼します。1年1組の一二三四五六ですが」
「どうぞ。ドアは開いてるわ」
覚悟を決めて、ドアを開けるとそこには一人の女性が座っていた。彼女こそ、簪さんの姉でありIS学園最強の生徒でもあり、対暗部用暗部「更識家」現当主、更識楯無その人だった。
「はじめまして。私はIS学園生徒会長、更識楯無よ」
「あ、はじめまして。一二三四五六といいます」
「私の名前も珍しい物だと思ってるけど貴方のも珍しいわね」
「まあ、よく言われます」
「っと、立ち話はここまでにして座ってくれるかしら」
「あ、はい」
そういわれ俺と楯無さんは生徒会室に用意されていた席に座る。が、楯無さんは一流企業の社長が座るようなフカッフカの椅子に対して、俺の椅子はパイプ椅子。しかも座った時にぎしぎし鳴ってた。何これ、いじめ?まあ、こういうのには慣れてるからいいけど。
「さて、今回私が貴方を呼んだ理由なのだけど……大した事ではないの」
「はぁ……え?」
「呼んだ理由は貴方の専用機開発について私の実家も名乗りを上げた、っていう事を伝えるために呼んだだけだから」
「……それだけ、ですか」
「ええ。それだけよ、更識家当主としての用件は、ね」
更識家当主、としては?
「で、ここからは更識家当主としてではなく、一二三君のルームメイトの更識簪の姉としてお話があるの」
にっこりと笑う楯無さん。だが、その瞳だけは笑ってなどいなかった。むしろ俺を射殺す気としか見えなかった。何故こんな事になった……。
「一二三君、ここ最近かんちゃんの食事を作っているらしいじゃない」
「ど、どこでその話を?」
い、何時から気がついた?と言うかどうして気が付かれたんだ!?この事は誰にも言ってないはずだそ。
「本音から聞いたのよ。『最近ごろーちゃんがかんちゃんの食事を作ってるの』って」
本音さーーん!?
「私もここ最近になってかんちゃんがお昼時にお弁当を食べている事に疑問を思っていたのだけど一二三君が作っていたとはね」
「え、ええ。まあ」
「だから、姉として感謝するわ。かんちゃんの食事を作ってくれて。かんちゃんったら食事なんてビタミン剤と携帯食糧で済ませてたら……」
「あれは、さすがにどうかと思いましたからね」
年頃の女の子の食事が携帯食糧とビタミン剤のみとか、あれは流石に無いと思ったからな……?どうして楯無さんは簪さんの以前の食生活の事を知ってたんだ?
「ところで話は変わるけど一二三君。かんちゃんに抱きしめられたらしいわね」
「ブフゥ!?」
突然の話の切り出しにむせた。
「な、え!?」
「あらあら、どうしたの?そんなに慌てて?」
気がつけば楯無さんはいつの間にか椅子から立ち上がり俺の目の前にまで来ていた。一体何時の間に来たんだ、全く気がつかなかったぞ。
「このIS学園は様々な国から生徒が入学してくるにあたって様々な所に監視カメラが設置されているの。無論この学園全てをカバーできているわけではないけどね」
急に切り出された話に動揺している俺を後目に手に持った扇を一定のリズムで手に叩きながら俺の周りを歩く楯無さん。
「それでも校舎は重点的に監視できるようになっているの。生徒が一日を過ごす場所だからね。そう
俺を逃がさないといわんばかりに周囲を回りがら話を進めていく楯無さんに対し、俺は椅子を立ち上がり弁論しようとしたのだが手足が
(これは!?水が俺の手足を拘束している!!)
「で、たまたまあの日私が監視カメラの映像をチェックしていたら、あの内向的で内気なかんちゃんが一二三君。貴方を抱きしめてるじゃない。年頃のかんちゃんが、異性の一二三君、貴方を」
そこまで話した時、楯無さんは俺の真後ろに居た。俺は振り向こうとしたのだが、この水は気がつけば俺の胴体と首にも纏わり付き俺から一切の自由を奪い取っていた。
「ねぇ、一二三君……。貴方かんちゃんに一体ナニヲシタ?」
吐息が掛かるほど近くで囁かれた声は恐ろしいほどまでに平坦で、人が発した物とは思えなかった。
「あ、れは……あれは、その簪さんがあの日あったクラス代表戦の結果の事で俺の事を慰めてくれただけです!!」
「結果の事?」
「お、俺はクラス代表戦でオルコットさんと、織斑に勝てなかったから、その事で簪さんは慰めてくれたんです」
「……」
顔を動かせないため楯無さんが一体どんな表情をしているのか分からない。それが一層俺の恐怖を高めていた。
「……まあ、そういう事にしておきましょう」
どうにか楯無さんの中で納得してくれたようで俺の拘束を解いてくれた。
「フゥ……って冷た!!」
拘束を解いてもらったのはいいのだが制服が濡れていた。下着まで……。
「あ、ご、ごめんなさい!!」
慌ててポケットからハンカチを取り出して俺の濡れた服を拭いてくる楯無さん。
「あ、大丈夫ですよ。そんなに濡れてないですから(嘘だけど)」
「ご、ごめんなさいね。私ったらその、かんちゃんの事となると自重が効かなくって」
シュンとしてうな垂れる楯無さん。その姿は悪い事をしてそれの事で怒られないかと不安になっている子供みたいに見えた。
「フ、アハハハッ!!」
「な、なに急に笑い出して」
「いえ、今の態度とさっきまでの態度があまりにも違うんでちょっと笑えて来ちゃって」
「なっ!!と、年上の女性を笑うんじゃない!!」
「ハハハ!!」
「わ、笑うなーー!!」
大きな声で笑う俺をポコポコと叩く楯無さん。その表情は何所にでもいるような普通の女の子の顔だった。
「フゥー!!フゥー!!……コホン。き、今日の話はこれでおしまい。誰にも言っちゃダメだからね」
「顔を真っ赤にして叩いてきた事を、ですか?」
「一二三君!!」
「冗談ですよ。誰にもいいませんよ。簪さんにもね」
軽く笑いながらもそう言う俺に何とか安心したのかそっぽを向きながら頬を染める楯無さん。
「……かんちゃんには、絶対に秘密にしてね。私はかんちゃんの前では
「え?」
「はい、とにかくこの話はもうおしまい。私はお仕事が有るから部屋に戻った、戻った」
「え、あ、はい」
何かを誤魔化す様に俺を生徒会室から押し出しドアを閉めてしまう。簪さんの前では
そんな事を考えながらも部屋に戻る俺。楯無さんが言った言葉に何か引っ掛かる物が有るがとにかく今は考えておかないとな……。
全校放送で生徒会に呼ばれた事に対しての言い訳を。
この小説は作者の妄想と読者さまのわっふるで構成されています。
だから迷走してしまうんです。