IS学園で行われた学年別トーナメントに突如として襲撃してきた謎の機体。試合中であった一夏と鈴音が対応するも、まったく対処することができないでいた。
そんな中で、アリーナの管制室から抜け出した箒が一夏に声援をかけるもほうきの姿を見た謎の機体は殺意を露にして箒に対して、殺意を実体化させたような暴風を作り出して箒に向けて放った。
アリーナにいた誰もが、箒の、人の死を想像した。
だが、そうはならなかった。殺意の暴風から箒を守った者はこの世界で最大のイレギュラーであった。
「な、ん……なんだ、これは……」
殺意を持って攻撃し、殺害したと思ったはずなのに暴風が収まってから現れたのはかすかに発光している八つの球体であった。
「裏切り者が作った自衛兵器か……? いやそんな事はどうでもいい。私の邪魔をするならば破壊するのみだ」
ふわふわと円を書く様に浮いている球体に対して攻撃を仕掛けようとするその時
「それを壊されるのは困るんだが」
「何!?」
唐突に後ろから声をかけられその場から全力で離脱する。離脱し声が聞こえてきた場所を向くとそこにはさっきまではいなかった、白い
「き、貴様何処から現れた!?」
「答える義務はない」
アリーナに新たに現れた機体。その姿は既存のISとは違いどちらかと言えば最初に現れた方の機体に似ていたが、全身を純白で覆う様な装甲に複数個所に何かを取り付けるようなアタッチメントがあり、特に頭部は西洋龍をモチーフにしたような兜になっていた。
「……ここじゃ狭いな」
「何だと」
白い機体が呟くと同時に八つの球体が同時に動き出す。
「場所を変えさせてもらう。嫌でもついて来てもらう」
「何を、離せ!!」
白い機体は最初に現れた機体に取り付くと物凄い勢いで上昇する。その先には待ち構えるかのように八つの球体が先回りをしており、球体それぞれがビームをアリーナのシールドに放ち無理やり穴をこじ開けていた。
取り付いてきた白い機体を離そうと暴れるが、外部スピーカーからではなく通信装置から聞こえてきた言葉に動作が止まってしまった。
『……風のランスター』
『貴様!?我が名を!!』
最初に現れた謎の機体。その名前を知っているものは極限られた者しか知らないはずなのに白い機体はその名前を知っていた。
『一体何処でその名を知ったのだ!!答えろ!!』
『……』
白い機体はランスターに答える代わりに速度をさらに上げてIS学園から遠ざかっていき学園から数百メートル以上はなれた海上まで来ると白い機体はランスターから手を離し投げ飛ばす。投げ飛ばされたランスターだがすぐさま機体のバランスを取り白い機体と対峙する。
向き合う二機。仁王立ちする白い機体の後ろには八つの球体が円状浮かんでおり、ランスターはいつでも動けるように警戒していた。
「……」
「……」
無言で向かい合う白い機体とランスター。数秒ほど睨み合いが続き、戦いが始まった。
「貴様のその機体に、我が名を知っている事すべて答えてもらう」
「こっちも色々と聞きたい事があるから答えてもらう」
ランスターは背中にある巨大な一対の羽のようなブースターを巧みに操り高速移動しながら白い機体に迫る。白い機体はランスターほどではないも同じく高速移動で距離を保ち同時に八つの球体でランスターを包囲するように攻撃をする。
白い機体とランスターの戦いにより二機の周囲には暴風と光線が入り乱れる乱戦状態となった。
「我が風のランスターにここまでついて来られるとはその機体は……貴様一体どこで其の機体を手に入れたのだ」
「この機体は八卦龍っていう名前があるんだがね」
お互いに音速を超えた高速移動をしながらも会話が続く。
「
「まあ、あえて言うなら世界を支配できる組織が作った、とだけ言っておくよ」
白い機体、八卦龍が答えた言葉「世界を支配できる組織」その言葉にランスターは考える。
(世界を支配できる組織、そして八卦の名……まさか)
思考したのは1秒にも満たない間だった。がその1秒にも満たない間でも八卦龍にとっては大きな隙であった。
「隙あり」
「しまっ」
一瞬の隙を突いて背中の巨大ブースターに一撃を入れることに成功した八卦龍。致命的な一撃ではないもののランスターの機動力が落ちたことには変わりはなかった。
「貴様、我が風のランスターに傷を……」
「戦闘中に隙を作るのが悪いんじゃないかな」
「……ある程度たたきつぶして持って帰ろうと思ったが止めだ。貴様はここで潰す」
その言葉を皮切りにランスターの纏う気配が変わった。さっきまでとは違い殺意を前面に押し出すその姿に背筋が震える。
「フンッ」
「な!?ガハッ」
八卦龍とランスター、十数メートルは離れていたはずの距離をランスターは瞬間移動したかのごとく詰め八卦龍の腹部に勢いの乗った前蹴りを叩き込んだ。一切の予備動作なく距離を詰めての攻撃に対応が遅れる。
「どうした、どうした、さっきまでの勢いはどうしたああぁぁーーー」
「が、ぐううぅぅっ」
瞬間移動のような移動方法で全方位から打撃と暴風で攻撃を仕掛けるランスターに対して八つの球体、八卦球を使い防御するも防御が間に合わない。
(何でこんな急に速度が変わったんだ。さっきまでは何とか付いていけたのに)
急激に変わったランスターの機動力。それを十全に使いこなしての攻撃に八卦龍の装甲が削られていく。
(さっきまではアニメと同じ移動方法だったのにこれじゃあ、ISみた、い……そうか、そういう事か、クソったれが!!)
機動力が変わる前のランスターは四五六が見ていたアニメと同じ移動方法であった。
(あのランスターはアニメのランスターじゃない。ISとしての機能を持ったランスターなんだ)
ここに来て四五六はまた、思い知らされる。ここは自分が知っている原作の世界ではないと。
「フン……大層な口ぶりだったが、所詮はこんなものか」
距離を取ったランスターの前には全身に傷を刻み込まれた八卦龍があった。
「止めだ」
ゆっくりと両手を広げるそのしぐさに四五六はランスターが何をしようとしたのかを察し回避しようとする。だが
「この位置ならば避ける事はできぬぞ!!」
「しまっ」
ランスターの攻撃の射線上、その先にはIS学園があった。それを確認した時点で四五六に回避するという選択肢はなくなった。ISサイズとはいえランスターの自信のありようから確実にこの場所からIS学園まで攻撃が届くと確信できてしまった。ゆえに全力で防御するしかなかった。
「防げるのなら防いで見ろ!!」
「我が風のランスター最大の攻撃を!!」
「デェット! ロン! フゥゥゥーーン」
両手を広げきったその時、ランスターの正面に「風」の文字が一瞬浮かび、両手を抱きしめるように交差させると同時に両肩から六つの竜巻が発生し、それがひとつの巨大な竜巻となって八卦龍に襲い掛かる。
「ぐううぅぅ……持ってくれ八卦龍!!」
両手を顔面の前で交差させ、さらにその前に八卦球を展開させて防御する。だがしかしどんどんとIS学園の方に押されていく。
[外部装甲60%損傷]
[内部機能55%低下]
[八卦球機能88%低下]
八卦龍のシステムからエラー音と警告文が引っ切り無しに鳴り響く。
「貴様をここで倒し、あの学園と贋作を破壊しオリジナルコアを手に入れてくれる。そうすれば、我等が悲願が……」
「が、あああぁぁぁーーーー」
ランスターが何かを言っているがもはや四五六には聞こえていなかった。全身を揺さぶる衝撃に耐えるので精一杯であった。やがて限界を超えてしまう。
[内部
機体に対する警告ではなく別の警告が発せられる。
[機密保護プログラム起動]
そして起動する四五六ですら知らないプログラムが。
[超次元システム起動]
攻撃をやめ、空中に佇むランスター。考えるのは先ほどまで戦っていた八卦龍のこと。
「……あの機体、あの機体に似てい、ガァッ!?」
戦闘は終わったと、八卦龍は倒したと思っていたランスターに背後から衝撃が走る。一体何が起きたのかと振り向き、驚愕する事となる。
「バ、馬鹿なその姿は!?」
背後から攻撃を加えた者。その姿を見てランスターは驚愕する。その姿はランスターが知るある機体に酷似していたからだ。その機体は驚愕するランスターを後目に攻撃した腕をランスターに捻り込む。
「がああああぁぁぁ!!」
「D……ブラスト」
ランスターの胴体に腕を捻じ込んだその機体が呟くと同時にランスターの体内に膨大なエネルギーが送り込まれ、金属で出来ているはずのランスターの機体が膨張する。
「ガ、ガぎギギッ」
「キエロ」
捻じ込んだ腕を引き抜きランスターを蹴り飛ばしその場から離脱する。その直後ランスターはあたり一面を白く染めるほどの大爆発を起こした。
(あ、の……機体、は……天の……)
ランスターの意思はそこで潰え、爆発が収まった後には両手、両足、両肩、胸部、そして頭部に球体が嵌っている白い
書こう書こうと思って気が付いたら半年以上間が開いていてすみません。