徒然なるままに…   作:初代小人

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はい。やってしまいました。
前々から思っていた、色々な昔話をつなげたらどうなるのだろう、というのをついに書いてしまいました。
おじいさんが疲労困憊します。
ということで今回は昔話ミックスです。
あまり好きでない方は飛ばすことを推奨します。


日本昔話のような何か。

昔々、あるところにおじいさんとおばあさんがいました。

おじいさんは山へ竹取に。

おばあさんは川に洗濯に。

それぞれ分かれて進みました…

 

 

山へやってきたおじいさんは山に生えている竹を上手に切っていきます。

ところがその中に他とは比べ物にならない程太くて立派な竹がありました。

計算高いおじいさんは考えました。

 

この竹は目方で大体普通の竹5本くらいあるじゃろうな。

そうしたら…この竹を切って持って帰ってしまえばもう今日は働かなくていいではないか。と。

 

 

そうしておじいさんは太い竹に威力のある一撃を加えるべく、大きく鉄の斧を振りかぶりました。

しかし、斧はおじいさんの手を離れてしまいました。

 

少子高齢化問題が騒がれ始めて10年以上がたち、おじいさんも気づかないうちに立派に高齢者の仲間入りをしてしまっていたのです。

まだまだワシは若い。

そう思っていたおじいさんには実はもう重い鉄の斧を大きく振るうほどの力は無かったのでした。

 

そしておじいさんの手からすり抜けた斧はというと、砲丸投げのように綺麗に飛び、たまたま竹にも当たらなかったようで、近くにあった泉にボトン、と沈んでしまいました。

 

数十年来の相棒を失い途方に暮れるおじいさんは泉のほとりで膝をついてガッカリしてしまいます。

流石にショックだったようです。

透き通った泉の水の一番深いところに斧は沈んでいます。

水面から既に見えています。

しかしおじいさんはカナヅチなので取りに行くことはできません。

見えているのに手に取れないことに気づいたおじいさんはなお一層嘆き悲しみます。

 

その時でした。

泉の水がボコボコと泡立ち、水底が見えなくなりました。

そして現れたのは目が覚めるような美しい、金髪で白人の女神様でした。

両手には純金の斧と、純銀の斧が握られています

 

「でっででででで出たーーー!?」

しかし外国人に馴染みのないおじいさんは見た事の無い姿の人を見て恐れ慄来ます。

すでに腰が抜けて立ち上がれないようです。

 

「Which ax did you drop?(どちらがあなたが落とした斧ですか?)」

女神様はおじいさんにそう聞きました。

しかし英語がわからないおじいさんは大慌てです。

どうやら化け物に襲われると勘違いしているようで「ごっ、御先祖様ーーー!?どうか私をお助けくださいませ~!」と頭を抱えて祈っています。

女神様の言葉など聞こえていません。

 

すると女神様は自分の頭をポンポンと叩きながら、「oh… I should known better…(おおぅ…私としたことが…)」と呟いてから、

「アナタが落としタのはこの金の斧デスか?ソレトモこちらの銀の斧ですカ?」とおじいさんの国の言葉で問いかけます。

 

それを聞いたおじいさん。

女神様が斧を届けに来てくれただけだということを知り、途端に安心します。

「いいや、違う。ワシが落としたのはそんなもんではない。もう古くなった鉄の斧じゃ。」と言いました。

 

すると女神様は「Oh…アナタは正直なひとですネ。そんなアナタには今だけ、この鉄の斧を通常価格の半額、1990円でお売りいたしますネ」と、鉄の斧を手に持って言いました。

 

おじいさんは憤慨して、「とんだ悪徳商法じゃないか!その斧は元々ワシのもんじゃ。返してもらおうか。」と言い、女神様の持っている鉄のおのに飛びつきます。

しかし女神様もなかなか離しません。

 

おじいさんと女神様は斧を掴んで引っ張り合います。

そしてバランスを崩したおじいさんは泉の中に誤って飛び込んでしまい…

泉の中に吸い込まれてしまいました。

 

流石にこれには焦った女神様。

泉の底をいくら探してもおじいさんは見つかりません。鉄の斧も持っていかれてしまいました。

 

その頃おじいさんはというと。

竜宮城にいました(!?)

 

おじいさんは心中穏やかではありませんでした。

美しい乙姫様をみて恋をするような時代はとうの昔に終わってしまっています。

美味しいご飯。快適な暮らし。

まるで大金持ちのような生活は、おじいさんには馴染みませんでした。

 

早く帰りたい。

おじいさんは遂に乙姫様にそう言ってしまいました。

乙姫様は哀しそうな、寂しそうな顔をしましたがおじいさんの希望を受け入れ、地上におじいさんを帰してくれました。

 

亀の甲羅に背負われて、水面に出てしまえばそこに女神様はもういません。

日が高く登っています。もうお昼です。

亀にお礼を言って別れたおじいさんはおばあさんが作ってくれたお弁当のおにぎりを食べようと包みを開けます。

その瞬間でした。おにぎりは膝の上から落ちてコロコロと転がっていきます。

それを必死で追いかけるおじいさん。

この半日で不思議な事をいくつも体験して疲れたのか、もうお腹はペコペコです。

 

おにぎりとおじいさんの追いかけっこは結局おにぎりの勝利に終わります。

おにぎりは地面に空いていた大きめの穴に落ちて消えてしまいます。

しかし追いかけていたおじいさんも、急には立ち止まれません。

そのままおにぎりとともに穴の中にダイブしてしまいます。

 

おじいさんは真っ暗な穴の中をどんどんどんどん落ちていきます。

時には斜めに、時には真下に。

おじいさんは目が回って今どれくらい落ちたかわからなくなりました。

 

やがて穴のそこにドスン、と尻餅をつくと、そこにはおじいさんが落としたおにぎりを美味しそうに食べているたくさんの白いネズミたちがいました。

 

ネズミたちはおじいさんを見るやおにぎりをたべるのを止め、「あなたがこの恵みを下さったのですか。」と聞いてきました。

全員が歯形のついた汚いおにぎりの残骸を指さしています。

「ああ。」お腹がすいて疲れている上にまだ頭がくらくらするおじいさんは気だるげに答えました。

すると爆発するように周りがネズミの鳴き声で一杯になります。

 

「この巣では最近餌が足りなくなって飢餓に悩まされていたのです。本当にありがとうございました。これはつまらないものですが…」

そう言って一匹のネズミが大きいつづらと小さいツヅラを差し出します。

 

「こちらはお礼と言っては何ですが…どちらかお好きなほうをお鳥になって下さい。」

おじいさんはただ、のんびりとした生活が送れればお金などどうでもいいと言い切れる様な人でした。

だから当然小さい方のつづらを受け取り帰りました。

 

そして抜け道から地上に再び出ました。

あたりはすっかり日が暮れていて、もう夜です。

おじいさんはなんとか自分が朝切り倒した竹を見つけました。

太い竹はどこかへと消えていました。その代わりに光り輝く竹がありました。

 

「ほう、めずらしい。光る竹なんぞ初めて見たわい。」そう言っておじいさんは斧を構え、輝いている竹をきります。

中には可愛らしい女の子が入っていました。

おじいさんはギョッとしましたが、訳あって子供がおらず、おばあさんとふたりで寂しく暮らしていたため、子供がいればさぞ楽しいだろうと考えて連れて帰ることにしました。

 

帰路の途中、おじいさんは「夜に輝いていたからお前の名前は輝夜だ。」

と言いました。

 




更新はこれからもしていく(つもり)のでまたゆるゆる読んでいってください。
それではまた会う時まで。
see you!
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