僕はおじいさん視点、 ピザ・トースト様が鶴目線になります。
が、没になった方も勿体ないので同時に投稿します。
前置きが長くなるのもどうかと思う上にこの記念すべきコラボ回で前書きをずらずら書くのはどうかと思うので。
それでは、どうぞ!
はい、罠にかかった鶴を見つけました。ありがとうございました。
いかんな、少々取り乱しておった。ワシは名も無きおじいさんじゃ。
いやはや、自分で自分のことをおじいさんというのも何か心苦しいものがあるがそもそもそれ以外の名前が無いのじゃから仕方が無い。
ワシがもしギャグ好きだったなら「吾輩は爺である。名前はまだない。」とでも言っておくところじゃが、生憎ワシはクソ真面目な性格での。
そんなギャグは性に合わんわい。
また話がそれたの。
相当ワシも混乱しとるらしい。
まあ落ち着いて話そう。
そうじゃ。ワシは「くうる」なのじゃ。断じて取り乱したりはせんのじゃ。
ありのまま今起こったことを話すぞ。
ワシは猟師なんじゃが、今日も1人で狩りに出て、昨日仕掛けておいた罠になにか掛かっているかと思って見回っていたんじゃよ。
そうしたらそこに純白の鶴が1羽かかっておった。
何を言ってるか分からないとは思うがワシにも何が起こったのかよく分からなかった。
偶然とか幻覚とか、そんなちゃちなもんじゃあ断じてない。
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったんじゃ…
ゴホン…
そもそもこの山に鶴がいるなんて話見たことも聞いたことも…
居た!目の前に居たんじゃった…
ではなくじゃな。
そもそもわしが仕掛けたのはタヌキ用のやつじゃったんじゃよ。
縄で出来てて掛かったらタヌキが掛かると宙吊りになるヤツ。
そこに鶴がかかろうと思ったら何じゃ?靴を履くみたいに足を突っ込んで自分で締め付けるのか?
鶴ってあれなのか?「まぞ」というやつなのか?
何?お前は誰じゃ。
え、作者というのかお前。
で、何のようじゃ?
何?この時点で630文字越えてるのに話が全く進んでない?
冒頭部のお約束の「昔々〜」のくだり全部カットしたのにって?
そんなことは知らんわい。
え?鶴はこの間ずっと宙吊り?作品内時間で15分間?
結構経っとるんじゃのう。
「とりあえず。」
わしは惜しげもなく初セリフを使って状況をまとめる。
「何にせよ鶴を捕まえる気なんぞ元よりないわい。逃がしてやるとしようかのう。」
そう言いながらワシは鶴の罠を外してやった。
鶴は「ケーン」と一声鳴くと、空に高く飛び上がり、姿が見えなくなった。
そう。これで終われば平和だったのじゃ。
若くて美人な女の人が一人で家に訪ねてきました。襲ってもいいですか。
いやはや、またも取り乱してしまったわい。これは違うんじゃ。だからばあさんや、お願いだからあの世から呪うのはやめとくれ。
外は珍しく吹雪なんじゃが、その吹雪に見舞われて若くて美しい女が一晩泊めてくれと訪ねてきたんじゃよ。
ただ不審なのが。
女の着物は一滴も濡れておらず、寒そうな様子もないことじゃのう。
別段唇が蒼いという訳でもないしのう。
とりあえず家に迎え入れて、「少ないとは思うがこれくらいしか出せるものがないんじゃ。すまんのう。」と言いながら今食べていたタヌキ汁の残りをお椀に注いで出す。
女は、一口飲んでから、「美味しい…」と漏れ出すような声で言い、その後に「ありがとうございます…」と言った。
余談じゃが綺麗で可愛らしい声じゃ。
そのまま女は上品さを崩さない程度に勢いよくタヌキ汁と白飯を完食した。
よほど気に入ったようじゃな。
わしも嬉しいわい。
それから少しばかりしてから、女は「お世話になりました。何かお礼をしたいのですが…」
そう言って周りを見回して目を留めたのはわしの服。
そういえば穴が空いていても小さければそのままにしてしまっている。
「貴方の着物を織らせていただこうかと思うのですがこの家には機織り機はありますか?」
「あ、ああ。隣の部屋にあるぞい。ワシの着物を織ってくれるのかの?ありがとう。」
「いいえ、お礼を言うのはこちらの方ですし。ただ一つお願いなんですけど、私が着物を織っている間、襖を開けないで頂きたいのです。」
「あ、ああ。分かった。」
それから数時間ばかりが経った。
小説とは便利なものじゃ。この数時間そわそわしていたんじゃぞ?
というかこの襖開けたいんじゃが。ずっとトッタン、パッタンって機織り機の音だけしかしないし。
布も無しにどうやって織ってるのか気になるわい。
……………………
ええい開けてやるわい!
カラカラッ!
「えっ…」
ストンッ
ワシの驚いた声と織りかけの着物が床に落ちる音がする。
そこには、1羽の純白の鶴が居た。
「あ、ああ…」
ワシは自分がとんでもない失敗をしてしまったと今更悟った。
鶴はすっくと立ち上がったかと思うと、女の姿になった。
女はとても悲しそうな顔で、「私は昼間の鶴です。助けてもらった恩を返しに来たのですが…見られてしまっては仕方ありません。本当に、本当に、ありがとうございました。」
そういうと女は再び鶴の姿になると、窓から飛び立っていった。
ワシはずっと、吹雪で白い空を見ていた…
さあ、僕は鶴についてほとんど描写していません。鶴目線をどう書くのか!?僕も楽しみです。
なお、もう一つの方の鶴の恩返しの方は、前書き、後書きはこちらの話で書き尽くしてしまったので書かないつもりです。
次回は通常回でちょっと昔話から離れて、走れメロスを投稿するつもりです。投稿は遅くなるとは思いますが、よろしくお願いします。