昔々、あるところにおじいさんが居ました。
はい、お約束です。むしろ昔々〜で始まらない昔話があるだろうか、いいやないだろう(反語)
おじいさんは山の奥に建っている、ボロ…ではなく、風情のある古民家に住んでいました。
ちなみにおじいさんの職業は猟師です。
狩るのは人里に出てきては悪さをするタヌキや、人間を襲って殺す熊や猪などです。
ある冬の日のことです。
おじいさんはいつものように相棒である火縄銃を片手に山に入りました。
そして昨日のうちから仕掛けておいたタヌキ用の罠のところに行くと…
「ケーンケーン」
綺麗な白い羽を持つ鶴が掛かってました。
「おっ今日は鶴鍋か。美味しそうだな。」
おじいさんはこれ幸いと家に鶴を縛って持って帰り、そのまま捌いて血抜きまで器用に済ませて晩御飯にしてしまいましたとさ。
おしまい。
「これ!やめんか!話が終わってしまうではないか!そもそもわしは鶴を食べるほど残酷なことはせんわ!」
だそうなのでおじいさんは可哀想なので鶴を食べずに逃がしてあげました。
完全なるご都合主義です。
むしろこれこそがご都合主義です。
例として使っていただいてもいいほどです。
「早く話を進めるんじゃ。これじゃいつまでたっても終わらんじゃろうが!」
おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きm…
「それは桃太郎じゃよ!もう終わっとるじゃろうが!またニートな桃太郎と美人な竹娘の話を書くのか!?」
いや、そのツッコミは正しいけど竹娘って…
そんなおじいさんの独り言があったかなかったかはさておいて、おじいさんは鶴を逃がしてあげた後に、猪を数頭仕留めて家に帰りました。
その日の夜は滅多にないほどの大吹雪で、家の外ではごうごうと風が吹いていました。
おじいさんは薪に火をつけて、お湯を沸かして、猪鍋を食べて体を温めていました。
すると…
コン、コン
木で出来た家のドアがノックされました。
「ハフハフ、熱々、猪鍋はうまいのう」
しかしおじいさんは返事をしません。
ドン、ドン
ドアが再び勢いよくノックされました。
「いやはや外は寒そうじゃのう…こんな日は外に出ないのが得策じゃて…」
しかしおじいさんは返事をしません。
ドス、バキ、ガッシャーン
強く殴りつけられたドアは、とうとう粉々に砕けてしまいました。
「…………」
「…………」
そして粉砕されたドアの向こうには真っ白な肌に真っ白な着物、そして髪を垂らした女性がいました。
桃太郎回の時のかぐや姫を連れて。
そして始まるリアル鬼ごっこ。
どこかで見たことがある展開?イヤーシラナイナー
火縄銃を取り出し、女子供二人組をまとめて始末しようとするおじいさん。
させるかとばかりに火薬を湿らせて撃てなくする作者。
追いかけるs子もどき×2
猛烈な勢いで逃げるおじいさん
え?こんなカオス空間を前に見たことがある?
だから言ってるでしょう作者は知りませんよ( ー`дー´)
それはさておき訪ねてきた女性に捕まったおじいさんはというと。
「ねえ、こんなか弱い「れでぃ」を吹雪の中で放置するってどうなのかな?「じぇんとるまん」としての心意気はどうしたの?」
「はい、ほんとすみませんでした。許してください。」
謎の女性に詰め寄られてしゅんとしていました。
ちなみに子供はいつの間にかどこかへと姿を消していました。
「とにかく今晩この家に泊めなさいよ。別にあんたの家だからってわけじゃないんだからね!?」
「あ、はい」
女性はおじいさんの家に泊まる事になりました。
貞操観念的なものは無いのでしょうか。
女性は照れ隠しにツンデレ口調になりながら言いました。
「す、少し花を摘みに言ってもいいかしら?別に雪隠に行くわけじゃないんだからね!?」
その後は2人でタヌキ鍋を食べて、少しの間のんびりしました。
すると、女性がすっくと立ち上がって、「隣の部屋に機織り機あったわね?少し借りるわよ?お世話に…なっちゃったし…」と言いました。
顔を背けて赤くしながら最後の方はボソボソと。
おじいさんの中に忘れかけていた恋心のような何かがもう1度燃え上がったような気がしました。
「わ、分かったわい。」
おじいさんも少し照れているのかぶっきらぼうに答えました。
そして女性は隣の部屋に篭もりました。
そこからはトッタン、パッタン、トッタン、パッタンと機織り機の音だけがしてきます。
おじいさんは女性が何をしているのか無性に気になってきました。
他のことをして気を紛らわせていられたのも最初のうちだけ。
そしておじいさんはとうとう隣の部屋につながる襖を開けてしまいました。
するとそこには自分の羽根を抜いて出来かけの白い着物を織っている鶴がいました。
鶴は女性の姿になってから、「せっかく恩返ししようと思ったのに…あんたのことも嫌いじゃなかったのに…バカ…でも、色々ありがとね。さよなら。」
そう言うと再び女性はつるの姿となって吹雪が収まらぬ山の中へと消えていきました。
おしまい。