徒然なるままに…   作:初代小人

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はい。桃太郎回2話目です。多くてもあと2話程でこの話は完結します。
その次はギャグ路線で同じく桃太郎を書いてみようかな?などと考えています。
あとちなみに、裏設定と言ってはなんですが、登場する鬼たちはすべて「泣いた赤鬼」と同じような性格です。
それでは、桃太郎が2時をお知らせします。


鬼より鬼畜な桃太郎②

その日、桃太郎は怒り狂った。自らを大切に、愛情を込めて育ててくれていたおじいさんを連れ去った鬼に対して。そして泣き叫んだ。

次の日から彼は人が変わったように冷たくなった。何か外見的に変わったわけではない。

しかし太郎の中の何かが変わってしまったのかもしれない。

或いは太郎は心の中に鬼を飼ってしまったのかもしれない。

 

 

 

何にせよ彼はその日から狂ったように体を鍛え始めた。

毎日刀を振るい、重りをつけてトレーニングをする。さらにおばあさんのご飯をたくさん食べるようになった。

太郎の体は日に日に逞しくなっていった。

 

 

 

そうして数年経ったある日だった。

おばあさんとふたりで暮らす家から少し離れた里に買い物に行った太郎が返り血に塗れて帰って来たのである。

おばあさんが慌てて太郎に何があったのかと聞くと、太郎は晴れやかな笑顔で、「おじいさんの仇を取ってきたよ」と言ったのだ。

その時おばあさんは悟った。

もうあの優しくて純真な太郎はいないのだと。

 

 

 

そして次の日太郎はおばあさんに、「鬼ヶ島に行って鬼退治に行ってくるよ。」

と笑った。

何か大切なものを壊してしまいそうな危うさを含んだ笑顔だった。

おばあさんは太郎が手の届かない、どこか遠くに行ってしまわないように、という願いを込めてキビ団子を持たせた。

 

 

 

 

そして太郎は出発した。

 

 

 

 

太郎は憎しみを力に変え、意気揚々と歩いていった。

するとそこに犬がいた。

 

 

 

「桃太郎さん、桃太郎さん、お腰に付けたキビ団子、1つ私にくださいな。」

その犬のセリフを聞いて桃太郎は少し考えた後、「俺は今から鬼退治に行く。それを手伝ってくれるならこのキビ団子をやろう。」

 

 

 

古来より犬は魔を祓うとされている。

魔の代表格である鬼を討つのにこれ程ない味方はいないだろうと桃太郎は考えたのだ。

 

 

 

こうして犬が桃太郎の仲間に加わった。

それから少し歩くと今度はキジが空から降りてきて、「桃太郎さん、桃太郎さん、お腰に付けたキビ団子、ひとつ私にくださいな。」と言った。

 

 

ここでも桃太郎は考えた。

空を飛べるキジが居れば偵察が容易になり、更に空中からの攻撃もできるようになるのではないかと。

特に偵察ができれば道中の危険を回避しながら進めるのではないかと。

 

 

 

そこで桃太郎はまたもや鬼退治の手伝いをさせる代わりにキビ団子を与えた。

キジが桃太郎の仲間に加わった。

 

 

そしてそれから更に歩いていくと、そこには利口そうな猿がいた。

どうやら鬼の衣服(あの有名な虎柄のパンツである)にするために家族を殺され、鬼に復讐をしたいらしい。

桃太郎は、知能が高い猿ならばトリッキーな戦術も出来るのではないかと考え、餌付けの意味も込めてキビ団子を与え、仲間に引き入れた。

 

 

3匹の動物を従えた桃太郎はいよいよ鬼ヶ島の対岸にたどり着いたのだった。

 

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