徒然なるままに…   作:初代小人

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難産だった…難産だったと告白しよう…
話が広がらなさ過ぎて1度書いていたものをすべて消しました。
そして、一つ謝罪します。桃太郎メインの物語だったはずが、いつの間にやら輝夜メインになってしまいました。でも綺麗にまとまったと僕は勝手に思ってます。が、桃太郎を期待していた方がいたとしたら申し訳ございません。今回はアナザーストーリーなので、原作である、「桃太郎」と、「かぐや姫」、及び「竹取物語」の本筋にはあまり沿っていません。特に桃太郎は崩壊していると言っていいでしょう。それを留意した上で、読むことを推奨します。
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桃太郎VS輝夜【後編】

おじいさんがやっとの事で家に帰ると、いつもご飯を食べているちゃぶ台の上には、大きな大きな、とても大きな桃がありました。

 

おじいさんはそれを見るやいなやフリーズして、動かなくなりました。

白目まで剥いています。

そして頭を抱えたおじいさんは、文字通り倒れてしまいました。

 

もう80歳を超えたおじいさんのことです。本来竹林で走り回ったりできる体力などなかったのです。

そしておじいさんが倒れてしまった瞬間、その陰に隠れていた少女がおばあさんの目に映りました。

 

 

しかしなんということでしょう(before&after風)

おばあさんは少女を見るとすぐに、「あら、あなたどこの子?そんな服装じゃせっかく女の子に生まれてきたのにもったいないわよ?」と言って、少女を風呂に入れ、その間におばあさんの服の中から少女が着れそうな服を探します。

幸いおばあさんはとても小柄な上でオシャレだったので、少女が来ても少しダボッとする程度でした。

 

 

そしてお風呂から上がった少女に、見繕った自分の服を着せます。

すると、その服は確かにダボッとしていましたが、ヒップホップのダンサーのように上手く着こなされてしまったのです。

そんな着こなしまで知っているおばあさん、恐るべし…

 

 

そしてきちんとした服を着た少女は…すごい美少女でした。

そうこうしているうちにおじいさんが目を覚ましました。

 

 

そして一言。

「そこの可愛い女の子は誰じゃ?」

 

 

その言葉に、おばあさんと少女はプッと吹き出しました。

「嫌ですねぇあなた、連れて帰ってきた本人がそんな事言うなんて。ねぇ〜。」

そう言っておばあさんは少女と顔を見合わせて笑います。

少女は頷いて肯定します。

 

 

「ところであなた、この子はどこの子なの?本人に聞いても首をかしげるだけで答えてくれなくて…」

と、おばあさんがおじいさんに問いかけました。

おじいさんは山であった出来事をおばあさんに説明しました。

するとおばあさんは「へぇ〜そうなの〜とりあえずお父さん、お母さんが見つかるまでここで住まないかい?」と、少女に聞きました。

少女はブンブンと激しく首を縦に振りました。

 

 

少女はおじいさん、おばあさんと一緒に住むようです。

ちなみに名前は輝夜になりました。

 

 

 

おじいさんがショックから立ち直ると、まず最初に考えたのは桃についてでした。

輝夜の身長程もある大きな桃です。

おばあさんは川で桃を拾った際の経緯を説明しました。

 

 

そして、おじいさんが桃を切ることになりました。

大きな桃なので、包丁で切るには少し手間がかかりそうです。

そこでおじいさんが持ってきたのは、強盗などが入った時の護身用の日本刀。

それをきちんと清潔にしてから、いよいよ桃をきちんと固定してから切りました。

 

 

すると、断面から赤い血がダラリと漏れて、水たまりのようになりました。

「ッ!?」

おじいさんもおばあさんも驚いて声が出ません。

すると、恐れを知らないのか、輝夜が桃の断面を開きました。

 

 

そこには切れたへその緒が付いた赤ちゃんが入っていました。

逆側には胎盤がついています。

 

 

おじいさんは思わず、「これこそホントの植物人g…」と言っておばあさんに頭を小突かれていました。

そして数秒後。

この世のものとは思えないような絶叫がおじいさんの家に響き渡りました。

その声はまるでマンドラゴラの様でした。

 

 

忘れているかもしれませんが、今は夜です。

酉の刻、現在でいうところの夜10時です。

そんな時にマンドラゴラのような絶叫が響けばどうなるか。

とても近所迷惑です。

 

 

おじいさんとおばあさんは十秒ほど掛かってやっと気づきました。

これは産声である、と。

植物から生まれた赤ちゃんの産声は、植物由来のものでした。

 

 

 

そしてその呪いの叫びを聞いてしまった3人は、とにかくまずいと桃をもう一度閉じました。

ようやく泣き声は止みました。

試しにおじいさんが少し桃を開くと、また絶叫が響きました。

 

 

おじいさんとおばあさんはとりあえず桃を縛り付けて開かないようにすると、話し合いました。

はなからもう桃を食べる気などはありません。

ただあの赤ちゃんの対応方法について考えました。

 

 

そして話し合って三日三晩が経った時でした。

 

常温で放置された桃は、腐ってしまって、直視できない茶色いドロリとした半固体になっていました。

そして、とうとう崩れ落ちてしまいました。

 

 

 

すると当然赤ちゃんがむき出しになります。

しかし、あのおぞましい声は上げません。

代わりに通常の赤ちゃんのオギャーオギャーという産声を上げました。

顔つきもこころなし丸くなった気がします。

 

 

そこでおじいさんとおばあさんはある仮説を立てました。

「おじいさんが桃を切った時、この子はまだ出てくる時ではなかったからあんな声を上げたのではないか」と。

しかし2人は、考え込むあまり、赤ちゃんの事を無視してしまっていました。

その時でした。

「°$♪+÷=¥°÷=%÷=÷=%:^…-%々>¥☆○」

あの、人語ではない何か、としか表現のできない泣き声が再び響きました。

輝夜が慌てて抱きかかえると、赤ちゃんはゴキゲンそうにキャッキャと笑いました。

 

 

おじいさんとおばあさんはついに気づきました。

「この子、気に入らないことがあるとあの泣き声を出す…」

 

 

それからのこと、おじいさんとおばあさんはなるだけその声を出させないようにと苦心して育てました。

もう名前のことなど考える気力もなく、桃から生まれたから桃太郎と名付けられました。

桃太郎も泣かなかったので、気に入ったようでした。

 

 

そして10年ほど経ちました。

輝夜は、その生来の美しい容姿と、桃太郎の世話で培った家事スキルのおかげで、周りの男性からの求婚を幾度と無く受けていました。

輝夜は、その大半を断り、最終的に候補を7人まで絞りました。

 

 

そしてその7人にこう言いました。

「私の弟、桃太郎の気に入らないことをしてもあの泣き声を出さないようになる方法を一番最初に見つけたものと婚姻しましょう。しかし最初に言っておきますが、あの声量は猿轡やその類のもので収まるものではありませんよ。」と。

 

 

これはある意味原作「竹取物語」よりも鬼畜な無理難題です。

もちろんクリアできるものは居らず、結果として輝夜は桃太郎の世話から解放されることはないのでした。

 

 

 

一方桃太郎はというと。

それはそれはわがままに育っていました。

思い通りにならなくて駄々をこねると、妙な声が出ておじいさんとおばあさん、それに輝夜が大人しくなるのです。

しまいには3人を顎で使う始末。

 

 

それに耐えかねたおばあさんは耳栓をつけ、ヘッドホンで大音量で音楽を鳴らしながら、「そんなにワガママ放題言うのなら、この家から出ていっておくれ!」と言いました。

当然桃太郎は泣きわめきますが、対桃太郎用装備をこれでもかと着けているため、堪えません。

そもそも美しい輝夜は今が一番綺麗な時ですが、家でぐうたらしながらスナック菓子を貪り続けた桃太郎は既に見るに耐えません。

 

 

おばあさんに拒絶された桃太郎はネットカフェに逃げ込みました。

当然開くのはtwo channel。

桃太郎の友達はそこにしかいません。

自らの孤独を身に染みて理解した彼は、おじいさんとおばあさんに謝り、大人しくなりました。

そして、輝夜に追い出され、フリーターとして生きるまでの半生をtwo channelに入り浸って過ごしたのでした。

 

 

 

しかし輝夜は美しき女性へと成長しました。そして彼女も恋をしました。

その時の帝です。

要は皇帝です。

 

 

そして帝も輝夜の事を愛しました。

帝と輝夜は晴れて結ばれ、輝夜は皇后となりました。

輝夜は心労と疲れでどんどんやつれていくおじいさんとおばあさんを見ていられず、結婚前夜に桃太郎を家から追い出してしまいました。

 

 

おじいさんとおばあさんは表面上は心配そうにしていましたが、本心ではせいせいしていました。

成人しても働かない息子など、最早2人にとってお荷物でしかなかったのです。

 

そして輝夜は帝と体を重ね、子供を産みました。

輝夜はとても上手だったとか。

 

 

そして幸せに過ごしていたのですが、ある日。

輝夜はシクシクと涙を流し、着物の袖を濡らしていました。

それを見つけた帝は慌てて、「何があったのか」と聞きました。

「実は…私は月の都のもので、この星に逃げてきたのですが、とうとう居場所がバレてしまい、今晩使者が私を捕えに来るのです…」

 

 

すると帝は、「君の事は連れては行かせない。この身にかけて守ってみせるよ。」と言いました。

それを聞いた途端、輝夜は突然笑い始めました。

「フフフッ帝様、今日は何日か分かってますか?」

そう聞かれた帝は暦を見て、「今日は…卯月の最初の日(4/1)…ハッ!?」

「ああ可笑しいわ、帝様、全部嘘ですのよ?ご安心下さいませ?今日は「えいぷりるふうる」という日ですから。」

と、輝夜は言いました。

すると帝はほっと安心して、「嗚呼良かった」というと、その場を立ち去りました。

輝夜はその背中を見て「帝様、ごめんなさい…」とポツリと呟きました。

 

次の日の朝、輝夜の寝室には、帝と息子に向けての手紙が置いてありました。

帝への手紙はこのような内容でした。

「私の愛しの人へ

帝様、昨日言ったことは全て本当です。私は月に帰らなければなりません。そして、今までに犯してしまった罪を償わなければなりません。本当は、貴方に告げて行かなくてはならないのですが、貴方と別れる事が、何よりも辛くて、貴方の悲しむ顔をみたくなかったのです。でも、貴方があんなふうに言ってくれて、私はうれしかったですよ?嗚呼、愛しの息子も置いていってしまわなければなりませんね。貴方から宝物を奪うわけにはいきませんから。世話を任せることになってしまいますが、本当にごめんなさい。ああ行きたくない。貴方とずっと暮らしていたい。向こうに帰ってしまえばこちらに帰ってこれてもその頃には貴方も、息子もこの世にはいないことでしょう。愛しき人よ。それでも私は貴方ともう一度巡り会える奇跡を信じています。だからさようならとは言いません。沢山の幸せをありがとうございました。色々と迷惑をかけてしまいますが、よろしくお願いします。そして、行ってきます。

追伸、生まれ変わったとしてももう一度貴方の妻になれますように。

輝夜」

 

 

手紙には、所々涙で濡れたあとがあった。

この手紙を読んだ帝は、大粒の涙をこぼした。読み進めれば読み進めるほどに、涙は多くなり、止まらなくなる。涙の跡は増えていった。

今までにないほどに帝は、大きな声を上げて号泣していた。

綺麗な満月の夜だった。

その時、帝の耳には確かに、「月が綺麗ですね」という愛しき人の声が聞こえた気がした。

そして彼は呟いた。「いつでも、いつまでも、死んでしまってもいいと僕は答えるよ。」と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




以下は完全なる余談なので本編には何の関係もありません。

映画「植物図鑑」見に行ってきました。
もともと有川浩さんの小説が大好きで、原作も大好きだったので行ったのですが…
あれはいい!まず何よりもヒロイン役の高畑充希さんがすごく可愛い!てかやばい!可愛すぎた!それに加えて相手役の3代目J soul brothers の岩田剛典さんもイケメン!原作崩壊もなかったし大画面で見る価値があった…
そしてそれに影響されて今回の結末も少し恋愛ものになってしまった。
長くなってしまったけどやりきった感がすごくある。
書いてる途中flowerの「優しさであふれるように」が頭の中でサビだけヘビーにローテーションしてたけど。
まあ結構今回は自信作です。という話でした。


それでは次回の投稿もいつになるかわかりませんが、よろしくお願いします。
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