バカとテストと召喚獣 ~とある男の物語~   作:カンベエ

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第二十二話 国語
問 清廉潔白、の類義語を挙げ、それを用いて文章を作りなさい

三宮叶の答え
類義語:品行方正
例文:彼は品行方正な人物なので、不正をするはずがない

教師のコメント
そうですね、清廉潔白とは「後暗いところがなく、心や行動がきちんとしていてただしいこと」を意味します。他にも類義語としては清廉恪勤、青天白日などがあります。

秋山隼人、島田美波の答え
類義語:晴天白目

教師のコメント
一瞬正解にしようとしましたが良く見たら違っていましたね、秋山君は慌てて書いたのでしょうか?島田さんもまだ日本語に慣れていないようですね。
この漢字だと「身の潔白を訴えているのに白い目で見られてしまう」といったような意味になってしまいます。
特に秋山君はケアレスミスさえなければダントツで学年主席ですので気をつけるようにしましょう。

吉井明久、寿々屋義行、根本恭二、高本晋也、須川亮の答え
例文:学校の誰もが私を品行方正な人だと言っています。

教師のコメント
晴天白目を使って例文が作れる気がします。


第二十二話 バカと決着と隼人の・・・・

―明久&姫路side

 

「こ、怖くないです怖くないです怖くないです」

 

ものの見事に怖がっている姫路が明久の腕に抱きついている。

 

「大丈夫?姫路さん、もし無理なら今からでも戻って・・・・」

「いえ、大丈夫です、大丈夫ですから・・・・」

 

少し、姫路の反応に違和感を覚えた明久。

 

「本当に大丈夫?無理をしないでもいいんだよ?ほら、戻って隼人とかと組んでも良いわけだし・・・・」

「・・・・また」

「?」

「そうやってお姫様みたいに扱って・・・・」

「姫路さん?」

「吉井君、私は・・・・」

 

―義行&島田side

怖がるあまり無言な島田。

 

「美波、あまり無理をしなくても良いんだぜ?なんなら戻って他の誰かと組み直してもそれはそれなわけだし」

「・・・・いや」

「へ?」

 

島田の口から放たれた言葉は想定外な拒否の言葉。

 

「いっつもそう、ウチがへこたれそうになるといっつもアンタが助けてくれて、何かで揉めても折れるのはユキで。そう・・・・助けられてばかり・・・・ねぇ?アンタにとってウチは・・・・」

 

―twin side―

暗転する教室内、次に明かりが点いた時、明久と義行は同時に同じ事を口走った。

 

『ブサイク?』

 

取り敢えず深呼吸を一つ、ここで本気で騒ぎながら喧嘩をすれば失格になった上に隼人に怒られることは必定だからだ。

 

「取り敢えず状況を整理しよう」

「まぁ恐らく分断されたんだろうな、俺と明久じゃあ怖がらないからあっちの二人を失格させて残ったバカを倒す、みたいな事考えてんだろ」

 

そんな事を話しながらチェックポイント近くまで来ると既に姫路と島田が到達している。よくぞ声を上げずに来たものだ。常夏コンビと何やらもめているようだが・・・・

 

「どうしてそこまで酷い事が言えるんですか!!」

 

聞こえてきたのは姫路の声だ、彼女がここまで声を荒げるのを初めて聞いた。

 

「あ?何が違うってんだよ!覗き騒ぎは起こすわ教頭室ぶっ壊すわ観察処分者だしよ!アイツら程のクズなんかいねーだろうが」

「アンタらにアキとユキを悪く言う資格なんか無い!!」

 

今度は島田だ、少しばかり、意外に思う。自分たちの事をかばうなんて。

 

それから少し、常夏コンビとの言い争いを聞いていた。姫路と島田が失格になり、戻っていった頃。

 

「ねぇ義行、僕らって優しいらしいよ?」

「意外な事だな、クズ人間の自覚はあったんだが・・・・」

「僕も、FFF程では無いけどダメな自覚はあったんだけどね」

 

二人が揃ってため息をつく。

 

「もったいない事をするものだ、姫路も美波も」

「そうだよね、折角あそこまで行ったのに・・・・」

「んじゃ行くか」

「そうだね、行こうか」

『こっから先は本気だ!クソ野郎!!』

 

―体育館

 

「っ!」

 

常夏コンビと姫路、島田とのやり取りを聞いていた優子が駆け出そうとして、それを隼人が腕を掴んで止める。

 

「どこ行く気だ優子」

「あの人たちに文句いいに行ってくる!」

「止せ止せ、俺らの出番はねーよ」

「え?」

「だな」

「へ?」

「そうじゃのう」

「秀吉まで?」

「・・・・(コクリ)」

「土屋君も?!」

 

隼人、雄二、秀吉、康太が顔を見合わせて笑い合う。

 

「アイツらは自分たちが傷つくのは恐れねーのにそのくせ自分たちの大切な人が傷つけられたりすると後先考えねーと来やがる」

「そんなアイツらが、姫路と島田を泣かさせられて何もしないわけが無い」

「アヤツらはバカじゃからのう」

「・・・・それがいい」

 

信頼とか友情とかよりも強い絆、それ故に信じられるのだ。

 

―チェックポイント

 

「よぅ、待たせたな先輩方」

「おせぇぞコラ」

「まぁまぁ先輩方、目くじら立てる必要も無いでしょ?」

「はっ、まぁ良いさ」

 

相対する四人。

 

「そういやぁ賭けをするって言ってたな?どうすんだ?」

「負けた方が勝った方の言う事をなんでも聞く、でどうです?」

「・・・・何を企んでやがる」

「やだなぁ、何も企んじゃいませんって。それとも怖気づいたんですかい?」

 

安い挑発だがそれに乗ってくる常夏コンビ。

 

『試獣召喚!』

 

いつものキーワードを叫ぶが一向に召喚獣が出て来ない。

 

「何が起きてやがる!?」

「おや、どうやら物理フィールドは調子悪いみたいですね?」

「いやぁ、もしもの時のために日本史の教師を連れて来ていて助かりましたね」

「テメーら!?」

 

そう、この時物陰には試験召喚大会の賞品でありフィールドを発生させられるアイテムである鉄の腕輪を雄二から借りて付けた進藤が潜んでいたのだ、物理のフィールドを干渉させるために。

 

「俺が手を貸せるはここまで、後は・・・・期待する」

 

『試獣召喚!!』

 

日本史  3-A:常村勇作&3-A:夏川俊平 VS 2-F:吉井明久&2-F:寿々屋義行

        197点      204点        313点      195点

 

「なっ!?んで観察処分者のテメーらがんな点数を!?」

「俺らだって人並みの意地ってのはあるもんでしてね」

「ちっ!」

「さぁ行きますよ!!」

 

二人のデュラハンと常夏の牛頭、馬頭が干戈を交える。

 

「アンタらぁやっちゃいけねー事をやった、俺らの悪口言うんなら真っ向から言ってりゃ良かったんだ」

「姫路さんと美波を泣かせた、それが・・・・」

 

決着は、驚くほどあっさりついてしまった。二体のデュラハンが牛頭、馬頭の首を刎ね飛ばしていた。

 

『アンタらの敗因だ』

 

―体育館入口前

明久と義行の勝利に沸き立つ体育館、そこからひっそりと隼人は外へと出る。

 

「・・・・」

 

ゆっくりと空へと視線を移し、夕日に照らされた雲を見ていた。

 

「隼人」

「優子か」

「どうしたの?こんなところで」

「・・・・俺はまだまだだなぁ・・・・とか思ってさ」

「?」

 

首を傾げる優子、の頭へと手を置いてゆっくりと撫でる。

 

「きっと同じ状況だったとして・・・・俺はお前のために怒るんじゃなくて、きっと真っ先に慰めに行っちまうと思うんだ。仇を討つ事を他のやつに任せて」

「・・・・」

「アイツらみたいに純粋に、大切な人のために怒ったり出来ねーんだろうなとか思ったら・・・・さ」

 

隼人の顔を見上げてから、きゅっ、と抱きつく優子。

 

「隼人は優しいから、明久君や義行君も優しい、でもあの二人とは違う優しさだから」

「優子・・・・」

「大丈夫、隼人は隼人らしくあれば良いんだと思うわ」

「・・・・あんがとな」

 

そう言って優子を抱きしめた隼人。

 

『妬ましいのに手出しできねぇええええええええええ!!!』

 

体育館の中から、晋也と横溝を筆頭としたメンツの心からの叫びが聞こえた。

 

後日、明久と姫路、義行と島田の距離が近づいて、明久が姫路を「瑞希ちゃん」、義行が島田を「ミナ」と呼び始めてFFF団から猛追されたのはのちのちの笑い話である。

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