黒崎翔太の暗殺教室   作:はるや・H

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更新遅れてすみません。ようやく受験終わりました。
ちなみに、第一志望校には無事合格しました。


93話 激動の時間

その頃、何が起きていたか。

 

確かに、E組の皆は分断され、全員と連絡がつかない状態。

でも、そのせいで誰かがやられていた?

 

…そんな事はなかったのである。彼らは趣向を凝らして戦っている。

弱者には弱者なりの戦い方がある、彼らは殺せんせーの教えを実践していたのだ。

 

例えば。

 

「何!周りが見えないぞ?」

 

煙幕の中、慌てふためく敵たち。そんな彼らの足元に、何やら球状の物が転がる。

 

「何だこれは…?」

 

すると、それはシューという音を立てて揺れ始める。カタカタ…

 

「まさか、爆だ…」

 

敵が気付いた時には、もう遅かった。

バン!

爆音の後には、気絶した敵が数人。そこには爆弾の痕跡一つ残っていなかった。

 

…

 

「ふう、これで大丈夫だね。敵がすぐやってくることはないだろう。」

眼鏡をクイと上げ、呟くその男は竹林。

今敵を倒したのは彼の爆弾である。

 

「……助かったぜ。竹林。」

「まったくだ。」

 

そう安堵するのは木村と岡島。

彼らは敵から全速力で逃げ、目的地へ向かうことを優先していたが、

危うく挟み撃ちされかけたところを、そこにいた竹林の爆弾で助かった。

 

「催涙弾を持ってきて正解だったよ。殺せんせー相手にはまだ使えてないけど。

銃で狙撃することや、ナイフを敵に繰り出すことだけが戦闘ではないからね。」

そう呟く竹林。彼らもまた、最上階へと向かう。

 

……

 

一方。

また別の場所にて。雇われた戦闘員の1人が、廊下を歩いていた。

彼は生徒の1人と交戦していたが、いつの間にか逃げられた。

それを追っていたのだが…

 

ガタッ

物音を男は見逃さなかった。

そこに侵入者がいることに気付き、男は音のする方へすぐさま駆け出す。

そして曲がり角を曲がろうとした時。

しかし…

 

「う、うわ!」

 

男の足元を何かが絡め取る。

そして、バランスを崩した男はそのまま転倒してしまう。

それを見逃すはずはなく…

 

ドシン!

 

大きな物音がする。

男の身体に凄まじい衝撃が走り、上を見上げると…

1人の人間が上に乗っていた

 

「デブの強さ、舐めたらいけないよ。」

 

誰あろう原だった。

男は見事に彼女の罠に引っかかったのだ。数時間は再起不能だろう。

 

「特製の罠、持ってきて正解だったね。」

 

…

 

そして、そのまた別の場所では。

巡回している2人の警備員。彼らは序盤に生徒と交戦していた人間ではない。

この計画の首謀者である仮面の男は、見張りを数十人放っていた。

彼らを捕らえる為に。生徒全員を人質に、殺せんせーの暗殺を試みたのだ。

そしてその二人は、入り口から遠いエリアを巡回していた。敵が来る確率は低い。

だからそこの警備は手薄だったし、警備員の顔にも気の緩みが見て取れた。

だが…

 

ズバババ!

 

銃声が廊下に鳴り響き、二人の男はバランスを崩し、そのまま倒れる。

 

「嘘、だ……」

 

かすかに感じられる人の気配、薄れゆく彼らの視界には、暗視ゴーグルをつけた少女の姿が。

 

そう。神崎有希子だ。

 

彼女はオンラインゲームの達人であり、銃を用いた戦闘のやり方を熟知している。

勿論、位置取りや攻撃、防御の技術まで。このようなビルでの攻略戦も経験した。

 

彼女はあえて遠回りをし、警備の手薄な箇所を狙った。

王道を行くその戦闘スタイルが功を奏したのだ。

とどめに警備の男二人にスタンガンの電流を浴びせて、縛り上げる。

彼女はまさに、戦場の女傑だった。

 

…

 

一方で、速水は見通しの良い吹き抜けに陣取っていた。

そこから的確に敵を狙撃して行く速水。もう5,6人は倒しただろう。

敵の位置に応じて適宜移動し、狙撃するその姿はまさに移動砲台である。

 

「敵が多い。多分この館内で、ざっと100人はいる。

このままじゃキリがない…」

 

そんな中、彼女に忍び寄る影が一人。

その影が至近距離まで近づいた時、気付いた彼女はすぐさま振り向く。

自分に向けられる銃口。

 

(やられる……!)

 

そう覚悟したその瞬間。

パン!

乾いた銃声が鳴り響く。自分がやられたと思った速水。

しかし。倒れたのはその男だった。

 

「え……?」

 

驚いて銃声のする方を振り向くと、そこにはライフルを構えた、目の隠れた1人の少年、千葉の姿が。

 

「危なかったな、速水。」

 

彼の口の形がそう言っているようにも聞こえた。

 

「ありがとう。」

 

彼女は素っ気なく、冷静にそう返した。

2人は敵を仕留めて行く。そして頃合いを見計らい、示し合わせてもいないのに同時に上へ向かう。

阿吽の呼吸のスナイパーコンビだった。

 

***

 

奥田愛美は、敵から逃げていた。

ロビーでの乱戦から抜け出し、上へと走っていたところを、運悪く見つかってしまう。

慌てて逃げ出す彼女。煙幕を使い、敵を足止めしたものの、いずれ追いつかれてしまうだろう。

 

(早く、逃げなければ…。でも、その前に。)

 

彼女はハンカチで口を押さえ、用意していた液体を廊下に散布する。

さらに、催涙スプレーをその場所で噴射し、ガスを充満させる。

いずれも遅効性の物で、すぐに効力は発揮できないが、それでも、彼女はそれを使った。

ひたすら逃げ、上を目指す彼女。念のため、敵の手薄な入り口の遠くから遠回りする。

 

…

 

しかし、敵は次第に近づいて行く。

 

パン!

 

銃声が聞こえる。こちらを狙ったものではないが、敵がいることを確認する為に撃ったのだろう。

おそらくこれで位置が分かってしまった。

だから、

 

 

彼女は敵を迎え撃つ。近づいて行く人影。相手は1人しかいない。

敵はスタンガンを振るって来る。

慌てて回避する彼女。敵は素早く攻撃を繰り出し、彼女はそれを避けるのが精一杯。

 

「きゃっ!」

 

彼女の首筋をスタンガンがかすめそうになる。

それを避けた時に態勢を崩してしまう。

敵はそれを見逃さず第2撃を繰り出す。もう駄目かと思ったその時。

男は頭を抑え、膝をつく。

ついにクロロホルムの効果が出たのだ。

すかさず彼女は麻酔銃を撃つ。

 

「う、あ……」

 

男はその場に倒れる。

 

「あ、危なかった……」

 

彼女はほっと胸を撫で下ろす。

彼女は、クロロホルムを巻いた場所を通ってきた敵が、

自分と戦う頃には戦闘不能になると考えたのだ。

そして、すぐさま気を取直して建物の上を目指す。

暗殺教室が始まったばかりの頃の、科学以外に取り柄のなかった彼女はもういない。

 

***

 

その全ての光景を、モニター越しに見ていた仮面の男。

彼は怒りと衝撃のあまり震えだす。

 

「……何たるザマだ!使えない警備員どもめ!」

 

彼は人選を誤った。彼が雇ったメンバーはSP、警備員など様々だったが、

このような集団戦には慣れていない。だからE組にあっさり破れたのだ。

そして、最大の敗因は、仮面の男も、その男が雇ったメンバーも、

中学生だと侮っていた事であった。

 

だが。

 

「仕方ない。こうなったら、こいつを使うしかないか。予定より少し早いがね。」

 

仮面の男はニヤリと笑う。彼にはまだ勝算があるようだ。

…

 

一方、その頃、E組のメンバーは、それぞれ最上階へと駆け上がる。

次第に彼らは合流し、立ちはだかる敵を倒していく。

 

「よし、この調子で行くぞ!」

 

そう声を掛け、さらに進もうとする。しかし……

 

 

上へと向かう階段が、見つからないのだ。

探しても探しても。今までは、遠回りではあったが階段はどこかにあった。しかし、

13階であろうか、それより上へと向かう階段がどこにもない。

そこの階の部屋を探すが、何もない上、高さからして最上階はここではない。

 

「くそ、どうすれば……」

誰かが呟く。どうすればいい?その答えは見つからない。

 

するとその時。突然、廊下の壁の一つが動き出す。

 

「へ……?」

 

それに対して、皆驚きを隠せない。そして、どこからともなく声がする。

 

「まさかここまで辿り着かれるとはね。だが、君達が最上階にたどり着く事はないだろう。

だって……」

 

言葉とともに、ドアの向こうから人影が現れる。

「ここで君達E組の生徒全員は、死を迎えるんだから。」




さあ、どうなってしまうのか……
私も分からない。最近スランプ気味でね…
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