英会話の授業にて
「このサマンサとキャリーのエロトークに、難しい言葉は一つも無いわ。
日常会話を、マジとかすげえだけで済ませる奴。いるでしょ周りに一人は。
その「マジ」に当たるのがご存知Really。黒崎、言ってみなさい。」
「リアリー。」
「だめだめ。LRの違いを分かってないわ。日本人は苦手だから、ちゃんと克服しなさい。」
授業後
「全く、ビッチ先生ときたら、下ネタ多すぎ。中学生にあれはきついよ。」
「そうだね。でも杉野、ビッチ先生の教え方は上手いと思うよ。
確かに内容はアレだけど、みんなが分かりやすいようドラマを使って、日常生活でも
使える英語を教えてくれてる。海外ドラマって、いい教材になるらしいし。」
黒崎「まあ教え方が上手いのは確かだが。
だからと言って、正解不正解に関わらず無差別ディープキスはやめて欲しい。」
カルマ「まあねー、黒崎が一番キスの回数多いもんねー。」
渚「はは、でも僕もよくされるよ。」
カルマ「君達苦労が多いねー。」
杉野「嫌味だカルマの奴…。」
その頃旧校舎では
「な、何よこれ!」
ビッチ先生がワイヤートラップにかかっていた。
「ふん、楽しそうだな、イリーナ。子供たち相手に楽しく授業、
まるでコメディアンのコントのようだったよ。」
そして突然年配の男性が現れた。身にまとっている雰囲気、殺し屋のそれだ。
「そのくらいにしておけ、女性に仕掛ける罠じゃないだろう。」
烏間先生がやってきた。
「心配するな、ワイヤートラップの対処は教えてある。」
ビッチ先生は抜け出した。
「それより何者だ?せめて英語だと助かるのだが。」
烏間先生がそう聞いた。
「失敬、日本語で結構だ。私はロヴロ。イリーナを殺し屋として斡旋した者。
といえば分かるだろうか。」
烏間「それで、用件は?」
ロヴロ「イリーナ、撤退だ。お前にこの暗殺は無理だ。
そしてお前を必要とする仕事は他に山ほどある。」
ビッチ「そんな、殺って見せます。私の力で必ず…」
ロヴロ「しつこい、お前の特技は色仕掛け。素性の知られていない相手への効果は抜群。
だが一度素性が割れたら一山いるレベルの殺し屋だ。これこそがお前にとってLRじゃないのか?」
「半分正解、半分不正解ですねえ。」
烏間「何しに来た、ウルトラクイズ。」
殺せんせー「確かに彼女は暗殺者としては力不足。クソです。」
「誰がクソだ!」
「ですが、この教室において、どちらが優れた殺し屋か、殺し比べれば分かるはずです。
ロヴロさん、イリーナ先生。と言っても、私では誰も殺せません。というわけで、
烏間先生を先に殺したほうが勝ちにしましょう。」
「ちょっと待て、何で俺が犠牲者なんだ!」
「もちろん、使うのは対先生ナイフ。イリーナ先生が勝てばここに残る、
ロヴロさんが勝てばイリーナ先生は出て行く。そういう事で。ではまた明日。」
その後、殺せんせーが烏間先生に囁いた。
「もしあなたが二人から逃げ切れば、、私は一秒間あなたの前で動かないであげましょう。
そうすればあなたのやる気も出るはず。これは内緒ですよ。
共謀して手を抜かれては台無しですから。」
***
烏間「というわけだ。少々騒がしくなるかもしれないが、君達の授業の邪魔はしないよう心掛ける。
すまない。」
「あの人も苦労人だな…。」
皆そう思った。
そして体育終了後。
「Heyカラスマ!喉乾いたでしょう。これ飲まない?」
ビッチ先生が近づく。
「ぐはっ!」
ビッチ先生、止められた。
「大方、筋弛緩剤だろう。飲ませて動けなくさせる。だが受け取る間合いまで近づけさせない。」
「ビッチ先生、無理そうだね。」
そして、教室にて。
「ふう。」
烏間先生が出ようとすると、ロヴロさんが襲いかかって来た。
しかし、烏間先生はそれを止めた。
「熟練とはいえ、年老いて引退した殺し屋が、
最近まで精鋭部隊にいた人間をそう簡単に倒せると思うか?」
「ふん、私としたことが、敵の技量を甘く見過ぎたようだな。私も年老いたものだ。
どうやら手を痛めた。これ以上は無理だな。」
ロヴロさんの手は腫れていた。これでは暗殺出来ない。
黒崎「いや、烏間先生は、自衛隊の第一空挺団という超エリート部隊でトップだった男だ。
現役の優秀な殺し屋でも、そう簡単には勝てない。」
「へえ、そうなんだ。黒崎君。」
「だから、ビッチに出来るわけがない。俺はそう思う。」
「そうですかねえ。彼女が何もしなかったと思いますか?」
黒崎「どういうことだ殺せんせー?」
「まあ、見ていれば分かりますよ。」
そして昼。
「烏間先生、いつもあそこでご飯食べてるよね。」
「おっ!ビッチ先生が向かっていった!」
「ナイフを持っていますね。」
「正面から行く気か馬鹿め。あいつに高度な技術は教えていない。
素人程度なら正面から殺せるが、プロ相手には無理だ。だから。」
「ねえカラスマ。私はここに残りたいの。
その為にちょっとナイフに当たってくれるだけでいいの。
お礼は貴方の経験したことの無い、極上のサービスよ。」
「色仕掛けに頼る他ない。これじゃあただの道化だあのビッチ。」
ロヴロ「その通りだ。イリーナも愚かだな。」
烏間「いいだろう。どこにでも当てろ。」
(結局色仕掛けか。ナイフをかわして終わりだな。)
「ウフ、嬉しいわ。」
「っ!」
烏間先生に縄が掛かった。ワイヤートラップだ。
殺せんせー「ロヴロさん、彼女は苦手な発音から克服していく。
外国語は挑戦と克服の繰り返し。
彼女はそれで10ヶ国語を操れるようになった。未経験の教職ですら挑戦した。
そんな彼女が、ここに来てから何もしていないとでも?
ね、分かったでしょう。彼女は色仕掛けをカモフラージュにワイヤートラップを使った。
貴方なら、このバックを見るだけで、彼女の努力が解るでしょう。」
バックはボロボロで、中には縄があった。
「ビッチ先生が上を取った!」
「殺れる!」
しかし、ビッチ先生のナイフを寸前で烏間先生が止めた。
(力勝負になっては打つ手がない!)
「ねえ、殺りたいの。ダメ?」
「ターゲットに殺らせてと懇願する暗殺者がどこにいる!
もういい。これ以上付き合ってられるか。」
烏間先生が手を離し、ナイフが当たった。
(どうせ1秒動かないなど口約束。はぐらかされてしまうだろう。)
「ビッチ先生残留!」
「よっしゃあ!」
皆喜んでいた。
「苦手なものでも一途に克服する彼女の姿。生徒達にも好影響です。」
ロヴロ「そういうことか。イリーナにはここに残ってもらう。」
黒崎「卑猥で高慢、けれど真っ直ぐ。確かに、あのビッチは俺らE組の英語教師だな。」
俺はビッチ先生がここに残っている理由を、ようやく分かった気がした。
黒崎が空気でしかない…