放課後。
「先生機嫌いいですね。何かあるんですか?」
と磯貝が聞いた。
「ええ。先生これから好きな映画をハワイで観ます。アメリカだと先に公開されているので。」
「ずるい先生。」
「ヌルフフフ、マッハ20とはこういう時の為に使うのですよ。」
絶対違うがまあいいだろう。
「ちなみになんて映画ですか?」
「ソニック・ニンジャという映画です。」
「明日感想聞かせてねー。」
「殺せんせー、お願いだから僕達も連れてって。どうしても観たいんだ。」
「いいですよ、しかし渚君はともかく、カルマ君がヒーロー物とは意外ですねえ。」
「監督が好きでさあ。アメコミ原作手掛けるの珍しくて。」
「へえー、俺にも感想聞かせてくれ。」
「黒崎君は行かないのですか?」
「俺は興味あるけど日本で公開されてから観ればいい。それにこの後帰って夕飯作らないと。」
「そういえば黒崎、妹と二人で暮らしてたっけ。」
「ああ、妹は部活だしな。それじゃあまた明日。」
「じゃあね〜。」
「黒崎は凄いよ。勉強もスポーツも暗殺も出来ておまけに料理まで出来るなんて。」
「ヌルフフフ。彼に出来ないことなどありませんねえ。天は二物を与えたようです。
でも彼は心の底で悩んでいる様です。彼ほどの才能を持つ人間が、なぜでしょう。」
「分からない。けど深い事情があるはず。」
「では出発しましょう。」
そして二人は殺せんせーに連れられマッハで飛んで行く。
「うひゃあ!」
「ねえ、軽い気持ちで行っちゃったけど、俺らひょっとしてヤバイことしてない?」
「た、たぶんね。」
そして殺せんせーの授業が始まる。
「二人とも、この時間を利用して授業をしましょう。」
「こんな時まで…」
すると律が質問する。
そして二人は映画館に着く。
「寒い!」
「ハワイの映画館は冷房が効いていますからねえ。この毛布を使ってください。
音声は全部英語ですが、2人とも英語の成績は良いですし大丈夫でしょう。」
観終わった後
「面白かったね。」
「けど、ラスボスがヒロインの兄ってのはベタベタだったね。」
「カルマ君冷めてるね。でも続編楽しみでしょ?」
と渚が聞く。すると、
「ハリウッド映画千本を分析して続編の展開を分析できます。やってみますか?」
律が提案する。だが、
「いやいいよ、本当に冷めてるね。」
さすがに遠慮する渚。けれどもカルマは聞く。
「けど、いい大人があれはどうなの?」
殺せんせーはベタベタで泣く。あれは流石におかしい…
「それじゃあ今日はこの辺で。先生この後三村君の家で数学の補習です。」
「じゃあねー」
その頃
「どうだ、目で追えたかい?」
「ああ、問題ない。これなら殺せる。」
また新たな暗殺が、始まろうとしていた。
翌日
「本日二人目の転校生を投入。満を持して迎える『本命』である。」
「了解。」
烏間先生はメールを受け取った。
そして教室にて
「おはようございます。今日は転校生が来ることを知っていますね?」
「まあ殺し屋だろうね。」
「律さんの時は甘く見て痛い目に遭いましたからねえ。今回は油断しません。」
「そういえば律、転校生ってどんな人なの?」
原さんが聞いた。
「はい、初期命令では、私と彼の同時投入の予定でした。
しかし、その命令は二つの理由でキャンセルされました
一つは、彼の調整に時間がかかったから。そしてもう一つは、
私が暗殺者として彼より圧倒的に劣っていたからです。」
と語る律。それはつまり…
「殺せんせーの指を吹き飛ばした律がその扱いって。」
余程その転校生は強いのだろう。
すると、白装束の男が現れた。そして、手を出し、皆が息を飲むと、
ハトが出てきた。
「すまないね。いきなり驚かせて。転校生は私じゃないよ。私は転校生の保護者だ。
まあ白いし、シロとでも呼んでくれ。」
と男は語る。
「いきなり白装束で手品やったらビビるよね。」
「うん、殺せんせーじゃなきゃ誰だって。」
茅野と渚の言う通りだ。しかし…
殺せんせー、ビビってた。
「何奥の手の液状化まで使ってビビってんだ!」
「律さんがおっかない話するもんで。」
殺せんせー、噂に踊らされるようだ。するとシロは渚の方を見つめる。
「何か?」
「いや、みんないい生徒に見えるねえ。これならあの子も馴染めそうだ。
それでは紹介しよう。おーいイトナ、入っておいで。」
ドン!突然壁が壊れ、一人の少年が入ってきた。
「俺は勝った。この教室の壁より強いことが証明された。それだけでいい。」
なんか面倒なのが来た。殺せんせーの顔もどこか中途半端。反応に困っている。
「堀部イトナだ。名前で呼んで下さい。それとしばらく様子を見させてもらいますよ。」
話が読めない転校生と、白ずくめの保護者。これは一波乱ありそうだ。
「ねえイトナ君、さっきまで雨降ってたよね。なのになんで一滴も濡れてないの?」
カルマが尋ねた。確かに何故だろう。するとイトナはカルマの頭に手を置いた。
「お前と隣の黒髪の奴、お前らが多分このクラスで1,2を争う強さだ。だが安心しろ、お前は俺より弱い。
だから俺はお前は殺さない。
俺が殺すのは、俺より強い奴だけ。この教室で俺より強いのは、殺せんせー、あんただけだ。」
質問は無視しそんな事を言うイトナ。黒髪とは俺の事だろう。だが…
殺せんせー以外全員自分より弱いという事、余程自信があるのだろう。自分の強さに。
「強い弱いとはケンカの事ですか?力比べでは先生と同じ次元には立てませんよ。」
殺せんせーはそう言う。それもそうだ。マッハ20の怪物と強さで同じ次元に立てる奴がいたなら、
きっとそいつもマッハ20の触手持ちだ。
「立てるさ、だって俺たち、血を分けた兄弟なんだから。」
兄弟!皆驚いている。それもそのはず。嘘だろう。超生物の弟が人間だと?
「負けたほうが死亡な、兄さん。兄弟同士小細工は必要ない。
お前を倒して俺が最強だと証明する。放課後だ。首を洗って待っていろ。」
そう言ってイトナは教室から出て行った。
「ちょっと殺せんせー、兄弟ってどういう事?」
「そもそも人とタコで全然違うし!」
三村と矢田さんの疑問も最もだ。
「いやいや、まったく心当たりありません。先生生まれも育ちも一人っ子です!
兄弟が欲しいと親にねだったら、家庭内が気まずくなりました。」
そもそも親とかいるのか?この超生物。
兄弟なのは真実かそれとも動揺させるための嘘なのか…
その疑念を知ってか知らずか、職員室でシロはこう宣言する。
「確かに奴とイトナは正真正銘の兄弟。放課後には分かるよ。」
そして休み時間
「う〜ん。皆兄弟疑惑でやたらと私とイトナ君を比較しますねえ。
グラビアでも見ますか。これぞ大人のたしなみ。」
イトナもグラビアを見ていた。
「巨乳好きまで同じだ!」
見れば見る程、殺せんせーと彼は似ていた。といっても、巨乳好きは岡島もだし、
スイーツ好きは茅野もだが。
まあいい、兄弟なら過去を知っている可能性もある。転校生暗殺者、堀部イトナ。
彼は何を見せてくれるんだ?
そして放課後、俺らは兄弟という言葉の真意を知り、唖然とする…