黒崎翔太の暗殺教室   作:はるや・H

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久々の連日投稿。

追記

台本形式はやめた方がいいという事なので、地の文や会話文の中に誰が言ったか分かるような言葉を織り込む事にしました。それに伴い、タグの「一部台本形式」を削除しました。


14話 苦戦の時間

放課後。

 

机は教室を一周するように並べられ、まるでリングのようだった。

 

外側には生徒達が、内側には殺せんせーとイトナがいた。

 

「まるで試合だ。こんな暗殺仕掛ける奴は初めてだ。」

 

烏間先生の言う通り、こんな暗殺見た事がない。

 

すると、

 

「ただの暗殺じゃ飽きてるでしょう殺せんせー。ここは一つルールを決めないかい?

 

リングの外に足が着いたらその場で死刑!でどうかな?」

 

シロがそう提案した。

 

「負けたって誰が守るんだよそんなルール。」

 

「違うよ杉野。皆の前で決めたルールを破れば先生としての信用が落ちる。

 

そういうの効くんだよあのタコには。」

 

カルマの言う通り、殺せんせーはルールを守るだろう。

 

「良いでしょうイトナ君。ただし観客に危害を加えた場合も負けですよ。」

 

「分かった。では、試合…開始!」

 

その瞬間、何かが弾け飛んだ。そして俺たちの目は、ただ一箇所に釘付けになった。

 

弾け飛んだ殺せんせーの触手ではなく。イトナの生やしていたモノに。

 

そう、触手だ。うねる触手はムチのようにしなり殺せんせーを捉える。

 

なるほどね。雨の中でも濡れない訳だ。全部触手で弾けるからな。

 

すると、

 

「どこで、どこでそれを手に入れた…、その触手を!」

 

殺せんせーは顔を真っ黒にして怒っていた。

 

なぜかは分からない。だがただ事ではない雰囲気を俺は感じた。

 

「君に言う義理はないよ殺せんせー。でもこれで分かっただろう。生まれも育ちも両親も違う。

 

けれど君とイトナは正真正銘の兄弟さ。しかし、随分怖い顔をするねえ。

 

嫌な事でも思い出したかい?」

 

シロは殺せんせーとは対照的に冷静沈着に語る。

 

「シロさん、どうやら貴方にも話を聞く必要がありそうだ。」

 

殺せんせーは問い詰めようとする。

 

「聞けないよ、死ぬからね。」

 

そういってシロは光線を照射した。するとその時、殺せんせーが一瞬硬直した。

 

一体あの光線は何なんだ?

 

「この特殊な圧力光線を至近距離で発射すると、君の体はダイタラント現象を起こして硬直する。

 

全部知っているんだよ。君の弱点は。」

 

弱点を知っている、おそらく殺せんせーと関わりがあるのだろう。

 

「死ね、兄さん。」

 

イトナは触手を振り回す。皆驚きのあまり声も出なかった。

 

当然だ。後出しジャンケンの様に出された数々の弱点。それを知り尽くしているシロ。

 

こんな暗殺、見たことがない。

 

そして殺せんせーを攻撃した。

 

「殺ったか?」

 

「いや、上だ。」

 

殺せんせーは脱皮で回避した。しかし間一髪だった。

 

殺せんせーの月に一度の奥の手、こんなにも速く使わせるとは。

 

「月に一度の脱皮。そういえばそんな手もあったねえ。けれどそれは見た目より体力を消費するからねえ。

 

スピードも落ちる。まあ人間相手には関係ないが、触手同士なら影響は大きい。

 

加えてさっき触手を斬り落とされた時の再生もだよ。あれも体力を使う。」

 

そう言ってイトナは触手で殺せんせーを襲う。

 

「二重に落とした身体パフォーマンス。私の計算ではこの時点で性能は互角。

 

加えて君は動揺し、ここは体勢を立て直す暇もないリング。どちらが優勢かは一目瞭然だ。」

 

そして殺せんせーは追い込まれる。このままだと…

 

殺されかねない。皆唖然としている。

 

「さらに、献身的な保護者のサポート。」

 

シロはもう一度圧力光線を使う。

 

スパン!

 

足も斬り落とされた。

 

「これでまた再生が必要。さらに殺りやすくなるね。誰が見ても殺せる見込みが高い。」

 

「マジで殺っちゃうんじゃねーの?」

 

今までの誰よりも追い込んでいた。このままなら殺れる。地球が救える。

 

なのに悔しい。後出しで出た弱点の数々。本当は俺たちが見つけていたのに。

 

E組の皆で、殺せんせーを殺したかった。それは誰もが同じ思いだった。

 

すると、

 

「どうやらこの状況を何とかしないと、真相は聞き出せそうにないですねえ。」

 

しかし、イトナは追撃を緩めない。殺せんせーが追い詰められるかと思ったら、

 

「シロさん、貴方にも計算外の事がある。」

 

「ないね。私の計算は完璧だから。」

 

「いいやありますよ。それは経験です。おっと、ナイフが落ちていたようです。」

 

間一髪でイトナの攻撃を避けた殺せんせー。

 

そしてナイフにより殺せんせーを攻撃したイトナの触手が溶けていた。

 

「同じ触手なら対先生ナイフも効く。そして、同じ触手持ちでも、先生のほうがちょっとだけ老獪です。」

 

殺せんせーは脱皮の皮でイトナを投げ飛ばした。

 

「ルールに照らせば君は死刑。先生を二度と殺れませんねえ。生き返りたいなら、ここで

 

一緒に学びましょう。経験は性能では計れない。先生を殺すための経験を身につけましょう。

 

先生が教師になったのはその為です。」

 

そう提案する殺せんせー。

 

「ふざけるな、俺は強い!」

 

しかしイトナは認めない。敗北を。

 

「まずいな、イトナは勉強嫌い。勉強を強制させたら、校内暴力が吹き荒れるぞ。」

 

イトナは黒い触手で殺せんせーに襲いかかる。

 

「俺は触手で誰よりも強くなった。弱いだと?」

 

キレているようだ。触手を振り回し暴れ始める。これは危険だ…

 

すると…

 

シロが麻酔銃を撃ち、イトナを気絶させた。

 

「彼はまだ登校できる状態じゃない。しばらく休学させます。ではさようなら。

 

あ、止めても無駄だよ。対先生繊維だからねこの服は。君は指一本触れられない。」

 

彼らは去って行った。

 

その後。なぜか…

 

「恥ずかしい、恥ずかしい…。」

 

「何してるんだ殺せんせー?」

 

「先生、どっちかっていうとギャグキャラなのに、シリアスな展開に加担してしまった!

 

恥ずかしいです…。」

 

「カッコよかったわねー。どこでその触手を手に入れた!ってねー。」

 

狭間が煽る。こういう時闇成分は恐ろしい。

 

「にゅやあ!それ言わないで狭間さん!すごく恥ずかしいんです。」

 

自分のキャラ計算してるのが腹立つ。

 

「それで、イトナ君とせんせー。どういう関係?」

 

「正体も気になる。いつも適当にはぐらかされてたから。」

 

みんなが疑問に思っていた。殺せんせーの正体。それに皆は息を呑む。

 

「実は先生、人工的に作られた生物なんです。」

 

何だ。皆は拍子抜けした。

 

「知ってた。」

 

「ええ!結構衝撃告白なんですが。」

 

第一宇宙人でもなきゃこんなタコいるか。地球生まれって事は、人工的に作り出されたしかない。

 

「君達察しが早い!」

 

「俺らが知りたいのはその先さ殺せんせー。どうして作り出され、E組に入ったのか。

 

そしてなぜ触手を見て激怒したのか。普段の天然キャラを捨ててまで。」

 

我ながら最後は余計だが。

 

「残念ですが、それは教えられません。地球が爆破されれば真実を知った意味はない。

 

暗殺できれば君たちは幾らでも真実を知る機会を得る。知りたいのなら、

 

殺してみなさい。ターゲットとアサシン、それが我々の絆ですから。

 

では今日はここまで。」

 

そして殺せんせーは帰ると思いきや、俺に囁いた。

 

「君だって、自分の過去の話は誰にも知られたくないでしょう?両親を失った理由。

 

それは君が『弱者を虐げる強者』を嫌う理由と深く関係がある事も。先生とて同じ事です。」

 

「ああ、人の過去ってのは、むやみに掘り返す物じゃないな。」

 

俺は殺せんせーが過去を隠す理由が分かった気がした。

 

そして、

 

「烏間先生。もっと暗殺技術を教えて下さい。今回はっきり分かりました。

 

今まで誰かがやるんだって思ってましたけど、やっぱり自分の手で殺したい。そう思います。」

 

イトナの暗殺で皆危機感を覚えていた。だからこその決意だ。

 

「今以上にか、いいだろう。では早速新設した垂直20m昇降だ。」

 

厳しすぎやしないか。我らが教官、烏間先生は今日も厳しい。

 

だがそこから暗殺者が生まれるのだ。

 




最近プライベートが忙しく、夏休みが始まるまで週一更新くらいのペースになります。
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