黒崎翔太の暗殺教室   作:はるや・H

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33話 チャンスの時間

コンサートホールに入るガストロ。

 

「15,いや16人か?呼吸も若い。動ける全員で乗り込んで来たな。」

 

するとガストロは後ろの照明を撃つ。

 

「言っとくが、この銃は本物だ。そしてこのホールは完全防音。銃声がしても誰も気づかねえ。

 

お前ら人殺しの準備なんてしてねーだろう!大人しく降参してボスに頭下げとけや。」

 

するとガストロの近くの照明が撃たれる。

 

(外した?銃を狙ったのに。)

 

千葉と速水だ。

 

(実弾入りの銃⁉︎ボスの手下のM60を使ったのか?暗殺の訓練を受けた中学生。

 

いいねえ、美味い仕事になってきたぜ!)

 

と同時に照明が付く。

 

(ま、眩しい!照明の逆光でステージが見辛い?)

 

「今日も元気だ、銃が美味え!」

 

そう言ってガストロは速水に向け発砲する。ギリギリ当たらなかったが…

 

「嘘でしょ?座席の狭い隙間を通して?」

 

「一度発砲した敵の位置は忘れねえ。お前はもう一歩も動かさねえぜ。

 

下で見張ってた2人は殺し専門だが、俺は違う、軍人上がりだ。

 

この程度の一対多戦闘は何度も経験してる。中坊如きに遅れを取るかってんだ!」

 

すると殺せんせーが声を掛ける。

 

「速水さんはそのまま待機!千葉君!今撃たなかったのは賢明です。

 

君はまだ敵に位置を知られていない!先生が敵を見ながら指揮をします。

 

ここぞという時に指示しますので待っていてください!」

 

「何い?どこから喋って…」

 

ガストロは声の主を探す。しかし、それは最前列の、ガストロの目の前にいた。

 

「何かぶりつきで見てやがんだテメー!」

 

ガストロは発砲する。

 

「ヌルフフフ、こういう時の為の完全防御形態。

 

熟練の銃手に中学生が挑むのです。これ位のハンデは必要でしょう?」

 

「く、くそ…。」

 

「では木村君、5列左へダッシュ!寺坂君と吉田君はそれぞれ左右に3列!

 

隙ができた!茅野さんは前に2列前進!

 

カルマ君と不破さん右に8、磯貝君左に5。」

 

(シャッフルして位置を悟らせないつもりか、だが無駄だ、

 

これで誰がどこにいるか大抵覚えた。たかだが十数人、指示をするほど俺に位置と名前を知られるぜ。)

 

「出席番号13番、右へ一移動そのまま待機!4番と6番は座席の間からカメラで敵を撮影!」

 

(何い!)

 

今度は出席番号でシャッフルする。さすがにガストロも混乱しているようだ。

 

こちらの位置を悟らせない戦法、殺せんせーは優秀な指揮官なんだな。

 

「ポニーテールは一列前に、バイク好きは2列前進!

 

最近竹林君とメイド喫茶に行ってハマりそうで怖かった人!撹乱の為に大きな音を立てる!」

 

「うるせー!なんで知ってんだテメー!」

 

寺坂も気の毒に。

 

「黒いドレスを着た姫は右に3列前進!」

 

後で絶対粉々に爆破してやるあのタコ。

 

そしてシャッフルで混乱したガストロ。

 

(うおお、誰がどこにいるか全然分からなくなってきた!

 

しかもまずいな、確実に接近されている。特攻覚悟の近接戦に持ち込まれたら終わりだ。

 

早く千葉って奴を特定しねーと!)

 

「さて、千葉君、いよいよ狙撃です。先生の指示の後君のタイミングで狙撃して下さい。

 

速水さんは彼を援護。がその前に、感情を表に出すことの無い2人へアドバイスです。

 

君達は今緊張してますね。先生に外した事で、自分の腕に迷いがある。

 

言い訳や弱音を吐かない君達は、無理な信頼をされたり、

 

誰にも悩みを気づいてもらえない事もあったでしょう。でも大丈夫。

 

君達はプレッシャーを1人で抱える必要は無い。

 

2人が外しても対策は十分にある。迷わず、仲間を信じて引き金を引きなさい。

 

では行きますよ、出席番号13番、立って狙撃!」

 

(ビンゴ!)

 

ガストロが銃を撃ち、 命中する、しかし相手は…

 

菅谷の用意したハリボテのダミーだった。

 

「分析の結果、撃つならあの一点です。」

 

「OK、律。」

 

そう言うと千葉は狙撃する。しかしガストロには当たらない。

 

「へへ、2人目も外したな!これで場所が…」

 

すると照明がガストロへ落ちてくる。

 

「何!ステージの照明の吊り金具を…、狙った…、だと⁉︎くそお!」

 

ガストロは諦めず発砲しようとする。しかし…

 

速水がガストロの銃を撃つ。

 

「ふうーっ、やっと当たった。」

 

ガストロはドサリと崩れ落ちた。そして皆即行簀巻きにする。

 

すると烏間先生がこう言う、

 

「肝を冷やしたぞ、よくこんな危険な戦いをやらせたな。」

 

無理も無い、下手をすれば生徒の命に関わる作戦だった。

 

「どんな人間にも殻を破るチャンスがある。そしてその殻は決して1人では破れない。

 

信頼出来る仲間、集中力を引き出す強敵がいればこそです。

 

私は、それを用意出来る教師でありたい。皆の成長の為に。」

 

(なんて教育だ、命がけの撃ち合いをした後なのに、表情はむしろ、戦う前より中学生らしい。)

 

パン!

 

千葉と速水は嬉しそうにハイタッチをした。

 

***

 

Side渚

 

そして、次の階へ向かう、

 

「ふうーっ、死ぬかと思った。」

 

みんな安堵の表情を浮かべる。

 

「いや、油断は出来ない。もしかしたらまだ殺し屋がいるかもしれない。

 

気を引き締めて行こう。」

 

黒崎がそう言うとみんな息を呑む。

 

そうして慎重に歩いて行き、次の階へ登る階段へ向かおうとすると、声がした。

 

「クックック、まさかあいつらがやられるとはなあ。

 

てめえら、意外とやるようだな。」

 

「く、まだ殺し屋が居たか!」

 

そこにいたのは金髪の男、何人も人を殺してきたような、残酷な目をしていた。

 

皆息を呑む。

 

「さて、お前ら、人の一番大切な物は何だと思う?」

 

男が問いかける。

 

金、地位、名誉、愛、家族、友情、人によって答えは違うだろう。

 

そして男はこう言う、

 

「答えは命だ、命がなければ何も出来やしねえ!さあガキ共、お前らの大事な物を頂こうか!」

 

男は狂気の笑みを浮かべてそう言った。

 

すると烏間先生が思い出したように言う。

 

「こいつは…」

 

「ほう、知っているのかこの俺を。」

 

「『ヴァンパイア』。合法的に人を殺す為に殺し屋になったという男だ。

 

殺人に快楽を見出す異常で危険な男で、日本政府からもマークされている殺し屋だ。

 

活動範囲に日本は含まれていない筈だが…」

 

「フン、日本人は皆平和ボケしてやがる。殺しやすいんだよ。だから日本にやって来たんだ。」

 

皆がその話を聞き怯える。無理も無い、目の前にいるのは快楽殺人者なんだから。

 

今までのあくまで仕事と割り切ったプロの殺し屋とは違う。

 

殺人犯と同じ男だ。

 

すると男は僕達に近づく、皆恐怖で声も出ない。

 

「おい、何のつもりだ!」

 

するとヴァンパイアは茅野を捕まえこう言った。

 

「確かこのチビだよなあ、ボスが取引に来ると言ったのは、

 

水色の髪のガキには手を出すなと言われたが、こいつは人質として使わせてもらうぞ。」

 

「や、やめて…」

 

茅野が怯えた声を出す。皆がその異様な光景に声も出せなかった。

 

「人質として一番大切なのは、命だ!だが命さえあれば、何をしたって構わねえ。

 

さあ、どうやってもて遊んでやろうかな?」

 

なんて異常な男だ。皆そう思った。

 

「おいやめろ!生徒に手荒くするな!」

 

烏間先生が臨戦態勢を取る。

 

「おい引率の先生、あんたはまともに戦えはしないだろう。それに、忘れるな。

 

俺に手を出したらこのチビはどうなるかな?」

 

烏間先生は歯噛みする。このままじゃ迂闊に手を出せない。

 

すると後ろから物凄い殺気を感じ、振り返ると黒崎がいた。

 

「貴様、よくも俺の仲間を人質に取るようなマネを。卑怯な。」

 

「おう、なんだガキ。」

 

「プロっていうのは人質を取らないと交渉も出来ないほど弱いモノなのか。腰抜けめ。」

 

「何だと?どうやら俺の事を舐め腐ってるようだな。良いだろう、俺の怖さ、思い知らせてやるよ。

 

死んだって知らねえぜ。」

 

黒崎は物凄い殺気を発していたけど、心の底では冷静だった。

 

茅野を人質に取られては動けないので、相手を挑発し勝負へ持ち込もうとしたんだろう。

 

けど…

 

「よせ、危険だ!そいつは今までの殺し屋とは違う!本気で君を殺そうとやってくるぞ!」

 

あまりにも危険過ぎる。

 

「大丈夫です烏間先生。俺はそう簡単に死んだりしません。それに、

 

こうするしか無いでしょう?」

 

確かにそうだった。こうでもしない限り僕らは茅野を人質にとられたまま動けない。

 

ここは勝負へ持ち込むしかない。

 

「しかし…。」

 

「もう遅いぜ、この俺をコケにしやがったんだ。ただでは返さねえよ。

 

お前の大事なものを奪ってやろう!2人まとめて人質にしてやるぜ!」

 

男は茅野を地面に叩きつけそう言った。

 

「お前こそ、俺の仲間に手を出した罪、そう軽くは無いぞ。」

 

黒崎と、凶悪な殺し屋ヴァンパイアの戦いが始まった。




ついにオリジナルストーリーに入ります。
戦闘描写は自身がない…

ちなみにこのヴァンパイア、誰がモデルか分かりますか?
とあるアニメのキャラクターです。
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