黒崎翔太の暗殺教室   作:はるや・H

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今回は黒崎の三者面談です。

なお、この話の中では、渚の面談は烏間先生が実際にやった事になってます。

つまり本編の流れとは別の、if展開です。よって本編のストーリーとは関係がありません。


61.5話 面談の時間

「…え、今なんと?」

 

俺はその言葉に驚きを隠せなかった。なんせ三者面談をやると言うのだ。

 

「聞こえなかったのか?三者面談を希望したと。日程は来週の…」

 

「なんでいきなり三者面談なんですか?毎年希望してなかったじゃないですか。」

 

「いやあ、今年くらいはと思ってだな、進学先とか進路とか、

 

是非担任の先生とお話ししたい。それに、お前の成績この一年で飛躍的に上がったじゃないか。

 

その理由も知りたくて。」

 

突然舞い込んできた三者面談、それを行う事自体は、

 

驚きこそすれ大きな問題ではない。

 

中学3年生で面談を希望するなど、考えてみれば当然の事だ。

 

しかし、致命的な問題があった。

 

我らが担任殺せんせーは存在自体が国家機密。

 

あのふざけたタコが面談で保護者と顔を合わせられるはずもない。

 

だから名目上の担任である烏間先生がやるんだが、

 

来週1週間烏間先生は出張でいない。

 

「…分かりました。」

 

しかし、この場は引き下がるしかなかった。

 

「じゃあなー、彼女とも幸せにな。」

 

その上茅野との関係は完全に誤解されているようだ。

 

「と、とりあえず、帰ろうか…」

 

「ああ、そうだな…」

 

そして俺たちは帰路へ着いた。

 

「今日は、なんか色々とあったね…」

 

「なんと言うか、波乱に満ちた1日だったな…」

 

茅野に別れを告げ俺は帰った。

 

 

「ただいま。」

 

俺は力なくドアを開ける。

 

「おかえり〜。」

 

妹の由夏が出迎える。

 

「お兄ちゃんどうだった?茅野さんとのデート。仲が進展したりした?恋人になったとか…」

 

「…何故そうなる。そもそも告白などされもしなければしてもいない。」

 

「告白?私そこまで言ってないけど?」

 

どうやら俺は墓穴を掘ったようだ。

 

「ええい、俺は今日は疲れたから休む!晩御飯の用意でもしててくれ。」

 

「はいはい。」

 

妹はニヤニヤ笑いながらキッチンへ向かう。

 

なんとも腹立たしい…

 

俺は重い足を引きずるように部屋に着く。

 

そして服を着替えベッドに腰掛ける。

 

「面談か…」

 

ヤバい。確実にヤバい。どれくらいかって、

 

死神戦や夏休みの鷹岡との戦いほどではないがそれらの次くらいだ。

 

殺せんせーという国家機密、バレたらその時点でアウトだ。

 

俺はまず殺せんせーに電話をかけた。

 

「と言うわけだ。殺せんせー。どうにかならないのか?

 

烏間先生は出張中だし、殺せんせー、あんたは国家機密だから面談なんて…」

 

事情を話し、そう伝える俺。

 

しかし、殺せんせーは、

 

「心配せずとも、先生は地球を壊す超生物。三者面談くらい乗り切ってみせますよ。」

 

そう言って通話口の先でニヤリと笑った。

 

俺の心の中には不安しかなかった。

 

 

そして面談当日。

 

殺せんせーは烏間先生に警告される。

 

「絶対に保護者に正体は明かすなよ!赤の他人の老人なら話は別だが、

 

ただでさえ両親を失い妹と2人暮らしの少年に、危険な暗殺をさせてるとなれば黙ってはいない!」

 

「心配せずとも、大丈夫ですよ。波風立てずにやり過ごします。」

 

やはり不安しかない。

 

場面は変わり教室へ。

 

「殺せんせーとの面談?」

 

「ああ、殺せんせーは任せとけって言うんだが、不安しかない。」

 

俺はそう言ってため息をついた。

 

「黒崎君の叔父さんかー、一度偶然会ったけど、なんか明るそうな人だったなー。」

 

茅野がそう語る。

 

するとすかさずカルマと中村が追及する。

 

「おやおや、黒崎の叔父さんと会ったとはねえ。一体どんな状況だい?」

 

「まさか黒崎とデートでもしたんじゃ…」

 

だがそんな追及は無意味だ。

 

「2人とも、もう一度『アレ』をやられたくなかったら、黙っておこうか。」

 

そう言って俺は微笑む。

 

するとカルマと中村は青ざめた顔で引き下がる。

 

その時皆が思ったと言う。

 

「黒崎、カルマと中村に何をした!?」

 

「で、話を面談に戻そう。叔父さんは元気の良い人だし怒るようなことはまずない。

 

だが、殺せんせーはどうやって自分が国家機密である事を隠す気だ?変装でもやるってか?」

 

「確かに…。」

 

皆思い悩む。すると、

 

「じゃあ私がやってみる、担任役。」

 

ビッチが名乗りをあげる。

 

「まず人間だし、あのタコとカラスマの次にあんたらの事を知ってるわよ。」

 

と語るビッチ。言われてみればそうだ。面談をやる相手としては適任だ。

 

「じゃあ予行練習やってみよ。ビッチ先生そこ座って。」

 

「私が保護者役やるね。」

 

こうして、片岡を保護者としてビッチを担任役にさせて面談の予行をやらせた。

 

 

「うちの翔太は貴方から見てどういう生徒ですか?」

 

片岡がそう訊く。

 

「うーん、とても優秀ですわ。私の教えた事をすぐに理解してくれますわ。」

 

ビッチはそれっぽい事を答える。これならいけるかも、と期待するが…

 

「では、どう言った御指導をされているんですか?」

 

「まず、翔太君には、キスで安易に舌を使わないよう指導しています。

 

キスというのは小手先のテクニックだけではありません。

 

まず唇を密着させて…」

 

駄目だ。俺は怒りのあまり対先生ナイフを突きつける。と同時に片岡もハンドガンを持ち出した。

 

慌ててそれを渚が止める。

 

「…駄目だこりゃ。問題外だな。」

 

「訴えられるぞこんな痴女担任。」

 

村松と寺坂が呆れている。

 

という事でビッチは不合格。三者面談をやるには論外だ。

 

「そもそも、E組の名目上の担任は烏間先生でしょ。そこは統一しないと、

 

親同士で話が食い違うよ。」

 

速水の指摘ももっともだ、ならどうするか…

 

するとドアの先で声がした。

 

「ヌルフフフ、簡単です。烏間先生に化ければ良いんでしょう?」

 

まさか、俺が冗談のつもりで言った変装を、本気でやるのか?

 

「変装って言っても、いつものクオリティ低い変装じゃ誤魔化せないよ。」

 

その通り。しかし殺せんせーは自分の変装に自信があるようで、

 

「大丈夫です、今回はしっかり変装していますよ。」

 

そう言って堂々とドアを開ける。しかし、そこに居たのは、

 

烏間先生とは似ても似つかぬ不審者だった。

 

皆も呆れて突っ込む。

 

「なんでそんなソーセージみたいな筋肉なの?」

 

「烏間先生そんなダサい服着ないし、いつもスーツじゃん!」

 

「目も耳も鼻も全然違う!」

 

という事でその変装を改造していく皆、

 

表情を調整し、菅谷がそっくりな付け鼻を作り、耳や口も調整する。

 

服装も烏間先生に似せ、常識的でなかったサイズは、

 

「でかい部分は全部机の下に詰め込むってのはどう?」

 

という矢田の提案により、

 

机の下に体を詰め込むという若干気色悪い案で解決した。

 

そして面談の時間。

 

俺の叔父さんがここにやって来た。

 

「叔父さん…」

 

「やあ翔太。こんな山の中に来るのは骨だったぜ。」

 

と言ってため息をつく。

 

「いや、疲れたようには見えませんけど。絶対平気でしょう。」

 

俺はそう指摘する。何故かって、この人は元々警備員だった人だ。

 

これくらいの山道で疲れるはずがない。

 

ちなみに、今は警備会社の役員をしているとか。

 

「じゃあ行くぞ。」

 

そう言って俺と叔父さんは校舎の中に入る。

 

職員室へ入ると、殺せんせーが椅子に座っていた。

 

「ようこそ、黒崎君の叔父さん。私はこのE組の担任、烏間と申します。

 

今日は山奥までわざわざご苦労様でした。」

 

そう殺せんせーは挨拶する。

 

「いえいえ、そんな事はありませんよ。私は元々警備員をやっていてね、

 

訓練を積んでますから。これくらいの山道どうって事ありません。」

 

「では冷たい飲み物でもどうぞ。」

 

殺せんせーはグラスを差し出す。そこに入っていたのはオレンジジュース…

 

ではなくオランジーナだ。

 

「黒崎君から聞きました。これがお好きなんですね。」

 

正確には、俺がオランジーナを好きならきっと彼も好きなんだろうという憶測である。

 

実際叔父さんはオランジーナが好きだ。

 

「いやあ、ありがとうございます。私これとても好きなんですよ。」

 

この通り。しかも一瞬で飲み干してしまった。

 

「ところで、翔太はクラスに馴染めていますか?何せあんな性格で…」

 

「大丈夫ですよ、少し口調は硬いし不器用な面もありますが、上手くやっていけてます。」

 

「それは良かった。」

 

という風に会話は続いて行く。これなら上手くいきそうだ。

 

しかし…

 

「そうそう、この前翔太と偶然会ったんですけど、その時女の子連れてデートしてて、

 

なかなか甲斐性があるじゃないかと関心しましたよ。

 

昔はそういう事にてんで興味が無くて。」

 

爆弾が投下された。

 

「そうだったんですか、それにしても黒崎君がデートですか?一体どんな子と?」

 

メモを取り出して鼻息を荒くする殺せんせー。

 

俺はこの時思った。…揃いも揃ってゲスい大人だ。

 

「えーと、確か緑色の…」

 

俺は慌てて叔父さんの口を塞ぐ。

 

それをバラされたらたまったもんじゃない。

 

「おい、それは絶対に言うなよ。この先生、生徒の恋愛話が大好きなんだ。」

 

「だったら尚更伝えた方が良いじゃないか。」

 

「違う!とにかく、それ言ったら俺帰るぞ。」

 

「分かった分かった。」

 

 

気を取り直して面談は再開。

 

「さて、話の本題に入りましょう。」

 

叔父さんがそう切り出す。

 

「…本題とは?」

 

「これから話します。その前に、そのふざけたカツラと変装を外して下さい。」

 

え?

 

変装が…バレた?

 

「な、何を言っているんです?私のこれは変装なんかじゃ…」

 

「とぼけても無駄ですよ。警備員時代、変装して侵入しようとする輩を何度も取り押さえましたから、

 

変装の見分けは得意なんですよ。そもそも、そんな分かりやすい変装はね、

 

一度もお目にかかった事は無かったですよ。」

 

下手、と言うのは間違いだ。皆の仕込みはむしろ上手かった。

 

しかし殺せんせーは元のサイズと言い、人間の範囲を逸脱している、

 

それを完璧にごまかすのは不可能だ。

 

「…バレてしまってはしょうがないですねえ。」

 

そう言って殺せんせーは次々と変装を外していく。

 

そしてそこに座っているのはいつもの殺せんせーだ。

 

「まさかこんな変な生物が担任をやっているとは、流石に驚きですねえ。」

 

「それで、私の変装を外すほど重要な話とは…」

 

「翔太の今後についてです。その前に、先生には彼についてもう少しよく知って頂きたい。

 

何故、翔太がこの様な性格になったのかを、今からお話ししましょう。」

 

俺は息を呑む。ついに、明かされる時が来た。俺の過去…

 




ヤバい、どんどん話が引き伸ばされて行く
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