黒崎翔太の暗殺教室   作:はるや・H

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なんか1話しか投稿してないのに、評価頂きました。いいんですけどね。
ちなみに黒崎がE組に来るのは、暗殺スタートからカルマ登場の間です。


2話 暗殺の時間

停学が明け、俺は学校へ行く。と言っても今まで通っていた本校舎ではない。

 

旧校舎のほうだ。その旧校舎へ行くには、山道を登らなければならない。

 

でも俺にとって、そんなのは苦でも何でもなかった。

 

「超生物を暗殺出来るんだ。こんな面白いことはない。」

 

そのためなら、毎日山道を登るくらい平気だ。

 

むしろ今までの退屈な生活よりよっぽどいい。

 

そして、校舎に着いた俺を待ち受けていたのは...

 

タコだった。

 

黄色の丸顔、正露丸のような目、関節の曖昧な無数の触手。

 

写真で見てはいたが、実物を見るとさすがに驚いた。

 

こんな奴が実際にいていいのか?

 

「初めてまして。黒崎君。私がここの担任の殺せんせーです。」

 

「俺は黒崎翔太。よろしく、殺せんせー。」

 

そう言って手を差し出し、殺せんせーの触手を強く握り、握手した。

 

そして触手をナイフで切った。

 

「面白い!スパッと切れた!それにトカゲの尻尾みたいにピチピチ動いてる!」

けれどさー、殺せんせー。触手一本こんなに簡単に切れるんじゃ、

後数ヶ月もすれば殺せるんじゃないか?マッハ20って、そんなに怖くないんだな。」

 

マッハ20なんて最高速でしかない。反応出来ない内に攻撃すれば良いのさ。

 

俺はそう確信していた。

 

「ヌルフフフ、してやられましたねえ。

 

しかし黒崎君、先生はそう甘くはありません。それを教えてあげましょう。」

 

「今日1日、好きなだけ暗殺を仕掛けて下さい。先生はその全てを止めてみせますよ。」

 

「ただし、授業中は暗殺してはいけませんよ。」

 

「いいだろう。でも明日にしてくれるか?まだ準備が出来てないから。」

 

「いいでしょう、先生はいつでも受けて立ちます。」

 

気付くと、皆教室からこちらを見ていた。みんながとても驚いていたのが不思議だった。

 

そして教室の中に入った。

 

すると、この前助けた茅野がいた。他にも、俺の知り合いが何人かいた。

 

「先生、俺の席はどこだ?」

 

「君の席は、菅谷君の後ろです。」

 

俺はその席に座り、授業を受けた。

 

「えー、この展開に使う公式はですねー」

 

マッハ20の超生物が、授業を教えている。なんとも奇妙な光景だ。

 

しかも教えるのが上手い。分かりやすくスピードも速く、誰もが理解でき、退屈しない。

 

「大抵、理解が遅れてる奴に合わせて理解の早い奴が退屈するか、

 

理解の早い奴に合わせて理解の遅いやつが付いていけなくなるかのどっちかなんだけどな。」

 

殺せんせーの授業はそのどちらでもなかった。

 

なかなか期待出来そうだ。

 

休み時間に入ると、茅野が話し掛けてきた。

 

「この前はありがとうね、黒崎くん。

 

でも私のせいでE組行きになっちゃったんでしょ。ごめんね。」

 

どうやらこの前の事を気にしていたらしい。

 

「気にしなくていいさ。俺がそうしたかっただけだ。それにE組に行けてむしろ嬉しいさ。

 

マッハ20のターゲットを暗殺できるんだから。」

 

「そう、良かった。」

 

他にも俺は、いろんな人と話した。一年の頃からの旧友の渚とか。

 

意外だったのが、こっちが知らないのに向こうは俺を知ってるという事だった。

 

どうやら俺は有名だったらしい。

 

E組の皆はいい人そうだと思ったので、話し掛けたら気さくに話した。まだ信用した訳じゃないが。

 

我ながら、大分昔と変わった。

 

やっぱり人間何かにやりがいを見つけると性格変わるのか。

 

暗殺にやりがいを見つけるってのはおかしいが。

 

そして殺せんせーの情報を出来るだけ集めた。

 

テンパるのが早い事、気が小さいこと、月に一度脱皮が使える事。

 

脱皮はこの前使ったのでもう使えないらしい。

 

気が小さいってのはどうでもいいと思ったが。

 

「さて、どうやって暗殺しようか」

 

その日、作戦を練りながら、俺は山道を下った。

 

翌日。

 

一晩かけて練った俺の暗殺計画は、ついに実行される。

 

それも一つじゃない。最初の暗殺が必ず成功するとは限らない。

 

だから第二、第三の手も用意してある。

 

「さあ殺せんせー、じっくりと味わいな。俺の暗殺。」

 

俺はほくそ笑んだ。

 

まず、殺せんせーが教室のドアを開ける。

 

「にゅやっ!」

 

上から対先生物質が落ちてきた。先生はなんとか避けた。

 

「やっぱりね。先生は殺気には敏感だけど、殺気のない、殺す気のない暗殺には弱い。

 

物に殺気はないからね。」

 

そう、だから先生は罠に、トラップに弱い。

 

「でも先生、それくらいなら嗅ぎ付けるんじゃない?」

 

「普通はそうさ、でもダミーの匂いでごまかせる。強烈な香水を廊下に撒いておいたのさ。

 

だから気付かない。まあ対先生物質の匂いはしたかもしれないけど、

 

きっと香水の匂いの方にしか頭が回らなかったんじゃない?」

 

俺の暗殺は、着実に殺せんせーを追い詰めた。しかし、あと一歩の所で殺せなかった。

 

いや、わざとそこまでさせたのだろう。生徒の初めての本気の暗殺を、

 

あっさり終わらせたのでは意味がない。そして、

 

「黒崎君、その様子では、ゆうべあまり寝ていないようですねえ。睡眠不足は不健康ですよ。」

 

殺せんせーは俺を高速でマッサージして眠気を解消させた。

 

完全になめてかかってる。顔の縞模様が、それを物語っていた。

 

「先生、一つ言っておきましょう。何故俺がE組に来たか。それは暴力沙汰を起こしたからですが…

 

何故そんな事をしたか。気に食わないからですよ。弱者を虐げる強者が。

 

そして俺は強者を倒すのが何より楽しい。だから全力でいかせてもらいますよ。」

 

その後も暗殺は一日中続いた。授業中の暗殺は駄目と言われたので授業の合間に。

 

トラップ、銃、ナイフ。あらゆる手を使ってはみたが決定打は与えられなかった。

 

「まあいい。殺せんせー、今までのは前座、本番はこれからだ。」

 

放課後、校庭で殺せんせーと俺は対峙していた。

 

「ヌルフフフ、では見せてください、君の本気の暗殺とやらを。」

「そうか、じゃあ、行かせてもらうぜ。」

 

俺はナイフを繰り出す、一撃一撃を、速く、的確に。

 

それでもマッハ20の標的に届かないことは分かっている。だから、殺せんせーが油断した頃に、

 

銃声が鳴り響き、触手が一本千切れた。俺はハンドガンを隠し持っていたのだ。

 

そう、そして殺せんせーが動揺した所で、足に仕込んだナイフでとどめを刺す

 

はずが...

 

 

 

俺のナイフは無かった。

 

「ヌルフフフ、君の動きでバレバレでしたよ、足にナイフが仕込んであることは。

 

確かに君は暗殺をうまくやってのけた。先生にダメージを与えたのは、君が初めてです。」

 

「ですが、もっと鍛錬を積む必要があります。この教室で、皆と一緒に暗殺に励みましょう。」

 

完敗だった。殺せんせーは俺の攻撃をすべて受け止め、その上でかわしていたのだ。

 

「ああ、どうやらなめてかかってたみたいだ。また強くなって、暗殺してやるよ。」

 

「さわやかで真っ直ぐで、真剣な殺意。満点です。」

 

殺せんせーが顔を○印にした。

 

暗殺は失敗した、けれども、なぜだか爽やかな気分だった。

 

本当に退屈しないな。このクラスは。

 

そう分かった1日だった。

 

 

 




次はカルマ登場です。
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