問題児たちが異世界から来るそうですよ!〜女侍なんて今時いないって〜 作:煌酒ロード
毎度ですが遅くなりまして申し訳ございません
遅くなった理由に関してはモチベの低下とかまあ色々ありますが、またこの話が暇を持て余す誰かの娯楽となれば幸いでございます
side 十六夜
「嫌だ!・・・・来るな・・・触るなァ!!」
急に暴れ出した御剣。白夜叉を弾き飛ばしたかと思うとその場で狂ったように喚きだした。当然の事だが俺も黒ウサギも、春日部もお嬢様も対応できなかった。
「うぁ・・・うあああぁああああぁあああァァァ!!」
「ヤベェ!」
御剣が剣を抜こうとするのを見た俺は、用水路に飛び込んで刀の柄を押さえる。
「御剣!俺だ!」
「やめろ!!触るなァァァ!!」
とんでもない力で振り払われる。それでも刀を御剣の手から奪い取る事に成功する。御剣の目には俺は写っていないようで、刀を奪われても闇雲に腕を振り回して暴れている。
「御剣さん!
お嬢様の言葉と共に御剣の動きが止まる。
「ナイスだお嬢様!」
俺は御剣の後ろに回り込んで首元に一撃を喰らわせ昏倒させる。倒れ込んできた御剣を受け止め一息つく
「何だってんだ一体・・・」
「兎に角その小娘の治療をせにゃならんじゃろう。店内に入れ童共」
俺達は白夜叉の薦めに従って、〝サウザンドアイズ〟の暖簾をくぐった。
side 御剣
知らない天井。目を開けて飛び込んできた光景は知らない天井を バックに心配そうにのぞき込む黒ウサギ、春日部さん、飛鳥さん。それと真剣な表情の十六夜君。
「・・・なんかゴメンね。迷惑かけちゃったみたいで」
体を起こしてまず謝る。フラッシュバックした記憶に耐えられなかった私は多分暴れてしまった。おそらくそう言うことだろう。
「気にすんな。あの程度大した事ねえよ」
真面目な顔で返してくれる十六夜君。そう言ってくれるのがありがたかった。何も聞かないでいてくれるのも。
「さて、御剣も起きたことだし。始めようぜ白夜叉」
始める?何を?と思っていると飛鳥さんが説明してくれた。階層の事とか魔王の事とか色々。
なんと白夜叉も元魔王だったとか、唯の変態じゃ無かったらしい。そしてどうやらこの三人はその最強と言われる白夜叉に喧嘩売ったそうな。
「何そんな面白そうな事を人そっちのけでやってんのさ十六夜君!」
「ん?お前もやるのか?」
「当然♪」
こんな楽しそうな機会滅多にないしね。
「ちょ、ちょっと何言っちゃってるんでございますか四人様!?」
「よいよい黒ウサギ。わしも常に遊び相手は探しておる。しかしおんしらには問わねばならんな」
私は何を問うんだろうと思うと、白夜叉は懐からカードを取り出して不遜な笑みで。
「おんしらが望むのは試練への挑戦か?それとも決闘か?」
瞬間。世界が変わる。現れたのは白い雪原。凍り付いた湖。そして、
おそらくコレを創り出したであろう相手は私たちの前で少女とは思えぬ笑みで悠然と笑う。
「今一度名乗り直そう」
その言葉はこの広い世界にあって、ささやくような声だったにも関わらず。私たちの耳に良く届いた。
「我が名は白き夜の魔王。〝太陽と白夜の星霊・白夜叉〟おんしらが望むのは試練への〝挑戦〟か、それとも対等な位置での〝決闘〟か?」
正面にいるだけ、構えを取っているわけでも無ければ私たちに明確な敵意を向けている訳でも無い。
自分だって少しは強い自信がある。巨躯の蛇神を素手で殴り倒したと言う十六夜君ほどでは無いにしろ、強い自信はあった。
でもコレは違う。
強さとかそのような次元では勝てる相手では無い。
みんなもそれを感じ取ったのか黙っている。
「して、おんしらの返答は?〝挑戦〟であるのなら手慰み程度に遊んでやろう。じゃがしかし〝決闘〟を望むというのならば話は別。魔王として、命と誇りの限り戦おうではないか」
全員が息をのむ。それほどまでに目の前の魔王は圧倒的であった。その中で口火を切ったのは十六夜君。
「まいった。降参だ白夜叉」
「それは決闘ではなく、試練を選ぶということかの?」
「ああ、これだけのゲーム盤を用意できるんだからな。アンタには資格がある。いいぜ、今回は黙って試されてやるよ、魔王様」
苦笑と共に吐き捨てる十六夜君。呵々大笑の白夜叉。飛鳥さんと春日部さんもそれに同意する。
「そっちの小娘はどうかの?決闘をうけんか?」
「何でそんなに戦いたがるのさ・・・、私がアンタに勝てるわけ無いじゃん」
その後に空中から現れる〝
「私の名前が無いんだけど!?」
「おんしには別の試練を用意しておる。そう焦るなて」
不承不承了承する。グリフォンとのゲームは春日部さんが誇りと自信の命をかけて勝負。見事勝利した春日部さんはグリフォンのギフトで舞い降りてきた。どうやら友だちになった動物の能力が使えるらしい。
「おんしのギフト。それは生まれつきか?」
「違う。木彫りのペンダントを父さんがくれてから」
それから春日部さんのペンダントは
「待たせたの、おんしの番じゃ」
「何が来るのか知らないけど、まあ楽に終わるのが良いね」
白夜叉が笑って、新しい契約書類を手にすると。
上空から岩が降ってきて、私と白夜叉の前に落ちた。
「あっぶな・・・殺す気かよ・・・」
本気でそう思ったが、驚いたことにこの岩には顔がある。その両目が開くと
「おやおや、これは可愛らしいお嬢さんではありませんか!貴方ですかな?私への挑戦者は」
「岩が喋るって・・・、流石なんでもありの箱庭。そうだよ私が挑戦者」
私はそう言って
ギフトゲーム名〝語り岩の試練〟
プレイヤー一覧
御剣涼刀
プレイヤー側勝利条件
語り岩を破壊せよ
プレイヤー側敗北条件
上記の条件を満たせなかった時
「それでは始めましょうか、私が語るのは一人の少女の物語です」
「なんでもいいさ、さっさと始めよう」
十六夜side
ギフトゲームが始まった。語り岩が語り出す。
「これはとある少女のお話。その少女の家はお爺様と母上様、父上様と弟様。そして少女を含む五人でした。しかし家庭内は冷めきったものでした」
「ほざいてな、アンタの戯言が終わる前にケリつけるから」
御剣の声がどこか硬い。
「父上様と弟様は武道に明け暮れ家に帰らず。母上様も宗教に凝って家に戻っても料理を作る数時間ほど、少女は両親の愛を知りませんでした」
「断て、斬月」
御剣の剣が鍔なしの大刀のような物に変幻し、何度も切りつけるが、語り岩は黙らない。段々と御剣の顔が憤怒に染まってくる。
「なぜなら少女はその家にとって『忌み子』でした。武家の家に生まれた最初の子が女である事は後に男子が生まれぬことを意味していたとされていましたから」
そんな物は迷信を通り越して勝手な言いぐさだ。それでもおそらくその家の中ではひとつの真実だったんだろう。
御剣の攻撃の手が止まる。
「そして生まれた少女に再び悲劇が起きます。それは彼女が十歳になってまもない頃でした。帰宅中の少女は攫われてしまいました。そして不幸なことに彼女の家には弟が生まれていました。両親はその弟に愛情をそそぎ彼女の事を蔑ろにしていたため、彼女は家出の際に行方不明になったという事で処理されてしまいました。唯一、娘を溺愛していた祖父は探し続けましたが、見つける事は出来ませんでした」
「それからの彼女は悲惨でした。攫った男達は彼女を性欲を満たすための道具としてしか扱われませんでした。強引に犯され、暴力を振るわれ、薬を使い。少女の小さな心と体は見る見るうちにボロボロにされていきました」
これには全員が顔を顰めた。御剣だけは能面のように感情の読み取れない顔で立ち尽くしている。
「それから一年後、飽きられたために少女は棄てられました。ゴミ置き場に力なく横たわっていた彼女を見つけたのは彼女の祖父でした」
俺は気づいてしまった。恐らくこの少女というのは
「それからおじいちゃんの元でやっと普通に過ごせるようになった。昔語りはもうオシマイにしようか、岩。私の過去を引っ張り出して何がしたいのかは知らないけどさ」
感情の読めない顔で、ハイライトの消えた目で、呟く
「卍解」
俺の視界が、黒く染まった
目の前には、白い仮面を被り、刀身が黒く細い刀を持った御剣が立っていた。
『天鎖斬月』
エコーの掛かった声で御剣が言う。そして刀の切っ先を空にかざす。
『月牙・・・』
ヤバイ。直感でそう感じた俺はお嬢様達を引きずってその場を離れ、御剣の遥か後方に位置を取る。
『天衝ッ!』
それまで岩があった場所が・・・俺達のいた場所が
卍解はこれからもちょくちょく出します
後仮面は一護の仮面とデザインは一緒ですが設定は一応違うものとなっております
それではご意見ご感想お待ちしております