魔法少女まどか☆マギカ 聖なる焔と新たなる運命 作:緋月ルナ
不定期とか言いながら連続でここまで書いちゃいました。
今回は戦闘はなしとなっております。
たまには平和な日常もいいですよね。
では、どうぞ。
次の日────
「さて、まずはルークの服装だな」
食事を終え、澪鵺が唐突に言う。
「え?俺?」
ルークは訳が分からないと言わんばかりに首を傾げる。
「お前…その服装だと目立つだろう。自分でも言ってたろ」
「あー…そうだったな。でも、どうするんだ?」
「まぁ、任せておけ。俺に考えがある」
「その考えとは何かしら?」
マミがテーブルに紅茶を出しながら質問する。
澪鵺は紅茶を少し飲むと笑みを浮かべ、
「マミ達魔法少女の変身を利用する」
「…はい?」
突拍子もない発言にルークは更に微妙な表情をして澪鵺を見る。
魔法少女の変身を利用する?
どういうことだ。とルークは思っていた。
だが、澪鵺は気にせずに続ける。
「まぁ、そのうち分かる。マミ。まどか達と合流するぞ」
「わかったわ。連絡するから少し待ってて」
そう言ってマミは自分の部屋へと戻っていく。
昨日の一件があり、すぐに彼女達と連絡先を交換したのだ。
少し待っているとすぐにマミはリビングに戻ってきた。
「連絡しておいたわ。1時間後に来るらしいわよ」
「そうか。ありがとう」
1時間後、まどかはさやかを連れてマミの家にやってきた。
「澪鵺さん、どうしたの?」
「まぁ、少し買い物に付き合ってほしいんだ」
「買い物、ですか?」
「ああ。俺はまだしも、ルークの服装は目立つからな。この際、お前達と似たような事をしようと思ってな」
「どういうこと?」
「まぁ、それは後からのお楽しみだ」
「はぁ…」
「とにかく上着だけでもこれに変えておけ」
そう言いながら自身のコートを渡す。
「あと、剣は俺が預かっておく」
さらに澪鵺はルークからローレライの鍵を受け取り、その手から消してみせる。
「なにそれ!?すごい!」
さやかは目の前で剣が消えた事に驚き、澪鵺の手を掴む。
こういう事が好きなのか、さやかは興味津々だ。
「どうやったの!?」
「あー…簡単に説明すると、剣を粒子に分解して一時的に自分の体内に吸収しているんだ」
「んぅ?」
「そうだな。俺の世界の人間は少なからずこの世界の魔力源に似た粒子を体内に含んでいる。その粒子にさっきの剣を分解することで自分と融合させているんだ」
まどかの表情を見て説明した澪鵺に、さやかは「なるほど」と頷き
「さっぱり分からん!」
そう言い放つ。
「だろうな…」
苦笑いする澪鵺にマミは続けて質問する。
「澪鵺さんの世界では皆そういう事が出来るのかしら?」
「ん?いや、1人同じ事を出来る奴はいたが、それは自分の持つ粒子分解融合-クロス・コンタミネーションという能力-スキル-で行っているからな。皆が皆同じ事が出来る訳じゃないんだ」
そう説明した澪鵺にさやかも同じく尋ねる。
「んじゃあ、澪鵺さんはどうしてそんな事が出来るの?」
「まぁ、これは俺の能力の応用みたいなものだ。物質の内部に電流を流して構造を把握、分解、再構築することで自身に取り込んでいる。だから自身に取り込める物質は1つまでという限度はあるし、能力で元々そういう事が出来る人間には劣るんだ」
「へぇ…そうなんだ」
澪鵺の言う能力とは、澪鵺のいた世界で一部の人間が使える超能力のようなものでレベル1~5というランクに分けられ、レベルが高くなるほど強力なものになると昨日、説明されていた。
そして、彼自身も能力者であり、その能力は電撃系統の能力だとか。
「俺の武器もこれを応用しているんだ」
「あ、そういや魔女を倒した後に消えてたもんね」
昨日の魔女との戦いの時の事を思い出してさやかは納得する。
確かに、澪鵺は魔女を倒した後に持っていたライフルと展開していたライフルをその場から消していた。
あれがどうして消えたのか、最初はマミと同じ召喚魔法か何かかと思っていたが、違ったようだ。
そんな事を話していると、
「俺の仲間にも同じ事が出来る奴がいたぜ」
コートに着替えたルークが後ろから話しかける。
「ジェイド・カーティスっていう奴なんだけど、そいつも槍を音素-フォニム-に分解して自分の腕に融合させてた。まぁ、ジェイドの場合は体内じゃなくて腕の表面だったけど」
彼の言う音素もこの世界の魔力や澪鵺の世界の粒子というものと同じ存在だ。
ただし、音素は第1(ファースト)~第7音素(セブンスフォニム)に分けられ、それぞれの属性を持っているという違いはあるらしいが。
「確かジェイドもコンタミネーション現象を利用してるとか言ってたな」
「そっちの世界にも同じような事が出来る奴がいたんだな」
「まぁ、あの人は天才とか言われてる人だからな。…陰険鬼畜眼鏡だけど」
「陰険…?」
「ああ、いや、忘れてくれ!何でもないから!」
ルークはまどかに慌てたように手を振って否定する。
どうやら、色々と訳ありなようだ。
「ふふ…。さ、そろそろ出かけましょ?」
「ああ、そうだな」
「ねえ、これとかいいんじゃない?」
「これもいい感じですよ」
「私はこれがいいんじゃないかと思うわ」
近くのデパートに入り、まどか達は楽しんでルークの服を選んでいた。
(楽しそうだな)
澪鵺はそんな彼女達を見て、娘を見ているような感覚になる。
(…那月)
彼は元の世界に残してきた自分の息子の事を思い浮かべる。
彼の息子である那月(なつき)はA.R.M.S.専属学校アカデミーの2年生で17歳だ。ついでに言えば、アカデミーの中でもかなりの実力者でもある。
それでも親としてはやはり、自分の子供が心配なのだろう。
(ま、あいつなら何とかやっているか)
自分の頬を少し叩き、まどか達に近寄る。
「決まったのか?」
「決まったよー!」
澪鵺の問いにさやかが元気に答え、楽しそうに自分達の選んだものを見せる。
「じゃーん!」
彼女達が選んだのは黒いジーンズに黒いシャツと白のジャケットだった。
かなり落ち着いたデザインで選んでいたようだ。
「ほう?いいんじゃないか」
「元の服装とほとんど同じ色分けなんだけど…」
ルークは苦笑いするが、まどか達は満足げだ。
「よし、じゃあ次は澪鵺さんね」
「え?俺は別に…」
マミの言葉に少し驚き、澪鵺は後ずさる。
まさか自分の物まで選ぶ事は予測してなかったのか、さすがの澪鵺でも驚いた。
「ほら、1人だけゴツゴツした服装だと不自然じゃない?だから、ね」
「さぁ、覚悟したまえ!」
「ちょっ…待て!」
澪鵺は更に後ずさるが、両腕をマミとさやかに掴まれる。
どうやら、抵抗は無駄なようだ。
そう察した澪鵺は諦め、連行されていってしまう。
「2人とも楽しそう」
彼女達の楽しげな表情を見て苦笑いするまどかだが、別に嫌ではない。
むしろ楽しいならそれでいいとも思えていた。
「なぁ…本当に良かったのか?」
帰り、ルークはマンションの通路を歩きながら澪鵺に聞く。
「ああ。幸い、俺の元いた世界と同じ通貨だったからな」
今回の買い物は澪鵺が全て払ってくれていた。
澪鵺の元いた世界と同じ通貨だったということで、彼が全て支払うと申し出てくれたのだ。
「でも、何でアクセサリーも必要なんだ?」
ルークは手荷物を見つつ、聞く。
なぜなら、服だけではなく、アクセサリーも買っていたからだ。
別にアクセサリーは何でも良かったので指輪にしたわけだが。
「それは帰ったら分かる」
澪鵺はそう言い、マミの部屋の前に立つ。
「ほら、着いたぞ」
マミが扉を開けるのを待ち、部屋に入る。
「私達までいっぱい買っちゃったね。それで、これからどうするんですか?」
自分たちの荷物を床に置き、まどかは聞く。
当初はルークの物だけを買う予定だったのだが、ついつい、ショッピングと言うこともあり自分達のものまで買ってしまったのだ。
「ん?まぁ、少し待っててくれ」
そう言って澪鵺はルークを連れて自分たちの部屋へと入っていってしまう。
『??』
どういうことか分からないまどか達は顔を見合わせる。
だが、すぐに2人は戻ってきた。
2人は先ほど買った服を着ている。
「さて、やるか」
澪鵺は元々着ていた服と買った指輪を準備すると服を粒子に分解してしまう。
「な、何してんの!?」
「これを、こうして…」
次に指輪を取ると粒子を指輪に纏わせる。
蒼白く輝く粒子は光を失うと、その形は元の形とは違い、黒い石が嵌まった指輪となっていた。
「え…ええ?」
「これで終わりだ」
「ほんとに…どういうこと…」
澪鵺が何をしたのか理解出来ないさやかはその場で頭を抱える。
それを見た澪鵺は説明しようと口を開く。
「朝、説明したコンタミネーションを利用したものだ。さっきの服を一度粒子に分解して指輪に融合させた。これで俺が念じれば今まで通りの服装に戻れるってわけだ」
「へぇー。魔法少女みたいですね」
まどかが目を輝かせる。
どうやら、こういうものが好きなのだろう。
「まぁ、魔法少女の変身を参考にしたのもあるんだがな」
そう言ってマミを見る。
そして、続きだとばかりに
「さ、次はルークだ」
ルークの服と剣を自分と同じように指輪へと融合させるのであった────
今回はルークと澪鵺の衣装が目立ちすぎるということで魔法少女のように変身できるようにしてみました。
さすがに剣ぶら下げて歩くのは色々とマズいので。
まぁ、澪鵺は別に必要なかったのですが、ルークも変身出来るのに澪鵺だけ変身できないってのは何かと違和感あるので、マミさん達とスタイルを同じにすればいいかと思っての行動です。
今回も閲覧ありがとうございました!
では、次回もお楽しみに!