魔法少女まどか☆マギカ 聖なる焔と新たなる運命   作:緋月ルナ

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どうも、こんにちは。緋月ルナです。
第6話、お待たせいたしました。
今回は前回に続く、対杏子戦となっております。
澪鵺と杏子の戦いがどうなるのか、楽しんでいってくださいね。


第6話 対決

 

 

 

「なんだ、その程度か?」

 

挑発するように澪鵺は杏子の強力な突きを左手に握った剣で軽く弾いてみせる。

 

「余裕ぶっこきやがって…そういうの、マジうぜえんだよ!」

 

「甘いな」

 

「くそっ!くそっ!」

 

「………」

 

 

 

ギンッ──ギンッ───────

 

 

「ぐっ…」

 

剣と槍がぶつかり合う度に火花が散り、甲高い金属音を響かせる。

そうして何度も打ち合うが、杏子の振るう槍が防がれ、弾かれた。

それでも、彼に勝とうと意地になっている杏子は槍を構える。

澪鵺はそんな彼女に昔の自分を思い出す。

自分も正義や人助けというものが嫌いな時期があった。

彼女のそういうところが自分と重なって見えたのだ。

だから、さやかの代わりに杏子の相手を引き受けた。

そして、戦ってみて分かったが戦い方も自分にそっくりだ。

 

「これでも…っ!」

 

「───遅い!」

 

杏子の持つ槍の柄に鎖が現れ、彼女はそれを振るう。

だが、澪鵺はバックステップで躱す。

 

「…仕込み多節棍か」

 

柄がいくつにも分かれた槍を見て澪鵺は呟く。

多節棍とは柄を分割して鎖で繋いだものだ。伸縮性に優れ、ただでさえ長いリーチを誇る槍のリーチを更に伸ばす。

 

「理解が早くて助かる。これでも喰らいな!」

 

杏子は澪鵺の右手に持った剣に向けて多節棍を振るい、剣に巻き付かせる。

 

「チッ…」

 

「さて、どうする?」

 

「なら…少し本気を出そう」

 

「なに…?」

 

澪鵺は左手に握る剣を空中に向かって投げ、右手の剣を力任せに引っ張り、杏子を宙に浮かせる。

 

「なっ…!?」

 

杏子は体勢を立て直そうとするが、上空からいくつもの光の弾丸が降り注ぎ、彼女を襲う。

杏子は槍を元に戻し、回転させて弾丸を弾いて着地する。

そして

 

「…なにしたってんだよ」

 

澪鵺を睨みつけて槍を構える。

さっきまで銃のようなものは持っていなかったはずだ。

 

「俺の武器の機能を少し見せただけだ」

 

そう言った彼の周囲に黒いライフルのようなものが展開していた。

その数は左右に7基ずつで計14基。

それの全ての銃口が杏子を狙っている。

 

「こいつはライフルビット。さっきの剣、エターナル・ヴァリアントのもう一つの姿だ」

 

「そいつがさっきの剣だって言うのかよ」

 

「ああ、その通りだ。それにこいつも、こんなことが出来る」

 

彼女の目の前で澪鵺が右手に握る剣が輝き、大型のハンドガンへと変化し、彼はそれを杏子に向けて撃つ。

 

「っ…!」

 

連射速度はないが、一撃一撃が重く、防ぐ度に杏子は後ろに押されていた。

そこに澪鵺は素早くライフルビットと手に持った銃を元の剣に戻して一気に距離を詰める。

 

「…動くな。この剣は少し特殊でな。もし少しでもこの刃に触れればその首が吹き飛ぶ」

 

「そいつは反則だろ…」

 

槍を弾かれ、左手に握ったエターナル・ヴァリアントと呼ばれる剣を喉元に突きつけられた杏子は引きつった笑みを浮かべる。

 

「これ以上戦う理由はない。退け」

 

「情けのつもりかよ」

 

「まだ死ぬのは嫌だろう」

 

「…そりゃそうだ」

 

杏子は槍を下ろし、抵抗の意志が無いことを示してみせる。

それを見て、これ以上は抵抗しないと判断した彼は剣を下ろす。

 

「次は負けないからな!」

 

そう彼女はいい残し、壁を蹴って建物を上っていった。

 

(…次があれば、だがな)

 

そして澪鵺は彼女の姿が見えなくなることを確認すると路地の奥に向かって声をかける。

 

「いるんだろう?出て来たらどうだ」

 

「気付いていたのね」

 

そう言って路地の奥から姿を見せたのは

 

「何のつもりだ。暁美ほむら」

 

そう、ほむらだった。

 

「あなたには関係ない事よ」

 

それだけ言い残して彼女は立ち去ろうとする。

だが

 

「待て。お前には聞きたい事がある」

 

「…何かしら」

 

呼び止める澪鵺に振り向きもせず、彼女は横目で彼を見る。

 

「魔女、そして魔法少女についてだ」

 

「それこそ、あなたには関係ない事よ」

 

「その正体を知っていると言えば?」

 

「……!」

 

魔法少女と魔女の正体を知っているという澪鵺に彼女は少し驚いた表情を見せる。

それを見た澪鵺は口を開く。

 

「色々と気になる点があってな。グリーフシード、そしてソウルジェムだ」

 

彼は魔法少女の持つソウルジェムと魔女の卵と言われるグリーフシードの名を出し、こう言う。

 

「あれはどちらも本質は同じ物だろう?」

 

グリーフシードとソウルジェムは同じ物だと彼は言ったのだ。

そしてそのまま続ける。

 

「不思議に思ったんだ。何故、グリーフシードに穢れを移さなければならないのか。そして、これは俺の仮説だが、ソウルジェムは使い続ければ穢れが溜まり、グリーフシードに穢れを移さなければその穢れは限界に達する。そして、ソウルジェムの穢れが限界に達すればグリーフシードへと変化する。そしてそのグリーフシードに穢れが一定以上溜まれば魔女が孵化する」

 

彼は自分の立てた仮説を話した。

仮説と言った通り、確信はない。だが、今までの事を見てきて彼はそうだと感じていた。そして、この仮説が間違いであってほしいとも。

ソウルジェムに穢れが溜まれば、やがて魔法少女は魔女へと変化するのではないか。もし、そうならばマミやさやか達もいずれば魔女へとなってしまう。

 

「違うか?」

 

「それをどこで」

 

「いいから答えろ」

 

ほむらはその事をどこで知ったのかと聞くが、澪鵺に答える気はない。

ただここで知りたいのはその仮説がイエスかノーかだ。

 

「…ここでは話せない。彼女達が戻ってくる」

 

だが、彼女はそう言ってその場から姿を消してしまう。

 

「待て!」

 

澪鵺は追いかけようとするが、すでに彼女の姿はなかった。

だが、彼女の反応を見るに仮説は間違っていないと考えても良さそうだ。

 

「澪鵺さん!」

 

「あいつは!?」

 

後ろからまどか達が駆け寄り、さやかは周囲を確認する。

どうやら、ほむらの事には気付いていないようだ。

 

「撃退した。それよりも使い魔は?」

 

澪鵺は杏子を撃退した事を伝え、使い魔の事を聞く。

 

「使い魔の方は心配いらないわ」

 

「倒したのか」

 

「当然よ」

 

使い魔は倒したと言ってマミは軽くウインクしてみせる。

 

「さて、今日はここまでにしよう」

 

空を見れば日は傾き始めていた。

これ以上は遅くなりそうな為、今日の魔女退治は終わりとする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

澪鵺Side

 

「で、話ってなんだ?」

 

その日の晩、ルークは澪鵺の部屋に呼ばれていた。

何か大事な話があるという。

 

「今日、あの後暁美ほむらに会った」

 

「あいつに会ったのか!?」

 

「…声が大きい。マミに聞かれないようにしろ」

 

「ご、ごめん」

 

ほむらに会ったと聞き、つい大きな声を出してしまい口を塞がれる。

マミとほむらの関係は良くないのであまり聞かれたくない。

 

「それで…どうしたんだ?」

 

「魔法少女、そして魔女の事について聞いてきた」

 

「何か分かったのか?」

 

「やはり…俺の仮説は正しかったようだ」

 

「あいつがそう言ったのか?」

 

「いや…ただ、あいつの反応を見る限り、間違ってはいないだろう」

 

「そうか…」

 

ルークには自分の立てた仮説を話していた。

ソウルジェムに穢れが溜まればいずれ魔法少女は魔女になってしまうと。

その仮説がほぼ正しいと言われ、ルークは表情を曇らせる。

今戦ってる仲間がいずれは敵になるかもしれないと思えば当然の事だろうが。

 

「それで…もし、もしだぞ?」

 

そう言い、ルークは顔を上げる。

 

「もし…マミやさやかが魔女になったら助けられないのかな…」

 

もし、彼女達が魔女になったらと思うと不安になり、ルークは聞くが、澪鵺は首を振る。

 

「それは分からん。何かしら手はあるかもしれないが、今は情報が少なすぎる。もし、暁美ほむらを仲間に引き入れることが出来たら何か分かるかもしれないが」

 

「そう簡単にいけるのか?」

 

「難しいだろうな。だが、何もしなければ何も変わらん」

 

「そう、だよな…」

 

澪鵺の答えにルークはまた顔を伏せてしまう。

だが、すぐに顔を上げる。

 

「よし、今は俺達に出来る事をやっていこう」

 

そう言って自分の部屋へと戻って行くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルークSide

 

(魔法少女が魔女に…)

 

ルークはベッドに転がってマミ達の事を思い浮かべていた。

いつかは彼女達が魔女になるかもしれないと考えると何とも言えない不安がこみ上げてくる。

 

(その事…あいつらは知らないんだろうな)

 

さやかやマミがその事を知らずに戦っているとなると胸が苦しくなる。

ほむらや杏子もだ。敵対しているとはいえ、自分より年下の女の子が戦って死ぬというのはあまりにも残酷すぎる。

そんな事を考えていると、コンコンとドアをノックする音が聞こえた。

 

「少しいいかしら?」

 

「マミか?入っていいぜ」

 

ルークはベッドから降りる。

 

「ごめんなさいね。疲れているのに」

 

「いいんだって。何か用か?」

 

「この間のお礼が言いたくて」

 

「お礼?」

 

何の事だろうルークは少し考えるが、初めてマミを助けた時の事を思い出す。そして、「ああ」と納得する。

 

「澪鵺さんには言ってたんだけど、あなたにはまだだったから」

 

「いいよ。それに、これ以上目の前で人が死ぬところを見たくないんだ」

 

ルークは俯き、自分の両手を見つめる。

今までの記憶がフラッシュバックし、その両手は血に塗れているように見えた。

 

「…1万人」

 

「え?」

 

「俺が今までにこの手で殺してきた人の数だ」

 

「え……!?」

 

マミはその言葉に驚愕し、言葉を失う。

こんな優しい人がどうして、と。

 

「俺の話、聞いてくれるか?」

 

ルークはマミが頷くのを確認すると元の世界での事を話した。

自分がレプリカであること、アクゼリュスのこと、世界に広がった瘴気を中和する為に奪った命の事、そして旅で起きた事の全てを。

 

 

 

 

 

 

 

「…長くなっちまったな」

 

「いいえ。あなたの事を知れて嬉しかったわ。ありがとう。ルークさん」

 

「あ…その、ルークさんってのやめてくれないか?呼び捨てでいいからさ」

 

「じゃあ…ルーク。これでいいかしら?」

 

「ああ、ありがとう。マミ」

 

「…それじゃあ、私の事も聞いてくれるかしら?」

 

「俺ばかり話してるってのもあれだからな。聞くよ」

 

マミはその言葉に微笑み、口を開く。

 

「私は、生きたくて契約したの」

 

「生きたくて?」

 

ルークはその言葉の意味が分からずに首を傾げる。

 

「昔、交通事故に遭ったのよ。私も含めて誰も助からない状態だった。そこにキュウべぇがやって来た。考える暇なんてなかったわ」

 

「そうだったのか…」

 

「それから、私はパートナーを見つけて一緒に戦ってきた。それが佐倉杏子さん。けどお互いの考えが合わなくて別れたの。それからはずっと1人」

 

「たった1人で戦ってきたのか…」

 

「ふふ。バカよね。鹿目さん達と出会って、浮かれてたのかもしれない。もう1人で戦う必要はないのかもしれないって。だから、あの時油断したの。もし、あなた達が来なければ、私は死んでた。いいえ、鹿目さんや美樹さんも」

 

ルークにはその気持ちが痛い程分かった。

孤独な戦いほど辛いものはない。

彼女は中学生だ。自分よりも年下なのに、誰も知らないところでたった独りで戦っていたんだ。

彼女にとって、それはとても苦しいものだっただろう。

だが

 

「でも、今は俺達がいる」

 

そう。今は仲間がいる。助け合える仲間が。

その言葉にマミは顔を上げ、ルークを見る。

 

「俺も澪鵺も。まどかやさやかもいる!だから、一緒に戦っていこう!」

 

「ルーク…」

 

マミの瞳に涙が溢れる。

ずっと話せなかった気持ちを話せて楽になったのだろう。

 

「私…もう、1人じゃないのよね…」

 

ひっく、ひっく、と涙をこぼすマミをルークは抱きしめた。

マミにルークの温もりが伝わり、更に涙をこぼす。

 

「ありがとう…ルーク…」

 

うわぁぁぁぁぁん、と泣きじゃくるマミにルークはずっとついていた。

朝になるまで、ずっと──────




今回は杏子戦と、魔法少女の秘密、マミの過去についての話でした。
いよいよ本番って感じがしてきました。
これからどうなっていくのか、どうぞ応援よろしくお願いします。
これから1週間に1話のペースで投稿できたらなと思っておりますので、良ければ読んでいってくださいね。

では、閲覧ありがとうございました。
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