魔法少女まどか☆マギカ 聖なる焔と新たなる運命   作:緋月ルナ

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遅くなって申し訳ありません。
作者超多忙により全く執筆が進みませんでした。
これからは投稿ペースを戻していくつもりです。
お待たせいたしました。では、第7話どうぞ!


第7話 真実

「本当に俺で良かったのか」

 

「だって、ルークはいないし、澪鵺さんしか教えてくれる人いないじゃん」

 

澪鵺とさやか、まどかはこの間魔女と戦った廃工場に来ていた。

 

「それに、あいつに負けたままじゃ嫌だし…強くならなきゃ」

 

昨日、杏子に負けた事がよほど悔しいのか俯いて拳を握り締める。

 

「さやかちゃん…」

 

そんなさやかを見て、まどかは心配そうに見るが、彼女は澪鵺を見る。

 

「澪鵺さん強いし、あたしも澪鵺さんみたいになりたいなって思うんだ!」

 

「…わかった。そこまで言うのなら面倒を見てやる」

 

「やった!」

 

澪鵺に面倒を見てもらえる事になり、喜ぶさやかはさっそく魔法少女に変身しようとソウルジェムを構える。

 

「待て待て、こんなところで剣を振り回してるところを見られるとマズい」

 

そう澪鵺に止められてしまう。

 

「じゃあどうすんのよ」

 

「こいつを使え」

 

澪鵺は転がっていた鉄パイプを2本掴むと1本をさやかに渡す。

 

「これ、鉄パイプ?」

 

「まずはそれで打ち込んでこい」

 

「…わかった」

 

さやかは鉄パイプを構えて澪鵺を見る。

重さは普段使ってる剣より少し重いくらいか。

だが、特訓に使うにはもってこいだ。

 

「死ぬ気で来い!」

 

その言葉を合図にさやかは澪鵺へ向かって走っていくのだった。

 

 

────

────────

 

─────────────

 

 

───────────────────

 

 

 

 

「だぁぁぁぁっ!つかれたー!」

 

「お疲れ様、さやかちゃん」

 

「ありがと、まどか」

 

20分程打ち込むと、疲れたさやかは鉄パイプを放り出して地面に転がる。

そんな彼女にまどかはペットボトルの水を差し出し、それをさやかは受け取って半分ほどを一気に飲み干す。

澪鵺もまどかから水を受けとると少し飲む。

 

「ふーっ…どうだった?」

 

息を整え、体を起こすと隣に座った澪鵺を見て自分の評価を聞く。

 

「剣士としてはまだまだだな。無駄な動きが多すぎる」

 

「えー!?」

 

「だが、いい線は行っている。このまま続ければすぐ強くなるさ」

 

「ホントに!?」

 

「ああ。さやかはどちらかと言えば一撃の威力より手数の多さのスピードアタッカータイプだ。もしかしたら俺のように双剣で戦ってみるのもいいかもしれないな」

 

澪鵺はそう言って両手に填めた黒い指輪を見せる。

彼の剣はレゾナンツ・ヴァリアントと呼ばれる2本一対の剣で左手の剣がエターナル・ヴァリアント、右手の剣がレヴァンシュベルツ・アクセリオンという剣だと聞いた。

その2本の剣を自在に操る姿はさやかの憧れだ。もちろんルークもだが。

 

「暗くなってきたな。そろそろ帰るとするか」

 

澪鵺に言われ、空を見るとかなり暗くなってきていた。

 

「今日はもう帰るぞ。続きはまた明日にでもやろう」

 

「あ…じゃあ、澪鵺さんは先に帰ってて。あたしは寄るところがあるから」

 

「そうか?なら途中まで送ろう」

 

「ありがとう。澪鵺さん」

 

「こんな場所で女の子を放って帰るわけにはいかないからな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただいま」

 

「おかえり。遅かったじゃないか」

 

「さやかの特訓に付き合っていたんだ」

 

家に帰るとルークが廊下に立っていた。

澪鵺はさやかの特訓に付き合っていた事と、さやかとまどかとは途中で別れて帰ってきた事を伝えてリビングに入る。

 

「あなたから見て、美樹さんはどうかしら?」

 

夕食の準備をしていたマミが澪鵺に聞く。

昨日の事があり、マミも心配だったようだ。

 

「元気にはやっている。確かに、まだまだ素人だが特訓さえしてやれば立派な魔法剣士になれるだろう」

 

「よかったわ。美樹さんの事お願いね」

 

「任せておけ。ルークも、たまには相手をしてやってくれ」

 

「任せておけって」

 

ルークは笑って胸を叩いてみせる。

すると、マミの携帯が鳴り響く。

 

「鹿目さんからだわ。どうしたのかしら?」

 

そう言ってマミは電話に出ると、まどかの慌てた声が聞こえる。

だが、内容までは聞こえない。

 

「なんですって!?今すぐ行くわ!」

 

澪鵺とルークは顔を見合わせてどうしたのだろうかと首を傾げる。

だが、間違いなく只事ではなさそうだ。

通話を終え、携帯をポケットにしまい込んだマミは2人を見て

 

「佐倉さんが美樹さんに決闘を挑んだらしいわ」

 

そう言った。

 

「な…!?」

 

「今すぐ止めに行くぞ!」

 

マミの言葉に驚いた2人は急いで玄関へと向かう。

 

「あいつらは今どこに!」

 

「ここからそう遠くはないわ。でも、間に合うかどうか…」

 

マンションの通路を駆け抜けながら澪鵺は聞く。

だが、間に合うか分からないと俯いてしまう。

 

(くそっ…なら…)

 

「こいつに乗れ!」

 

そう言った澪鵺の左手の指輪が輝き、黒い箱のようなものが幾つか出現する。

それをいくつか組み合わせてホバーボードのようなものを2つ作ってみせる。

 

「これは?」

 

「説明は後だ!振り落とされるなよ!」

 

澪鵺は2人をそれぞれのホバーボードに乗せて箱の後ろを蹴る。

すると、安全装置のようなもので足が固定された。

 

「澪鵺さんは!?」

 

マミはそう聞くが、澪鵺は首を振る。

すると

 

「俺はこいつがある」

 

そう言い、背中に蒼い粒子を収束させていく。

そして、

 

粒子の翼(エナジー・ウィング)

 

彼の詠唱に応えるように背中に蒼い光の翼が出現した。

その姿はまるで天使のようだ。

 

「そんな事まで出来るのかよ!?」

 

「さっさと行くぞ!間に合わなかったら元も子もない」

 

そう澪鵺は言い、さやかの元へと急ぐのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さやかSide

 

「ここなら遠慮はいらないよね。さぁ、派手にやろうじゃない!」

 

杏子は魔法少女に変身し、さやかもソウルジェムを取り出す。

そして魔法少女に変身しようとするが、後ろから聞こえた声に振り返る。

 

「待って、さやかちゃん!」

 

「邪魔しないで!そもそもまどかは関係ないんだから!」

 

途中で無理矢理別れたのだが、追ってきた様子のまどかにさやかは怒鳴るように言う。

だが、今回ばかりはまどかも本気で止めようと必死に反論する。

 

「ダメだよ!こんなの絶対おかしいよ!」

 

「ふん、ウザイ奴にはウザイ仲間がいるもんだねぇ」

 

2人の様子を見て杏子は口元に笑みを浮かべ、槍を構えて襲いかかろうとする。だが…

 

「じゃあ、あなたの仲間はどうなのかしら」

 

彼女の後ろにほむらが現れ、さやかと杏子の間に割って入る。

 

「話が違うわ。美樹さやかには手出ししないと言ったはず」

 

「あんたの考えは手ぬるすぎるんだよ。あっちはやる気だぜ?」

 

「なら私が代わり戦う」

 

「ならこいつを食い終わるまで待ってやる」

 

杏子は指で口にくわえているお菓子を差し、これを食べ終われば自分も戦うと主張する。

 

「十分よ」

 

それにほむらはそれだけの時間があれば十分だと言う。

 

「…バカにして…!」

 

魔法少女になりたての自分を侮辱されたと感じたさやかは魔法少女に変身しようとソウルジェムを構える。

 

「さやかちゃん…ごめん!」

 

「まどかっ⁉」

 

まどかはさやかのソウルジェムを奪うと橋の下に捨てようと手を振り上げる。

だが

 

「ちょっ!待った待った‼」

 

後ろから走ってきたルークが彼女の手を掴んでそれを阻止する。

 

「せ、セーフ…間に合った…」

 

「ルークさん⁉」

 

「俺たちもいるぞ」

 

声に振り向くと澪鵺、マミもさやかの後ろから歩いてきていた。

 

「間一髪ってとこだな」

 

「な、何…?どういうこと…」

 

「酷いなぁ、まどか。君はもう少しで『友達』を投げ捨てるとこだったよ」

 

「え…?」

 

どこからか突然キュゥべぇが現れ、まどかに言う。

キュゥべぇの言葉の意味が分からず、彼女は戸惑っている様子だ。

 

「やはり現れたな。そろそろ説明してもらおうか。この腐れ外道が」

 

澪鵺はキュゥべぇにライフルを突きつけて睨み付ける。

この場にいるほとんどの者は何が何だか分からず困惑しているだろう、目を丸くして固まっているだけだ。澪鵺、ルーク、そしてほむらを除いて。

 

「やっぱり気付いていたんだね。神崎澪鵺、そしてルーク・フォン・ファブレ。君たちの想像通りだよ。ソウルジェムは魔法少女の魂そのものだ」

 

「な、何いってんのよ。わかるように説明しなさいよ!」

 

さやかは訳がわからないと戸惑いの表情で叫ぶ。

それにキュゥべぇは淡々と答える。

 

「だから、言葉の通りだよ。ソウルジェムは君たち魔法少女の魂そのものなんだ。まさか生身の身体で魔女と戦えなんて言えないよ。だから、魂を抜き取ってソウルジェムに変えるんだ」

 

「なんだと…」

 

杏子はキュゥべぇの言葉を聞き、体を震わせる。

 

「どうしてその事を先に言わなかったんだ!」

 

「聞かれなかったからね。むしろ便利じゃないか。ソウルジェムがある限り君たちが死ぬ事はない」

 

「ふざけるな!あたしたちはてめえに騙されたって事かよ!」

杏子はキュゥべぇに掴みかかろうとするが、澪鵺に無言で阻止されて立ち止まる。

 

「君達人間はいつもそうだね。事実を伝えると決まって同じ反応をする。訳がわからないよ」

 

「貴様にはわかるまい!人間の気持ちなどな!」

 

「確かに僕は魔女少女について色々と話してないことはあるけど、それを知って君達にとってプラスになるかい?」

 

キュゥべぇの言葉は知らない方が良いこともあるとあると言いたげだ。

 

「もし契約したくなったらいつでも声をかけてよ、まど─────」

 

キュゥべぇは立ち去ろうとするが、言葉は途中で途切れ、彼の身体が吹き飛ぶ。

 

「れ、澪鵺さん⁉」

 

そう、澪鵺が手に持ったライフルの引き金を引いたのだ。

無言で引き金を引いた澪鵺に驚き、さやかは声を上げる。

だが、澪鵺は何も答えずほむらを見る。

 

「お前も何か知っているのだろう。暁美ほむら」

 

「ほむら…ちゃん…?」

 

澪鵺とまどかに見つめられ、ほむらは息をついて答える。

 

「ここでは話せないわ。私の家に来て」

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで、魔法少女について他に何を知っている」

 

ほむらに案内され、まどか達はほむらの家に来ていた。

ソファーが並べられ、中心にテーブルが置かれている。部屋自体は白を基調としたものだ。

「いや、単刀直入に聞こう。魔女は魔法少女の成れの果てだな?」

 

澪鵺は真っ直ぐほむらを見ると魔女の正体について聞く。

それに対しほむらは、それについて聞かれる事を分かっていたようですぐに答える。

 

「そう、以前にあなたが言っていたように魔女は魔法少女の成れの果て。ソウルジェムに穢れが限界まで溜まれば魔女になるわ」

 

「…やっぱり」

 

ほむらの答えにルークは口の中で苦虫を潰したような表情をする。

だが、さやかは澪鵺に対し別の事を聞く。

 

 

「ちょっ、待ってよ。澪鵺さんとルークさんはこいつに会ってたの?それに魔女が魔法少女の成れの果てって」

 

「…お前がそこの佐倉杏子とやり合った時だ。こいつを退けた後にこいつが現れた。その時に聞いただけだ」

 

「それで、魔女が魔法少女の成れの果てってどういう事だよ。分かるように説明しろっての」

 

横から杏子が険しい顔で聞く。

よほどキュゥべぇに対して腹を立てたのだろう。ずっとイライラしたままだ。

 

「さっきも言った通り、魔女はソウルジェムに穢れを限界まで溜め込んで豹変した姿だ。今まで戦って分かっているだろうが、奴等が魔法少女だったときの意識などは残っていないだろう」

 

「それってつまり、私達もいずれは魔女になると言うことね…」

 

「穢れが限界まで溜まる前にグリーフシードを使えなければ、そうなるわ」

 

マミが自分のソウルジェムを見つめて表情を曇らせる。

当然だろう。自分達がいずれあのような化け物になって人を襲うようになると言われたのだ。

 

「じゃあ、今まであたしたちが倒してきた魔女って」

 

「元々は私達と同じ魔法少女よ」

 

「く…」

 

さやかはその事実を知って何も言えず歯ぎしりをする。

そこに、マミの声が小さく聞こえる。

 

「…ぬしか……じゃない…」

 

「マミ?」

 

「ソウルジェムが魔女を産むなら死ぬしかないじゃない!あなたも!私も!」

 

マミが魔法少女に変身してほむらをリボンで縛り上げ、マスケット銃を向ける。

そしてその引き金に指をかけ────

 

「待てマミッ!」

 

 

 

 

タァァァァァン────

 

 

 

 

銃口から魔弾が放たれる。

だが、それはほむらには当たらず、壁に穴を開けただけだ。

 

「駄目だ…マミ…!」

 

見ればルークがマミの腕を掴んで銃口を逸らしていた。

 

「離して!ソウルジェムを壊して私も──!」

 

「簡単に死ぬとか言うな!」

 

「っ…」

 

「死ねば…何もかも終わりなんだよ…。それに、絶対に俺が…俺達がみんなを魔女になんてさせない!皆を救ってみせる!」

 

ルークがマミの腕を掴んだまま叫ぶ。

 

「言ったよな俺…。死ぬのは簡単だ。でも、死ねば悲しむ人がいる。俺はマミや皆が死ぬなんて嫌だ。だから必ず助ける方法を探してみせる…。だから死ぬなんて言うな…」

 

ルークの手に力が入る。

マミはそんなルークの言葉を黙って聞いていた。

ルークは自分が元の世界で世界を救うために自分を犠牲にしようとしていた。

だが、そんな彼を助けようと仲間達が必死になっていてくれた。だからこそ、誰かが死ぬことで誰かが悲しむことも知っている。そんな彼だからこそ、こういう事が言えたのだろう。

 

「私達が助かる方法なんて…」

 

「必ず何かあるはずだ。だから、それを探す。ここにいる皆、誰も魔女になんてさせない!」

 

「…ルーク」

 

澪鵺が静かにルークの手に触れる。

その手は震えてマミの腕が少し赤くなっていた。

 

「あ…ごめん…。マミ、少し付き合ってくれ」

 

「え、ええ…」

 

ルークはマミの手を握ると玄関に向かって歩いていく。

マミも少し落ち着いたのか静かにルークに付いていく。

2人の姿が消えるまで、誰もその場から動こうとはしなかった。マミがあれほど取り乱すとは誰も思わなかったのだろう。誰もがその場で立ち尽くしていた。

部屋が静寂に包まれる。

 

 

「…少し皆に提案がある」

 

その静寂を破ったのは澪鵺だ。

真剣な眼差しで彼女達を見ると続ける。

 

「これから、ここにいる全員で手を組もうと思う」

 

 

 

 

 

 

 




今回は澪鵺さん、超お怒りモードです。
普段怒らない人って怒らせると超怖いですよね。
というわけで、ラストにあった通り、澪鵺達はほむら、杏子と手を組むつもりです。
これからの展開がどうなるのでしょう。
次回をお楽しみに。では、閲覧ありがとうございました!
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