オデッサ作戦終了。
原作だと長いように思えたが、実際10日前後。実際の戦地での戦闘は2~3日程度で終わったらしい。まあ、大規模戦闘が2~3日続いたのは、それはそれで激戦だったともいえるだろう。
そして、
ホワイトベース隊、青い巨星撃破。
ホワイトベース隊、黒い三連星撃破。
ホワイトベースの戦果はオデッサ作戦での多大な功績として喧伝された。
そうでなくても、連邦の一大反抗作戦である。それまでの惨敗続きだった連邦からすれば、士気をは少しでも上げる必要があるだろう。多少過剰ででも彼らの勝利で喧伝させることにためらいはない。
それくらい連邦上層部は切羽詰っていたともいえる。
その行為をジャミトフ大佐は見逃すことはなかった。こちらが提出していた『ニュータイプ専用MS開発計画』の大義名分を得たとして、即座に予算を投入。すでに箱はジャミトフ大佐が用意していたので、こちらのもつアムロ・レイの情報とMS開発情報を提供。
当然だが、Rx-78の情報は残っているので、それに合わせて専用機のベースを作る。後はそこに最新技術を盛り込むだけだ。つまり準備はすべてそろっている。
そして、こちらもそれに対応する。ジャミトフ大佐の動きに合わせるように、RGM-79ジムのアップデートを完了させた。
完全に終了である。
オデッサで先行量産型のジムが実戦配備されたことで、文字通り実稼動する事になったためだ。もちろん、今後も調整はとられていくのだが、RXシリーズからのデータ反映という意味でのアップデートは予定していない。今後はジムの実戦データを、そのままジムに反映させていくという形になる。
文字通り、V作戦のすべてが完了したという事だ。一応、ホワイトベース隊のV作戦への役割は終わりだが、今後は『ニュータイプ部隊』として関与し続ける事になる。まあ、技術面だけだけだけど。
正直、まだまだジムには改善する余地はあるのだが、すでに新型が開発されている現状で、限界のある旧シリーズに固執する意味がない。
それらの改善事項は、地上用MS開発と宇宙用MS開発の両者へ情報を提供するだけだ。これで、新型のバージョンアップに合わせて、必要な更新データを現行のジムにアップデートする形に変わる。
なんとなく、原作で旧式MSがその後開発されたMSにある程度対応できていた理由が見える。
要するにロールアウトした新型MSなんてものは性能を100%引き出した究極機器ではなく、安全性を重視した機械なのだということだ。
ちょっと動かしただけで壊れるような機械は欠陥品である。金のかかった最新鋭機でそんな事をすれば、すぐにお役御免だろう。
その点、すでに実戦配備されて酷使された旧機体は、使いつぶされた事で機体の不安定箇所が洗い出される。そこさえ解消させれば、設定されているリミッターをはずしても簡単に壊れる事はない。不安定さはパイロットの腕で十分補うことが出来る。
原作でジオンの残党が連邦軍にある程度抵抗できていた理由は、そういう形で旧式MSを改良して性能をギリギリまで引き出した結果ということだろう。
多分、このジムをギリギリまで改造していけば、今開発している新型MS以上の性能を引き出すことが出来るだろう。
まあ、当然それ以上の性能が出ないわけだし、同じ理由で新型を改造すれば、それ以上の性能を引き出せるということになるのであまり意味がない。
一年戦争後のジオンのように、手元にあるMSがそれしか使えない状態ならまだしも、連邦軍においては旧型のMSをギリギリまで使い続けるメリットはないわけだ。新型MSを開発配備したほうが、最新技術を導入し続けられる。安定した状態で使い続けられる。
本当にモビルスーツというのはよく出来ている。汎用機というのは用途の事だけではなく、その後の拡張性まで含んでいるという事だ。
RGM-79の手仕舞いと、開発している新型機への体制の移行を行う。
最後に、マチルダ・アジャン中尉の戦死報告は、オレにはまわってこなかった。
部署も違う。役柄も違う。そもそも個人的な付き合いでしかない為、当然ともいえる。
ただウッディー大尉から、月末に予定していた結婚式中止の詫び状が届いた。