①転生オリ主の視点から
これは夢ばっかりみてる糞ニートの俺(36)がゼロの使い魔の世界で、幸せを掴もうとする話だ。
俺は名門校に親が裏口入学をさせた。しかしバブル経済の崩壊は、俺の父が経営する会社も破綻させた。その結果、これまで問題を起こせば金で解決して来たが、俺も年貢の納め時がやって来た。退学除籍処分である。
人生を挫折した俺は引きこもりのニートとなった。
現在の趣味は風俗巡りで、親からくすねた金で豪遊する事だ。
そしてそれは突然始まった。
割れ厨で違法ダウンロードしたエロゲーを遊ぼうとしたら、セキュリティーがかかっていた。ネット認証でパスワードが居る。激怒した俺はエアーガンを持ち出してパソコンを破壊した。
「ふざけんじゃねええ」
東京のマルイさんと言う伝統と巧みの技で作られたSCARだ。初速が94メートル毎秒。
モニターを破壊するには十分だった。
冷静になるとやり過ぎた事に気づいた。
そうだ、俺にはまだやる事があった。
「ガッデム!」
ニコ生を見る予定だった俺は慌てて秋葉原に向かった。
しかしニコ生でお気に入りの声優を見る前に俺は死んだ。トラックだ。
「ふざけるんじゃねえええええ!」
薄れ行く意識の中で運転手は交通刑務所送りだと思った。ざまあ見ろ、人殺しめ。
なんやかんやとあって神様がチートをくれた。途中省略。
◇◆◇
穴に落ちて目覚めると赤ん坊。「おんぎゃあ」何て言わねえよ。
赤ん坊の視力で見えるようになると父と母は美男美女で貴族だった。人生の勝ち組、来たコレ!
よくある内政チートの知識がないので領内の経営にタッチできない。
農業高校とか行ってる方が良いのか?
街に出かけて平民を対等に扱うと舐められた。調子に乗って色々と要求して来たので無礼討ちで皆殺しにしてやった。
ちょろい鴨じゃねえよ。俺がお情けをかけてやっていただけだ。それぐらい分かれよ。
元の世界でニートだった俺は努力が嫌いだ。適当に過ごしている。
だが俺の異世界ニートライフは早くも計画倒れした。
「貴族は死ね!」
暮らしが豊かになれば、更に満たされようとする。社会構造の改革や権利を求める者が出てくる。欲に際限は無い。
それは別に良い。問題はうちの親が不満分子に殺された事だ。
くそったれのゲスどもめ、容赦はせん。
「愚民どもに制裁してやる!」
王国に逆らう叛乱の鎮圧として、傭兵を集め包囲殲滅を行った。
ゲリラは攪乱して此方の兵力を分散させる積もりだったのだろうが、丸っとお見通しだ。
包囲をすれば環を狭めるだけ。要領はジャンクション・シティ作戦と同じだ。
徹底的に狩り出して皆殺しにした功績を認められ、王家からの認可で領地と爵位を継承した。
今度は領民が足りないので、亜人を保護する事で観光産業にする事とした。
ブリミル教には援助をしていい関係を築いている。宗教を敵に回す意味がない。
◇◆◇
「猫?」
「そう。猫なんか飼えば良いと思うよ」
ルイズと出会い友達になった。彼女には気分転換が必要だった。
猫を飼う事が優しさを教えてくれる。
「初めて御意得ます」
くすくすっと笑う美しい女性。
カトレアと出会い、貴方は本当に子供と聞かれた。
「ねぇ、黙ってどうしたの?」
「惚れました。私と結婚して下さい!」
「えええっ!?」
エレオノールと出会い、恋をした!
世間では尻だ、胸だと言うが女性の価値は脂肪の塊では計れない。チッパイ、無い乳、貧乳こそ本来あるべき姿なのだ!
公爵様と話が合い、エレオノールをすんなりくれる事になった。だがママンは納得していない。
「エレオノールが欲しいなら私に勝ってみなさい」
「ちょ、それワシの台詞──」公爵様の台詞をぶったぎって、嫁に欲しいならとカリーヌ様にしごかれ死線をくぐった。
ラノベの主人公なら、母娘丼や姉妹丼も目指せるだろうが、俺はそこまで欲深くない。
身近な女性を手に入れるだけで精一杯だ。
「エレオノール嬢、貴女は私の物だ」
姉さん女房ゲットだぜ!
おかげで魔法もスクウェアメイジになった。我ながらチートな才能が恐ろしい。
面倒な事に王宮からアンリエッタ姫の護衛兼遊び相手として召還された。
側仕えの選考基準は、姫に性的な意味で手を出す可能性が低く、なおかつ優れた才能を持つ男だった。
「お兄様、お兄様」
「はいはい」
アンリエッタ王女は子犬のようにまとわりついて可愛かった。アホリエッタと言ったやつ殺す!
「お兄様、森に出かけましょう」
「ういっす」
森では熊さんではなくオーク鬼に出会った。言葉は通じず、殺意を向けて来やがった。
「かかってこいや。畜生の分際で舐めやがって。ぶち殺して細切れミンチ肉にしてやんよ!」
「素敵です、お兄様!」
「だろう? でも惚れても駄目だぞ。俺にはエレオノールが居るからな」
アンリエッタを守ってシュヴァリエになった。
添い寝をしていたら、アンアンが歳の割りに豊かな胸を俺の腕に擦り寄せてくる。だが誘惑にもならず、マイサンはピクリともしない。悪いな、俺は妻のチッパイで満足してるんだ。
「二人の出逢いの記念日に備えて、ちょっとワイン買ってくるわ」
タルブに行って零戦を手に入れたが量産の仕方はわからん。零戦のお礼に家計が助かるだろうとシエスタを雇ってあげた。貧乏人はやることがないから子作りばかりしてさらに貧しい生活になる。悪循環だ。
「よろしくお願い致します。旦那様」
「おうよ」
俺は嫁さん一筋なんで浮気はしないよ。妾にもしない。ばれたら怖いからな。
◇◆◇
魔法学院に入学する年齢になったので、アンアンに断って学院に入学。
「ツェルプストー嬢、私は妻帯者なのですが」
「良いじゃない。ヴァリエールの乳無しより色々してあげるわよ?」
「はいはい」
ゲルマニアのキュルケなんたらにちょっかいをかけられた。
乳に栄養分がほとんど行って脳が足りないのではないか、このオッパイお化けは?
アンアンの性的誘惑に耐えた俺が、ゲルマニアの褐色肌ごときに惑わされるとは笑止。片腹痛いわ。
「ツェルプストー、義兄様に近付くんじゃないわよ!」
「よく来た、我が義妹よ。あのデカブツをどうにかしてくれ」
義妹のルイズ嬢がゲルマニアのビッチに噛みついていく。
良いぞどんどん言ってやれ。てめえら劣等人種のゲルマニアなんて皆殺しにしてやるぞ。
これでも領地経営を行う身だ。我が領と民を守る責務がある。
ギーシュ、マリコルヌと友達になった。男同士と言うのは気楽で良いね。
あ、ホモじゃないぞ。男の娘もマジでキモいし死ねと思う。
友人の将来を考えて忠告をしてやる。
「浮気すると刺されたり、首を落とされたりNice boatだからほどほどにな」
「ほ、本当かい!」
ガクブルする金髪キザ。
「食い過ぎると病気になって、好きなものを食べれなくなるぞ」
「な、何だって!」
ガクブルするデブ。
二人の素行はよくなった。
「自分の属性に自身を持つことは良いことだ。諸君も切磋琢磨したまえ」
「ういーっす」
ギトー先生は烈風の弟子と言う事で目をかけてくれた。いい人だ。
入学して不満な事は、馬鹿みたいな食事の量だ。
廃棄の量とか経費を考えろよ。舐めてんのかマジで。
「貴族様、何かご用で?」
「量が多い。残すと無駄になる。私の分は減らしてくれたまえ」
マルトー飯の味は普通。量が多いので減らしてくれと伝えた。
使用人の賄いは食いかけの残飯処理ではない。材料や料理の余りを食うから、俺一人の分を減らしても問題は無かった。
休みの日には例の名剣を買いに出かけた。
「なんだお前は」
「おいらはデルフリンガーって言うんだ」
「面白い奴だな。うちで話を聞かせてくれ。店主、こいつを買おう」
休みの日に武器屋でデルフリンガーをゲット。色々と相談に乗ってもらい仲良くなった。
またある日は、ガリアからやって来た留学生に誘われた。
「来て……」
「へ?」
青い髪から見て、もろに王家の血を引いているチビッ子だ。
どこに行くのかと思えば──キュルケとタバサの決闘に巻き込まれた。
「なんで」
国際問題に発展しかねなかったので策謀した連中は一族全員、処刑された。ざまあ。
◇◆◇
なんやかんやで進級の季節、使い魔召喚だ。
俺の場合はもふもふした黄色い犬が出てきた。俺は猫派だボケ!
『我が名はハチ。問おう、貴方が我が主か』
「おう。よろしく頼むぞ、ハチ」
ルイズが核ミサイルを召喚してトリステイン王国は滅んだ……ってなことはく、普通に平賀君登場。
情報は優位性という価値がある。俺の前世は伝えない。
◇◆◇
「今の職場に不満はありませんか? 仕事にやりがいを求めているなら、うちで働いて見ませんか。貴女の手腕を見て決めました。貴女に領地経営を手伝って欲しい」
「私は安くありませんよ」
「それだけの価値があると思います」
オスマンのセクハラに悩んでいるマチルダさんを雇った。
我が家は亜人も保護している。そして良民となる素質のある孤児も支援している。
領民に反乱分子はいらないし、良民以外は排除の方向で決まっている。
レコンキスタか蓮根か知らねえが、俺の周りに迷惑かけるゆっくりできない奴は皆殺しだ!
しばらくすると学院にアンアンがやって来た。お兄様と抱きついてくるアンアンを受けとめてクンカクンカしていると「ゲルマニアに嫁げと言われました」と告げてきた。
ゲルマニア皇帝の嫁さんになるそうだ。
「あの劣等人種の国にだって!?」
鳥の骨め。妹分を悲しませるとは許せねえ。
月に替わってお仕置きしてやる。
そう言えば海兵隊がベトナム戦争でハーベスト・ムーンって作戦をやっていたが、あれは月が収穫するのか収穫の月なのか。ベトコンを刈り取ると言う意味では収穫なんだろうが。
とりとめも無いことに思考を傾け怒りを冷ましながら鳥の骨討伐の兵を集める手筈を整えた。
魔法学院で培った人脈が物を言った。
反乱鎮圧で成果をあげている王女の忠臣第一位の俺、嫁さんの実家であるヴァリエール公爵家の私兵。これに学友の実家や反マザリーニの諸侯が加わった。
王宮に土足で突っ込む事に心は痛むが仕方ない。
「奸賊め、天誅!」
「あうっ!」
マザリーニを倒し、ついでにルイズが虚無である事を隠していたオスマン一派も粛清し、トリステインはアンリエッタを君主として挙国一致した。
これからは俺達がアンリエッタを守り立てていく。そう固く誓った。
えっ、才人とルイズがどうなったかって?
才人が日本人って事で、利用価値を理解してる俺は自分の家臣団に雇ってやった。
「生きていくなら力が必要だろ。俺を利用して出世すれば良い」
「ありがとうな!」
あいつは感謝していた。
ルイズは貰い手なく困ってる。早く相手を見つけてやらないと、とヴァリエール公爵と話をしている。
②その後
エスコーラ公爵タロウ。
一代で公爵に上り詰めた人物だが、後半生が酷すぎた。
ヴァリエール公爵長女と婚約していたエスコーラ子爵(当時)は、王女アンリエッタの寵愛を受ける立場にあった。アンリエッタ王女の婚姻騒動でエスコーラ子爵は、諸侯軍を結成し王都を制圧。
マザリーニ枢機卿やオスマン学院長と言った潜在的不満分子を一掃した。
救国の英雄となった子爵は公爵位を授けられ、国政に関与していく事となる。
後世には、周辺諸国の密偵を狩り出した事で血塗れ公爵の異名が広まったが、王女と親密過ぎる事から妻に疑われ、折檻された時に血塗れになった故だとも言う。