うっわマズ、超マズイ、とか言えねえ。
と、久々に食べたルナの御飯は相変わらず酷かった。
事の発端は、暖かくなり始めた四月の中旬の出来事。
何故かこの前、「普段のお礼です!今度食べに来てください!」等と店の中で言われ、周りの人間から視線が飛んできて痛かった、と言う出来事があり、三日後の今日訪れたのだが…
…何故こんなに不味いのか、ちょっと気になるあなたは、ルナにバレないように、トイレを借りると言って席を立ち、トイレに向かう振りをしてキッチンに向かった。
目の前に広がっていたのは地獄絵図だった。
ところで、あなたが食べた料理は、極東に伝わる味噌汁なる物と、白米なるものだった。
あなたも自分で作って食べてみたが、とても美味しかった、なんか物凄く落ち着く味だった。
…が、何故かやけに黒い味噌汁のスープ、そして、何故か置いてある砂糖の容器、白米も確認してみたら、水にヒタヒタになっていた、そして、何故か置いてある『食べかけ』ではなく『使いかけ』と思われる綿菓子。
あまりにもあなたは衝撃的過ぎて、数分ほどその場で固まってしまった。
そして…後ろから音がしたと思い振り向くとそこにはルナがいた。
口を開け、呆然とした感じになっていたが、あなたと目が合うと、音の早さを越えんばかりに後ろに向かって猛然とダッシュ…が、それを見越して動いていたあなたに捕まり、離せーなどと言いながらルナはバタバタする。
あなたは問う、何を作っていたと。
「わ、和食です。」
和食は甘いか?
「美味しいです!」
ふむ、それは同意する、だが…と少し力を抜き…
背後から、禍々しい魔力を放ち始める。
「ひっ…っ!」
思わず素で怯えた声を出したルナに対してあなたは。
もう一度、特訓、しようか
と、威圧しながら再特訓するスケジュールをたて始めた。
(何故綿菓子が?と聞いたところ、甘いの好きじゃないですか、等と言われ、だからと言って味噌汁を甘くするんじゃないと怒っておいた。
甘い味噌汁は好みでない、と言うかあるのだろうか。)
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あなたは、一週間漬けでルナを鍛え上げる事にした。
泊まり込み強制で。
それを聞いたルナが思わず、え゛っ。
等と声を出していたが無理矢理である。
み、店の経営が…と言われたら、明日から休みの予定だったでしょ?しかも十日、と入手している情報を突きつける。
ルナの退路を絶ち、最期にトドメを刺す。
そんなんじゃ嫁さんになれないぞ。
…直後、ルナが「ごはぁっ!!」などと言いながら、盛大に吐血し、あなたは慌てて回復魔法をかけることになった。
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あなたは、町の食料店で料理の材料を買っていた。
様々な材料を買い、店主に金を渡してその場を後にする、その時あなたは思いふけっていた。
ここ最近、町の空気がピリピリしてるように感じる、理由は恐らくだが、何処かの国が戦争を企てていると言う、根も葉も無い噂によるものだろう。
当然のように、あなたもその噂を耳にしたことはある、しかし、気にしてもどうしようもないと言うことで、特に気にしてはいなかった。
しかし、あなたは戦争になることを恐れた、なぜなら、あなたは傭兵ギルドの面々が、戦争に駆り出される事を恐れているからだ。
再び仲間を失う恐怖が、背中を撫でて消え去る。
かつて死神であったその心臓は、大きく跳ねた。
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あなたは、家に帰り、ただいまと言いながら家に上がる。
そんなあなたを待っていたのは、エプロンを着けて台所から出てきたルナである。
あなたは、今いる別宅とは別の家に居る少女を思い出した。
今はどうしているだろうか、と思いながら、昼食をルナに作らせる。
いっそのこと、一ヶ月とかに期間延長しようかなと、考えながら。
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あなたがルナの料理を改善し始めてはや一週間、大分マトモに作れるようになった。
パスタ類や山菜の炒め物等の料理は、普通に作れていたので、ある程度、料理のバリエーションが出来てきて、もう特訓の必要も無いだろう。
…無いといいなぁ、とあなたは願った。
これで、ルナが自炊など出来ると言う武器を得たので、これでましな嫁さんになるだろうと、まるで彼女のお節介をしていた気分になった。
しかし、実際に付き合いは長いので、彼女の幸せは、あなたの望むところである。
あなたは、ギルドの雑務をこなしながら、今日も料理を作った。
《魔力暴走》
感情の起伏によって、また、保有限界魔力量を越えると、魔力が暴走を始める。
現象は様々で、魔力の影響により周囲の生物の意識、精神を蝕んだり、周囲の物が動き出す、魔力がランダムに魔法化したりすることもあり、それにより火事になったりもしばしば。
《綿菓子》
極東の食べ物、砂糖を使って作るらしい。
極東ではどうやって作るのか分からないが、グラナリア大陸では火生みの魔法で砂糖を溶かし、風魔法でそれを細い糸にしながら冷やし、球形にしていくと出来る。
高熱過ぎると砂糖が焦げるので注意、あと、風魔法は風力が強すぎると何処かに飛んでくので注意。