elona 死に戻り不可の不思議世界   作:アームズ

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elona 戦争と傭兵ギルド、死神の復活

 あなたは、傭兵ギルドのけたたましい警報音を聞いて、起きることとなった。

 

 思わず飛び起きたあなたが耳を澄ませると、他のギルド支部からも警報音が聞こえてくる。

 

 何事かと思い外を見ると、遠方に警報を鳴らさなければならない正体が見えた。

 

 戦車 歩兵 戦闘ヘリ

 

 グラナリア大陸には存在しない、大陸外から来た兵器が列を作って迫ってきていた。

 

 アコマド大国。

 

 銃、機械の開発に初めて成功した国で、機械産業で栄えている国である。

 

 そして、多くの国を滅ぼし、土地を得てきた強国であった。

 

 あなたは、ギルドマスターの部屋を抜けて、ギルドロビーへ向かう、すると、メンバーの大半が集まっていた。

 

 騒ぎを聞き付けて、集まってきたメンバーの視線を集めるために、あなたは手のひらを叩き、パンパンと音をたてる。

 

 あなたは、口を開き、メンバーに話しかけていく。

 

───何人かは聞いているかもしれないが。

   アコマドが侵略してきた。

 

   数年前には死神部隊を

   連れての侵攻だったが…

   今は殲滅され、一人として

   生き残りは居ないらしいから、その点は

   気にしなくて良い。

 

   これより、傭兵ギルドは

   侵攻してきたアコマド大国の

   迎撃に出る。

 

   最善を尽くせ、以上。

 

 

 あなたはメンバーに対して、命令を下し、自身も準備を始める。

 

 メンバーの多くがギルドを出て、迎撃を開始する…

 

 そして、あなたも迎撃に出る…

 

 そのはずだった

 

 突然の轟音と共に、窓の外から強烈な光があなたの元に届く。

 

 そして…

 

■■■

 

 気がつくと、あなたが居た筈のギルドマスターの部屋はどこにもなく、ギルドそのものが姿を消していた。

 

 いや、【消し飛ばされた】と言うべきだろう。

 

 ところどころでパチパチと木が焼ける音がする、あなたはアコマド大国の戦車隊からの砲撃に巻き込まれたのだ。

 

 幸い、メンバーが巻き込まれた様子は無く、あなたは安堵する。

 

 あなたの装備していた薄手のマントはビリビリに破けていたので捨てていき、そして、大剣を背中に担ぎ、連弩を腕に着ける。

 

 そうこうしていると、視界の端に一つの銃が落ちていたのを見つける。

 

───死神部隊は殲滅された

 

 あなたは自分が言った言葉を思い出した。

 

 かつて自分達を裏切った、軍の連中が、今度は自分の町を攻めてきている。

 

 あなたは目を閉じ、おもむろに、懐に銃を閉まった。

 

■■■

 

 あなたは、町の大通り近く、町の入り口に一人で立つ。

 

 目の前から、ギルドメンバー達の隙間を縫って町を襲撃しに来た兵士が迫る。

 

 兵士があなたに気づくと、アサルトライフルで一斉に射撃してきた。

 

 あなたはそれに対して、背中の大剣を前に構え、弾丸を弾く、いくつかの弾丸は体を掠めて後ろへ飛んでいく。

 

 直後、あなたは大剣を担ぎ、一気に接近し、一息で切り捨てる。

 

 返り血は体、服、大剣を汚すが、あなたはそれを無視して走り出す。 

 

 次から次にやってくる兵士を切り捨てていると、どういう原理で飛んでいるのか分からない戦闘ヘリがやってくる。

 

 キュィィィィと言う音と共に、ヘリの武装と思わしき銃器が高速回転し始め、あなたは警戒しながら走り続ける。

 

 すると、回転していた銃器から多数の弾丸が大きな音をたてて射出され飛来してくるので、あなたは走るスピードを上げてそれを回避していく。

 

 あなたは、反撃をしようとしたが、あなたが全力で飛んで大剣で切り裂こうにも、恐らく目標を切り捨てる前に、飛来する弾丸があなたの体に穴を開けて死に至らしめる事は、容易に想像できた。

 

 しかし、あなたは魔法が得意ではないので、魔法で落とすのは出来ず、また、連弩では装甲を貫けず、毒の効果も無いので、落とせない。

 

 どうすればと考えたあなたは、ある方法を思い付いた。

 

 懐に手を伸ばし、あるものを手にする、それは、かつてあなたが使い続け、ある種の死を迎えたあの日以来使っていない、大事な愛銃だった。

 

 走りながらあなたは、愛銃に時止弾を装填し、ヘリに向けて撃つ。

 

 時止弾はヘリに当たり、一瞬時が止まっている間にあなたは大剣に手をかけ、ヘリの目の前まで飛ぶ。

 

 ヘリの目の前まで飛んだところで再び動き出したが、そんなのは関係無い、あなたは背中の大剣を叩きつける様にして、ヘリの操縦席を潰す。

 

 ゆっくりと、ヘリのプロペラが回る速度が落ちてきて、ヘリは重力に従って落下していく。

 

 そんな中、ヘリが落下してくるよりも早く落下したあなたは、足に多少のダメージを受けながら着地し、ヘリの予測落下地点から少し離れた場所で、あなたが使える数少ない魔法、《壁生成の魔法》を唱える。

 

 ヘリが地面に接触し、爆発と共にあなた目掛けて熱風が襲ってくるが、すんでのところで地面からせり上がってきた壁によって、あなたは無傷で済んだ。

 

 あなたは、熱風がおさまると同時に一気に前線へ向かう。

 

 そして、魔術師ギルドのメンバー達の横を走り抜けていき、更に、普段は陽の目を見ない盗賊ギルドのメンバーと傭兵ギルドのメンバーによる混成部隊を隙間を縫うように避けていく。

 

 そして…

 

■■■

 

「くっそ、敵が多すぎて捌ききれねぇ!」

 

「こ、こっちも…魔力が…足りなく…」

 

「おいっ!しっかりしろアイリア!」

 

 シュートは意識が朦朧としてふらついてるアイリアに声をかけながら周囲の敵を撃ち抜く。しかし、物量に押され、少しずつ敵が迫ってくる。

 

 そこに、突如として何者かが現れ、数名の兵士を切り裂き、弾丸を敵兵にお見舞いしていた。その者の顔を見ると…

 

 あなたが、血にまみれた体で、そこには立っていた。

 

「な、リーダーっ?!」

 

「その…血は…」

 

 あなたは、二人に背を向けたまま敵を切った時の返り血であることを説明した。

 

 あなたは、二人に回復魔法を使い回復させ、敵の方を見つめる。

 

─────シュート、弾薬箱を。

 

「弾薬箱?でもお前は連弩を使ってるんだから、弾薬箱じゃ…」

 

 そう言うシュートに対して、あなたは愛銃を見せる。

 

「銃なんて使えたのか?」

 

 あなたは、それに頷きながら、シュートから手渡された弾薬箱を受け取る。その場でリロードなんてしてたら格好の的だが、徐々に周囲を傭兵ギルドのメンバーが取り囲む様に、前線を押し上げて行っていたので、安心して特殊弾を補充する。

 

 あなたは、時止弾を補給し、立ち上がる。

 

 

 

 あなたは防具の類いを外し始めた、そして、同じ様に、連弩と大剣も外す。

 

「ちょ、お前何をっ?!」

 

 シュートが驚いた声で止めにくるが、それを無視して愛銃に時止弾を装填する。

 

────行ってくる

 

「っ……!」

 

 あなたは、最大限の殺意と敵意を侵略者(アコマド)に向けて走り出す。

 

■■■

 

 あなたは、多くの兵士を殺しながら疾走していた。

 

 銃を撃ち、兵を殺す。

 

 兵士の死体からグレネードを回収し、戦車に投げる。

 

 ヘリが来たなら銃で殴り付ける。

 

 時止弾は数が限られているので、あまり使わず、自慢の速さで翻弄しながら倒していく。

 

「銃を持ってこい!奴を止めろぉ!」「グレネードを投げろ!当たらなくても良いから足を止めろ!」「当たらねぇ!?」「くっそ…弾詰まりかよ…!」「アイツの銃はなんなんだ!」「ヘリを殴り付けて落とすとかどうなってやがる…っ」

 

 敵の混乱を確信したあなたは、残りの時止弾を駆使して一気に突破する。撃って、止めて、走って、殺して…

 

───見つけた。

 

 走っていると、敵の野営地を見つける、そしてそこへ向かって走っていく。最後の時止弾を兵士に撃ち込み、一気に走り抜けていく。

 

 チク

 兵士に弾丸を

 

 タク

 スモークを焚いて姿をくらます

 

 チク

 やけに大きな天幕に飛び込む

 

 タク

 目の前にいた男に銃を構える

 

 時止弾の効果が切れ、時間が動き出す。

 

 目の前に居た男も動き出し、あなたに向けていた背中が微妙に動きながら、何かを呟いている。

 

 あなたは、背後からその男を脅迫する。

 

「なっ…貴様どこからっ?!」

 

 あなたは、突然の事で驚いている男に動くなと言いながら銃を後頭部に突き付ける。

 

「っ…ふん、殺せるものか、殺したとしても、私の部下が貴様を殺して見せるぞ。」

 

 あなたは、出来るものならしてみるといいと、挑発する。

 

「きっさまぁ…!」

 

 男が怒りに震えていると…

 

「失礼します、司令か…っ、貴様何者だ!」

 

「侵入者だ!射殺しろ!」

 

 定時報告にでも来たであろう兵士に見つかってしまい、仲間を呼ばれた、しかし実にどうでも良い。

 

 どうせ、全員殺す

 

 あなたは、兵士の眉間に一発鉛玉をぶちこむ、それを聞き付けて兵士が来るが同じ様に殺す、司令官らしき男が逃げ出そうとしたが、頭に回し蹴りを当てて気絶させる。しばらくすると、天幕の周りが足音で騒がしくなるのをあなたは聞き、耳を澄ませる、すると…

 

「……ぇ!一斉射撃…やれっ!」

 

 天幕に向かって聞こえる掛け声が聴こえたので、あなたは這いつくばる、すると無数の弾丸が貴方の頭上を通っていく。天幕の布を破り、穴を作り、ボロボロにしていく。

 

「やったか…?」「仲間が居たのに撃つなんて…」「戻ってこないんだぞ?恐らくもう…」

 

 あなたは、敵に見えてない事を利用して、スモークを一気に焚く、すると…

 

 天幕内が一瞬のうちに、スモークでなにも見えなくなり、天幕の隙間、穴から外に漏れていく。

 

「これはっ…スモーク?」「ぶら下げてたのに当たって発生したのか?」「何かが燃えてるのかも…」

 

 外から声が聞こえてくる、混乱しているようだとあなたは感じて動き始める。

 

■■■

 

「くそっ…リーダーは…アイツはどうなったんだ…!」

 

 前線、傭兵ギルドのNo.3、シュートは考えていた。

 

「あの大軍に一人で突っ込むとかどうかしてやがる!早く戻ってこい畜生!…お前はなんなんだよ…っ!どうしてそんなに強いんだよ…」

 

 かつて、家族を殺され、力ばかりを追い求めたシュートでさえ、彼には届くことはなかった。

 

 殺意、敵意、それらだけは勝っていたつもりだったのに、アコマドに向けられた彼の殺意を肌で感じた時、思わず動けなくなった、それはまるで、絶対に勝てない相手と対峙したときのような…

 

 そこまで考えるが、目の前の敵がそれを許さず、次々に弾丸が飛んでくる。

 

 流石に避けるには弾丸が速すぎるので、前もって当たらないように動く。

 

 弾丸を避けたら、手に持った機関銃で敵を撃ち抜き、一気に近づいたら今度は背中に背負っているショットガンで頭を吹き飛ばす。周囲に敵がいなくなったら、スナイパーライフルで狙撃をし、かなり近く、しかしショットガンの間合いの外の兵士には二丁拳銃で戦う。

 

 銃を巧みに使い分け、敵を倒していると、敵の部隊後方から煙があがる。

 

「退却だ!退却だー!」

 

 突如として、敵は撤退を始める。

 

 それを見ていたシュートは、思わずその場で座り込み、息を吐く。

 

「な、なんとかなったな……もしかして、アイツが…?…一体…」

 

 シュートの脳裏には彼が浮かぶ。

 

 大剣で敵を切り裂き、連弩で的確に敵を撃ち抜く彼が、銃だけで突撃し、まさか本陣まで襲いに行ったとでも言うのだろうか。

 

 そんな考えが頭から離れなくなってしまった。

 

■■■

 

 あなたは、武器庫に来ていた。

 

 そして、グレネードランチャーを両手に取り、上に向けて撃つ。

 

 何処かへ飛んでいったグレネードランチャーの弾塊(だんかい)は破裂し、スモークをばら蒔く。

 

 何度も撃ち、すぐに野営地はスモークで包まれた。

 

 そして、新たな弾塊を装填し、移動を開始する。

 

 野営地から離れた場所に、高い場所に移動して野営地を見下ろす。

 

 スモークのお陰で見つからずに済み、敵が追ってきてない事を確認したあなたは野営地に弾塊を撃ち込む。

 

 しかし、今度はスモークではなかった

 

 

 空中で破裂したそれは、炎を撒き散らし、野営地を燃やし始めた。

 

 焼夷弾だ

 

 繰り返し、何度も撃ち込む、野営地は次々と焼けていき、兵士の叫びが聞こえ、物が焦げる臭いが鼻孔に刺す。

 

 何から何まで焼けていく、全て焼けていく、眼前に、眼下に広がる敵が、アコマドが、かつての依頼主(裏切り者)が焼けていく。

 

 そしてあなたは、全てが焼けるまで、その場で立ち尽くした。

 

 

 かつての復讐を果たした

 

 

 これで死神は、本当に死を迎えた

 




《アコマド大国》
機械産業で繁栄した大国
実力主義で周りの小国を戦争によって吸収、大きくなり、グラナリア大陸内でも有数の軍事力を持った国になった。

最近では、巨大人型兵器なる物も作っているらしく、レイヴンとかネクストとかリンクスとか色々な単語を町で聞くことが出来る。

《壁生成の魔法》
文字通り、壁を生成する魔法
用途は様々で、視界を遮ったり、通路を塞ぐなどが挙げられる。

《特殊矢弾箱》
矢弾の特殊弾を補充できる、特殊なアイテム。
しかし、意外と重い。

《リグシェリア決戦》
リグシェリアにて起きた、アコマド侵攻阻止の作戦。
町には砲撃が行われ、多くの死者を出しながらも、各ギルド支部、傭兵ギルド本部から戦力を出し、アコマドを退けた。

この作戦中に、傭兵ギルドのギルドマスターが単独で敵野営地を襲撃し、大損害を出したと言う記録が残っているが、真相は不明のままである。

そして、敵の野営地はその全てが焼け、何も残っていなかったと言う。

あったのは、死体と銃、佇む傭兵ギルドのマスターだけだったと言う。
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