あなたはリグシェリアにある、傭兵ギルド本部のギルドマスターの部屋で寝ていた。あの終末狩りから2ヶ月後の事である。
それは突然やって来た。
不穏な気配を漂わせながら。
コンコン、とドアがノックされ誰かが入ってくる音であなたは目が覚めた。
「失礼しまーす…って、また寝ずに仕事してたの?」
入ってきたのは、あなたの義理の娘ユンナだった。
まったく…と言いながら、あなたに近寄ってきて。
「これ…特殊大型依頼っぽくない?」
そう言いながら、ユンナは一枚の依頼の紙を渡してきた。そこに書かれていた内容とは…
王都シルベリナルより南、ビブラ海岸にビーチを作りたい、人員求む!
…と言ったものだった。
あなたはコーヒーを飲みながら、依頼が明らかなまでに、大人数で行くべき依頼だと判断した。
特殊大型依頼…過去にあったものの例としては、町中で発生したバブルの殲滅や、突如発生した終末の対応等があった。
あなたは、ギルドの依頼掲示板に紙を貼りに行った。
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「おはようございます、マスター」
「おう!おはよう、リーダー!」
「…おはよう」
「おはよう、ところで、シュートはどこだ?金を返してもらわないと…」
あなたが、ギルドの掲示板前に行くまでに何人にも声をかけられながら、掲示板前にたどり着いた。
あなたが紙を貼り付けて、ダンッと言う音と共に特殊大型依頼の判子を押すと、周りのメンバーが掲示板に寄ってきた。
あなたが紙を貼り付けてから、数分もすれば、掲示板の前が人だかりで大変なことになっていた。
依頼を受けるかどうかの相談や、内容はどんななのか、そして、人だかりに紛れて女性メンバーにセクハラしてる男が居たり。(直後、男は数名の女性に連れられ、個室へ入っていった。)
あなたは、依頼を受けずに、報告を聞くだけにしようと思い、そそくさとギルドマスターの部屋に戻っていった。
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あなたは、目の前の壁を、ツルハシを使って掘っている。
特殊大型依頼、『ビブラ海岸の開拓』を、掲示板に貼り付けてから数日、多くのメンバーが開拓に向かい、ギルド内は随分と寂しくなっていた。
あなたは、話す相手も居なかったので、『鉱石採掘』の依頼を受けていた。
あなたは、開拓されたビブラ海岸がどうなるのか、想像しながら、ひたすら壁を掘り続けていた。
そして、依頼がそろそろ終わる頃、あなたの下にメンバーの一人がやって来た。
「マスター、海岸の開拓が出来たので、見てくださいよ。女の子いっぱい居ますよー?」
あなたは、海岸の開拓が終わったと言う事を聞き、仕事を早めに切り上げて、海岸に向かった。因みに、女の子目当てではない。
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あなたは、ギルドの転送魔方陣でビブラ海岸までやって来たが、あなたはとても驚いた。
あなたが最後に見たビブラ海岸は、ゴツゴツした岩場が多く、黒い土、砂ばかりで、南国のビーチ、と言うイメージとは、ほど遠かったが、あなたの目の前では、黄色の砂浜が広がり、黒い岩場は無くなり、何故か家っぽい物も出来てた。
「あ、リーダー!」
あなたのそばへ、一人のメンバーが駆け寄ってくる。
…やけに大きめな胸を揺らしながら。
よく見ると、普段下ろしてる長い髪を後ろでまとめているアイリアだと気づいた。
「リーダー、どうです?大分イメージが変わってるでしょう?」
あなたはその問に頷く。(内心、お前のイメージも随分と変わってるぞ、等と思ったのは内緒である。)
「そりゃそうだ、集まったメンバー数三十人ぐらい居たはずだぜ?」
後ろからあなたに声をかけてきたのは、何故か手に謎のパンを持ったシュートだった。
「お前も、一泳ぎしてきたらどうだ?水が冷たくて良いぞー?」
あなたはそれを聞き、海に入ろうか悩むが、悩んでいたら…
「入らねぇのか?ならば無理矢理!」
等と良いながら、シュートが掴みかかろうとするので、それを回避すると、シュートはそのまま海へ飛び込んで消えていった。
「…シュートはいつも通りだね…」
アイリアは呆れながら、海を見つめていた。
あなたは、それにならい、海を見つめる。
そして、砂浜には、シュートが持っていたパンが置かれていた。
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結局あなたは、海に潜ったりせず、眺めてるだけにして、シュート作の焼きそばパンを食べていた。
(なお、置いてあった焼きそばパンは、シュートが責任をとって、美味しく頂きました。)
あなたは、焼きそばパンを食べ終えると、ギルドへ戻り、あることを始める。
ビブラ海岸の宣伝である。
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あなたは、ギルドメンバー数名に、宣伝をするように言って、あなたも、行きつけの魔武具店に宣伝するように頼みに行く。
カランカランと言う音と共に、その魔武具店に入る。
「いらっしゃいませー、ようこそルナの魔武具店へ。」
と言う言葉と共に、店主の『ルナ』があなたを出迎える。
「あ、あなたでしたか、今日は何をお求めですか?」
常連客に接するようなしゃべり方だが、あなたはまさに常連客である、しかも開店初日の最初の客ってぐらいに常連客である。
そんなわけで、あなたはこの店と共に成長したようなもので、ある種の愛着がわく店となっている。
買い物をしに来たわけではないと言う事を言ってから、あなたは本題を切り出す。
「え?宣伝ですか?…しかもビブラ海岸の?」
当然のように、ルナは疑問符を浮かべる。
ルナはビブラ海岸を自分の庭の様に言うのだが、その実、彼女は数少ないビブラ海岸を歩いている人物なのだ。
そのため、ビブラ海岸がどんな場所なのか、誰よりも知っているのだ。
あなたは、半月ほど前に出た、特殊大型依頼の事と、それによってビブラ海岸がどうなってるのかを、ルナに話す。
「へー…海岸を…」
ふーん、と言いながら何かを考えてるルナ、大体こう言うときはふざけるのが、ルナの特徴なのだが…
「んー…あそこが黄色い砂浜だらけのビーチに…どんな風に言えば良いかなぁー…」
…やけに真面目に考えている、あなたは少しビックリしている。
「んー、まあ考えておくけど時間をください、明後日ぐらいには宣伝を始めるので。」
あなたは、ルナの事を信用して、この一件を任せることにして、店をあとにした。
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そして、一週間程過ぎた後のビブラ海岸には、人が溢れていた。
男子グループで来てたり、女子グループで来てたり、基本的に同性で来て、なんかお見合いとかしてる人もいる。
戦いのストレスを発散しようとか書いたと言う報告は受けていたのだが…何を書いたらこんなことに?
「あ、おはようございます、宣伝しておきましたよ。」
あなたの目の前に、魔武具店の店主、ルナがやってきた。
他の女性と同じような水着を着て、上から一枚服を羽織った姿で、所々健康的な肌色が見え、妙に危ない感じがした。
また、控え目な性格のせいで、可愛らしく思える。
(胸の辺りはしっかり主張しているが。)
実際に彼女は、男どもの視線を独り占めしている。
(彼女は気にしていない様だが。)
「え、えーと、なんでしょうか?」
ルナはあなたの視線に何か感じたようだ、あなたは不快な思いにさせたかと心配になって聞いてみる。
「い、いえ、なんか…ちょっと恥ずかしくて…///」
ルナは少し頬を赤くして恥じらっているが、あなたの耳には、周囲の男どもの舌打ちが聞こえてしかたがなかった。
「と、取り敢えず、ビブラ海岸の宣伝をしておいたので、これからもここに訪れる人は増えると思います、これで良いんですか?」
あなたは頷き、ルナに感謝の言葉を贈る。
「い、いやこれぐらい良いんですよ、いつも買い物に来てくれてますし、日々の感謝と言いますか、まあそんなものだと思っていてください。」
ルナはあなたにそう言うと、恥ずかしそうにしながら、あなたと分かれて、海に泳ぎに行く。
あなたはそれを見たあと、ギルドメンバー全員との休暇でビーチに来るのも悪くないかなと思った。
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「やっぱりあの二人良い雰囲気じゃん、早くくっつけば良いのに。な、アイリア。」
「あぁ…リーダーが遠くに…」
「…シュートです、アイリアに意見を聞いたら死にそうになってました。」
《特殊大型依頼》
大型モンスターの討伐、大人数を要求されるような、特定の依頼の事を言う。
《ビブラ海岸》
黒くゴツゴツした岩場に、黒めの土って言うか泥って言うか、ビーチって言うよりは潮干狩りに向いてそうな場所。
時おり綺麗な貝殻が落ちていたりするが、人はまったく来ない。
《転移魔方陣》
ギルドに備え付けされている魔方陣。
急ぎの用事等があると、使うことがある。
特に、終末狩り、報告会の時は使われている。
因みに、動力は普通に魔力なんだが、魔力自体は暇なギルドメンバーがチャージしている。
(MPを転移魔方陣に!いいですとも!)
《焼きそばパン》
おい、焼きそばパン食わねえか
が、何故かキャッチフレーズのよくわからないパン。
焼きそばとやらがなんなのかは、開発者のシュートしか知らない。
「焼きそばがなんなのかって?
…気にするな!」
~傭兵ギルドNo.3シュートの言葉~