「…えっと、美味しいですか?」
あなたは、作られた料理を一口食べ、美味しいと感想を述べる。
「や、やったぁ!やりました!やっと褒めてもらえましたぁ!」
あなたの感想を聞いて、目の前の女性…ルナは大喜びしている。
事の発端は二週間前…ビブラ海岸であなた達を密かに見ていたシュートを絞めたあの瞬間から約二日後の出来事。
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「りょ、料理を教えてください!」
吹いた、お茶を、ルナに向かって。
「…あの、えっと…」
あなたが吹いたお茶でびしょ濡れになったルナは、困惑しながらあなたを見つめる。
あなたは少しすまなそうにしながら、風呂をすすめる。
「…はい、お借りします、覗かないでくださいね。」
あなたはそんなことしないが、一応頷いておく。
何故、突然家に来て料理を…などとあなたは考えながら、一応お茶を飲む。
…なんか少し苦い。
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あなたは風呂あがりのルナから事情を聞いているところだが、話によると「食べ物が無かったので料理しようとしたら、料理が出来ないことに気づいた。」だそうだ。
あなたが、女性なのに料理出来ないのは致命的なのでは、と指摘すると。
「だ、大丈夫です、問題ありませんから。」
と、妙に自信満々に答えられた。
しかし、教えてくれと言われた以上断る理由等無いので、普通に教えようと決心した。
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「え、えーと、これかな?」
「あー、待って待って、焦げないでぇ…」
「味薄い…これくらい追加しよっと。」
…何が起きているのだろう。
あなたは、外から適当に摘んできた山菜で、簡単な炒め物を試しに作ってほしいとお願いしたのだが、なんか凄いことになりそうで、あなたは寒気が止まらなかった。
「で、出来ましたー!」
目の前に、盛り付けされた、山菜の炒め物、あなたはこう思った。
不味いな、黒い、食っても大丈夫か?
等と心の中で思った。
しかし、折角作ってもらったのだから、少しぐらいは食べよう、と言う使命感で口に運ぶ。
直後、あなたの口に訪れる驚愕。
苦くない、しかし、塩辛い、パッサパサ、焦げてるから、地味な苦味も感じなくは無いけど、これは酷い。
正直、炭を食わされてないだけましだと思っていたら、塩辛いが故に辛かった。
「ど、どうですか…?」
食ってから数瞬、ピクリとも動かないあなたに対して、ルナが声をかける。
それに、あなたは最大限の笑顔と嘘で対応した。
こ、個性的な味ですね。
もう、それが限界だった、これ以上無い笑顔で、必死に本音を隠した。
「そ、そうですかー?え、えへへ…」
心なしか、彼女の顔が嬉しそうに見えて、あなたは心から安心した。
…本音がバレて無いと言う意味と、ルナを傷つけてない意味である。
取り敢えず、あなたは基礎的な事から、ルナに教えることにした。
…これから大変になりそうだ。
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二日後
五日後
一週間後
ルナは少しずつ腕を上げていった。
(相変わらず味付けは下手だったが。)
それでも、焦がす事や、パッサパサになることも少なくなってきた。
「今日は何を作るんですか!先生!」
…この様に、先生と呼ばれるようにもなった。
今日も山菜の炒め物です。
「えー…」
えーじゃありません、と言ったやり取りをしながら、特訓開始から二週間後の今に至る。
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「これで私もいっぱしの料理人ですね!」
そんなわけ無いでしょう。
「えぇ!?」
あなたは頭が痛くなった、料理人なら、この程度では無い、作るもの全てが美味しくなくてはならないと言うのに、彼女は山菜の炒め物しか出来ていない、他の料理を作ったときに、問題ありと判断したら、再び特訓である。
…こんなことなら、他の料理も作らせれば良かったかもしれないと、あなたは後悔した。
…そして、案の定ダメダメだった。
(ほうれん草とベーコンのパスタをつくれと言ったら、何故かパスタが焦げてたり、ベーコンのサイズがバラバラだったり、あげくの果てには、よく分からないソースが作られ、パスタにかけられていた、当然の様に美味しくなかった。)