アイツ"ら"の愛は重い?   作:因幡の白ウサギ

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ちょっとネタが思い付かないのでGOD編やります。ユーリは私のお気に入りキャラです(唐突な告白)


特異点G:多重時空屈折都市海鳴〜Gudaguda Of Destiny〜①

「んじゃあ、今日はここまでだな」

 

『ありがとうございましたー‼︎』

 

 いつものようにナカジマジムでの練習を終えた面々を見つつ、俺も帰り支度をする。

 時刻は午後の7時を回ろうかというところだ。夕飯は昨日のカレーがあるから、今日の所はそれで良いかな。

 

「じゃあノーヴェさん、俺も失礼しますね」

 

「おう、気をつけて帰れよー」

 

「分かってますって。フーカちゃんも、また明日な」

 

「押忍っ、お疲れ様です」

 

 もう閉まる間際だからか、ガランとしたジムの中に俺たちの声がやけに響いた。

 俺はノーヴェさんとフーカちゃんに一時の別れを告げ、先にジムの外で待つ2人の所まで急ぐ。入口では既にヴィヴィオとアインハルトが来た時と同じように制服姿で待っていた。

 

 この時間まで練習があった日は、1人では夜は危ないから俺とアインハルトがいつもヴィヴィオを家まで送っている。

 リオとコロナやミウラなんかは迎えが居るし、なのはさんとフェイトさんも迎えに来ようとしていたんだが、ヴィヴィオは俺と長い時間一緒に帰りたいという理由でそれを断っているのだ。

 断られた時に(´・ω・`)←こんな感じの表情をしたフェイトさんとなのはさんが、やけに記憶に残っている。

 

「悪い、待たせたか?」

 

「いえ、今来たところですよ。ねえヴィヴィオさん?」

 

「そうなんですけど……そのセリフは私が言おうと思ってたのに〜」

 

 人通りの多い大通りを歩きながら会話をする。やれ漢気溢れる女生徒がリオに壁ドンしただの、やれリオが女子に今月3回目の告白をされただの、やれリオが……あれ?リオの話しかしてなくない?

 

「それにしてもだ、もうすぐインターミドルなんだよな」

 

「まだもう少し先ですよ?」

 

「あっという間だろ?一年でも短く感じるんだ。ましてや数ヶ月程度なんて一瞬だよ」

 

「ああ、それ凄く分かります」

 

「そういうものなんですかねー。クリスは分かる?」

 

「……(首を左右に振る)」

 

 経験無いだろうか?一年を振り返ると、意外と短く感じられる事って。

 

 そんな感じでその後も取り留めのない会話を楽しみながら俺たちは橋を渡り、都市部を突っ切り、そして住宅街へと到着した。ここまで来れば高町家まではあと5分ほどで着く。

 

「もう終わりかぁ。あーあ、もっとシュウさんとお話ししたいなぁ」

 

「なら夏休みにでも泊まりに来れば良いだろ。歓迎するぞ」

 

「えっ⁉︎良いんですか‼︎」

 

「同棲前のアインハルトも同じ事やってたし。なあアインハルト?」

 

「……ええ、まあ」

 

「っしゃぁ!我が世の春が来た‼︎これで勝つる‼︎あ、アインハルトさんは後で高町家に伝わるOHANASI方法で──」

 

 苦虫を噛み潰したような表情のアインハルトにヴィヴィオは詰め寄ったが、それ以上ヴィヴィオは言葉を紡げなかった。

 

 何故か?その答えは簡単である。

 

 

 

「──え……?」

 

 

 

 

 

 耳元で風を切るような音がする。

 

 

「おいおい……なんだよコレ……⁉︎」

 

 

 

 

 

 足下にあった筈の地面の感触が無い。

 

「ここは……街の上空⁉︎」

 

 

 

 

 

 そして何より、眼前に広がる夜景。

 

 

 

 

 

 綺麗だなーなんて現実逃避気味に思う事しか、今の俺には出来なかった。

 

「え、えぇぇぇぇぇぇ⁉︎じゃなかった、アイエエエエエエ⁉︎」

 

「随分と余裕だなオイ⁉︎」

 

 俺たちが、夜空に投げ出されているからだ。

 

 

 

 

 09.突然ピンチに陥った時に人の本性は表れる

 

 

 

 

「シュウさん!これは絶対に「親方!空から女の子が!」な感じですよ!きっと天空の城が竜の巣の中に‼︎」

 

「シュウさん!これは絶対にニンジャの仕業ですよ‼︎私は詳しいんです‼︎」

 

 

「お前ら楽しんでるだろ⁉︎この状況をよぉ‼︎」

 

 

 急に空へと投げ出されるという珍体験を経験しても、なお平常運転な2人に思わず俺がそうツッコミを入れると、ヴィヴィオとアインハルトは不思議そうにその顔を見合わせた。

 

「たの、しんでる……?」

 

「私たちが……?」

 

「いやいやいや、そこでガチに困惑されても困るんだけど⁉︎」

 

 一歩間違えれば死ぬっていうのに、こんなにも俺と2人の間で意識の差があるなんて思わなかった……!

 ちなみにこの間、パラシュート無しのスカイダイビングは継続中である。

 

「畜生!こうなりゃヤケだ‼︎近くに、近くに人型の何か無いか⁉︎良い感じに摩擦熱とかで燃え尽きなさそうな奴‼︎」

 

「大気圏突入奥義でもする気なんですか⁉︎」

 

「違う!鉄血流の降下術だ‼︎」

 

「結局のところは同じじゃないですかー⁉︎やだー!」

 

「しかも此処大気圏内じゃないですかー‼︎」

 

 この会話中も高度はガンガン下がっている。このままだとマジで死ぬんじゃないかな。

 

「って、ふざけてる場合じゃないですよ!とりあえずティオ、浮遊制御を‼︎あとついでに認識阻害も‼︎」

 

「にゃにゃー!」

 

「クリスもお願い‼︎」

 

「……!(ビシッと敬礼)」

 

 急に落下速度が弱まった。どうやら飛行魔法を発動してくれたようだ。

 

「悪い、助かったアインハルト」

 

「いえいえ、シュウさんの為ですから」

 

「ぐぬぬ……好感度をまた稼がれた」

 

「ヴィヴィオもありがとな」

 

「いえいえいえ、シュウさんの為ならこれくらいはお安い御用ですよ!」

 

 ヴィヴィオは笑顔でそう言った後、その表情を真面目な物に変えて眼下の街を見た。凄い切り替わりだなと思いながら、それに釣られるように俺とアインハルトも街を見る。

 

「ここ、何処でしょう?」

 

「ミッドチルダ中央区ではないのは確かですね。街並みが少し違います」

 

「オーケー、クールだ。KOOLになれ俺……寒っ」

 

クール(cool)っていうか、コールド(cold)?」

 

「おかしいな……さっきまで季節は春に向かってる筈だったのに、何時の間にか真冬に逆戻りだ」

 

 アインハルトとヴィヴィオはバリアジャケットを展開していた。バリアジャケットには地味に温度調節機能が付いているので、2人はきっと寒くはない筈だ。

 俺?両腕は暖かいよ。アインハルトとヴィヴィオに抱き着かれてるし。でも、それ以外の箇所は、冬にしては薄着の俺には辛い物があるよ……。

 

「取り敢えず直前の行動を振り返ってみるか」

 

「さんせーい」

 

「もしかしたら、何か分かるかもしれませんからね」

 

 俺たちは極めて冷静に先ほどまでの行動を思い出す。浮かんだままで。

 

「高町家まであと少しの距離、住宅街の中を歩いていた俺たちは、気付いたら冬の夜空へと放り出されていた。眼下には見知らぬ街が広がってる」

 

「何かおかしな物を拾った訳でもなければ、ヒャア我慢できねぇ!と怪しいスイッチを押した訳でもない」

 

「でも、結果として私達は謎の場所でこうしてフワフワ浮いている……」

 

 ……ダメだ、全く分からん。手掛かりも何も無いし。

 

「何でもいいから、何か心当たりは無いか?ちなみに俺は無い」

 

「私もありませんね。ヴィヴィオさんは?」

 

「私もちょっと……あれー?もしかしたら……いや、でもまさか」

 

 浮かび続けること5分。俺の右腕にくっ付いているヴィヴィオは、何か思い当たるフシがあるらしかった。うんうん唸っている。

 

「心当たりがあるのか?」

 

「もしかしたら、ここって海鳴市の上空なんじゃないかなーって……」

 

「海鳴市?あの次元世界の特異点とかって異名で悪名高い、なのはさんの生まれ故郷の?」

 

 最近のミッドチルダの研究者の間で、今最も盛んに研究が行われている場所である。

 地球ではこれといって目立った場所では無いらしいが、海鳴市だけでオーバーSランクが2人生まれ、しかも地球滅亡の危機が2回も訪れたというなら、土地に何かあると考えるのは自然な事だと思う。

 ……こう考えると、海鳴ってマジの魔境だよなぁ。

 

「あ、悪名って……まあそれは良いです。とにかく結構前に一回だけ、こうして空を飛んだ事があって……その時と風景が似てるっていうか」

 

「では、仮に此処が海鳴市だとして、これからどうしましょう?」

 

「それなら心配無いですよ。もし此処が本当に海鳴市ならママの友達も居ますし、そこからはミッド直通のゲートが有るんです」

 

「なら安心……かな?まあ取り敢えず、なのはさんの友達の家まで行こうぜ」

 

「了解でーす。クリス、ナビゲートお願いね」

 

「ティオ、クリスさんのお手伝いを」

 

「……!(再び敬礼)」

 

「にゃー」

 

 目的が無いよりはあった方が良いだろう。まだ此処が海鳴市だという保証は無いけど。

 やけに密着してくる2人にそう言って、一つの塊となった俺たちはゆっくりと空を移動し始める。

 

「それにしても、一体どうしてこうなったんだろうな」

 

「世界ふしぎ発見ですね」

 

「シュウさん、クリスタルヴィヴィオちゃんいります?それとも探検家ヴィヴィオちゃんの方が欲しいですか?」

 

「夜中に動き出しそうな気がするから両方いらない。……にしても変だな」

 

「何がですか?」

 

 俺には、さっきから一つ気になっている事があった。ずっと視界に入っていたそれに俺は目線を動かして言う。

 

「管理外世界って、基本的に魔導師は常駐しないだろ?」

 

「ええ。その筈ですけど」

 

「なら如何して、向こうに魔法の光が見えるんだ?」

 

「「へっ?」」

 

 俺にはハッキリと見える。ピンク色のごんぶとビームと真っ赤なごんぶとビームが交差し、幾つもの光が付いたり消えたりしているのを。

 

「うーん、私には見えないですけど。アインハルトさんは?」

 

「私にも見えないですけど……でもシュウさんはマジでニンジャ視力持ちなので、常人では見えない距離の物が見えても仕方ないですね」

 

「あれは……彗星かな?……いや、違うか。彗星はもっと、バーッて動くもんな……」

 

「シュ、シュウさんが精神崩壊を引き起こしかけています⁉︎一体何を見たんですか⁉︎」

 

「しっかりしてシュウさん⁉︎と、取り敢えず近くのビルの屋上に着地しましょう‼︎」

 

 だってよ……ピンク色のごんぶとビームなんだぜ?

 

 

 

 

 

 

「……クリスの探知範囲を広げた所、シュウさんの言った場所に魔力反応が2つ、確かに確認されました」

 

 何処かのビルの屋上に着地した俺たちは、これからどうするかを考えていた。

 

「やっぱりそうだろ?」

 

「そうなんですけど……一応観測機でもあるクリスの索敵範囲と生身の人の視力が同じくらいって……」

 

 少し引きつった笑みのヴィヴィオの肩の上ではクリスが落ち込んでいる。

 去年の話だが、クリスはヴィヴィオの意向で観測機の機能が付け加えられている。これは試合で相手の動きを記録するのに使うのだとか。

 記録したデータをどう利用するかは……今は口を閉ざす。いずれ分かるさ、いずれな。

 

 まあとにかくだ、観測機としての機能が生身の人間に遅れを取った事にクリスは落ち込んでいるのだろう……けど、忘れてないか?

 

「ヴィヴィオ、フェイトさんがああなった元凶が俺の両親なのは知ってるよな?」

 

「いきなり何ですか?確かに酔ったフェイトママから散々聞かされましたけど……」

 

「壁抜けを伝授したのは俺の母さんで、父さんはドゥエリスト兼デュエリストだ。ケツワープだって出来る。

 その事実を踏まえて冷静に考えろ。バグ2人から産まれた息子の俺がマトモだとでも?」

 

「あっ、すっごい納得」

 

 そういう点では、俺は立派に両親の子供である。……いやホント、マジで身体能力が常軌を逸してるんだよ。それこそニンジャみたいな事が出来るくらいに。壁走り?余裕。水の上を走る?やろうと思えば。空中で身を捻って攻撃を躱す、相手の攻撃の上を走るetc…etc…

 周囲は魔力さえ有れば、とか言っているが、俺としては寧ろ無くて良かったとさえ思っている。有ると絶対調子に乗ってた。

 

 バグからはバグしか産まれないんだ、という事を俺が証明したカタチだ。

 

「だからクリスが気に病む事は何も無いんだ」

 

「此処で喜ぶべきなのは、観測機とシュウさんが同列だった事では?」

 

 良く分かってるじゃないかアインハルト。流石はチームナカジマのリーダーだ!

 

「や め て く だ さ い」

 

「あれ、声に出してた?」

 

「夫の考える事を妻が読み取るのは当然の事ですから」

 

「おいィ?ちょっとアインハルトさん、なに雌の顔してシュウさんに擦り寄ってんですか?」

 

 左からアインハルトが、それに対抗するように右からヴィヴィオが、それぞれ抱き付いてきた。今は2人とも大人モード(片方は必要なのか大いに疑問だが)なので、身体のスタイルがヤバい。青少年のなんかが危ない感じだ。

 

「おい2人とも。今が非常事態だって分かってんのか?」

 

「非常事態だからこそ、普段通りの行動をして平静を保つんですよ」

 

「だからシュウさん、キスしましょう」

 

「アインハルトはともかく、ヴィヴィオは意味不明すぎない?」

 

 だからそんなに顔を近付けるなって。あっこら、やめ……




おまけ

「フーちゃん?急に包丁なんか研いでどうしたの?」

「作者の奴を血祭りにするんじゃ……あのウサギ、わしの話を書くたびにボツにして別の話を完成させやがって。偶には本腰入れてわしの話を完成させろよ!」

「えっと……落ち着いて、ね?」

「リンネには分からんやろなぁ!リメイク前でも二話も貰えとったリンネには、一話も無くリメイクされて、それでもなお話が用意されない、わしの気持ちは……分からんやろ……?」

「そ、そんな事は……」

「正直に、言って、良いんじゃよ?」

「ごめん、分からない」

「ちくしょー‼︎」
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