無限の龍と無神臓   作:超人類DX

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一話一話にイャコラ入れんと気が済まなくなってる……。

すんませんです。


複雑な立場になる男

 神を叩き潰した挙げ句、あろうことかそのままケタケタ笑いながら下水道に投げ捨てた事により、無視できない力を持ち、無限の龍神(ウロボロスドラゴン)と共に居る人間――つまり一誠の存在が徐々に人為らざる存在達の間に広まっているその頃……。

 

 

「旧魔王派達が一斉に行方不明となったと今朝俺の下に情報として入ってきたんだが……絶対お前だよな?」

 

「アイス喰ってたら襲撃してきたんだよ。正当防衛だ」

 

「いえ別に責めているつもりはありませんからね?」

 

 

 それまでその日を怠惰に、液体の様に蕩けてダラけた人生から、オーフィスに対する借り返しの為に覚悟の人生へと変化させることにより、異常なる進化を遂げている兵藤一誠は、先日の旧魔王派撲滅運動により英雄派以外の禍の団(カオスブリケード)に所属する面々からも『消される恐怖』を抱かれているのも何のその状態で、英雄派アジトで曹操達から軽い質問責めを食らっていた。

 

 既に禍の団(カオスブリケード)は一誠というオーフィス直属の始末屋とも言える人間の出現と、一大勢力とも言えた旧魔王派の壊滅に伴い、数による戦力が大幅に削られており、オーフィスの力を利用して思い通りに世界を動かしてやろうと考えて加入した旧魔王派以外の面子もたった一人の人間による一大派閥の殲滅に恐怖して逃げ出し同然の脱退が跡を断たなくなってしまい、更に戦力面はズタズタになっていた。

 

 

「旧魔王派をお前が壊滅させた事により、奴等と似た思考を持って加入していた面子がこぞって逃げ出してしまったんだ。

まあ、逃げ出した面子がお前一人の戦闘力に到底及ばない訳だし、正直な所足手まといが自分から消えてくれて楽なんだが……」

 

「問題はこの事実を他の勢力が把握しているという面です。

最悪、この弱体化を機と考える輩が突いてくる可能性が……」

 

「ふーん、別に俺は壊滅でもしてくれて結構だがな。

手間が省けるし」

 

 

 実際の所、多数の戦力が逃げてしまって組織としては弱体化したものの、ジークフリートの言った様な『勝機到来』という考える勢力は皆無だったりする。

 オーフィス自身の存在もそうだが、何より今の時点で一誠が居るのだ。

 下手につついてオーディンやロキの様な末路は送りたいと思う輩は流石に居ない。

 

 が、組織としての弱体化は否定できない事実でもあり、ここ最近になって『一誠は特に此方から何もしなければ普通にロリコンを必死こいて否定する少年』なんだと理解したジークフリート以下メンバーは、初めの頃と比べてよそよそしさは残るものの、話し掛けられるまでにはメンタル面が回復しており、今もジークフリートの言葉に対して一誠は10年以上前に発売された携帯ゲーム機の画面に視線を向けながら、適当過ぎる生返事だ。

 

 

「それに来るなら来るで良いじゃん。

寧ろ解りやすく『危険だからお前を殺す』とでも言ってきてくれた方が、俺としても躊躇いもなくひっぱたいてから肥溜めに頭から落としてやるわ」

 

「普通に殺されるより嫌すぎる仕打ちだなそれ。人間にそんな事をされた連中のプライドはズタズタ必至だな」

 

 

 ピコピコとゲームをしながら真顔で言い切る一誠に曹操も苦笑いだった。

 世界広しと云えど、神だなんだを殴って下水道に投げ捨てられる人間は一誠しか居ないだろうと思うと、心強さが半端なかった。

 

 

「さてと……そろそろ俺は帰るぞ」

 

「む、まだ早くないか?」

 

「いや、ヴァーリの親父さんが家に来るんでね」

 

 

 性格と性癖を除けば、曹操にとってまさに理想系とも云える男がやる気をちょっと出しただけでコレなのだ。

 曹操もこれを機にほぼ壊滅と形だけの組織になりつつある禍の団(カオスブリケード)を掌握しなければと、ジークフリート達に向かって『これキミ達も暇になったらやってみろよ』とゲーム機とソフト数本を配りながら帰っていった一誠を見つめながら改めて決意した。

 

 

「……………。って、俺にはゲーム機をくれないのか一誠よ……?」

 

 

 然り気無く自分だけハブられた事にちょっと傷つきつつ……だが。

 

 

 

 

 北欧の主神を半殺しにした挙げ句下水道に投げ捨てた。

 …………。いや、あくまでヴァーリから聞いた話だし多少の脚色が混じってない? とか思ってしまう俺は多分正常な思考回路をしていると思うが、この前ヴァーリを間に挟んだ一対一の対談の結果何とか同盟を組むことになった子供……兵藤一誠ならやりかねないと思えてしまう。

 

 

「はぁ、オーディンの傷を何とかして欲しいと?」

 

「おう……ぶっちゃけあの爺さんがお前に何を言ったからあんな哀れな姿になったのかは知らないが、あの爺さんが動けなくなると困るんだよ……」

 

 

 だからこそ俺は自分が今一番運が良いと思えて仕方ない。

 サーゼクスとミカエルとの会談の時に一番尖った真似をしたというのに、ヴァーリが間を取り持ってくれたお陰でこうして頼みごとをする間柄にすらなれたんだからよ。

 

 

「ヴァーリの親父さんからの頼みなら断る訳にはいきませんね。分かりました」

 

「助かる」

 

 

 後でヴァーリに聞いた話だが、兵藤一誠は俺がヴァーリの育ての親だから同盟を組んだらしい。

 親を目の前で殺され、自分だけが生き残ってしまった。

 ヴァーリに似た境遇を持ち、無くしてしまったからこそ親を大事にという考えを持つ。

 

 

「あの、ところでそこの強そうな方は……?」

 

「あ、悪い紹介が遅れたな。

コイツはウチん所の幹部のバラキエルで、サーゼクスの妹の女王の父親だ」

 

「バラキエルだ。キミの噂はかねがね……」

 

「あ、ども」

 

 

 皮肉だよな。

 徹底的に関係が壊滅している父娘が居れば、親の為に人を越えて復讐するまでになる兵藤一誠みたいな奴も居る。

 俺も正直ヴァーリにどう思われているのは解らないし自信は無いが、連れてきたバラキエル共々ちょっと複雑だ。

 

 

「サーゼクスの妹の女王……っていうと、あの悪魔さん達の事で――あ、思い出した。熱々のお茶を頭からぶっかけてくれた先輩さんか」

 

「なっ!? む、娘はそんなことを……!?」

 

「いや誤解した言い方でしたわ。アレは普通に事故ですし俺も特にどうとも思ってませんよ。

そっか……あの先輩さんのお父ちゃん、か」

 

 

 親の愛情を途中で剥奪された兵藤一誠が、何処と無く羨ましがる様な眼差しで自分の娘のやらかしに焦るバラキエルを見つめているもんだから、バラキエルは途端に罰が悪そうに目を逸らす。

 

 

「い、いや……娘とはもう何年も会ってなくてね……」

 

「コイツの父娘関係はちょっと複雑なんだ」

 

「……」

 

 

 娘から殺意すら向けられてるなんて言える訳もないバラキエルをフォローすると、兵藤一誠は少しだけ頬を目元をピクリと動かした。

 

 

「そっすか……まあ、堕天使のお父ちゃんが居るのに悪魔として生きてる辺り、かなり複雑そうなのは察します。

……。月並みですが、仲直りできると良いですね」

 

「う、うむ……」

 

 

 ますます萎縮してしまうバラキエル。

 考えてみたらこんな言葉を掛けて貰うなんてほぼ無かったからな。

 加えて一歩間違えたら敵対寸前だった相手からの言葉だからさしものバラキエルもどうしたら良いのかわかんないんだろう……厳つい顔なのに借りてきたペットみたいに大人しくなっちまってら。

 

 

「取り敢えず話を戻すぞ兵藤。

近い内に移動式寝たきりベッドで再起不能のオーディンの爺さんとその護衛を一緒に連れてくるから……ま、頼むぜ?」

 

「わっかりました……。

けど治した途端殺しに来た場合、今度は動けなくしてから溶鉱炉に捨てるんでそこんところだけは了承してくださいね?」

 

「わかってるよ。というかあの爺さんの様子を聞くに、最早お前さんに余計な事を言うつもりも無いみたいだし、そこは大丈夫だ」

 

 

 だからこそというか、あくまで勝手な予想ではあるが、一緒だったらしいオーフィスの為に強引な手段も辞さない姿勢なんだなと今更ながら納得した俺は、帰ったらヴァーリを遊びにでも誘うかと考えるのだった。

 

 

 

 何かどんどん複雑な立ち位置に追い込まれてる気がしてならないのは何故なんだ?

 いや元を辿れば全部自業自得になるし、ある程度覚悟してたから良いんだけどよ。

 

 

「えぇ……? またっすか?」

 

「一応嫌だという話をして魔王様は了承したのですが、どうも最近現体制派の我々に宣戦布告をしてきた旧魔王派の方々が一人残らず謎の失踪を遂げてしまいましてね。……………身に覚えはありますよね?」

 

 

 堕天使に神に曹操達と来てお次は特に関わるつもりも無かった悪魔と来たもんだ。

 ったく、アザゼルさんとのお話が終わってからの暫くは適当に遊んでようと思ってたのに、俺をわざわざ訪ねて冥界に帰省中の筈だったひんぬー会長から聞かされた話からして、プールギャルナンパは諦めた方が良さそうだ。

 

 

「……………」

 

「………。何か?」

 

「別に……」

 

 

 加えてさっきまでかき氷食ってご機嫌だった筈のオーフィスが、このひんぬー会長の訪問の瞬間から、顔には出してないものの不機嫌になるし、面倒で仕方ないぜ。

 

 

「話を戻しますとですね兵藤君。魔王様含めた悪魔の上層部は、北欧神話の主神を捻り潰したアナタが旧魔王派を消したと思っており、その事について直接話を伺いたいと考えているみたいです」

 

「みたいですって……他人事みたいな言い方っすね。つーか、しばらく見ない内にクールキャラになったつもりっすか?」

 

 

 ジーッと『さっさと帰ってくれオーラ』を放ちながらひんぬー会長を見ているオーフィスに対してドライな態度を終始崩さずに話す姿を目の前にする俺は、違和感を感じて止まないし、どうもこの前の時と比べると『雰囲気そのものが変化している』気がする。

 

 

「……。アレっすか?

貧乳というアドバンテージに屈してヤケクソにでもなりました?」

 

「……………………。別にそんなんじゃありません。

ただ、アナタの子供じみた嫌がらせに目くじらを立て続ける程私は子供ではないんです」

 

 

 試しにコンプレックスを刺激しても、シラーッとした返しをする会長さん。

 どうやら自分は俺より大人なんだと主張したいらしいが、貧乳というワードが出た瞬間、頬がピクリと痙攣したのがバレバレなんで、単純に背伸びがしたいだけなんだと内心確信し――

 

 

「そう思うならさっさと用件だけ言って帰れ。

一誠はお前に構ってるほど暇じゃない」

 

 

 ――つつ笑いそうになっていたその瞬間、それまで会長さんをジーッと見ていただけのオーフィスが突如、かなり珍しい刺のある言い方をしながら帰れと言い出した。

 

 

「一誠より弱いお前が子供と見下して優越感に浸りたいのであれば勝手に一人でやれ。

ただし一誠と我の視界外で」

 

「世界最強の龍と吟われた無限の龍神(ウロボロスドラゴン)様が何故私の様な小娘に焦っているのやら……」

 

「焦ってない。ただ、一誠の力を知った途端手のひらを返すその態度が気に入らないだけ。

どうせ何をしようが、今の一誠には誰も届かないし、誰も一誠は縛れない」

 

「過大評価なんだけどそれ……」

 

 

 え、何これ? 前々からオーフィスは何でか眼鏡会長を気にくわないと言ってたけど、まさか此処まで露骨に嫌ってるとは思わないというか、ある意味此処まで気にされてる会長さんは快挙だぞ。

 というか俺の呟き無視っすか。

 

 

「そうですか……。一誠君は会うつもりがないと伝える事にして、アナタの言う通りさっさと退散しましょう」

 

「……。お前、気安く一誠を名前で呼ぶな。お前が呼ぶとムカムカする」

 

「何故アナタに彼の呼び方を規制されなくては? それこそ個人の自由でしょう? 例え話、一誠君から私に『惚れたので結婚してください』と言わせるために動こうが、アナタには無関係じゃありませんか」

 

 

 ね? と此処で俺に笑いかけてきた会長さん。

 やっぱり精神の在り方に変化があるなコレ。

 でなけりゃここまでオーフィス相手に言葉でとはいえ食い下がれるわけ無いし……マジでどうしたんだ?

 

 

「男でも見つけて貫通式でも済ませたんすか? 色々と変わりすぎなんすけ――」

 

「純潔は守ってますし、そんなヒトも居ません」

 

「――ど……あ、はいそっすか」

 

 

 冗談を真顔で返されちまった。

 やべぇ、ちょっと強かになってるせいか、このままへし折って逆に泣かせたくなってきたんだけど。

 

 

「一誠。やっぱり我コイツ嫌い。

一誠を見る目が気に食わない」

 

「何がだよ? いやまあ確かにこの前とまるで違う目をしてるけし、今更貧乳という発言権なんて無い様な奴が何を大物ぶってんだよ……とは思うがよ」

 

「貧乳は関係ないでしょう……? 私を貧乳と思うならいっそ一誠くんが以前提案した様に、触って大きくしてくださいよ」

 

「黙れ雌。一誠の冗談を真に受けるな」

 

 

 ただまあ、貧乳連呼してればその仮面もアッサリ剥がれるだろうがよ。

 さっきから無理しすぎて表情が固くなってるし……。

 

 

 

 ムカムカする。

 帰りはしたものの、一誠を見るその目は終始我と似ていてムカムカする。

 

 

「なーに怒ってんだよオーフィス」

 

「別に怒ってなんか無い。

我があんな雌に思うことなんて何もない」

 

 

 ……。これは嘘だ。

 一誠と年齢が近い雌だからと我は心配。

 もしも一誠があの雌のもとに行ってしまったらと、考えただけで胸がチクチクする。

 

 

「あの貧乳会長は俺に仕返しがしたいってだけだろ。

そもそもオーフィスが考えてる様な事を思われるほど親しかった訳じゃねーし」

 

「でも……」

 

「大丈夫だっつーの。ほれ、暇だから子作り系統以外のもんなら何か聞いてやるから機嫌直せって」

 

 

 だから我はもっと一誠から離れないように頑張らないといけない。

 最早我は一誠無しでは生きる意味が無いくらいに、一誠が好きだから。

 

 

「じゃあこの本の雌が雄にしてるみたいにしたい」

 

「ん、エロ本じゃねーみたいだが……何だ、膝枕だ?」

 

「そう……ポカポカ出来そうだから一誠にしてあげたい」

 

「オメーの固い膝じゃ首とか痛めそうなんだが……まあ今日だけだぜ?」

 

「ん、じゃあおいで一誠……」

 

 

 あんな雌なんかに取られてたまるか。

 一誠は我の……そして我は一誠のモノ。

 

 

「―――と、思ってたけど意外な事にしっくり来るなお前の膝」

 

「良かった。それならもう暫くこのまま」

 

 

 渡さない。

 一誠に付いたあの雌の匂いを我は塗り替えながら、本に出ている雌が雄にしてあげる……膝枕をしながら我は眠そうな目をする、大きくなった一誠の頭を撫でる。

 

 

「つーかこんな真似するからロリコン呼ばわりされるんだろうか……。

でもなぁ……お前の腹は調度良い温さで良いし、眠くなる匂いで落ち着くし……なんかこうしたくなるし……」

 

「んっ……! くすぐったい」

 

 

 我の膝に頭を乗せてた一誠が横を向きながら我の身体に腕を回して抱き締めながらもぞもぞと我のお腹に顔を埋め始める。

 それはとてもくすぐったくて、何より何時もよりムズムズして……。

 

 

「くー……くー……」

 

「はぁ、はぁ……っ……ん……。

苦しいよ一誠……ムズムズが酷くて一誠が欲しいよ……」

 

 

 一誠と一緒が良いと殆ど人の身体になった我は、もどかしさと寂しさで震える身を誤魔化すように、我のムズムズする箇所を寝息で刺激する意地悪な一誠を抱き締めながら言った。

 

 

「飽きるなんて……絶対に無いよ一誠……」

 

 

 永遠に我と一緒に居て欲しい気持ちを……。

 

 

「だから誰にも一誠は渡さない」

 

 

 




補足

オーディンとロキは仲良く下水道にから流れて流れて流れて流れて流れて流れて流れて……回収されました。

その際、おじいちゃんは……アイツやべーわとロリコン呼ばわりは二度としないと誓い、ロキさんはやり返す気満々です。
 ただおじいちゃんは復活フラグをアザゼルさんのお陰で得られましたが、ロキさんは……うん。


その3
ソーナさんはクールぶってますけど、普通に変わってません。
ただ、完全に一誠とついでにオーフィスたんに対する恐怖は消えてるだけです。

ひんぬー呼ばわりして何度かキレ掛かかってますけど。


その4
こんな事をしてもまだロリコンじゃないと本人は言い張る。

膝枕されて、安心しきって、オーフィスたんのプニプニお腹に顔埋めてもぞもぞやってムズムズ箇所を寝息で刺激しても本人は……


『それでも私はロリコンじゃない(ショチョー)』


との事です。
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