無限の龍と無神臓   作:超人類DX

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ぶっちゃけ、完全に被害者な彼女達の勇気回。


無限と無神と悪魔達

 オーフィスとつるんでると、何故かロリコン呼ばわりされる。

 見た目がそうだからなんだろうが、アイツの見た目今のところ小学生を卒業する寸前かそれ以下くらいの出で立ちだしそこまでロリって訳でも―――――あ、ごめんあるかもしれん。

 アイツの行動は一々幼いしな……中身は遥か昔から生きてる龍神なのに。

 

 

「え、お前の親父と会うのか? 俺が?」

 

「あぁ、真意が解らないのであれば、もう一度直接会って話をすれば良いとアザゼルがな」

 

「ふーん?」

 

 

 自称――いやもう曹操で良いや。

 その曹操の部下共とやらと少し遊んでから更に数日。

 『向かって来るならぶちのめす』というスタンスを基本的なスタイルにしてるので、自ら進んで突撃をかます真似は三勢力の会談以来やらない事にしていて、微妙に暇な俺は、夏休みに入ったせいで余計に暇を持て余してしまってりしていた。

 

 そんな折、何時ものように朝のニュースを見ながら目玉焼きトーストをオーフィスとかじっていたら白龍皇コゾー……そう、ヴァーリとやらが訪ねて来て、取り敢えず水道水を出してやった俺にこの前戦った中の一人である堕天使のトップと会ってくれという話を持ち込まれた。

 

 

「真意をどうしても、改めて聞きたいだそうだ。

どうする? 嫌なら俺が断っておくが……」

 

「別に良いよ。お前の親父だしな」

 

 

 チビチビと自作のベーコンエッグトーストをかじってTVを見てるオーフィスを横目に、俺は別に構わんと遠慮した面のヴァーリに会うことを了承した。

 すると何でか知らないが、ヴァーリは面を喰らった顔だった。

 

 

「え、良いのか?」

 

 

 どうやら俺がわざわざ動く事がかなり意外らしい。

 水道水なのにガボガボ飲んでは『あ、おかわりをくれ』と空のコップを寄越して来るヴァーリに俺は頷く。

 

 

「無駄な殺り合いが消えればそれに越したことは無いし、相手はオメーの親父なんだろ?

…………。まあ、ぶっちゃけ俺も知り合いの親と殺し合いはな……」

 

 

 そもそも恨みがあるって訳じゃない。

 単純に横でチビチビと呑気に牛乳飲んでるチビ助に吹っ掛けられている、訳のわからん風評を消し飛ばすためにやってるだけだ。

 前に奴等に言った通り、お話し合いで解って貰えるならそれに越したことは無いのだ。

 だから俺はヴァーリとやらの話に応じるのだ。俺自身のロイヤティな人生の為にな。 

 

 

「な、ならアザゼルに伝えておくよ」

 

「おう……あの後ろが黒で前が金髪の悪そうなオッサンだろ? 設定日時はそちら様にお任せ致しますとでもいっとけ。あ、でも今日急にっても無理だからな?」

 

「それはいくら俺でも解るさ。任せろ……ふぅ」

 

 

 ……………。別の団体にも同じ話を持ち掛けられて、今日会う約束があったりする事実があるってのは、まあコイツに言ってもしょうがないから黙っておこう。

 

 

「オーフィス、口拭け口」

 

「ん……」

 

「で、今日は戦ってくれるのか?」

 

「これから用事があるからヤだ」

 

 

 

 

 どうすれば良いか。

 それは私にも、そしてリアスにだって解らない。

 けど……それでも私達は確かめなければならない。

 

 

「ごめんくださーい」

 

「…………」

 

 

 兵藤一誠の真意と意思を。

 その為に私とリアスは意を決して彼との対談を申し込んだ。

 心に植え付けられた恐怖心を押し殺し、彼という人間を相手に……。

 

 

「よ、うこそ……いらっしゃいました」

 

「我等悪魔はアナタ方を歓迎致します」

 

 

 これは決して上層部からの命令ではない。

 人としての範疇を遥かに越えた人間の出現を、直接見ていない上層部達の過半数が懐疑的な為、これはこの地を任されたリアスと私が相談して決めた、崖っぷちの大勝負。

 これに負ければ文字通り破滅。

 その覚悟を持って私達は彼に――スケベなだけだとその時まで思い込んでいた人であって人でない兵藤一誠との話し合いが始まる。

 

 

「……? え、何でそんなかしこまり口調?」

 

「………………。全員の心、我と一誠に怯えている」

 

『っ……!?』

 

 

 場所は駒王学園・旧校舎会議室。

 本来なら持ちかけた私達が彼のもとへと出向くのが礼なのだけど、意外にもそれを断って逆に出向いてくれたのが彼と――長い黒髪と黒い真珠を思わせる無機質な瞳の少女……否、無限の龍神(ウロボロスドラゴン)だった。

 曰く、自分の家に『他人』の匂いが混ざるのが無限の龍神(ウロボロスドラゴン)は嫌いらしく、こうして出向いて貰ったという訳です。

 

 

「あぁ、恐怖ね……はいはい」

 

 

 念入りにリアスと話し合い、気を害する行動や言動に細心の注意を払い、出来る限りのおもてなしをする。

 眷属達にもよく言い聞かせてたのだが、早速無限の龍神(ウロボロスドラゴン)に我等の内面を見透かされ、言葉に出されて大きく動揺してしまった姿を兵藤君に見られてしまった様で、彼は私達に対して『無関心』だと言わんばかりの顔をしながら小さく鼻を鳴らした。

 

 出だしから大きく転んでしまった……私達の心の中は早くも焦りに苛まれた。

 

 

「そこまでビビられるとは思わなかったが、仕方無いか……ここ座って良いっすか?」

 

「ぅ……ど、どうぞ」

 

「い、今お茶を出すわね?」

 

「……………………」

 

 

 並んだテーブルを挟んだ向こう側に並んで座った兵藤君と無限の龍神。

 この前まで何にも感じないと思ってたのに、たった一度その力を見せ付けられただけで完全に腰が引けてしまっている私達は、誰も座ろうとせずその場に立ち尽くしながら室内をキョロキョロしている二人を見つめる。

 

 

「…………。え、座んないんすか?」

 

「え、す、座っていいの?」

 

 

 そんな私達を不審そうな表情で座らないのかと問う兵藤君に、思わずといった顔で良いのかと逆に聞くリアス。

 招いたのは此方なのに、完全に立場が逆転してしまっている感が凄いけど、一つ一つの行動のミスで全滅してしまうという恐怖が常に背後に付いているせいで何時もの態度が出来ない。

 

 

「いや、寧ろ座んないと俺等が何か変じゃないすか。座んないなら俺とコイツも立ってましょうか?」

 

「……………」

 

 

 兵藤君のこの言葉に私達は慌てて席につく。

 眷属数人が既に顔を真っ青にしながら小さく震えているのを感じるし、無限の龍神もその様子を見て無機質な表情を段々『不快』そうに歪め始めている……様な気がした。

 

 

「怖がるぐらいなら最初から呼ぶべきじゃなかった。イッセーの力を知った途端手の平を返すお前達が我は気にくわ―――痛い」

 

「あーすんませーん。このアホは基本スルーしちゃってもオーケーっす」

 

『!?』

 

「ウ、無限の龍神(ウロボロスドラゴン)をの頭をひっぱたいた……」

 

 

 段々と目付きが鋭くなっていく無限の龍神の頭を叩いて黙らせた兵藤君。

 スルーしろなんて言ったが、世界最強と吟われた龍神をひっぱたいて黙らせる姿を見せ付けられた時点で更に緊張をしてしまう訳で……。

 

 

「お、おまたせ致しました。お、お口に合うかどうか分かりませんが……」

 

「あ、どうも――――どわっちゃあ!?」

 

 

 それ以上に最悪だったのが、リアスの女王・姫島さんが隠せない恐怖を抱えたまま何とかお茶を入れ、彼に出そうとした時だ。

 余りにも恐怖と緊張で色々と一杯一杯だったのだろう……あろうことか煎れたばかりの熱々のお茶を思い切り兵藤君に掛けてしまったのだ。

 

 

「ひぃ!?」

 

「あ、朱乃!!」

 

「あつ!? あっつぅ!? ダチ○ウ倶楽部のコントじゃねーのにあっちぃ!?」

 

「………………………………………。我とイッセーに 喧嘩を売ってる?」

 

「ち、ちちちがっ、違います! そんな事は断じてありませんから!」

 

 

 最悪だ。

 仕方無いこととはいえ、このタイミングで致命的すぎるこのミスに、眷属達はもはや誰一人として恐怖にすくんで動けず、私とリアスはその場にへたり込んで恐怖に顔を歪めている姫島さんのもとへと走り、揃って土下座の勢いで熱さでバタバタと暴れている兵藤君に謝罪する。

 

 

「ごめんなさい! 朱乃に悪気は無かったの! だ、だから……!」

 

「何でもしますから、ど、どうか命だけは……!」

 

 

 情けない。

 恐怖に苛まれているせいでまともな会談も進められない脆弱な精神力の自分が情けない。

 

 急いでタオルを渡し、顔や髪を拭いている兵藤君に死ぬ気で頭を下げながら私は自分の小ささを呪った。

 

 

「……。悪魔式の歓迎ということで納得しますんで、取り敢えずそんな謝んないで貰えます? 逆に嫌です」

 

「は、はい!」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

「う、うぅ……!」

 

「いやだからそんな畏まるなよ。いい加減イラッとすんだけど?」

 

 

 不愉快そうに顔を顰めながら、段々と低くなる声に私達は一斉に口を閉じた。

 泥沼とはまさにこの事……これでは真意を聞き出す已然に、本当に消されてしまうかもしれない。

 

 

「帰ろうイッセー

コイツ等は話にならない」

 

「いや、折角呼んでくれたんだから良いだろもう少し。

オメーはさっきから何焦ってんだよ?」

 

「…………。別に」

 

 

 悪魔だって死への恐怖はある。

 ましてや理解も出来ない力に破壊されて死ぬなんて……怖いと思わないわけがない。

 サーゼクス様と姉・セラフォルーに負わせた『治らない傷』の事もあるし、もしもそんな力を自分達も受けたと想像するだけで……怖い。

 リアスも、眷属達もそれを間近で見せられたから怖い。

 

 

「か、数々のご無礼……お許し頂き感謝致します兵藤殿」

 

「だから別に良いっすよ。

ちぇ、この前まで貧乳言われてガチギレしてたアンタまでそんな態度かよ……」

 

「所詮イッセーの力だけしか見ずに怖がってる雌なんてそんなもの」

 

「…………。だからオメーは何で一々喧嘩腰? らしくねーぞさっきから?」

 

「解んない。

ただ、他の雌達と話すイッセーを見てるとモヤモヤするだけ」

 

 

 でも……それでも私達は逃げるわけにはいかない。

 助かりたいから、では無く……これ以上逃げたくないから。

 

 

「ひ…………は……い」

 

「え?」

「……。そこの雌悪魔、何か言った? 我に対して? それともイッセーに――

 

 

 

 

 

「貧乳はっ! 今っ! 関係ないでしょうがっ!!! そんなに私のコンプレックスを刺激するのが楽しいの!?」

 

「!?」

 

「………………………。へぇ?」

 

 

 何より彼は……どこまで言っても問題児学生なんだから。

 

 

 

「へぇ? へー?」

 

「な、なんですか?」

 

 

 いきなり熱々のお茶ぶっかけられるわ、特に直接何をした訳じゃないのに怯えられるわで、もう帰ってしまおうかと思ったが……くくく。

 

 

「良いぜ良いぜ……クックックックッ!

生徒会長さんはこうじゃなくっちゃなぁ?」

 

 

 それまで及び腰だった悪魔の集団さん達の中で、精神を一人持ち直した生徒会長さんを見て、帰る気分を自分の中で撤回した。

 あの時みたいにちょっと涙目と真っ赤な顔で憤慨する表情は……俺にとって『おっぱい力たったの2の実はじゃじゃ馬な生徒会長さん』なんだから。

 

 

「帰ろうと思ったけど気が変わりましたわ。

良いでしょう……アンタ等のしたい話を心行くまでしましょう?」

 

「ぐっ……じょ、上等ですよ」

 

 

 ひんぬーとバカにされたのがトリガーだったのか、俺にとっては何時もの彼女に戻ってくれたようで、キッとした目付きで俺を睨むと、お茶を出してくれた二大お姉様ともう一人のお姉様のポカンとした表情を背に生徒会長さんは言った。

 

 

「まず一つ。アナタは何がしたいんですか?」

 

 

 生徒会長に聞こえない様に小さく『やっぱりこの雌悪魔だけは嫌だ』と意味の分からない事を呟いているオーフィスは無視し、ギラギラと吹っ切った様な目で俺の目的を問うて来る生徒会長さんに、何故かワクワクする気分だ。

 

 

「あの時も言ったけど、良い暮らしがしたい。

良い女抱いて、良い家住んで、良いカイエン乗り回したい。

だが、それと平行して何故か此処に来てから機嫌の悪いオーフィスとオーフィスが対真なる赤龍神帝(アポカリュウスドラゴン)用に考え無しに作った禍の団(カオスブリケード)の名前を使って似非テロ行為をしようとするバカ共を捻り潰し、コイツに掛かった笑えない風評をこの世から完全に消す」

 

 

 だから俺はその礼に応えるつもりで、本当の事を知りたがってる真意を伝える。

 ヴァーリの親父もそうだが、好き好んで敵を量産するつもりはそんなに無いからな。

 

 

「……。それが本当だと仮定しましょう」

 

「いやいやマジですぜ? 信じてくださいよ~ ひんぬーかいちょー」

 

「貧乳言うな!! 黙って聞く!! 次の質問は、魔王様二人に負わせた傷がどんな手を施しても治らない理由と、治療法です!」

 

 

 貧乳というワードを出す度に良い反応をしてくれる会長さんに、やはりオーフィスとでは味わえない会話濃度だなぁ……と内心ニヤニヤしっぱなしの俺は、ぷんすかと聞いてきた次の質問に対しても応えるつもりで口を開く。

 

 

「そういやあの時は壊神モードで戦ったんだっけか?」

 

「壊神もーど? それは一体……?」

 

「詳しくは企業秘密って事で勘弁して欲しいですが、『治し方』ならありますよ? まぁ、これも俺か対抗策を自力で発見したオーフィスにしか出来ないけど」

 

「「!?」」

 

 スキルについて詳しくバカ正直に教えるつもりも無いので、そこら辺を適当に濁しながら治し方はあるとだけ伝えると、会長さん……それから唖然と会長さんの態度急変の様子を見ていた紅髪おっぱい先輩の顔色が変わった。

 ……。どうやらこの前戦った魔王二人の傷の治し方の方が知りたかったらしい。

 まあ、治ろうがどうなろうが俺にとっても何の痛手にもならんし、素直に教えとこう。

 

 

「信じる信じないはアンタ等に任せる上で言いますよ?

治し方で最も簡単で手軽なのが……この杭と釘をその魔王二人の身の何処でも良いからぶっ刺すだけです」

 

 

 破壊の余波すら蔑ろに出来る、幻実逃否(リアリティーエスケープ)の一部を使う事をね。

 

 

「っ!? な、なんですかこの大きな杭と釘は……?」

 

「な、何でしょう……何か禍々しい気配を感じるような……」

 

「詳しくは言いませんよ、別に仲良しこよししてませんし俺とアンタ等は。

兎に角あの魔王二人を治したかったら、説得してそれを身体にぶっ刺してください……信じる信じないはアンタ等に委ねます」

 

 

 教えた所で理解してくれないだろうしな……と内心呟きながら言うと、見ていた――確か下僕? の悪魔さん達共々息を飲む会長さんとオカ研の部長さん。

 敢えて信じろと売り込む真似もしない……信じられなかったら将来もしかしたら全ての悪魔種族と敵対してしまうかもしれないけど、そうなったらそうなったで……覚悟して戦うまでだしね。

 

 

「…………。最後に一つ、良いですか?」

 

「何でしょう? 答えられる範囲であるなら何でも答えますよ」

 

 

 懐疑的な顔でテーブルの上に置いた人の腕サイズの釘と杭に向けていた一足早く視線を外し、再び俺を見つめた会長さんは言った。

 

 

「……………。無限の龍神に掛かった風評を払拭する以外、何もしないんですね?」

 

「アンタ等が俺とコイツを邪魔に思って殺しに来ない限りはな」

 

 

 不安そうに揺れる瞳で問う会長さんに、俺は何時もヴァーリや曹操に言われるヘラヘラした笑みをしながらオーフィスの頭に手を置きつつ返す。

 判断はあくまで悪魔に委ねるし、先制攻撃も敢えて譲ってやる。

 

 それでもし俺達を排除しようとするのであれば……

 

 

「正当防衛を吟うつもりは無いけど、攻撃されて黙っていられる質じゃないんでね。

もし殺しに来るのであれば全力で迎え撃つさ。――『無限に進化する異常性(アブノーマル)』と『現実を否定して夢へと螺子曲げる過負荷(マイナス)』というたった二つのちっぽけな一人の人間の精神力から生まれた、神器とは別の能力(スキル)でな」

 

 

 俺は殺すよ。例え同じ学園に通う先輩だろうが同級生だろうが……。

 

 

「ス、スキル?」

「な、何よそれ? そんな力……聞いたこともない」

 

 

 ………………。あ、しまったつい口が滑っちゃった。完全に訳解んないって顔しちゃったよオーフィス以外の全員が。

 だがまあ詳しく言わなければ良い話だし、良いか別に。前に三勢力トップの面子にも似た啖呵切ったし。

 

 

 

 

 

 

 むかむかする……なんで?

 我の胸の中はモヤモヤだ。

 

 

「……………。はぁ、この調子で今度はヴァーリの親父か……果たして上手く行くのかねー?」

 

「……………」

 

 

 悪魔との話し合いも終わり、我はイッセーに背負われながら家に帰ってる。

 しかしイッセーの身体にはあの悪魔の雌の匂いが付いてて、我のもやもやは背負われてるのに晴れない。

 

 

「…………」

 

「おーいオーフィス? 何時まで機嫌悪いんだよ?」

 

「……………。あの眼鏡の雌の匂いがイッセーの身体に多く残ってる。それが我はどうしても嫌だ」

 

「あ? ……………。別にしねーじゃん。てか接触もしてねーし」

 

 

 イッセーが買ってきた……漫画という読み物にあった。

 男が契りを交わした女じゃない女と番をしたお話で、契りを交わした女が激怒したお話だったんだけど、我の気持ちはその契りを交わした女の気持ちかもしれない。

 

「する。あの眼鏡の雌悪魔は他の雌と何か違う。そのままにしてたら我の脅威になりかねない」

 

「はぁ? お前の脅威って相当だぞ? そんな風には見えなかったけどな……」

 

「強さって意味じゃない……取られるって意味」

 

 

 あの漫画の雌と我は違う。

 我はイッセーを他の雌と交尾なんて絶対にさせない。

 する前にその雌は消す……。

 

 

「取られるだぁ? あー……そういうことね。

あのさオーフィスよ? あの会長さんは俺の事なんてどうとも思ってねーよ、精々化け物か小生意気なクソガキ程度にしか思ってねーさ」

 

「………」

 

「つーかそもそも、何でお前は俺の女気取り? そこが意味不明だわ」

 

「だって我はイッセーが大好き。

イッセーと同じになりたいからこの身も単なる擬態じゃなくて、ほぼ人の雌に近付けた身体に変化させた」

 

 

 最初はその力に惹かれただけかもしれない。

 けれど今は違う。

 何時だってイッセーは我と一緒に居てくれ、我が儘を言っても見捨てなかった。

 どんなに叩いてきても、最後の最後は笑いながら我の頭を撫でてくれた。

 だから、我は――

 

 

「一緒にずっと居たい……他の雌のもとに行かないで……イッセー……」

 

 

 ずっと……静寂よりもずっとイッセーの傍に居たい。

 

 

「お前らしくもない弱っちぃ声なんぞ出しやがって。

はいはい、考えとくぜ我が儘アホ龍……」

 

「じゃあ帰ったら他の雌の匂いを消す為に我と交尾しよ? イッセーが押し入れに隠してた漫画の雄と雌はそうやって仲直りしてた」

 

「てめっ、またかコラ! 何か途中ページがシワシワになってたかと思ってたら……! 高かったんだぞアレ!」

 

「ん……読んでたらまたムズムズしてきて、気付いたら本がビショビショになってた。だから『我は悪くない。』」

 

「うっせこのバカ! 悲しい気分で廃棄処分した俺の身にもなれバーカ!!!」

 

 

 それが初めて抱いた我の願い……。




補足

一足早くソーナさんが吹っ切ったお陰でギリギリ何とかなりましたね。

まぁ、こっから良好なご関係を築くかは不明ですが。

……しかしまあ、そこまで貧乳でも無い…いやあるか。
つーか周りがデカすぎなんだよ。


その2

お気付きでしょうか……このイッセーくんが巨乳さんを前にして騒がなくなっていることを。


つまりそれはオーフィスたんクオリティでろ、ロリ――(誰かのドス黒い血で閲覧不可)


最後。
ベッドから押し入れの奥に隠した大人の漫画をわざわざ引っ張り出してまで読んだオーフィスたんはまた余計な知識を得ちゃいした。
しかも本はビショビショにしちゃってます…………ビショビショ理由は不明です。絶対に不明ったら不明。
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