無限の龍と無神臓   作:超人類DX

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ほのぼの……か?
そして、なんかちょいエロ……か?

※誤字だらけだったんで、やり直しました。


要らん知識ばかり吸収してる無限と誤解される無神

 『信じる信じないはアンタ等に委ねます』

 

 魔王様二人に与えた治療不可なダメージの治療方と共に、とても実用的とは思えない大きな釘と杭を残して帰っていった兵藤君に私達は彼が帰った後の旧会議室で大いに話し合った。

 

 

「ソーナはよく吹っ切れたわね、正直に感謝しか無いわ

。アナタが動けなかったら今頃私達は……」

 

「いいえ、こうして冷静になってみると私も色々と一杯一杯でしたから」

 

「で、でも会長は凄かったですよ」

 

 

 テーブルの上に置かれたままの大きな釘と杭を背に、私達はついさっきまで此処に居た、現在最も気を回さなければならない相手、兵藤一誠と無限の龍神(ウロボロスドラゴン)との会合について、緊張の解けてフニャフニャな気持ちとなって、どうすべきかを話し合った。

 結局彼の目的は何度聞いても『オーフィスに吹っ掛けられられた冤罪を完全にこの世から抹殺する』という一点であり、あくまであの二人とこの前会談時に現れた旧魔王派という団体とは無関係だと言い張っている。

 

 恐らくそれは本当なのだろう……。

 でなければあの時旧レヴィアタン共々その軍勢を全滅させる理由が無いし、現に私達は今無事でいる。

 

 誰も傷付ける事もしない、お茶を引っ掛けられても別に良いと簡単に許した。

 彼は確かに説明のつかない力を持っているのかもしれないが、決して快楽殺人鬼じゃない。

 

 

『あ、最後に一つ。

どっかのバカは貧乳が希少価値だステータスだとほざいてるが、端から見たら言葉で誤魔化してるだけの負け惜しみだと俺は思う……じゃ、あでゆー』

 

 

 …………。あくまで貧乳とバカにしてくる態度はムカつくけど、あの時魔王様やセラフのトップと堕天使総督と戦ったときに口にした『話し合えばわかってくれそうじゃん』という皮肉にも聞こえたあの言葉は真実だった……。

 私は先程のやり取りでそれを端的に感じ取れた……気がした。

 

 

「わ、私はお茶を掛けてしまって……。こ、殺されるかと……」

 

「多分彼はヘラヘラ笑って許したと思いますよ。姫島さんは『彼にとって』お好みの方ですので」

 

「え? ………あ、そういうことか。

そういえばコカビエルとの戦いの時も私の姿を見て大はしゃぎしてたっけ」

 

「そういう事。

あの男はどこまで言ってもスケベで、人の胸の大きさでしか判断しない差別主義者なんですよ……!」

 

 

 ただ、吹っ切れた私以外の他全員は、やはり彼に対しての恐怖を拭えない様だ。

 まあ、私も直前まで怖がってたのでリアス達の事を言える身分じゃない事は自覚しているし、問題は彼から教えられた治療できない傷の治療方が本当かどうかだ。

 

 

「冥界に一度帰って魔王様に今日あった事を伝えましょう。

ちょうど若手悪魔の会合がありましたし、その時に今日の事を説明して……」

 

「そうね……取り敢えずこの釘と杭は保管しましょう。

で、誰か触れられる勇気はある?」

 

『………』

 

 

 最後の最後に彼が溢した言葉。

 『自身を無限に進化させる異常性(アブノーマル)と現実を否定して夢へと螺子曲げる過負荷(マイナス)』という言葉が本当だとしたら、それは人としての領域を遥かに超越した力を持っている事他ならない。

 

 

「まだ怯えてるのですか?

いえ、私も同じでしたから言えませんが、今はもう彼の言葉を私達で解釈しなければならないのですよ?」

 

「そ、そうだけど……。

今して思えばソーナが居なかったら本当にどうなっていたか……」

 

「コカビエルの時と会談の時の兵藤がこびりついててどうしても……すいません」

 

 

 そもそも無限の龍神(ウロボロスドラゴン)と共に居る時点で只の人間じゃないことは確かだと私は思う。

 だけど、それだからと云って怯えているだけでは何にもならない。

 あの時、ギリギリの状況で兵藤君に挑発されることで吹っ切れる事が出来た今ならそれが解る。

 

 

「悔しいですがリアス。私よりアナタの方があのドスケベの受けが良いと思いますし大丈夫だわ。

……………。あー思い出したらムカムカしてきた」

 

 

 どんなに弱かろうが、彼相手に絶対退くな。

 それが私が抱いた恐怖の払拭。

 

 

「良いでしょう、それなら保管用の封印も施す事無く私がその杭と釘を預かります。

もし魔王様に報告する前に何かあれば……その時は覚悟します」

 

 

 どうも負けたく無いのよ……彼には。

 

 

 

 

 これは前にも説明したと思うけど、決して俺はオーフィスより強いという訳じゃない。

 つーか普通に戦ってみると負け越す事が多いくらいだ。

 

 それは自身の無限の力を只振るうだけの戦い方をしなくなったから……てのもあるが、何よりコイツの恐ろしい所は俺の無神臓の一部を模倣してるが如く進化をし続けているからだ。

 そうなれば素のスペックで劣る俺にはどうしようもない。

 

 幻実逃否(マイナス)と壊神モードをフル使用で漸く五分と五分だが、最近は壊神モードを見て学習したせいで通用しなくなってきている。

 

 

「餓鬼の頃に一時期完全に追い抜けたと思ったのに……」

 

 

 思えば、ガン付けたなんて訳の解らん理由で襲い掛かってきたグレートレッドの片目を潰して逃げ仰せた時辺りはオーフィスをも完全に越えたと確信できたのに、このチビ助はそれから学習することを覚えたせいで、更に強くなりやがった。

 お陰で父さんと母さんを殺しやがったクズ野郎を捻り殺して以来平和ボケしちまった俺は、最近めっきり勝てなくなっちまった。

 

 

「イッセーの力もまた進化してる。

正直、最後のアレを喰らっていたら負けてたのは我」

 

「ケッ、当たんなきゃ意味ねーよ」

 

 

 全力で戦う勘を忘れないためにと頻繁に行われるオーフィス相手の鍛練。

 結局何処まで行っても俺にはこれしか無く、絶対に言わないつもりだがオーフィス(コイツ)にだけは弱っちぃ姿を晒したくないからこそ、何処だか解らん空間で常に全力を出して鍛えてる。

 異常と過負荷の力だけを過信するつもりは無いのだ。

 

 

「ヴァーリの親父と会うのは1週間後となった訳だが、それまで何をしてるかな。

ナンパって気分に最近は何でかならんし、曹操からがめた500万でパーッと遊ぶ気にもならんし……うーん」

 

「我はイッセーにくっついているだけで良いから、このままでもかまわない」

 

 

 鍛練も終わり、家に戻ってきた俺は、嫌がるオーフィスを無理矢理押さえ付けながらの軽いシャワーを浴びてスッキリした後、風呂上がりのハーゲ〇ダッツを揃って楽しみながら1週間後の第二会談までの時間をどうするかとボーッとしながら考えていた。

 

 

「犬耳付けてみろよ?」

 

「ん、わかった」

 

 

 結果、特技としていつの間にか習得していたオーフィスの変身能力で暇を潰すことにした。

 俺のマイナスとオーフィスの擬態能力を掛け合わせた結果生まれた完全な変身能力は、オーフィスを龍という種族から『ほぼ人間』にまで肉体を変化させる事が可能になったとかで、その特技を応用すれば簡易コスプレが可能になるのだ。

 ……………。よっぽど暇なんだなとかは言わんでくれ。こういう時に限ってバカ共来ないのが悪いんだ。

 

 

「よーし、それじゃあ何処ぞの漫画みたいに語尾に『わん』を付けて話してみろ」

 

「我、ご主人様が大好きだ……わん。だから交尾がしたいわん」

 

「いやご主人様は要らねぇし……。つーか何処でそんな言葉を覚えた?」

 

 

 凄いボーッとしたツラで言われた事以上な事を言うオーフィス。

 ご主人様なんて余程そっちの知識無しじゃ言うはずも無いのにコイツは抑揚の無い声とツラで言いやがったその仕入れ先が地味に気になるんだが……。

 

 

「何時もと同じ。

イッセーが読んでる漫画に、雌が好きな雄に対して言ってたのを思い出した」

 

「は? ……。あぁ、元浜と松田のどっちかから借りパクしたエロ漫画か……ハァ」

 

 

 このチビ、勝手に俺のエロ本コレクションを読み漁って碌でもない知識ばっか吸収しやがるせいで、変な方向に進んでる気がしてる――いやしてる。

 別に読みたければ読めば良いし、くだらん知識を勝手に付ければ良いとは思う。思うのだが、最近はそういう訳にもいかなくなってきた。

 

 

「読んでたらまた本をビショビショにしちゃった」

 

「…………」

 

 

 何で? と聞きたくないので絶対に聞かんが、コイツ……高確率で読んだエロ本を駄目にしやがるんだ。

 主に俺が外に出払ってる間にオーフィスは押し入れから引っ張り出して読んでいるみたいだが、そのせいで何冊も廃棄処分にしたか、最早両手で数えるのもアホらしい。

 

 

「ぽかぽかするよイッセー」

 

「知るか。一々生々しい報告なんざ要らんわ」

 

 

 今だって意味深に自分の下腹部抑えながら徐々に目を潤ませてほざくもんだから、思わずひっぱたいてやろうかと思ってしまったくらいだ。

 

 

「ん……ぁ……ごめんイッセー

イッセーに買って履いてるぱんつなんだけど、こうしてイッセーに見つめられてると思うとココがムズムズした後にぱんつがびしょびし――」

 

「もう良いから何も言わずに黙って風呂に入ってくれ……」

 

 

 挙げ句の果てにはこのオチだ。

 本を汚して反省しないどころか何故か嬉しそうに笑みなんざ浮かべてほざきやがる。

 昔はもっと無表情で口数も少ない奴だったのに、10年以上つるんでると変わるもんだわ……と内心呆れて良いやら何やらの気分で、勝手に一人頬なんざ一丁前に染めながら要らん報告を受けた俺は、オーフィスの首根っこを掴んで風呂場に投げ捨てに行くのだった。

 

 

 

 

「む……お前は確かヴァーリだったな?」

 

「そういうキミは曹操……」

 

 

 考えてみれば不思議なもんだ。

 片や堕天使付きのハーフ悪魔。片や禍の団・英雄派。

 本来なら敵対する筈の陣営に居る筈が、こうして出会しても敵意を向け合う事無く居る。

 

 

「一誠に用か?」

 

「そうだが、そう言えばアンタは禍の団だったな。

キミに一応言っておくよ、堕天使総督アザゼルが一誠と対談を行う」

 

「ほぉ? それで?」

 

「もし上手く行ったら、アザゼルは一誠と同盟を望んでいる。

もしそうなった場合――」

 

「ふっ、そんな事か。

心配しなくても俺達英雄派は一誠を仲間にするのが目的だ。

もし総督殿が一誠と同盟を組もうが変わらない。そもそもアイツは誰と同盟になろうがその在り方を変えないと思うが?」

 

「はは、それもそうだな」

 

 

 堕天使――いや総督アザゼルはある意味英断だな。

 普通、堕天使もそうだが人では決して越えられない力を持つ種族――それもトップがどうであれ一人の人間相手に同盟を求めるなんて判断はそうそう出来やしない。

 それを思えばこのヴァーリが口にしたアザゼルは確かに有能だ。

 まあ、俺も友人の友人がある日突然敵になりましたなんて事になったら流石に目覚めが悪いしな。

 

 ……………。我ながら甘い性格だ。

 

 

「出来ればキミとも戦いたいな。原初の神滅具の力は是非味わってみたい」

 

「フッ、それは光栄で是非受けてやる――と言いたいが今は無理だ。一誠の家の近くで暴れたら……わかるだろ?」

 

「ま、まぁ……うん」

 

 

 だがそれで良い。

 甘いとバカにされようが、俺は人間だ。

 情があるから人間なのだ……だから俺はその甘さを抱えたまま強くなって見せるさ。

 嘗て最後まで俺を本当の意味で殺さずに居てくれたアイツみたいに……。

 

 

『洗えってんだ!!』

 

『やー!!!』

 

 

 人間である以上、いや人間の可能性を示してくれたアイツの領域に何時か俺も……。

 改めて自分の目標に決意を固めた瞬間だった。

 一誠の家の扉の前までヴァーリと一緒に行き、同じてつは踏まんとチャイムのボタンを押そうとした手を伸ばしたその時、部屋の中から一誠の怒声と――無限の龍神ことオーフィスの嫌がる声が扉の横の小窓から聞こえた。

 

 

「?」

 

「??」

 

 

 何だ? と思わずヴァーリと顔を見合わせて首を傾げるが、中から聞こえるのは一誠の怒声とオーフィスの嫌がる声が絶えま無く聞こえるだけで答えは分からない。

 どうも一誠がオーフィスに対して何かを強要している様だが……。

 

 

「! お、おい、勝手に入ったらこの前みたいにボコボコに……」

 

「三度はチャイムを鳴らんしたんだ……た、多分大丈夫だぞ」

 

「そんな顔をしながら言っても説得力が……おい!?」

 

 

 正直地味に気になってしまう訳で。

 チャイムを何度も鳴らしたのに出ないのが悪いのであって、俺は悪くない……と自分でも一体誰に言い訳してるのか訳が分からなくなりながら、通い慣れた一誠の部屋の中へと入る。

 

 

『や、やめてイッセー……痛いからやだ……!』

 

『痛いもクソもあるか! 俺がルールじゃボケ!』

 

 

「浴室からだな」

 

「ああ……何をしてるんだ?」

 

 

 涙声に聞こえるオーフィスに、暴君みたいに乱暴な言葉遣いをしている一誠の声に、俺とヴァーリは中で何が? とますます気になってしまった。

 というか一緒に風呂って……やっぱりロリコンじゃないかとか、本人には言えない気持ちを抱きつつ覚悟を決めた俺は、ヴァーリと共にままよと浴室の扉を開けると……。

 

 

「捕まえた……! 覚悟しろよオーフィスゥ……!」

 

「ひっ!? やだ! やだ! やーだー!!」

 

「散々手こずらせてくれた礼だぜ。泣いても絶対に止めてやんねーぜ! ケケケケケケケケ!」

 

 

 

「「………」」

 

 

 そこに居たのは、裸のオーフィスをタイルの壁に細い手首を掴みながら追い込んでいる…………どう見ても一誠が犯罪者にしか見えない光景だった。

 

 

「我、他の事なら何でもするからアレだけはやめてイッセー……」

 

「黙れ。駄目なもんは駄目だ――あ?」

 

「「っ!?」」

 

 

 オーフィスに対して興味ないとか言っておきながら、裏ではこれかよ!?

 恐らくヴァーリも似た事を考えてるのだろう、唖然としながら隠れることを放棄していたら――

 

 

「ひっく……ひっく……」

 

「……………………………。何も考えず、居間で黙って待ってろ」

 

 

 俺達と目が合い、数秒の沈黙の後、自分のしている事が見られたというのに何故か不気味な程冷静に居間で待ってろとだけ言う一誠。

 それに逆らうと何をされるか解らんと瞬時に危機本能が働いた俺達は黙って壊れた人形の様に首を縦に振ると、自分でも驚く速度で居間へと走り、その場に正座した。

 

 

「や、やばい……こ、殺されるっ!」

 

「だ、だから俺は言ったんだ! 勝手に入るべきじゃないと!」

 

「なっ!?

お、お前だって結局は入ることに反対しなかっただろう! 俺一人のせいに――」

 

 

 ドルルゥゥゥゥン!!

 

 

 互いに罪を擦り付けあっていた俺とヴァーリの耳に入る車のエンジン音の様な音にビクッと震えながら居間から見える浴室へ視線を向ける。

 ドッドッドッドッ……という規則的な音に物凄い嫌な予感しかしない訳だが…………。

 

 

 ギュオォォォォン!!

 

 

「ヒャハハハハ!!!!!」

 

「「いっ!?」」

 

 

 その予感は大当たりだった。

 だって……狂気の顔に支配された一誠が、何の為に買ったのか解らんチェーンソーを振り上げながら俺とヴァーリに向かって突撃してきたのだから……。

 

 

「ちょっと脳みそかっさばいて記憶消させろよぉ……! どうせ本当の事言っても信じねぇんだろぉぉ!!?」

 

「し、信じる! 俺は信じるからやめてくれ!」

 

「そ、そうだぞ一誠! 別にお前がロリコンでも俺は仲間になって欲しいと――」

 

「そ、曹操のバカ野郎!! 違うだろうが!!」

 

「やっぱり死ねぃ!!!」

 

「ぎぇぇっ!?!?」

 

 

 ……。俺は思った。

 別にロリコンでも良いじゃないか……何をそこまで否定したがるんだ。

 それに相手はオーフィスだし、厳密には違うし……そこまで隠さなくても――

 

 

「ミンチにしてやるれぇ……!」

 

「ろ、呂律が回らなくなるほどキレてる……。や、ヤバイ処じゃないぞ……くそ、アルビオン!!」

 

『……。自信なんか無いぞ俺は』

 

「オ、オーフィス! て、手伝ってくれ!」

 

「………。何でイッセーは怒ってるの?」

 

 

 チェーンソーを振り回しながら部屋をメチャクチャにしていく一誠が止まり、真実をオーフィスから聞くまで俺は一誠の性癖に理解を示してるぞと根気よく説得しながら逃げ回るのだった……。




補足

ソーナさんは精神的に持ち直したばかりか、そこから自力で成長する糸をつかめました。
やはり先だってちょいちょい一誠と小競り合いしてたお陰でもありますね。

え、シリーズ初代メインヒロインだから贔屓してる? 何のことかなぁ?

その2
多分……もうオーフィスたんは色々と手遅れかも。
だって……うん、まだ純粋な精神だけマシだけど、鳥猫さんの数あるヒロインさんみたい―――いや、ごめん嘘。


その3
『他人から言われようが思われようが知らん』と言ってる割りには、お二人に誤解されたらジェイソン化してまで記憶消しに躍起になる。

これはつまり……他人とは無意識に思ってないからかもしれない。
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