彼の双眸に映る景色は   作:sophist

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10 補足(蛇足)

 補足的な話として、ヲ級の話をしよう。まず、損傷は艦娘同様入渠で治った。しかし治るのには通常より大分時間がかかった。高速修復材についても同様で幾分効き目が薄かった。完治後この鎮守府に留まるか否かを質問した所、残留の意志を示した。電に恩義を感じているらしく、彼女にはよく懐いている。色々イメチェンしたヲ級は今日も電達と遊んでいる。

 そう、イメチェン。彼女の髪は肩にかかる位の長さまで短くなっており、色は黒色になっている。頭の上の艤装(?)も運良く取り外せたので外した。服装も長袖のシャツにジーパンといったものである。ついでにカラーコンタクト(黒)も着けている。全ては偽装である。ヲ級がヲ級然として鎮守府を歩いていたら隠せるものも隠せない。どうにもならない青白い肌は、少々苦しいがインドアの生活を送っていたからだという事にした。そんなわけで外見はかなり人間に見える様になった。

 蛇足となるが、何故かヲ級は僕に対してだけ未だに警戒心丸出しだ。他の皆とはある程度打ち解け始めているのに。

 

 

 

「それで皆は彼の事どう思うとる?」

「私を頼ってくれて嬉しいわ!」

「不知火は、少なくとも真面目な方だと思います」

「球磨と遊んでくれたクマ。提督は体力が無かったクマ」

「龍驤さんはどう思ってます?」

「そうやなー、変な奴なのは確かやね。ヲ級を迎え入れたのは相当に肝を冷やしたで」

「それは電も驚きました。でも司令官が優しい人で良かったのです」

「私も提督は優しい方だと思います」

「多摩はよく分からないにゃ」

「司令官は隙を見せないですねぇ。青葉の質問も上手く躱されていますし。あ、あと結構賢いですね」

「例のヲ級の時にノーヒントで正解に辿り着いた件やね」

「司令官はこじつけと言っていましたけど、しっかり確証を得ていたんですから侮れませんよ」

「あの時はとても驚いたのです。見透かされてると思ったのです。針のむしろだったのです」

「青葉、他に何か有る?」

「そうですねぇ、色々気になりますよ。他の所の青葉に調べてもらった、海軍のデータベースに有ったのがこれです」

「……ここの家族構成の欄、キリさんが養子となっていますが本当ですか?」

「それは本当だと言っていました。そうそう、話は変わりますが、司令官は五日後に会議で出かけるそうですよ」

「誰と一緒に行くのかしら」

「当日の秘書艦だそうです」

「ということは不知火ですか」

「そういうことやな。ふぁあぁ、もうウチは寝るわ」

「あ、おやすみなさい」

「……しかし、本当にどうしたものですかねぇ。他が全然分からないとは……」

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