朝。ベルの音を鳴らしている目覚まし時計を止め、布団から這いずり出る。時間は六時。ベッドで寝るキリを起こさない様に着替える。昨日の宴会ともいえる歓迎会の記憶を掘り起こしながら、情報を纏める為に紙に文字を連ねる。情報と言っても大袈裟なものではなく、ここで生活する上での規則とか、そんなものだ。数分でそれを終わらせ、僕は部屋から出た。執務室を通り廊下に出た僕は、特にあてもなく歩き始めた。
「司令官、朝よ!起こしに……あれ」
十分ほど意味も無く散策した僕は執務室に戻った。そこには茶髪の少女が椅子に座っていた。その子は僕に気付くと、嬉しそうに喋り始めた。
「おはよう、司令官。どこに行ってたの?」
「特にここといった所は無いよ……雷さん」
電か雷か迷ったけど、どうやら僕は正解を言い当てた様だった。
「雷でいいわ。そろそろ朝食の時間だから行きましょ?」
時計を見ると六時半位だった。そうだね、と言いつつ執務室横の私室に入る。キリは既に起きていて着替えも終えていた。
「あれ、珍しいね。いつもはまだ起きてない時間なのに」
「……雷に起こされた」
朝に弱いキリが起きているのはそういう理由か。
「じゃあ、行こうか」
先頭に雷、次いで僕、最後はキリという順番で歩く。道中、
「司令官、朝食いっしょに食べてもいい?」
と尋ねられたので
「構わないよ」
と答えた。
到着した時には既に龍驤さん、不知火さん、電さん、鳳翔さんが朝食を摂っていた。
「おはよーさん」
「お早うございます、司令」
「お早うございます、司令官さん」
「お早うございます。今用意しますね」
「お早う御座います。あ、大丈夫ですよ、鳳翔さん。自分で並べる事くらいは出来ますから」
僕の為にわざわざ食事を中断する事も無い。鳳翔さんが作ってくれたらしい朝食をテーブルに並べ、椅子に座る。キリは右隣、雷は左隣に着席した。
「頂きます」
僕達は食べ始めた。
「司令官、今日は司令官は何するの?」
「ん? まあ、一通り鎮守府内を見る事かな」
「じゃあ、私が案内してあげるっ」
声を弾ませて提案する雷に、妹の電が追随する。
「い、電も司令官さんを案内したいのです」
僕は味噌汁を飲みながらちらりとその方向に目を向ける。電の隣に座っている不知火(だったっけ)と視線が合う。意を決したかの様に口を開く彼女。
「不知火も同行して良いでしょうか」
「うん。良いよ」
簡潔に許諾の意を伝える。
「ども、皆さん、おはようございますっ」
「お早うクマ」
「お早うにゃ」
残りの三人(うち二人は二日酔いみたいだ)もやって来た所で、僕はこれから何を志向するかを思考し始めた。