俺は現在服を脱いで立たされていた。
……いや。俺たちは、だ。
突然自称監督の女子生徒に
『服を脱げ!』
と言われたので仕方なく脱いだのだが、隣にいた推定190センチ程度の男の前で目を見開いて止まったかと思うと、次は俺の目の前で止まった。
練習メニューを意外とはやくこなせたので1年対2年のミニゲームをやることになった。
ちなみに虹村さんは1年と同じ扱いで行くらしい。
チームは
PG 赤司
SF 虹村
PF 火神
? 黒子
SG モブ1
となったが、正直負ける気がしないな。
虹村さんは帝光を率いていた男だし、火神は本場仕込みの実力者だ。
そして虹村さんに聞いた限りでは黒子は、俺たちとは違った意味でチームへと貢献してきたという話なので期待ができる。
2年チームが哀れになるほどの面子である。
ジャンプボールは火神が持ち前の身長と、ジャンプ力を使ってとった。
ボールが俺の手に渡り、俺はドリブルを付き始めた。
俺のマークについている、確か伊月という先輩が腰を低くして俺の次の動きに備えている。
俺は虹村さんへとアイコンタクトをすると、ゴールへと向けてボールを投げた。
虹村さんはマークについていた先輩を振り切って、ジャンプをしていた。
そして空中でボールを掴むとそのままリングへと叩き付けた。
先輩たちは特に慌てずに、ゲームを再開しようとする。
しかし俺たちはそれぞれのマークマンに密着していて中々パスが出せない。
そしてそのまま5秒が経過してボールは俺たちのものとなった。
虹村さんからボールを受け取り、俺は周りを見た。
先輩たちはパスを警戒してか、いつでもボールをカットできるような距離に立っていて、パスが出せない。
伊月先輩も全力でディフェンスをしてきている。
ディフェンスは決して甘くない。むしろ高校2年生にしては、そこそこだとは思う。
しかし結局はそこそこ止まりである。
俺はドライブで中に切り込むと見せかけて、バックステップで後ろに下がるとスリーポイントラインの遥か後方からボールを放った。
ボールは綺麗な放物線を描き、リングにかすることなく真ん中を通った。
PGがスリーポイントシュートを撃つことはほとんどないと言ってもいい。
なぜなら本職の成功率には決して及ばないからである。
しかし俺は違う。俺の元々のポジションはSGで、アメリカのバスケでも十分通用していた。
兄さんに対抗するためにPGへと転職をしたが、確率は未だに下がることなく、シュートは落としたことはない。
理想のPGとは、パス、ドリブル、シュートができる者のことで、赤司こそまさに理想のPGなのである。